2024年4月28日、レイニーフロッグよりNintendo Switch用ソフト『エルシャダイ・アセンション オブ ザ メタトロン HD リマスター』(以下、『エルシャダイ』)が発売予定。
本作は2011年に発売されたアクションゲーム『エルシャダイ』のHDリマスター版。2021年にはPCにもHDリマスターが発売され、発売から約13年の時を経て、ついに家庭用ハードで『エルシャダイ』が復活する。
『エルシャダイ』の生みの親であるクリムの竹安佐和記氏にインタビューをした内容をご紹介。Nintendo Switch版に込めた想いや、限定版に関するお話などをたっぷりとお聞きした。
本記事はファミ通.comに掲載したインタビュー記事“Switch版予約中『エルシャダイ』生みの親、竹安佐和記氏インタビュー。ファンに“いちばんいいアイテム”を届けたい強い想いを語る”の完全版です。
『エルシャダイ・アセンション オブ ザ メタトロン HDリマスター』限定版の購入はこちら (Amazon.co.jp)
竹安佐和記 氏(たけやす さわき)
ディレクター兼キャラクターデザイナーとしてオリジナル版『エルシャダイ』に関わる。2013年に、竹安氏の個人会社クリムを通して、『エルシャダイ』の権利を取得。その後、『エルシャダイ』に関して、すべてを統括・展開している。
神は言っている、『エルシャダイ』を続けろと
――まずは『エルシャダイ』をNintendo Switchに移植することにした経緯を教えてください。
竹安2021年にPC(Steam)版にて、HDリマスター版を発売しました。正直、そこそこの売り上げを記録することができました。その上で、ユーザーから「Nintendo Switch版は発売しないんですか?」、「家庭用ハードでも遊びたい」という声を強くいただいたのが発端です。
Nintendo Switchでのゲーム開発は昔少しだけ関わったことがありますが、それは会社に在籍していたころの話でして。会社の中で開発するのと、個人で開発するのは、話が大きく違います。本当にゼロからNintendo Switch向けにゲームを開発できる環境を作る必要があったので、「どうすればいいんだろう?」と考えていました。
――そこからどのようにして、移植につながったのでしょうか。
竹安今回メインプログラマーを担当している林原裕之さんの功績が大きいです。プレイステーション3向けに作られたゲームを現代に移植するのは難度が高く、その壁をどう超えるのか議論を重ねていました。
ところが、気が付くと林原さんが古いゲームの移植にも融通が利く“アクアリード”というコンパクトなエンジンを作っていてエルシャダイもすでに動いていた(笑)。移植が決まったのはすべて林原さんのおかげです。
――まさかの、ベースとなるゲームエンジンの開発から始まっていたんですね。
竹安あの時代のタイトルを移植すると、ときどき「劣化移植!」なんて言われたり場合もあると思いますが、ぜんぜん劣化していないどころかむしろパワーアップしています。画面解像度も上がっていますし、60fpsで動きやロード時間も短縮されています。
60fpsで動く影響もあって、当時よりも少しアクションが簡単に感じられるかもしれません。手触りのレスポンスが良くなった点もそうですし、画面が滑らかに動くのでジャンプアクションがサクサク進められるようになりました。
――より遊びやすくチューニングされているのはうれしいポイントです。ただ、やはり苦労もあったのではないでしょうか。
竹安毎日本当に完成するのかハラハラしていました。10年以上前のゲームですから、開発環境からツールなども含めて全部違うわけで。関わっているのも少人数で、そこまで開発力のあるチームではありません。何か少しでもバグが起きると、それを少人数の中で直さなくてはならないですし。バグが起きるたびに「あ、もうダメかもしれない!」と思っていました(苦笑)。
――無事に発売されそうで何よりです(笑)。2021年に発売されたPC版のデータはNintendo Switch版にも活用されているのでしょうか?
