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『バイオハザード レクイエム』「レオンは過去イチで追い詰められ、限界に挑む」。バイオ史上最怖がりのグレースと最強のレオン、ふたりのパートが生む新体験【バイオ9開発インタビュー】

byででお

by堅田ヒカル

更新
『バイオハザード レクイエム』「レオンは過去イチで追い詰められ、限界に挑む」。バイオ史上最怖がりのグレースと最強のレオン、ふたりのパートが生む新体験【バイオ9開発インタビュー】
 2025年12月12日、『バイオハザード レクイエム』の新PV、新情報が公開。本日公開になったサードトレーラーでは『バイオハザード2』などで主人公を務めたレオン・S・ケネディの再登場が明かされ、本作への注目度がより高まっている。

 そんな中、本作のプロデューサー&ディレクターインタビューが実施された。レオン再登場の経緯やどのような役割を担うかなど、さまざまな新情報が明かされたインタビューの模様をお届けしよう。
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熊澤雅登 氏くまざわ まさと

カプコン『バイオハザード レクイエム』プロデューサー(文中は熊澤)。

中西晃史 氏なかにし こうし

カプコン『バイオハザード レクイエム』ディレクター(文中は中西)。

「レオンとグレース、まったく対照的なふたりがどう絡み合うのかがレクイエムの見どころ」

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――新PVではレオンが登場しました。ほかのキャラクターで何か明らかにできる人物はいるでしょうか?

中西
 まず明確にしておきたいのは、本作のプレイアブルキャラクターとして登場するのは、レオンとグレースのふたりです。それ以外の登場キャラクターについては、プレイしてのお楽しみ、ということにしていただければ。

――レオンがチェーンソーで敵を斬っているシーンがありましたが、ほかにもああいった特徴的な武器やアクションがあるのでしょうか。

中西
 グレースは『バイオハザード RE:2』のスタイルになっていて、レオンは『バイオハザード RE:4』のスタイルがベースになっています。なので体術や近接攻撃があります。

 レオンを新作で登場させて作るのが『
バイオ6』以来なんですね。「いい歳を取って、数々の戦いを経た2026年のレオンはどうなっているんだろう?」というのは、今回のひとつ大きなテーマでした。

 「誰かをを救いたい」という感情で戦い続けているレオンですが、うまくいかないときもある。いつまで経ってもバイオテロはなくならないし。そんな、さまざまな経験を経たレオンはどういう心境に行き着くのか、どういう人間になっているのか。また、技術的にも戦闘のテクニックは、
『RE:2』の素人だったころから『RE:4』、『バイオハザード6』と、どんどん熟練していくので、現在どこまで彼が成長したのかを、『RE:4』をベースとした新しい要素で表現しようとしています。
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――「グレースのパートで恐怖を、レオンのパートでは爽快アクションが楽しめる」とのことですが、『バイオハザード4』のアシュリーのようにふたり同時に行動はしない?

中西
 本作は、ストーリーは1本で、レオンパート、グレースパートが進行に応じて変わっていき、その中でふたりが出会い、絡むシーンもあります。バイオ史上最大の怖がりのグレース、また最強のレオン。対照的なふたりがどう絡むかも見どころのひとつかなと思います。

――“エルピス”というものが出てきましたが、これはどういったものですか?

中西
 まず一般的な意味で言うと、“パンドラの箱の底に残っていたもの”がエルピスで、“希望”という解釈が多いんです。

 ですが、一部ではもっと悪いことの象徴であるとか、たいへんな不幸であるとか解釈があります。これはストーリー上の重要な要素になっています。「なぜグレースのお母さんが殺されたのか」という点にもにも絡みますし、いまの段階では詳しく言えませんが、本作のレオンにはひとつ秘密があります。そこにエルピスがストーリー上の重要な意味を持つようになっています。

 ぜひプレイしていくなかでいっしょに秘密を解き明かして行ってくれればなと思います。

――本作は“グレースとレオンのダブル主人公”ということでしょうか。トレーラーでレオンが出てきたとき、安心感がすごくて、グレースがレオンの存在感に食われないかな? とも少し思います。

中西
 はい。ダブル主人公でゲーム内での操作パートもほぼ半分半分くらいになっています。

 そのふたりが絡んでいくのが『バイオハザード レクイエム』の展開です。グレースが好きになってプレイした人もちゃんとグレースのお話を堪能できるし、もちろん、レオンのファンも多いので、その人たちもレオンのお話を堪能できます。

 昔「レオンってホラーに向いてないよね」といって多少バズったんですけど(笑)。先日のTGSで公開したような、化け物にビビりまくるようなシーンはグレースのほうが似合うので、明確な体験の違いというのを出していて、本作の特徴なのですが、ぜんぜんテンションの異なるゲームがふたつ入っているというのは我々としてもチャレンジでした。

 少し不安はありましたが、この高低差、感情の振り回される体験が新しくて。熱いサウナ入って我慢して水風呂入ると気持ちいい……ある意味“整い”ですね(笑)。そういう意味ではこれまでの
『バイオハザード』シリーズにはなかったプレイ体験になっているので、ぜひやってみていただければ。

 シリーズで言うと『
バイオハザード リベレーションズ』の1作目に近いような構成だと思っていただければ。レオンとグレースという対照的なふたりをベストになるように構成しています。

