オンラインRPG『ファイナルファンタジーXIV』(FFXIV)の最新大型アップデートとなるパッチ7.3“明日への道標”が、2025年8月5日に公開される。
パッチ7.3シリーズでは、『黄金のレガシー』から続く物語のクライマックスとなる新たなメインクエストをはじめ、『FFXI』とのクロスオーバーコンテンツとなるアライアンスレイド“エコーズ オブ ヴァナ・ディール”第2弾“サンドリア:ザ・セカンドウォーク”、4人で挑むディープダンジョンの新作“ピルグリム・トラバース”など、多数のコンテンツが実装予定だ。
本記事では、来たるパッチ7.3公開に先駆けて、『FFXIV』プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏のインタビューをお届け。新たに追加されるコンテンツの注目ポイントはもちろん、『FFXIV』の今後の展望などをうかがった。
※インタビューは7月上旬に実施。 なお2025年7月24日には、公式放送“第88回プロデューサーレターLIVE”(PLL)も放送済み。実機プレイとともにパッチ7.3の情報が紹介されているので、未視聴の方はトレーラーとあわせてチェックしよう。
吉田直樹 氏(よしだ なおき)
スクウェア・エニックス執行役員 クリエイティブスタジオ3 スタジオヘッド。2010年12月に『ファイナルファンタジーXIV』のプロデューサー兼ディレクターに就任。『ファイナルファンタジーXVI』のプロデューサーも兼任している。文中は吉田。
次回のフォークタワーは複数の難度を用意する予定
――パッチ7.3についてお聞きする前に、少しだけ7.2のコンテンツについてうかがいます。先日行われた第87回PLLでは、“蜃気楼の島 クレセントアイル”と“コスモエクスプローラー”のフィードバックに返答するコーナーが設けられていました。近年のPLLではあれだけのボリュームを割いて回答するケースはなかったかと思いますが、その意図をお聞かせください。
吉田
まずはここ最近、過去最大のレベルで緊急メンテナンスの回数が多くなってしまったことに対して、謝罪をさせてください。これまで『FFXIV』は月額課金で遊んでいただいている中で、「定時メンテナンスはなくし、緊急メンテナンスなどでプレイできなくなる時間も極限まで減らしたい」という思いで10数年運営してきましたが、このような事態になって申し訳ありません。
“超大型のコンテンツをパッチ7.2に寄せる”という流れは、僕が中心になって決めたことだったのですが、実際はうまく対応できなかった面がありました。数ヵ月がかりの大型コンテンツを同時に実装するという流れが初めてだったのもありますし、そもそも膨大な物量に対してスタッフの手が回り切らなかったのです。それに加えて、“コスモエクスプローラー”のベースシステムはかなりの回数作り直しをしており、それに時間を取られてしまいました。
そのしわ寄せがQA(Quality Assurance。品質管理)チームにいき、リリース直前のタイミングで多くのバグが発生した状態になってしまったのです。すぐに目に見える部分は修正したのですが、結果的にフレームや時間単位でトリガーになるバグが残った状態となり、即時対応という形で緊急メンテナンスを挟ませていただきました。
――そういった経緯があったのですね。
吉田
そして“クレセントアイル”の突入問題に関しては、コミュニティでのトラブルが話題になったこともあり、どうしてもPLLで触れなければいけないと考えました。もちろん過去にもPLLの冒頭で、起きた事象に対しての説明の時間を設けることはありましたが、今回は冒頭だけでは絶対に時間が足りない。僕から改めてプレイヤーの皆さんに、“現状の認識”と、“どう改善していくか”を語らないと納得性がないので、あのようにまとまった時間を取らせていただきました。
――昔を遡れば『旧FFXIV』のときのPLLは、あのような形が多かったですよね。今回はそれを思い出しました。
吉田
おっしゃるとおりで、第87回PLLは、ある意味『旧FFXIV』のときと同じような放送になったかもしれません。最近はどうしてもコンテンツの紹介が中心になっていますが、本来はあのような形こそがPLLでした。
――放送内ではプレイヤーのさまざまなフィードバックに対して回答されていましたが、その後の反響などを見て、「ここは言い足りなかった」という部分があれば、この機会にお聞かせください。
吉田
放送内では “コスト”という言葉を使ったのですが、ここは少し説明不足だったと思っています。もちろん、詳しく説明させていただいたとしても「プレイヤーにとっては関係ない」と言われるとそれまでなのですが、どうしても話題に挙がりやすいので、改めて簡潔に説明させていただきます。
現在、『FFXIV』チームは開発関係者だけでも数百人のスタッフがいます。過去から見ても人数はつねに増えていますが、それでも大規模なコンテンツの開発には数パッチぶんの期間を設けないと、どうしてもお客様に提供できるようなレベルにはなりません。それに対して、「だったら、さらにスタッフの数を増やせばいい」と思われるかもしれませんが、実際の開発スピードやクオリティーは単なる人数ではなく、“各セクションのリーダーの数”に依存するのです。