竹安はい。プレイステーション3版からNintendo Switchへの移植は簡単にできることではなく、PC版の存在がなかったらSwitch版の実現は不可能だったでしょう。ですから今回はPC版からのSwitch移植という作業でした。
――ダウンロード販売のみならず、パッケージ版も発売されたのはなぜでしょうか。
竹安ファンのためにパッケージ版を制作したかったのですが、発売方法をよく知りませんでした。そのとき、声をかけてくださったレイニーフロッグの代表者の方の人柄に惹かれてお願いすることにしました。開発が伸びても怒らずに待ってくださいましたし、知らないことを尋ねるとやさしく教えてくれました。この出会いはとても幸運なことでした。
――『エルシャダイ』のパブリッシング(発売)権については、数社で取り合いが起きたとも聞いています。
竹安いやもう「まだ『エルシャダイ』に興味あるの!?」と、驚きましたね(笑)。お声がけいただけたことはありがたかったのですが、それと同時に少し恥ずかしかったです。『エルシャダイ』に10年以上関わってきましたが、ゲームクリエイターは、どんどん新しいゲームを作ったほうが、カッコイイと思います。それに反して、古いタイトルを何年も何年も続けているので。
――ファンのお声にしっかり応えているのも、カッコイイと思いますよ。
竹安それはひとりのゲームクリエイターとしてより僕自身が『エルシャダイ』のIP(知的財産)を保有する“版元”になったからです。版元の責任とクリエイターの責任はまったく違います。いろいろなゲーム会社が新しいゲームを作るのではなく、ヒットしたタイトルの続編や移植、リメイクやリマスターを続けていることの理由を肌身に感じています。
ひとりの会社経営者として、会社の資産である『エルシャダイ』を育てて、できるだけ多くの人に届けられる方法を作ったまでです。
――その環境を作っていく中では、どのような想いがあったのでしょうか。
竹安本当に“責任”だと感じていました。『エルシャダイ』は当時、イグニッション・エンターテイメント・リミテッドから発売されましたが、発売後すぐにスタジオ自体が閉鎖となりました。これは発売前から決まっていたことで、決して『エルシャダイ』が売れなかったからではありません。発売日には、社長や総務以外で開発は僕とブログラムリーダーの中村さんしか会社に居ませんでしたからね(苦笑)。
ですが、関わったスタッフたちもそれぞれの想いが込められたタイトルです。発売日に開発に残されたのは僕と中村さんだけでしたが、それ以外でも退職した何人かボランティアに近い形で手伝ってくれたスタッフたちもいました。開発してくれたスタッフたち、そしてファンたちにも申し訳ない気持ちがありました。
――それが“責任”に固まっていったと。
竹安オリジナル版『エルシャダイ』は大ヒットではないものの、それでもそれなりに売れたタイトルです。ただ、ニコニコ動画が発端でミーム化した影響や発売後即スタジオ閉鎖の評判も相まって「『エルシャダイ』はダメなゲームなんだ」と風評が広がってしまいました。
けれど、そんな中でもファンの方々は「いちばんいいゲーム」と評価してくださり、根強くいまも支えてくださっています。今回のNintendo Switch版も通して、「『エルシャダイ』はそこまで失敗したタイトルではない」という痕跡を残すことが使命だと感じていました。
「神は言っている、お前は『エルシャダイ』を続けろ」と天命を受けたのです。
――ゲームの評価ですが、『エルシャダイ』は日本ではミームから有名になったものの、遊んでいない人も中にはいるはずです。そして、前回のPC版で初めてプレイした人も少なくないと思います。
竹安名前は知っているけれどもプレイしたことがない人は、多かったですね。そして遊んだ感想としては「あれ、意外におもしろいじゃん?」といった好評な意見がとても多くてうれしかったです。海外プレイヤーは、日本で流行ったミームを知りません。純粋にアーティスティックなゲームとして高い評価を受けています。
ゲームの世界が神々しいですし、アートスタイルも特殊なものですから、その影響で海外ファンの方々は僕のことをまるですばらしいアーティストかのように扱うのでちょっと恥ずかしいです(笑)。実態はただの中小企業の代表というだけで、町工場の工場長みたいなものなんですが。
――僕も発売当時『エルシャダイ』を遊びましたが、決してダメなゲームではないと思うのでPC版でしっかりいい評価を受けていて、いちファンとしても安心しました。
竹安ただ欠点としてはやはり物語が途中で終わってしまうことです。理由をお話しますと、本来はすべてゲーム内で描くはずでしたが制作途中にスタジオ閉鎖が決定しました。本来の開発スケジュールがゴッソリと無くなり、発売中止するか途中でもいいから発売するかの2択しかありませんでした。
ゲームって、発売しないと価値ゼロなんです。発売中止で終わったら何も得られないんですよ。最高評価が70点くらいだとしても、発売する決意を固めた結果、物語が途中で終わる形でリリースしました。
