
カプコンブースでは、2026年発売予定のプレイステーション5(PS5)、Xbox Series X|S、Steam向けソフト『プラグマタ』を、国内初のプレイアブル出展。拠点となるシェルターを含む試遊で湧いた疑問を¥はじめ、開発コンセプトなど、開発スタッフ陣にさまざまな質問をぶつけてみた。
なお、メディア向け特別バージョンのプレイリポートに関しては、以下をチェックしてほしい。
趙 容煕氏(ちょう よんひ)
『プラグマタ』ディレクター。(文中は趙)
大山直人氏(おおやま なおと)
『プラグマタ』プロデューサー。(文中は大山)
エドソ・エドウィン氏
『プラグマタ』プロデューサー。(文中はエドソ)
川田将央氏(かわた まさちか)
『プラグマタ』プロデューサー。(文中は川田)
企画当初から変わらない、ヒューとディアナの“協力”を描いたゲームコンセプト
そのときに多くのアイデアが出ました。クリーチャーのような敵から、ゴーストみたいな敵の案も出てきて……。いろいろ検討した結果、AIという存在を敵にすることになりました。そこからAIの敵はどういうものなのかを考えつつ、ディアナやヒューといった存在も生まれてきて、形になった感じですね。
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相棒どうしであるヒューとディアナを操作してゲームをプレイをするという基本コンセプトは、もう初期からずっと同じです。
――本作は、若い世代のスタッフ制作であることがアピールされているそうですね。この開発アプローチでのプラスの成果、および苦労した部分をお聞かせください。
一方で、決して若手だけで構成されているわけではなく、実績のあるベテラン開発者のフォローも含まれています。ですから、“若手による作品”というと少し語弊がありますね。
我々プロデューサー陣としても見た目が若いように見えるかもしれませんが、『バイオハザード』シリーズの川田も参加しておりますし、まさしく若手も参加しつつのベテランがサポートしているという構図でイメージいただければなと思います。
彼らに足りていないのは基本的に経験だけで、能力自体は非常に高いスタッフで構成されていると思っております。
大きな失敗もせずにここまで来ていると思います。ここにいる彼らもそうですし、もっと若いスタッフがどんどん上に上がってもらわないと、会社の存続に関して問題も出てきてしまいますので、会社としてもそこをずっと後押ししていきたい体制になっているところです。
ただ、本作でいうと若手中心による開発ではあったものの、みんな長くタイトルを作ってる中で……もう5年以上経ちますから、その中でみんなも経験を積みつつしっかり年を取っていっているのかな、というのが現状ですね。
――本作ではフィールド上に落ちているアイテムを入手し、それらを拠点であるシェルターで消費して強化していくシステムになっています。そういったスタイルのゲームにした狙いをお聞かせください。
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戦略なども含め、(強化要素を)最後まで使わなくなっちゃうこともあるので、いろんな武器やハッキング要素を使って遊べるように、毎回違う体験が得られるように今の形になりました。
各ステージは敵のAIに支配されており、厳しい戦闘もありますが、シェルターではディアナと一緒に過ごせる安心できる空間。それぞれが分かれたゲームサイクルになるように制作していたというのもあって、こういった形に落ち着いています。
――シェルターでのディアナとのコミュニケーションは、どのくらいのバリエーションが用意されているのでしょうか。
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――続いてシェルターのデザインについてお聞きします。周囲の壁に地球の風景っぽいものが映っていたのですが、やはり月面にいるからこそ地球の雰囲気を味わいたいというような、そういった目的なのでしょうか。また、シェルター内の風景はカスタマイズできたりするのでしょうか。
そこから月に地球要素を加えたらどうかというアイデアが出て。シェルター自体も、ただのメカニカルな白い空間ではなく、地球要素を取り入れて、ちょっとカラフルかつ安心感が得られる場所にしようと。
ディアナとの関係や、やり取りの中で、地球要素がどんどん増えていく要素を導入しました。また、カスタマイズとまではいかないかもしれないですが、ゲーム進行に応じて背景が変化していく要素も存在します。
――なるほど。その辺は、実際の月面基地なども研究されてデザインした感じなのでしょうか。
そこで、3Dプリンターを月面でどこまで利用しているのかを調べてみたところ、3Dプリンターによって建物を作る、みたいなプロジェクトが今かなり進んでいるらしくて。これを参考に形を整えていった感じですね。
――武器を強化してシェルターから持ち出そうとしたところ、武器が収められているロッカーがもの凄い数で並んでいたのですが、それだけ多くの武器が用意されているのでしょうか。