ゲーム開発以外でも、物作りの分野では共通だと思うのですが、我々は技術職なので、センスやスキルレベルなどによって“おもしろいものを作れる人”のヒエラルキーができます。その中でリーダーが生まれるのですが、その数が問題となります。
さらに、これまで自分で物を作りながら部下を管理する“プレイングマネージャー”的な立ち位置だった人が、マネージャーに専念するようになると、途端におもしろいものができあがってこなくなる、ということが往々にしてあります。
――それは……我々の業界でも同じことが言えます。
吉田
ですから人員コストの問題といっても、単純な数の計算ではないのです。QAチームも増員をかける予定なのですが、テスターを増やすだけでなく、“効率よくテストをしてもらう方法や、バグが出る場所を勘案して人員を振り分けできるリーダー”も必要になってくるわけです。
当然この10数年、そういった人を増やす努力はしてきているのですが、簡単に増やせるわけではなく……。ここは、「日本のオンラインゲーム開発者の絶対的な数が足りない」という部分も関係していると思います。
――確かに日本のゲーム業界の中でも“オンラインゲームの開発経験者”は限られます。
吉田
いまは若い人たちが『FFXIV』を遊んでくれたうえで、「『FFXIV』を作りたい!」と言って集まってくれており、そのスタッフたちがすごいスピードで育ってきています。自分たちが作ってきた『FFXIV』によって開発者が増えてきているということは、すごくありがたいことです。
ただ、ここまでの規模のMMORPGを作る主力レベルのスタッフは、世界的に見てもそう多くはありませんので、簡単に人員が増やせるかと言ったら、それはまた別問題です。かといって、もちろん増員を諦めているわけではなく、時間をかけて増やし、育ってもいるのですが、『FFXIV』自体のスケールアップとの競争になってしまっている、というのが現状です。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/48601/a4efdd2f969559e8b1c92e99f32ded48e.jpg?x=767)
――そういったスタッフィングも含めた“コスト”というわけなのですね。
吉田
はい。そういった限られた人員コスト、かつ4ヵ月サイクルという期間の中で、一定以上のクオリティー水準を保ったものを目指さなければなりません。さらに言えば2パッチぶんぐらいの期間で制作する大規模コンテンツの開発も並走しているので、それらをすべてマネージメントしながら、すべての仕様のチェックや実装などをこなす必要があります。あらためて、この部分はプレイヤーの皆さんから「俺たちには関係ない」と言われればそのとおりなのですが、「できないことの理由をキチンとご説明する」というのも、僕が掲げた『FFXIV』の方針でもあるため、とても悩ましく思っています。
――課題として認識はしているものの、すぐにそれを改善するのは難しいですね……。
吉田
もちろんスクウェア・エニックス内では、優先して『FFXIV』チームに人員をアサインしてもらっていて、『FFXIV』だけ別枠でスタッフの採用もさせていただいています。ですから、我こそはと思うプレイヤーの方は、ぜひ応募してきてくれると、たいへんありがたく思います。やはりこれだけ長く積みあがったオンラインタイトルですから、『FFXIV』を知らない人には入っていただきにくい面もあり、プレイヤーの方が一番わかってくださっていることもあって、それが大きなアドバンテージでもあるのです。
――技術レベルが高くても、「『FFXIV』をプレイしたことがない」という人がチームに加わるのは、ハードルが高そうです。
吉田
ほかには海外の開発者の方からも「働きたい」というお声をいただくのですが、その場合は日本語の壁も大きいです。やはり日本国内で開発を進めているタイトルですと、日本語を覚えてもらう必要があり、そこも難しい問題ではあります。
――7.2のフィードバックに関してもう1点だけ質問を。“クレセントアイル”では、48人で島に突入するシステムが先行実装されましたが、プレイヤーからのフィードバックを受けて、この先はどのような形で展開していく予定なのでしょうか。
吉田
突入に関してはすでに先行投入させていただいていて、つぎにやろうとしているのは、突入後にインスタンスを一定時間、そのメンバーだけで保有できる仕組みを導入しようと思っています。ほかにも、フォークタワー入場のための起動証の投入枚数に関しては、すべてを表示するとプレイヤー間のトラブルにもつながってしまう可能性があるため、何枚投入されていて、自分は当確状態なのかがわかるような仕組みも入れる予定です。その段階でギミックの調整まで行うかは、まだ議論中です。
もともと“クレセントアイル”では、ナレッジレベルとともにサポートジョブのレベルを上げ、専用アクションの使い心地を試してもらい、ハードコアな方々が早期攻略を目指してフォークタワーに挑み、その攻略法が伝播していって徐々にクリアー率が高まる、という流れを想定していました。
ところが、その入り口部分があまりにも複雑で歪だったので、早期攻略勢も突入するのがたいへんという状態になってしまいました。よって、まずはもともと想定していた形に戻すための調整をいったん入れて、そのうえで難度の調整も検討していきたいと考えています。
――もともとの想定としては、もっとカジュアルに遊ぶ方々も含めて、挑戦およびクリアーできるものだったのでしょうか?
