2025年9月30日にいよいよ発売された『ファイナルファンタジータクティクス - イヴァリース クロニクルズ』。本作は『ファイナルファンタジー』シリーズ初のシミュレーションRPGとして1997年に発売された『ファイナルファンタジータクティクス』(以下、『FFT』)を、現在のプレイヤーに向けてよみがえらせた作品だ。フルボイス化などさまざまな面を進化させた“エンハンスド”、当時の思い出のままにオリジナル版を再現した“クラシック”の2バージョンが収録されているのが特徴となっている。
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じつは本作の開発は、2018年に放送されたニコニコ生放送の『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FF14』)の番組企画で、『FFT』の実況プレイを行ったことがきっかけでスタート。番組自体は、『FFT』や『ファイナルファンタジーXII』(以下、『FF12』)の舞台となる“イヴァリース”をモチーフにしたクロスオーバーコンテンツ“リターン・トゥ・イヴァリース”の第2弾、“封じられた聖塔 リドルアナ”が、『FF14』に実装されるのを記念して配信されたものだった。
この“リターン・トゥ・イヴァリース”のシナリオは、『FFT』の生みの親である松野泰己氏が担当。あくまで『FF14』における物語であり、イヴァリースの正史ではないものの、『FFT』の世界を知るうえで非常に興味深く、ファンなら絶対に見逃せない物語が展開する。
そこで本記事では『イヴァリース クロニクルズ』の発売を機に、改めて“リターン・トゥ・イヴァリース”の概要を紹介していく。『FFT』ファンでまだこのストーリーを体験したことがない人は、ぜひ『イヴァリース クロニクルズ』をクリアーしたあとに『FF14』をプレイして、“もうひとつのゾディアックブレイブストーリー”ともいえる物語を体験してほしい。
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なお、この“リターン・トゥ・イヴァリース”は『FF14』のフリートライアルの範囲内となっており、『FF14』未経験者は無料でプレイすることが可能(ただしレベル70に到達して『紅蓮のリベレーター』の物語をクリアーすることが条件)。
また、「いますぐ“リターン・トゥ・イヴァリース”部分をプレイしたい!」という人は、『FF14』の製品版を購入後、有料のオプションサービスである“紅蓮の冒険録”や、特定のジョブのレベルを引き上げる“ジョブの冒険録”を購入すれば、すぐ“リターン・トゥ・イヴァリース”を体験することもできる。それまでの『FF14』の物語をスキップしてしまうのは非常にもったいないが、ひとつの手段ではある。
そしてすでに“リターン・トゥ・イヴァリース”を体験済みの光の戦士(『FF14』プレイヤー)たちも、当時は『FFT』をプレイしてからしばらく経っていたり、『FFT』を未プレイだったりした人が多いはず。ぜひ『イヴァリース クロニクルズ』をクリアーしたあとに、もう一度“つよくてニューゲーム”の機能で物語を堪能してみてほしい。きっと新たな発見があるはずだ。
ちなみに今回の記事では物語の核心に触れるネタバレこそしていないが、ストーリー上に登場するキャラクターや、プレイヤーが挑むアライアンスレイドのフィールド、ボスキャラクターなどを紹介しているので、まったくの予備知識なしでプレイしたい人は注意してほしい。
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“リターン・トゥ・イヴァリース”とは
“リターン・トゥ・イヴァリース”は、『FF14』の拡張パッケージ第2弾『紅蓮のリベレーター』の4.xシリーズで展開した、24人向けのアライアンスレイド。パッチ4.1で第1弾“失われた都 ラバナスタ”、パッチ4.3で第2弾“封じられた聖塔 リドルアナ”、パッチ4.5で“楽欲の僧院 オーボンヌ”が実装された。
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この“リターン・トゥ・イヴァリース”シリーズでは、ゲストクリエイターとして、オリジナル版『FFT』のディレクターである松野泰己氏がシナリオを担当。一部のボスモンスターデザインを『牙狼<GARO>』シリーズ原作・総監督でイラストレーターの雨宮慶太氏が担当している。
そして物語の中ではラムザやアルマ、アルガスなど、『FFT』に登場するキャラクターの名前を冠した人物のほか、“ゾディアックブレイブストーリー”や“聖石”といったキーワードも登場。さらに、同じくイヴァリースを舞台とする『FF12』に登場した地名や、ヴィエラ族、シーク族といった種族なども、ふんだんに登場するのが特徴だ。
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また、物語の途中で挑むことになるアライアンスレイドのダンジョンで流れるBGMも、当時のものが使用されている。原作の雰囲気を味わいながらも『FF14』ならではのバトルが楽しめる……そういったコンテンツ体験が堪能できるはずだ。