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――楽しみにしています! 本作の戦闘は、ハッキングを始めとして敵の攻撃を回避してから射撃など、いろいろな要素が噛み合った形になっていますが、戦闘の設計やバランス調整で意識しているポイントはどこでしょうか。
gamescom(※)の出展タイミングではカジュアル寄りのライトなプレイフィールになっていたかなと思うんですが、今回体験いただいたバージョンはどちらかというと少し歯ごたえ寄りの難易度調整になっています。
――ハッキングによるパズル要素とかもありますから、戦闘面のバランス取りは相当苦労されたのかなと感じました。
ですから、我々にとってはちょっと簡単過ぎるなと難易度を上げると、ほかの人たちには難しいゲームになって、そこでまた難易度を下げると簡単過ぎると言われて。難易度調整にはものすごい時間を使ってようやく今の形になりましたね。
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シェルターでのキャラクター強化要素も大事なんですけど、プレイヤー自身がゲームにどんどん慣れて、パズルが速くなって、回避もうまくなって、という成長を実感してもらえるところ。それこそがゲーム本編を通してずっと楽しんでもらえる要素のひとつですし、開発側としても時間と工夫を詰め込んでいる部分です。
それが社内で大絶賛されて、開発スタッフはだいぶ自信をなくしていましたね(笑)。カプコンには優秀な品質管理部と、そのレビューをする部隊がいるんですが、今はそことも密にやり取りをさせてもらっていまして。かなり客観的な視点での難易度設定ができているのではないかなと思っています。
開発内部だと、どうしても触っているうちにゲームがうまくなっていって、この程度では納得できないとどんどん難易度が上がってしまうんですよ。そんなことはないだろうと自分でも最初は思っていたのですが、触るうちにうまくなって、こんなに簡単で大丈夫か? と不安に感じたこともありましたし。
現状のプレイアブルロムは、お客様に出せるものとしてだいぶいいものに仕上がってきているのではと思います。
ですから、恐らく“慣れ”がとても重要なゲームなのかなと。経験値さえ積めば、誰でも遊べるゲームになっていると思います。
開発チーム(経験者)と初見の人とでは、どうしても感覚のズレが生じてしまうので、そこをしっかり穴埋めできるように、初見の方のフィードバックもかなり重要視しながら作っています。
――ディレクターの趙さんは、元はアーティスト出身とのことですが、今回ディレクターになった経緯をお聞かせください。また、アーティスト出身であることがどのようにゲームに活かされたのか、自身がこだわったゲーム内容や魅力などがあれば教えてください。
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とはいえ、アーティスト業は、あくまでも自分がそのゲームを作る手段としか考えていないんですよ。実際、イラストを描くこと自体にはそこまで興味がなくて、絵を描いてゲームを想像するほうが好きなんです。
ゲームを作ることが自分の中での最終目的になっているので、今ディレクターをしていることもひとつの手段にしかならないのかなとも思っています。
また、本作のディレクターになった経緯ですが、過去アートディレクターとして『バイオハザードRE:3』を担当したときに絵だけではなく、ゲームの遊びや演出など、いろんなところにうるさいぐらい口を出す立場だったんですよ。
そのときにプロデューサーの川田から「だったらお前ちょっとディレクターもやってみろよ」みたいに言われまして(笑)。その流れで『プラグマタ』のディレクターを担当させていただくことになりました。
――デザインやストーリーの演出などで、とくに注目してもらいたいポイントはありますか?
ですから、『プラグマタ』ではそういったジャパニメーションの要素や演出だったり、デザインなどを参考にしたものを積極的に起用しています。
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――今回の試遊では、アイテムが取れそうで取れない場所にあったりで、探索が楽しく感じました。探索要素やマップデザインについてのこだわりがあれば教えてください。
施設に対してディアナがハッキングをして道を切り開いていくのもそうですし、ヒューのスラスター性能を生かして、取れそうで取れない位置まで頑張って登っていくのも、協力表現のひとつになっています。
――探索面でもバディものであることが強調されているのですね。
戦闘だけだとそこが足りなかったので、戦闘以外の部分でふたりの繋がりを感じられる要素をたくさん用意しています。
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――探索後にシェルターへ戻ると、ディアナが道中で出会った敵に対して感想などを言ってくれるのが凄くいいと思いました。