「初めてシリーズをプレイする人でも楽しめる、レオンの魅力とは」

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レオン・S・ケネディ。
――初めてバイオシリーズに興味を持つ人に向けて、レオンという人物の魅力を教えてください。

中西
 単純に言えば、イケメンなんですよね。見た目だけでなく性格的にも。誰かを助けるためであれば危険もいとわない。そういう顔でそんなことを言うのか、というギャップがあります。

熊澤
 物語の中で、お伝えしておくべきことは、レオンの過去をすべて知っていなければならないということはありません。公式サイトにも乗っておりますが、唯一知っておいてほしいのはラクーン事件に関わっている。そのうえで年令を重ねて、今回この事件にどう関わって行くのかというところは楽しめる内容になっています。
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中西
 ひとつ言えるのはイケメンなんですよね。見た目だけではなく性格も。本当に誰かを助けるためでは犠牲はいとわない。そして、それを驕らない。軽口を叩いてひょうひょうとした佇まいでもあるのですが、中には熱い物を持っている。体術・技術も強くて、スキがない奴です。リアルにおったら友だちにはなられへんと思うくらい(笑)。

熊澤
 冗談で「セカンドオピニオン」って言うんですけど、海外の方にも人気で。

中西
 皮肉というかウィットというか、歳を重ねてさらに磨きが掛かっている

熊澤
 とにかくまあ、かっこいいんですよね(笑)。

――レオンのバトル部分が『RE:4』ベースとおっしゃっていましたが、本作では3人称視点のほか主観視点もあるので、こちらはどのような手触りになっているでしょうか。

中西
 そこも我々にとってチャレンジではありました。もちろん、どちらの視点でも遊べるように工夫をしています。今後は2026年1月二予定されているカプコンSHOWCASEでレオンのプレイ動画をお見せできると思います。

――レオンの成長や見た目の変化。ビジュアルはどのような方向性で?

中西
 彼がこれまで背負ってきたものを表現しつつ、そして“イケオジ”であるということですね。配信を見ていて、まさにそのようなコメントが見られたので安心しました。今日はみんなでいい酒が飲めます(笑)。

熊澤
 社内でも、レオンファンの女性スタッフが多いので、すごくツッコミ……いえ、いろいろな意見が来るんです。

中西
 デザイナーががんばってくれましたね。ラクーンシティというのが彼にとっても原点です。じつは『RE:2』以来に帰ってくるので、そこでレオンが何を感じ、どういう行動を取るかもひとつの見どころとなっているかなと思います

レオンが運転する特別なポルシェ

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――今回、そのレオンが運転するポルシェとのコラボが生まれた経緯というのは?

熊澤
 そうそう。PVを見た別のスタッフから、チャットツールで「あのクルマ、ポルシェそっくりですけど(権利的に)大丈夫ですか!?」って連絡が飛んできたりしました(笑)。

熊澤
 レオンの車に合うコラボ先を探している中で、ご快諾いただけたんです。ポルシェ カイエン ターボGTというクルマでコラボしています。

中西
 あれはノーマルじゃなくて少しカスタムしているんだよね?

熊澤
 ポルシェの実際のクルマそのままではなく、本作の世界観にあわせた特別な仕様になっています。どこかで

――『バイオハザード』と言えば、いろいろな乗り物が壊れていきますが、ポルシェは……?

中西
 期待してください(笑)。

熊澤
 いやいや、コラボしてくれなくなっちゃう(笑)。
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レオンのポルシェの行く末、乞うご期待!

レオンとグレースのW主人公がもたらすもの

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――以前、「レオンではガチガチのホラーにはならない」、「ずっとレオンを主人公にしようと考えていた」という発言がありましたが、グレースは後からできたということでしょうか?

中西
 企画が固まる前はそのとおりです。企画がスタートするときにはもう「ふたりの主人公で行こう」というスタートになっていましたね。

 グレースだけで全部を作ったら、めちゃくちゃ怖いんです。でも、レオンパートを緊張と弛緩の“弛緩”として使っているので、プレイヤーも「レオンのパートだ、これでなんとか行ける!」となるような安心感があると思います。それぞれの体験を、ホラーの構成として意識して使っています。

 トータルで「怖いんだけど爽快感がある」という満足感が生まれるような構成にしています。

熊澤
 怖い思いをした後に、気持ちいいパートがあると、爽快感が突き抜ける。逆に、その後にホラーをやったら怖さが増す。そういう相乗効果があると思いますね。

――レオンがハンドガンやチェーンソーでカウンターアクションを決めているように見えましたが?

中西
 レオンの新しいアクションはたくさん用意しています。レオンのパートではより解放できるように、激しく気持ちいいアクションを用意しています。カプコンSHOWCASEで今後お見せしていきたいなと。

――ムービーの中でロゴが出ているのも実際に使える?

中西
 軍用のトマホークなんです。特殊部隊も使っている。投斧ではないんですけど。

熊澤
 レオンのアクションとしてああいう近接アクションも使ったりしますよという。

中西
 最後にもうひとつ言っておきたいのは、“最強”状態になっているレオンですが、本作では過去でいちばん追い詰められることになります。彼の限界に挑む戦いになるというところが重要なところかなと思います。SHOWCASEで2026年1月に出せるのでお楽しみに

中西
 レオンの登場で、皆さんめちゃくちゃ盛り上がってくれてうれしかったです。

熊澤
 レオンを入れてよかったです。次回、2026年1月のSHOWCASEでもまたお見せできると思いますので、お楽しみに!
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