吉田
フォークタワーは、じつは攻略が確立しているなら24人でクリアーできる前提で作っており、残りの24人はフォローしてもらいながらでもクリアーを目指せる想定でした。ただ、連帯責任となるギミックもあったため、そこは調整不足だったなと……。
ですから、それを本来目指していた形に調整していくのが7.3の方針です。また、つぎのフォークタワーも開発中で、こちらは今回のフィードバックを受けて、最初からそれらを加味した状態で実装予定です。複数の難易度で作ってほしいというご意見もいただいているので、そこはなんとしても達成しようと思い、開発チームががんばってくれています。
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メインクエストでは光の戦士の“英雄としての旅路”が見え始める
――では、いよいよパッチ7.3についてうかがっていきます。まず、 “明日への道標”というパッチタイトルと、板鼻利幸さん(※)が手掛けられたパッチアートのコンセプトをお聞かせください。
※スクウェア・エニックス所属のアーティスト。さまざまな作品のキャラクターデザインを手掛ける。代表作は『FFIX』、『チョコボの不思議なダンジョン』シリーズ、『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』シリーズなど。![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/48601/a2de40e0d504f583cda7465979f958a98.jpg?x=767)
吉田
『黄金のレガシー』は、これまで“光の戦士の夏休み”と表現させていただいていましたが、いったん光の戦士が英雄として新たに歩み始める前に、次世代の若者たちが自分の進む路を模索しているところを見守りながら、ときには手助けをして……という物語を描いてきました。
そのうえで今回の7.3では、ラマチ(ウクラマト)たちをはじめ、“それぞれのキャラクターの道が定まる”ことがテーマになっており、だからこそパッチタイトルを“明日への道標”にしています。この道標は、“カリュクスが何を目指しているか”も表していますし、光の戦士自身の今後にもかかってきます。ふたたび光の戦士が英雄として立ち上がらないといけない理由が、今後徐々に見えてくると思います。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/48601/a135007e7085979a7d5b41ce54c0e54d7.jpg?x=767)
――光の戦士の夏休みが終わるわけですね。
吉田
“夏休みの終わり”と言ってしまうと、なんだか急に憂鬱な気分になりますね(苦笑)。ともあれ、つぎの英雄の旅路が見え始めるのではないでしょうか。
また、重要なキャラクターとしてはスフェーンもそうですね。スフェーンは本人の意思とは関係なく、数百年前に眠らされていて、自分では死んだと思っていたのに、突然復活させられた状態になっています。かたや、その記憶から作られたスフェーンは、数百年もの間、想いを抱えて自分なりに一生懸命スフェーンとして生きてきたわけです。
このふたりのスフェーンは原初世界と鏡像世界の関係と似たようなもので、もとはいっしょなのです。そして7.3では、ふたりが歩んできた路がどう交わり、最終的にスフェーンがどのような路を進んでいくのか……といったところも描き切れていると思います。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/48601/afac4ef5554f69012fe38d2f1d4e245a6.jpg?x=767)
――7.xで展開したストーリーの中で、重要なテーマになる”永久人“の存在に関しても、決着が描かれるのでしょうか?
吉田
今回の物語に出てくる永久人については、ソリューション・ナインの人たちがそれをどう捉えるかという点で、いったんの決着を迎えます。ただ、「人の在りかた」、「人はわかり合えるのか」といったものは永遠のテーマでもあると思っており、『FFXIV』のつぎの物語の流れの中でも中核の要素になっています。
ここは『新生エオルゼア』から『暁月のフィナーレ』までの物語もそうだったように、徐々に紡いでいく部分だと思っています。7.xでは「人の記憶が保存されている場合、それは“生きている”ということになるのか?」ということを問うていますが、“人が生きることの意味”については、この先もそれとは違う形で描いていく予定です。
――違うやりかたで同じテーマが見え隠れしてくる……といったイメージでしょうか。
吉田
そうですね、この“違うやりかた”というのは、今後に関わってくる部分なので、今回はここまでとさせてください……。
――非常に気になりますね……。ちなみに、新たな討滅戦はパッチの公開まで伏せられるとのことですが、こちらはメインクエストのラスボス的な存在となるのでしょうか?
吉田
はい。やはりバトルがないと盛り上がりを作れないですし、キャラクターたちがそれぞれの路を進むにしても、障害を乗り越えてこそだと思うので、最後の試練として立ちはだかります。7.3のパッチアートは、そういったテーマも含めて板鼻に描いてもらいました。ちなみに、社内でもいろいろと動きがありまして、板鼻はいまクリエイティブスタジオ3(CS3)所属になりました。
――そうなのですね!
吉田
板鼻はもともとヒカセンでもあったので、以前から「いつでも描くよ」と言ってくれていたのですが、部署をまたぐといろいろと手続きも必要で……。それがCS3所属になったことで、いまはすごく頼みやすくなりましたね(笑)。
――その成果の第1号となるのが、今回のパッチアートというわけですね。
吉田
今回、最初にラフを3~4案描いてもらって、そこからシナリオの意図を汲んでキャラクターの配置や向きを調整して、いまのパッチアートに仕上げてくれましたが、すごくいいものになったと思います。スフェーン自体のデザインも板鼻が担当しているのです。スフェーンや今回に限らず、今後は板鼻が描くパッチアートも増えるかもしれませんね。
――板鼻さんがスフェーンのデザインもされていたことも驚きました。
吉田
『黄金のレガシー』には『FFIX』オマージュの要素も強かったので、『FFIX』のキャラクターデザイナーである板鼻に描いてもらうのがいちばんスッキリするだろう、ということでお願いをしました。結果的に、すごくいいデザインに仕上げてくれたと思います。ちなみに、衣替え後のスフェーンも板鼻です。さすがのデザインでたいへん好評です!
“サンドリア:ザ・セカンドウォーク”には四神やカムラナートが登場!