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父を捜索し、イヴァリース伝説を追うふたりの兄妹
“リターン・トゥ・イヴァリース”の物語は、光の戦士(プレイヤー)がクガネでふたりの女性から相談を持ち掛けられるところからスタート。そして週刊レイヴンの芸能記者リナ・ミュリラー、そして“アルマ”と呼ばれる少女に連れられ、劇場艇プリマビスタを訪れることになる。
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“ひんがしの国”の街であるクガネの上空に浮かぶ劇場艇プリマビスタ。
有名な演劇集団“マジェスティック”の一員であるアルマは、冒険者に行方不明の父・ジェノミスの捜索を依頼。ジェノミスは、ガレマール帝国で誰もが知るおとぎ話をモチーフにしたミュージカル“ゾディアックブレイブストーリー”で大成功を収めたものの、帝国の現政権を批判。それが当局の報復を恐れた貴族や資本家たちが興行から手を退くことにつながり、追われるように帝国から去って、東方のクガネに逃げ延びていたのだった。
なお、ゾディアックブレイブストーリーのあらすじとは、「平民の若者ディリータが苦難を乗り越え、英雄となって幻の王国“イヴァリース”を建国する――」というもの。ところがそれとは別に、平民王ディリータを陰から支えた“もうひとりの英雄”にフォーカスした物語、“真のゾディアックブレイブストーリー”が存在するという。
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ジェノミスはミュージカルに登場するイヴァリースをおとぎ話とは捉えず、歴史に埋もれた真実として探り続け、ゾディアックブレイブストーリーの続編を作ろうと画策。そしてダルマスカ砂漠こそが、イヴァリース伝説の中心だと結論づけていた。そして何度か発掘旅行に出かけた結果、不思議なクリスタルを見つけ、それを“聖石”と呼び、大切にしていた。
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聖石はイヴァリース伝説に登場するクリスタル。神が王になる者に贈ったとされる。
アルマが語るには、聖石を手にしたジェノミスは日に日に様子がおかしくなっていったという。やがてそんなジェノミスは失踪。光の戦士はアルマの兄ラムザとともに、ジェノミスがいると思われる旧ダルマスカ王国の都“ラバナスタ”へと調査に向かうのだった。
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真実を記したとされる“オーラン白書”
ラバナスタで襲い掛かる敵を退け、最奥でジェノミスを発見する光の戦士たち。そこに現れた盗賊バッガモナンたちにより、聖石“ドゥマ”と、 古代イヴァリース語の翻訳に必要な解読書が奪われてしまうものの、ジェノミスの救出に成功する。
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そして劇場艇へと帰還した一行に、ジェノミスが衝撃の真実を語りだす。ジェノミスとは仮の名で、彼の真の名は“アラズラム・デュライ”。そして彼の祖先が記し、禁書として封印された“デュライ白書”こそが真実を語っており、その真実を証明するためにイヴァリースを探しているという。
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“デュライ白書”は、デュライ一族の遠い先祖である“オーラン・デュライ”が、かつて“もうひとりの英雄”ラムザとともに冒険して記した書。平民王として語り継がれているディリータの裏で活躍したラムザの存在、そしてさまざまな真実が記されていたとされるが、当時の宗教界の手により、禁書として封印。オーランは異端尋問にかけられ、火刑に処せられてしまった。
ジェノミス(アラズラム)は、そのオーランの名誉を取り戻すべく、一族に伝わるデュライ白書の写しに記された真相を探っていく……というのが序盤のストーリーのざっくりとしたあらすじ。ここから光の戦士たちは各地を巡って、イヴァリース伝説の真相を探っていくことになる。
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本作に登場するラムザとアルマは、イヴァリース伝説に登場する兄妹の名を由来として名付けられた。
各ダンジョンで持つユニークなボスキャラクターたち
この物語においてプレイヤーが挑むバトルは、3つのアライアンスレイド。多くの難敵が待つダンジョンを攻略し、イヴァリース伝説の真相を解き明かしていくことになる。
ダンジョン内に登場するのは、『FFT』や『FF12』など、イヴァリース関連作品に登場するキャラクターの名前を冠したボスたち。ボス戦は、それぞれのキャラが持つエッセンスを継承しながらも、『FF14』ならではのバトルが楽しめるものになっている。ここからはそんな強敵たちを紹介していこう。