アクションゲームですし、「ストーリーはあまり気にしない」といったプレイヤー層には当時からも高い評価を受けていましたが、物語性やドラマを求めている人には、物足りないゲームに見えてしまうかと思います。そこを少しでも緩和するために、クリアー後にはゲームのその後の物語を読めるようにしました。これはPC版でもそうですし、Nintendo Switch版にも含まれますが、Nintendo Switch版はさらに調整を加えています。
――これはいちファンの夢物語なんですが、後日談の部分がゲームとなって遊べるようになった“エルシャダイ完全版”は、さすがに実現しなかったのでしょうか。
竹安そのことはいつも考えていますし、各所に売り込んではいるのですが協力を得られることはなく(苦笑)。やはりベースとなるゲームを移植するのと、追加で何かを新しくつくるのはワケが違います。
ゲームはお金を掛ければおもしろくなるわけではなく、作り手の想いが込められていないとおもしろくなりません。『エルシャダイ』はとくに想いが必須ですから、僕が強く関わらないことには“ズレ”が絶対生じます。そういった考えもあって今回はオリジナル版の再現に留めました。
――ちなみに本来、ダウンロード版の予約は2024年1月11日(いちばんいい日)に開始となるはずが、1月18日(いやな日)になってしまった発表がありましたよね。どういった事情があったのでしょうか。
竹安シンプルに我々の手続きがうまくいかなかったのが、正直な理由です。申請はしていたのですが「コレが足りませんよ」とリテイクが掛かってしまい、1月11日には間に合わないことになってしまって。
やはり「いちばんいい日」の1月11日は、絶対に予約開始日にしたかったのですが……。ちなみにその後、1月18日になることを発表しましたが「1月19日(イーノック)にしたらどうですか?」って意見をいただいて、たしかに! と思いつつも、そんな理由でまたまた変えていいのかと悩んで、やめておきました(笑)。
いちばんいい限定版を頼む
――限定版にはゲームに加えて、“セタ記”のドラマCDと、イラスト入りドラマCD台本が付属します。なぜこれらの特典を付けようと考えたのでしょうか。
竹安僕はダウンロードコードなどで配布し、デジタルで聴けたほうがいいのでは? と思っていたのですが、周囲やファンの方々は「実物が欲しい」といった意見が多くて。
よくSteamのタイトルで、デジタルアートブックやサウンドトラック付き特典版が売られていることもありますが、たしかに買ってもダウンロードまでは自分でもなかなかやらないなと思いアイテムの実物があることにこだわりましたなことにこだわりました。CDとか本って実物であるだけで喜ばれるグッズのひとつなんですよね。
台本はノウハウ的には作れるとは思っていたのですが、内容はその時点では決まっていなくて。しかも『エルシャダイ』のアートブック的なものはこれまでも多数発売しています。
ただの画集じゃつまらないなと思い収録に使用した台本に挿絵などを追加して、ある意味小説のように楽しめるように仕上げました。なお、ゲーム内の“セタ記”もそうですが、今回Nintendo Switch版用に挿絵を20枚以上描き下ろししています。
――ファンにはたまらない「いちばんいいアイテム」ですね!
竹安おもしろかったのが、挿絵の1枚を以前公開したところ、ファンたちが「買ってから楽しむから見せるな」って言われて(笑)。
――買うことは決まっているからこその意見(笑)。ドラマCDの出来栄えはいかがですか?
竹安収録しながら正直ウルっときてしまいました。『エルシャダイ』関連作って毎回「これで終わり」と思って作っています。オリジナル版から原作小説もそうですし、前回のPC版でも「これで終わり」と思って挑んでいました。
それが10年以上経過して、ボイス付きで語れなかった物語を聞くことができ、本当に感無量で。イーノック役の三木眞一郎さん、ルシフェル役の竹内良太さん、そしてミカエル役の湯口和明さん。3人がゲームに入ることのなかったセリフを読んでくださることがとても感慨深かったですね。
――ゲーム中のイーノックは物語設定的な面もありますが、ほとんどしゃべらないキャラクターですよね。
竹安ドラマCDのイーノックはメチャクチャしゃべりますので、ぜひご期待ください。
――ちなみに通常版は3850円とお手ごろな価格設定ですね。
竹安本当はもっと安くしたいんです。僕としては無料配布したいくらい(笑)。とはいえそれは無理なので、目指すべき採算分岐みたいなことはありつつも、できる限りお安く設定しています。
――さらに限定版はドラマCDと台本が付いて8250円ですよね。ドラマCDと本の値段を考えると「安すぎないか!?」と思ってしまいます。
竹安実際、レイニーフロッグのスタッフの方にも「これ安すぎますよ!」って言われました(笑)。ただ、やはりなるべく多くの人に楽しんでもらいたいですし、ドラマCD台本の挿絵などは正直ゲーム内でも見れるものなので価格はなるべく下げるようにしました。
そんなにコラボして大丈夫か?