――7.3では“エコーズ オブ ヴァナ・ディール”の第2弾“サンドリア:ザ・セカンドウォーク”が実装されます。7月24日に放送される第88回PLLでの実機プレイでは、おそらく1体目のボスが披露されると予想しているのですが……どういった敵と戦えるのでしょうか?
吉田
1体目のボスは、ズバリ“四神” (※)がテーマです。さらに、これは第88回PLLで言うかは未定なのですが、ひとつのバトルで4つの大きく異なるタイムラインを用意しています。
※『FFXI』のトゥー・リア地方に登場するNM(ノートリアスモンスター)である、Seiryu(青龍)、Byakko(白虎)、Suzaku(朱雀)、Genbu(玄武)のこと。さらにこの4体がドロップする印章をトリガーにして、Kirin(麒麟)に挑むことができる。――なんと! 四神ということは、それらを束ねる存在のKirinとも戦うのでしょうか?
吉田
はい。最初のボスの本体はKirinなのですが、その前段階ですべての四神を登場させようとすると戦闘時間が長くなってしまうので、バトルごとに4つのタイムラインからランダムで抽選され、四神のうちの2体と戦う形になっています。
――なるほど。くり返し遊ぶことですべてのボスと戦うことができるということですね。
吉田
そうです。最初に挑んだときは朱雀が出てきたけれど、つぎに挑んだときは白虎が出てきた、といったイメージですね。ここはこれまでにない、新たなバトルの形にチャレンジさせていただいています。
※第88回PLLでは、1:12:00部分でKirinが登場するシーンが公開された。――ちなみに7.1で公開されたシナリオでは「彼の世界で栄華を築いた“古代人”の王族」というキーワードが登場します。『FFXI』プレイヤーなら「古代ジラート人であるカムラナートが出てくるのでは?」と予想できるのですが、こちらに関してはいかがでしょう?
吉田
皆さんの予想しているとおり、カムラナート(Kam'lanaut)(※)が登場します。さらにその兄弟についても、ちゃんと皆さんのご期待に沿えるようになっているかなと思います。
※『FFXI』において大公としてジュノを治める人物。兄弟としてエルドナーシュ(Eald'narche)も登場。この兄弟はとある秘密を抱えているが……。詳細は『FFXI』の『ジラートの幻影』のストーリーで語られるので、実際にプレイしてみてほしい。![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/48601/ae4bde0eb46b8f32ef4b4207f5344b4d4.jpg?x=767)
――おお、やはり!
吉田
ここまで話すと、「ほかのバトルではどんな敵と戦うのか?」と気になる方もいらっしゃると思います。ヒントは、「よくこんなところから持ってきたな」です(笑)。これは2体の敵と同時に戦うバトルなのですが……。これ以上は実際に遊んでみて確かめていただけるとうれしいです。
――まったく想像できません……(笑)。
吉田
と言いつつ、パッチトレーラーに入っているような気が(笑)。
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インタビュー後に公開されたパッチ7.3トレーラーでは、『FFXI』の中でも屈指の強敵であるOmega(オメガ)、Ultima(アルテマ)らしき敵と戦うシーンが!
吉田
なお、『FFXI』は歴史も長く、コンテンツ量も膨大で、そのひとつひとつに皆さんの想いが詰まっています。レイドダンジョンでそれを全部つなげて整合性を取るのは、ボリューム的に不可能に近いです。
ですから“エコーズ オブ ヴァナ・ディール”では、サレージャがエレクトロープを使って“エコーズの残滓”をつぎつぎと展開し、最強の王を作ろうとしているという物語を描いています。設定上、レイドダンジョンの中では、サレージャが再現したものを独立したワンシーンとして登場させていて、個々のシーンのつながりかたに整合性がなくとも、そのひとつひとつの思い出を熱く語れるようにしています。
とはいえ、エリアのつながりかたが不自然すぎると、ただつなげただけに見えてしまいます。“『FFXI』のオールスターが登場”という意気込みで作っていますが、どうやってそれをうまくダンジョンとして落とし込むかは、すごく苦心して挑戦しています。
――第1弾の“ジュノ:ザ・ファーストウォーク”のときも「こうくるか!」という作りになっていたので、第2弾の“サンドリア:ザ・セカンドウォーク”もすごく楽しみです。
吉田
第1弾はレイドダンジョンとしての導入だったこともあり、あまり不自然さはなかったかと思います。ただ、第2弾でさらに多彩な要素のオンパレードになると『FFXI』をプレイされていない方が置いてきぼりになってしまうので、そこをどうやって落ち着かせるかはすごく重要だと思っています。エリアの風景やエピソード、そしてバトルギミックなど、つながりやニュアンスはすごくこだわって調整をしているので、ぜひご期待ください。
――ますます第2弾が楽しみになってきました。ちなみに、第1弾ではクリアー後にジュノ下層をいつでも散策でき、NPCとの会話も楽しめましたが、今回はサンドリアの街を訪れることができるようになるのでしょうか?
吉田
期待してくださっている方が多いのも承知しているのですが、今回は街としてのサンドリアを訪れる要素はありません。“エコーズ オブ ヴァナ・ディール”ではジュノ下層が唯一、再現されて定着している街だと思ってください。ですから今回もそちらにアップデートを入れています。
――“サンドリア:ザ・セカンドウォーク”をクリアー後にジュノを訪れると、新たな変化が見られるということでしょうか?