失われた都 ラバナスタ
背徳の皇帝マティウス
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バトル中に氷の女神を召喚。氷の女神が滑った場所のプレイヤーを凍らせる攻撃が特徴。
統制者ハシュマリム
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全体攻撃の“クエイジャ”、超広範囲の“大地のハンマー”など多彩な攻撃を仕掛けてくる。巨大な塔を出現させるギミックも。
人馬王ロフォカレ
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その形状を活かした人馬一体の攻撃を仕掛けてくる。“星天爆撃打”、“冥界恐叫打”など、『FFT』に登場した技も使用してくる。
冷血剣アルガス
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イヴァリースの王を自称するアルガス。『FFT』に登場するアルガスの傲慢なセリフも踏襲されている。
封じられた聖塔 リドルアナ
暗黒の雲ファムフリート
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巨大な水瓶を担ぐボス。水流を使った攻撃が特徴だ。
魔人ベリアス
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人と羊を合わせたような外見をしている。炎を使った攻撃のほか、時計をモチーフにしたギミックや、時間差で放たれる範囲攻撃など、時を操る攻撃も仕掛けてくる。
労働七号
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リドルアナの防衛機構の親玉として立ちはだかる。HPをひと桁にした後の算術ギミックが最大の特徴。実相当初は“素数”に苦しめられるプレイヤーも多かった!?
鬼龍ヤズマット
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『FF12』で最強のリスキーモブとして登場した敵。ボスの足元以外が攻撃範囲となる“ホワイトブレス”、石化効果を付与する“ペトロブレス”、移動しながら攻撃する“ひっかき”など、多彩な攻撃をくり出す。+と-のマークが付与される“磁場崩壊”というギミックも。
楽欲の僧院 オーボンヌ
機工士ムスタディオ
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銃や罠を使った攻撃が特徴。“腕を狙う”、“メンテナンス”など、『FFT』に登場した技も再現されている。
聖騎士アグリアス
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“不動無明剣”、“乱命割殺打”、“北斗骨砕打”など、『FFT』のアグリアスが使う聖剣技を使用。コンテンツアクションを活用したバトルが展開される。
雷神シド
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アグリアスが使用する技に加え、“無双稲妻突き”、“暗の剣”など、多数の剣技を使用する。なお、ムスタディオ、アグリアス、シドはボスとして登場するが、敵対する存在ではなく、プレイヤーの腕を試すために立ちはだかる。ラストバトルでは彼らが協力してくれる演出も。
聖天使アルテマ
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アルテマ独自の攻撃のほか、これまでに登場したボスも出現して攻撃を仕掛けてくる、シリーズ最後を締めくくるバトルに。バトルは大きく前後半に分かれており、シーンが切り替わる場面での特別な演出は『FFT』ファン必見!
イヴァリース関連作品と合わせてプレイすると、より楽しめる!
“リターン・トゥ・イヴァリース”は、『FFT』『FF12』など、イヴァリース関連の作品の要素をふんだんに盛り込んだ内容になっている。発売されたばかりの『イヴァリース クロニクルズ』はもちろん、ぜひ『FF12 ザ ゾディアック エイジ』などもあわせてチェックしてみてほしい。
製品概要
『ファイナルファンタジータクティクス イヴァリース - クロニクルズ』
- 対応ハード:Switch2、Switch、PS5、PS4、Xbox Series X|S、PC(Steam)
- 価格:通常版(ダウンロード版のみ)は5800円[税込]、デラックスエディションは6800円[税込]、特別装丁コレクターズBOXは22000円[税込]
『FINAL FANTASY XII THE ZODIAC AGE』
- 対応ハード:Switch、PS4、Xbox One、PC(Steam、Windows10)
- 価格:Switch/Xbox One版は6380円[税込]、PS4版は7480円[税込]、PC版は5280円[税込]