――これまでのお話にも出てきたように、竹安さんは本当にファンとの距離が近いですよね。
竹安僕はもともとゲーム会社に務め、サラリーマンとしてゲーム開発に関わってきました。それを辞めていちばんよかったことが、ゲームを遊ぶプレイヤーやファンの実態がリアルに見えることでした。自分の評価やユーザーが何を考えているのかが見えるので、クリエイターとしてうれしかったです。
会社にいるとなかなかそこが見えにくいんですよ。昔、過去に関わっていたとあるゲームのユーザー主導のイベントに呼ばれて会場にふらっと訪れたのですが、会場にいるファンの方々が騒然としてしまい、ご迷惑をお掛けしてしまったことがありました。そんな評価を受けてることを本当に知らなくて。
(ファンの方から気軽にメッセージがもらえる)いまのような状況はとてもとてもうれしいですし、経営者としてもクリエイターとしても、ありがたいことですね。
――今回、Nintendo Switch版の移植ですが、プレイステーションやXboxハードへの移植は考えていますか?
竹安ファンからも望まれていることはわかっています。ただ、本当に我々は少人数なので、1個1個の開発しかできないんです。技術的にはもちろん可能なのですが、シンプルに開発リソースが足りません。ですがPC版を開発してますし、今回Nintendo Switch移植を乗り越えたので、プレイステーションやXboxハードへの移植難度はそこまで高くないのかなと。とはいえ、現状予定はありません。
――では、もし“エルシャダイ2”を作るとなったら、どのようなゲームに考えていますか?
竹安じつは、『エルシャダイ』続編の企画書はいままでたくさん作ってきたんですよ。
――おお!
竹安ですが、まったくどこにも通りませんでした(笑)。
――ええー……。
竹安妄想ベースになりますが、もしいま新しい『エルシャダイ』を作るのであれば、『エルシャダイ』を現代の時代に合わせたタイトルがいいのかなと思います。何が正しいのかはまだわかりませんし、ゲームもかなり多様化しているので、答えはわかりませんが……。
――わかりました。また『エルシャダイ』は、かなり関わりのないタイトルとコラボすることがあったりと、驚きの展開をすることが多いですよね。
竹安たしかにタイトル単位で見ると「なぜ?」と思われるかもしれませんが、ゲーム作品とコラボするタイトルはどれも僕とクリエイターどうしの繋がりから生まれているものです。もちろん知り合いでなくとも、『エルシャダイ』とコラボしたいタイトルがあれば、ぜひ気軽にお声がけください。
――ゲームだけでなく、商品やサービスなどのコラボもこれまで多いですよね。
竹安いまもいくつか進んでいます。たとえば、いま“香りをデジタル化し、香りを作り出せる”技術があるんです。その業者さんが「いちばんいい香りを作りたい」と言うので、『エルシャダイ』とコラボ企画を練っています(笑)。
あと、今度スポーツジムとコラボします。ルシフェルのボイスで、トレーニングに追い込みをかけてもらえるサービスです。ちょうど台本を書いていて、ルシフェルが「そんな体勢で大丈夫か?」とか言ってくれる感じです。こちらのコラボについては、詳細は公式サイトをご確認ください。
――いやもう、『エルシャダイ』は愛されかたの幅広さがすごいですね(笑)。
竹安2022年、2023年の2年連続で、神奈川県警が『エルシャダイ』を交通安全に使ってくれましたし。ただ、初回は神奈川県警から連絡がなくて、2023年に初めて連絡をもらいました。「『エルシャダイ』の一部画像素材やPVはフリー素材として使ってもらって、使用時も連絡しなくていい」と公言はしているのですが、さすがに県警からは報告が欲しいですよね(苦笑)。
それをSNSで言ったら、つぎからちゃんと連絡してくださって。今年は何をするんだろうと見ていたら、神奈川県の高速道路の看板が「そんな運転で大丈夫か?」に変わっていて、とても笑いました(笑)。
もうたくさんおもしろいことがありすぎて覚えきれていないレベルですが、今後も自由に使ってもらっていいですし、もし大丈夫か不安になったらご連絡ください。「大丈夫だ、問題ない」とお返ししますので。
――2018年にトレイラーがフリー素材化したときは、驚きました。
竹安僕は『エルシャダイ』の版権を買い取ったとき、いちばん最初にやりたかったのが全編フリー素材化だったんです。以前、佐藤秀峰先生がマンガ『ブラックジャックによろしく』を2次利用フリー化したじゃないですか。あれがカッコいいですし、すごくいいことだと思って、僕もやりたかったんです。
本当は素材から何まで全部フリー化したかったのですが、関係者から激しく止められまして(笑)。実際、長年IPホルダーになってみて「当時すべてをフリーにしなくてよかったな」と思うところはたくさんありますが。でもトレイラーならばすでに配信しているものですし、何ならすでにフリー素材みたいな存在になっていましたし、いちばん欲しい素材はあそこに詰まっていると思うんです。ですから、トレイラー内の要素だけはフリー素材化することにしました。
――なるほど。ゲーム配信の収益化もいいんですよね?