吉田
はい。ジュノ下層には、アライアンスレイドで戦ったボスについて解説してくれるNPCがいたと思いますが、“サンドリア:ザ・セカンドウォーク”クリアー後に話しかけると、新たに戦った敵のエピソードが追加されています。また、NPCも増えていて、手に入れた装備のファッションチェックをしてくれるNPCがおり、その装備がヴァナ・ディールではどういうものだったかという解説が読めたりもします。そういった開発チームの並々ならぬ想いは、今回もジュノ下層に詰まっていると思ってください。
――そちらも楽しみです!
吉田
レイドダンジョンをクリアーして、クエストが終わった後に、ぜひジュノ下層を再訪していただき、濃いエピソードもたっぷりと味わっていただけるとうれしいです。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/48601/a1058abae0dc372f4432cbea7fa123512.jpg?x=767)
報酬となる装備品も、『FFXI』プレイヤーにとって思い出深いものが公開された。
新ディープダンジョンでは“供物”を捧げてボスを強化する新たな仕組みを導入
――7.3ではひさびさにディープダンジョンの新作となる“ピルグリム・トラバース”が実装されます。最深層を目指す遊びに加えて、全層コンプリート後に強化された99層のボスと戦えるバトルも用意されているとのことですが、改めてこのコンテンツの概要をお聞かせください。
吉田
概要の前に、まずはコンテンツの方向性についてお話しさせていただきます。『FFXIV』は、すごく多くのプレイヤーの方々に支えられてきて、長期間、継続してプレイしてくださっている方々が非常に多いMMORPGです。
ですから僕たちは、これまでコンテンツごとにターゲット層を見据えて、いろいろな層向けのさまざまなコンテンツを実装してきました。たとえば、奇数パッチではカジュアルに遊ぶ方々をメインに捉えたアライアンスレイドダンジョン、偶数パッチではより濃く遊んでくださっている方々に向けた高難度レイド、さらには絶難度のコンテンツを……といった具合です。
その結果、新たなコンテンツを実装したとしても、すべてのプレイヤーに遊んでいただけず、同じパッチなのに「ハードコア勢はこのコンテンツだけ遊ぶ」、「カジュアル勢はこのコンテンツだけ遊ぶ」というような流れができあがっています。これは僕の方針でもあったので、その通りの結果でもあります。
――確かに、遊びかたによりますが、自分の興味があるコンテンツしか遊ばないという人は少なからずいます。
吉田
ハードコアな方々はワールドファーストを目指してレースができるような高難度レイドが欲しい。いっぽうでカジュアルな方々は2~3回のトライでクリアーできて、周回できるぐらいのものが欲しい。そうやって僕たち作り手側もセグメント分けをして、コンテンツを作ってきました。
もちろん、“コンテンツ総量の拡大”こそが大方針であった“いままでのFFXIVにとって”は、悪かったとは思っていません。そうやってコンテンツのカテゴリー分けをすることで、開発チーム側も「どのタイミングでどういったものを作るのか」という指針ができあがり、ルールがいっしょだからこそ、「このコンテンツであればボスバトルに注力する」など、一定の方向に集中することができました。
ただ、ここにきて改めて「せっかく作った大型コンテンツを、全プレイヤーに遊んでいただく努力を始めたほうがいい」と、ようやく考えがまとまりはじめました。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/48601/aae566253288191ce5d879e51dae1d8c3.jpg?x=767)
――実装したコンテンツを、できるだけ多くのプレイヤーに遊んでもらいたいと。
吉田
はい。これはこれまでのディープダンジョンもある程度は同じで、30階まで到達しればストーリーがクリアーできて、武器防具の強化についても、30階までをくり返しプレイすることでできるようにしていました。最終層までの踏破はミドルレンジ層の方々を中心に4人の固定パーティで挑んでもらい、そして極限の目標としては、ソロで1階から全層踏破するというチャレンジを用意していました。
もちろん、引き続きそのようなディープダンジョンを楽しみにしてくださっている方もいらっしゃいますが、いっぽうで「31階以降は遊ばない」という方々も少なからずいたのです。
――たしかに、そういったプレイヤーはかなりの割合でいたかと思います。
吉田
いままでは、それでよいと考えていたのですが、今回のディープダンジョンからはより多くの方々に遊んでいただけるように、あらゆる仕組みに変更を施すことにしました。
――具体的には、どのような調整が加えられているのでしょうか?
吉田
これまでは30階までマッチングでの突入ができ、それ以降は4人でパーティを組んでから挑む形式でしたが、今回は全層をマッチングで突破できるように設計しなおしました。再スタートできる階層の区切りも増やして、深層階をもっとマッチングベースで楽しめるようにしたというイメージです。
もちろん固定パーティのほうが、連携が効きますので、クリアーには近くなると思っており、その要素も維持しています。ただ、これまでは「固定パーティ以外に攻略の方法がなかった」のを、大幅に変更しようと考えました。どんどん挑戦し、気軽に定期的に先の階層を目指せてもいい、という転換です。
ほかには、一度でも99階のボスに到達すれば、仮に全滅してしまったとしても、そのボスバトルだけにチャレンジできるコンテンツが開放される仕組みを導入しています。ディープダンジョンの踏破とは別に独立したコンテンツになっていて、ここで安定してボスを倒せるようになったら、固定でもマッチング4人でも、最終層の踏破を目指してもらえればと思います。
これは単なる難度の緩和ではなく、挑戦自体をしやすくして、カジュアルに遊んでいる方々にもディープダンジョン全体を遊んでもらいたいという思いがあります。
――プレイする取っ掛かりが増える感じですね。マッチングする範囲が増えれば、より深層が遊びやすくなりそうです。
吉田
『FFXIV』はマッチングシステムによって気楽に遊べるところも長所だと思っていますので、今回はその範囲を増やすという判断をしました。ただ、最終層付近は従来のディープダンジョンと同様に、敵もかなり多く、やっかいな攻撃を持つものも多いです。また、無策で突っ込むと罠を踏んで全滅する危険があるなど、遊び応えのある作りになっています。
改めてまとめますと、「せっかく実装するなら全プレイヤーに遊びどころがあるコンテンツを目指す」というのがいまの『FFXIV』のテーマです。これはディープダンジョンだけでなく、今後ほかのコンテンツにもこのイメージを広げていけたらと思っています。
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――昔はワールド内のパーティ募集でしか挑めなかった高難度レイドも、クロスワールドのパーティ募集やレイドファインダーが実装されて挑戦しやすくなり、結果的にライトなプレイヤーが「やってみよう」と思うきっかけになりました。それに近いイメージかもしれませんね。
吉田
ただし、遊びやすくなったからといって単純に簡単にするわけではありません。第87回PLLの発表後は、「ソロで踏破する難度は担保してほしい」という声も多くいただいており、ソロ踏破ならではの遊びや歯応え、達成感が味わえる作りは引き続き維持していくつもりです。
なお今回は、クリアー後のやり込み要素として、新しいバトルコンテンツの仕組みも導入しています。全層を踏破すると“供物”というアイテムがもらえるのですが、これが5種類あって、これを捧げてコンテンツに突入すると、ボスの難度が変わる仕組みになっています。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/48601/a85b6f89b41cae26786ac72365fff771b.jpg?x=767)
――供物を捧げることによって、ボスが強化されるのでしょうか?
吉田
はい。ボスに最大HPアップのバフが付与されたり、全体のダメージ係数が1.15倍になったりと、捧げる供物によって効果が変わります。さらに、種類にかかわらず、トータルでいくつの供物をささげたかによって、ギミックも変化します。ですので、基本的にはご自身で難易度を調整し、「ちょうどよいかな」といった手合いでのクリアーを目指していただけます。一概に高難度ボス、と呼ばずに、やり込み要素ボスになっているのは、こうした難度調整の仕組みが導入されているからなのです。
ちなみに、供物は5種類で、1種類につき8個まで、最大で40個の供物が捧げられるのですが、全種類最大数を捧げるとものすごく難しくなります。難度的には零式4層よりも難しくなるので、高難度コンテンツを遊びたいというハードコア勢の方々は、ぜひこの超高難度バトルのクリアーを目指していただきたいと思います。
――捧げた供物の数によって、報酬はどのように変わるのでしょう。
吉田
得られる報酬自体は同じですが、捧げた数によって獲得できる数が変わります。ですので、「難度を上げなきゃ手に入らない!」みたいなものは、最難関撃破の“称号”以外には存在しません。より高難度のバトルをクリアーできる人たちなら、効率よく“報酬の数”を稼げるというイメージです。
この供物を使ったパラメーター変更の主題は、「開発的な調整をプレイヤー側で行って遊べる」ということです。たとえば、「自分たちのパーティは火力に自信がないから、ボスの最大HPを上げる供物は捧げないようにして、ほかの供物で数を稼ごう」といったことができるようになります。先ほどもお話したように、“全体でいくつ捧げたか”でさらにギミックやタイムラインも変わるので、いろいろなパターンを遊んでいただければと。
――これまでにない仕組みの遊びですね。
吉田
似たようなものはこれまでの『FFXIV』にはないと思います。「1体のボスでもたくさんの難度を作ってくれたら楽しめるのに」というフィードバックをいただくことが多いのですが、それに対する回答でもあります。
マッチングベースで踏破を目指しやすくなる作りにしたうえで、かつ一度でも到達できればそのボスバトル自体もコンテンツとしてエントリーされるようになり、練習したうえで踏破を目指せる。また、そのボスバトルだけのコンテンツでも、ボスのドロップするアイテムの一部が低確率で入手できるようにしています。
歯応えのあるバトルを求める人も、リワードの獲得を目指す人も、プレイされる方々にはそれぞれのモチベーションがあると思います。これに加えて毎週コツコツと報酬を稼げるように、攻略手帳にも新しい仕組みを導入し、そこから現物アイテムを獲得できるようにもしています。“ピルグリム・トラバース”は、そんなあらゆる人に対応した作りになるよう調整している最中ですので、ぜひ遊んでみてほしいです。
――“あらゆるプレイヤーが興味を持つコンテンツ”のトライアルになっているわけですね。
吉田
そうですね。今後はこのぐらいの意気込みで作っていかないと印象が変わらないですし、永久に「僕たちのようなプレイヤー層にはコンテンツが足りない」と全方位から言われることになりますので、我々の根本的な考えかたから変えて、作ったものをあらゆる人に遊んでもらえる努力をしていこうと思っています。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/48601/a64b8299d1597b8a5c7b9cb9c88642f6c.jpg?x=767)
7.xシリーズでもう1回、絶コンテンツを実装
――今回の7.3では絶コンテンツがないとのことですが、7.xシリーズでは絶の予定はあるのでしょうか?