竹安大丈夫です。問題ありません。
――ニコニコ動画で流行した当時はゲーム実況が黎明期に近いこともありましたが、実況動画もなくて、実際のゲームプレイを知らない人も多かったように思います。
竹安実際、本当に実況動画はなかったんですよ。なぜならば、当時会社が著作権管理の別チームを制作し、著作権侵害で削除申請していたからなんです。上からは「トレイラーであんな風に盛り上がっていいのか」とも言われていて。ニコニコ動画のムーブメントが産まれながらも、じつはそのムーブメントには公式が乗っかれなかった過去があります。いまはもちろん、ご自由に配信や動画投稿をしてください。
大丈夫だ、問題ない
――『エルシャダイ』とは関係ありませんが、先日発表された新作『STARNAUT』についてもお聞かせください。3Dのサバイバルローグライクアクションとのことですが、どのようなゲームになのか教えてください。
竹安『Vampire Survivors』を代表したサバイバル系の派生ゲームも流行ってますよね。スタッフからも進められて、数タイトル遊んだのですが、基本的には2Dスタイルの作品ばかりで、このサバイバル系のジャンルで3Dに再構築したアクションゲームが出ないかなって期待していたんです。
でもぜんぜん出る気配がなくてあるとき「あ、自分で作ればいいじゃん」と思ったので、ゲーム制作経験ゼロのスタッフふたりと制作することにしました。なので、3D空間で『Vampire Survivors』のようなサバイバルアクションが遊べるゲームだと思っていただければと。
ちなみに『Vampire Survivors』の作者であるルカ・ガランテさんが、僕に会いに来てくれたことがありました。本当にたまたまなんですが、開発中の『STARNAUT』を見せたこともあります。「もっと脅威が欲しい」とアドバイスももらったので、そのアドバイスがうまく反映できていたら幸いです(笑)。
インディーゲームという言葉が多彩な意味で使われています。この作品は3人で作っていて、全員が「こんなゲーム欲しいよね」と共感して作り始めました。そこそこの資金があってそこそこのクリエイターが集まって、誰にも何も言われずに好きなゲームを作る。本来の意味でのインディーゲームにチャレンジしています。2024年よりアーリーアクセスが始まるので、皆さんの意見をもらいながらいいゲームにしていきたいです。
――そちらも楽しみにしています! では『エルシャダイ』をまだ遊んだことがない人に、本作のどこに注目してほしいですか?
竹安こういったゲームがあったんだな、チャレンジをしたんだなといったポイントを見てほしいです。ゲームとしては、シンプルにジャンプアクションが楽しかったり、バトルアクションが3すくみでシンプルながらに奥深くやり込めます。その中で、変わり続けていく世界の旅を楽しんでほしいです。
10年以上前に僕が狙ったのは、無国籍でどこにもない世界で、何年経っても古く見えない世界観でした。実際に何年も経過したわけですが、それが本当に古く見えないのか、ぜひ評価してください。
――最後に、今回『エルシャダイ』の購入を迷われている方々に、ぜひアピールをお願いします。
竹安大丈夫だ、問題ない。いちばんいい買い方で頼む。
以上で、竹安氏へのインタビューを終了します。
ファンにとって『エルシャダイ』を最大限楽しんでもらうためにはどうするかということを大事にして、ゲーム作りをされているのが伝わってくるお話でした。インタビューの中でも限定版に付属するグッズの説明されていましたが、Switchで発売される限定版(パッケージ版)は、完全受注生産とのこと。オリジナルボイスドラマやその台本など、ファンなら必見のアイテムが付属するので、ぜひチェックしてみてください。
『エルシャダイ・アセンション オブ ザ メタトロン HDリマスター』限定版の購入はこちら (Amazon.co.jp)