吉田
今回はピルグリム・トラバースの隠しボスに、供物を40個捧げたものがかなり絶に近しいですが、やはり4人での攻略ではありますからね……。もちろん、7.xシリーズの中でもう1回実装する予定で、いままさに制作している最中です。何度も言いますが、本当に絶の開発はたいへんなのです……。
――おお、それは楽しみです! ちなみに滅の今後の予定はありますか?
吉田
まずは絶を開発中で、滅の今後の予定はまだ決まっていません。滅も絶を担当できるレベルのスタッフでないと作れないのです……。ですから何度もお話させていただいておりますが、「我こそは!」と思う方はぜひ開発スタッフとしてご応募のほどを!(笑)
――7.3xでは“コスモエクスプローラー”の第2弾も予定されています。舞台が月面から新たな星である“ガラスの星 パエンナ”に移り変わり、大きくグラフィックが変わると思いますが、それ以外ではどういった要素が入ってくるのでしょうか?
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/48601/a62bf1edb36141f114521ec4bb4175579.jpg?x=767)
吉田
メカオペレーションの別バージョンだったり、共同施工作業が連続で発生したりと、いろいろな部分でパワーアップしています。ただ、もっとも重視しているのは“手触り”です。個人的には前回の“コスモエクスプローラー”の反省点として、ひとつひとつの作業の“手触りの汎用さ”がすごく気になっていまして……。
まず前提として、製作や採集はより凝った内容にすることもできるのですが、何度もくり返し作業を行うと考えたときに、1回の遊びが重いとプレイするのが辛くなってしまいます。ですので、2.0での新生時は、あえてマクロでこなせる内容にして、自分の手で採ったり、作ったりしたもので経済が回る手応えのほうを軸に据えて作っていました。逆に言えば、それがゆえに作業自体はすごくシンプルな作りになっているのです。
――確かに何百、何千とくり返す製作・採集が複雑な作りになっていると、精神的に辛いかもしれません……。
吉田
ただし“コスモエクスプローラー”については、最新のコンテンツながら、そのシンプルな作りから発展していないというか、思考が停止してしまっているな、というのが遊んでみての印象でした。もちろん、ボリュームを持たせるために量を作ることはすごく大事です。ですが、いっぽうで“手触り”が疎かになっていると、よいプレイ体験を提供できません。
質にこだわりすぎてもたくさんの方々に遊んでもらうものにはなりにくいですし、量だけあってもただの作業になってしまいがちです。現状の“コスモエクスプローラー”はここのバランスがすごく悪いと思っています。それを改善すべく、いまは70~80人のスタッフがミッションや共同施工作業を実際にプレイしてみて、「遊び応えとしてこれでいいのか」、「なぜこのシーンのSEが固有のものではなく汎用のものなのか」といったことを話し合いながら調整しています。
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――ちょうどいい塩梅を探るのは、なかなかたいへんそうですね。人によって感覚も違いますし。
吉田
たいへんではありますが、ミッションなどでのレポリットのセリフは開発スタッフが書いたものですから、言わば僕らの想いが詰まっているものです。レポリットを通じて僕らの想いを伝えて、プレイヤーの方々に遊んでいただく以上は、それ相応の手応え、やり応えが必要になると思うのです。
“コスモエクスプローラー”に限らず、最近は量を増やすために、プレイ時の感覚や達成感などをないがしろにしているケースがあるのではないかというのが、気になっているポイントです。全体の仕組みももちろん大事なのですが、僕も含めて開発チーム全員が改めてそれを認識し、手触りがよくなるようなコンテンツ作りを意識したいと思っています。そのために、僕もPDチェックの精度を上げています。
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――どうかお体だけは大事にしてください……!
吉田
ありがとうございます! 自分的にはまだ20代のつもりなのですが、最近は目がとにかく疲れてしまい、乾いたり霞んだりして……(苦笑)。
――現在、そんなたいへんなPDチェックの真っ最中だと思いますが、ほかにも7.3の中で注目してもらいたいポイントなどありましたらお聞かせください。
吉田
長期間遊んでくださる方が多いと、個々のコンテンツ以上に、“その世界の中の変化”を楽しみにしてくださっている方もたくさんいらっしゃると思います。そういった方々には、たいへんお待たせしましたが、ロスガル族とヴィエラ族が表示できる頭装備が多数追加されます。ヴィエラ族の耳の表示・非表示にも対応しているので、コーディネートの幅が一層広がるかなと。
ほかには、会話が吹き出しで表示される“チャットバブル”機能もぜひ注目してください。これを導入したことによってコンテンツ自体が劇的に変わるわけではないと思いますが、各都市を訪れたときに、これまでチャットウィンドウに流れていた会話が頭上に表示されることによって、「この世界に生きている」という感覚はより高まると思います。
――チャットバブル機能は風景的にもおもしろくなりそうです。
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吉田
PvPの注目ポイントとして、PvPアクションの“浄化”まわりの仕様も変える予定です。とくにクリスタルコンフリクトですと、“防御”や“浄化”を使った後のプレイヤーを集中攻撃して倒しきるというのが基本戦術になっています。もちろんのいまのままでもおもしろいのですが、その戦術が一辺倒にならないように調整を加えさせていただきます。
また現在、クリスタルコンフリクトのランクマッチをDC(データセンター)持ち回りで開催するようにしたこともあってか、ありがたいことに参加するプレイヤーも増えています。とはいえ、ソロでしか申請できないので、PvPが苦手な人は敬遠しがちになっているのが現状です。
そこで今回、ようやくではありますが、ふたりでクリスタルコンフリクトのカジュアルマッチに申請できるようにします。教えたり、教えてもらったりしながらワイワイと楽しんでいただけるとうれしいです。
――ふたりで申請できるようになれば、プレイヤー人口が増えるきっかけになりそうですね。
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吉田
これも先ほどのディープダンジョンの話につながるのですが、PvPコンテンツも興味がない人にとっては“遊ばないもの”になっているのが現状です。それに対して、あらゆる人に遊んでもらえるような努力を僕たちがしていかないといけないと思い、今回の調整に至りました。今後も、もっと事前にPvPの基礎練習をできるシステムや、サポート機能など、しっかり努力を続けたいと思います。
以前から遊んでいる人にも戦いの波が変わるようなことを提案させていただこうと思っているので、ぜひ遊んでみてください。ただ、いまはランクマッチのマッチングが朝まで回り続けるので、仕事が終わった後に遊びだすと本当に寝る時間が……(笑)。
――そこは寝てください(笑)。
吉田
いやいや、プライベートの時間も少しは欲しいので。やり始めると顔を真っ赤にしながらぶっ続けでプレイを……(苦笑)。
ほかにも7.3では細かい部分について、マウントに騎乗するモーションが追加されていたり、シーズナルイベントも凝っていたりと、注目していただきたい部分がたくさんあります。これまでのメジャーパッチと同様に、さまざまな部分にアップデートが入っているので、そちらもぜひチェックしてください。
――最新パッチである7.3、楽しみにしています。また、それと並行してそろそろ8.0の片鱗が見え始めてくる時期ですし、ファンフェスティバルの計画も進み始めているのではと勝手に予想しています。最後に、改めて7.3の見どころと、今後の『FFXIV』の展望についてお聞かせください。
吉田
第87回PLLでお話したように、現状の『FFXIV』がパーフェクトだとは思っていませんし、長年積み上げてきたからこその大きな課題に直面していると痛感しています。さまざまなフィードバックをいただき、ようやく自分の中での言語化ができるようになり、具体的に変え始めようとしているのがパッチ7.3になります。
長年MMORPGを作り続けてきたからこそわかっていることなのですが、イメージやコンテンツの印象は、決してひとつのシステム、コンテンツ、パッチでは変わりません。『旧FFXIV』のときがそうだったように、1個ずつ積み重ね続けていくことでしか信用、信頼は得られないと思っていますので、僕らにとってもここを新たな出発点として臨んでいきたいと考えています。
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――ここからさらに『FFXIV』の進化を目指す、というわけですね。
吉田
もちろん、いきなりすべてのコンテンツが今日お話ししたレベルに到達できるとは思っていません。ですがその片鱗や覚悟はお見せできるようにがんばっていきたいと思っていますので、ぜひ少しだけでもいいですから各コンテンツを遊んでいただけるとうれしいです。とくにバトルでは、“ピルグリム・トラバース”をその試金石の第1弾にさせていただきます。さまざまな角度で遊んでいただき、フィードバックをいただければ幸いです。
――その意見が今後の『FFXIV』に影響を与えるかもしれませんね。
吉田
ぜひ、いただいたご意見をつぎに活かしていきたいです。ちなみに、この先のパッチ7.4ではヴァリアントダンジョンの新作を予定していて、こちらも以前とは少し毛色を変えています。もっといろいろな層のプレイヤーに遊んでもらえるように味付けを変えていて、新しい仕組みも用意しています。
そのように、ひとつひとつの大型コンテンツを、あらゆる層に楽しんでもらえるように作っていこうと思っていますので、ぜひご期待ください。まだ詳細は明かせないのですが、もちろん8.0でもいろいろと……。
――そろそろファンフェスティバルの発表も……?
吉田
新しい拡張パッケージの発表は、ファンフェスティバルで行うのが恒例となっています。そろそろ日程や会場が固まった感じなので、近いうちに発表させていただこうかと思っています。
また、現在は日本や北米、欧州などに比べて、中国や韓国のアップデートが遅れていましたが、7.xシリーズ中には追い付いて、どちらもアップデートタイミングを統一する予定です。つまり、全グローバル全同期で進んでいくことになるわけです。そうなると、ファンフェスティバルもたいへんそうですね(苦笑)。
――いつもは北米、欧州、日本の3ヵ所で開催されていましたが、つぎは5ヵ所になるかもしれないということでしょうか?
吉田
つぎの拡張前に5ヵ所は絶対無理です……まずは開発をしっかり行いつつ、キチンと皆さんとのコミュニケーションも成立させていこうと思います。いま開発チームとは別に、イベントを取り仕切るチームがたっぷり楽しめるファンフェスを計画しているので、ぜひゲーム本編とあわせて楽しみにしていただけるとうれしいです!
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