2024年1月10日、NHKで『ゲームゲノム』のシーズン2がスタートする。テレビゲームを“文化”として捉え、古今東西の名作の魅力を深掘りするNHK初のゲーム教養番組だ。2021年にパイロット版が放送されて話題となり、2022年に全10回のレギュラー番組“シーズン1”がスタートした。

 番組の終了から約1年。ファン待望の“シーズン2”が、全10回のレギュラー番組として放送される。番組の再スタートを記念して、『ゲームゲノム』の生みの親であり、総合演出を務めるNHKディレクターの平元慎一郎氏にインタビューを実施。

 再びレギュラー化に至った経緯や、番組のイメージイラストに天野喜孝氏、副音声に2BRO.を起用した理由、さらに各エピソードで取り上げる作品やテーマ、見どころなどをうかがった。このインタビューをチェックして、シーズン2の放送に備えてほしい。

(聞き手:ファミ通グループ代表/林克彦)

平元 慎一郎氏(ひらもと しんいちろう)

NHK所属のディレクターで、『あさイチ』や『みんなで筋肉体操』などの番組制作に携わる。『ゲームゲノム』では企画の立ち上げを行った、いわば番組の生みの親。シーズン1に引き続き、総合演出を担当しながらディレクターも務める。文中は平元。

新規番組ながらファンの応援を受けてシーズン2の制作が決定

――前回、平元さんにインタビューをさせていただいたときには、シーズン2が正式には決まっていないタイミングで、この後もチャレンジをしていきたいという趣旨の話をされていたと思います。最初にシーズン2が実現するに至った経緯からお聞かせください。

平元林さんにインタビューをしていただいて記事が公開されたのが2022年12月で、ちょうどシーズン1の放送が終わる直前のタイミングだったかと思います。当時はシーズン2よりも、まずはシーズン1を最後まで走り切ることに集中していました。

 ただ、頭の片隅ではその先についても考えてはいまして、ほかにどんなラインアップがあるのか。シーズン1を実際にレギュラー放送してみてわかったこと、もう少し改善できること、新たにチャレンジできることなどを整理しながら、年明けからレギュラー化を決定する編成部門にシーズン2ができないか打診を行いました。

――レギュラー放送を継続できるかどうかは、やはり何らかのハードルがあるのですか?

平元テレビの宿命ですが、やはり“数字”が大きいですね。視聴率はもちろん、昨今は“NHKプラス”の同時配信と1週間の見逃し配信でどれくらい視聴されているのかも重要になります。そのうえでポジティブな評価が多いのか、『ゲームゲノム』で伝えたいことが視聴者に広く伝わったのかどうか、モニターリポートやSNSの反応といった質的な部分もポイントになりました。

 『ゲームゲノム』はゼロから立ち上げた番組だったので、ハードルの高さは感じていましたが、とてもありがたいことに我々が目標としていた数字を達成でき、局内からもシーズン2という形で続ける価値があるのではないかという評価をもらいました。

――シーズン1の全10回の放送が終わって、視聴者からはどのような感想が寄せられたのでしょうか?

平元ざっくりというと共感といいますか、「ちゃんとわかってるじゃん」といった声が寄せられました。各作品のファンの方には懐かしいという声もいただきましたし、遊んだことがないゲームのおもしろさにも気づいてもらえたようで、驚きの声も寄せられましたね。

 我々が大事している番組のスタンス、紹介するゲームはどこがおもしろいのか……もう一歩踏み込んで、どういった感覚がプレイ体験として待っているのか。そして、それはなぜ起こり得るのか。そういったところを丁寧に紐解くことが、多くの視聴者の方に伝わったのかなと。

 一方で、「ネタバレしすぎではないか」というご指摘も受けました。とくに多くのご意見を頂戴したのが『天穂のサクナヒメ』を取り上げた回で、テーマである“ふるさとの作り方”を語るうえで中盤の重要なイベントシーンを紹介したのですが、「ネタバレがすぎる」と……。

 ただ、テーマを設けてゲームを掘り下げるために、ネタバレを避けるのが難しいのも事実で。加えて、視聴者それぞれに「どこからがネタバレで、ここまでは許容できる」といった感覚も異なると考えています。そして「ネタバレがある番組です」と事前に伝えるのは、僕はちょっと野暮ではないかと思っていて。

 シーズン2でもそういった類の付言は原則しないことにしています。原則、というのは一回だけちゃんと言う放送がある、ということなのですが(笑)。ただ、これにもきちんと理由があるので注目してもらえたらと思います。

――ネタバレは難しいですよね。ネタバレありきの番組ではないにしろ、ゲームを掘り下げるためにはゲームの重要なシーンを取り上げる必要があり、それがネタバレにつながることはままありますから。

平元もちろん、ネタバレを気にするゲームファンの気持ちはよくわかります。なんせ、僕自身も番組の制作過程で自らネタバレをされにいっているので……。シーズン1では10本のゲームを取り上げましたが、3分の2ぐらいは遊んだことがありませんでしたし、いずれプレイしようと思っていたタイトルもありました。

 ですが、総合演出としてプロデュースする立場上、テーマを決めてどのシーンを紹介して掘り下げるのか、ディレクターたちと話し込まなければいけません。ディレクターが用意してくれた取材メモを読み込みますし、そのゲームに関して根掘り葉掘り質問をするので、プレイしなくてもストーリーや展開がわかってしまいます。さすがにもう諦めが付きましたけど(苦笑)。

――それは避けられないご苦労ですね(笑)。我々もその気持ちはとてもわかります。ところで、平元さんが担当されている、“総合演出”とはどのようなお仕事なのでしょうか?

平元一言でいえば、“全部の制作フェーズに関わって、演出ないしプロデュースする”という感じでしょうか。複数のディレクターが参加する、いわゆる特番をつくるときに、全体を俯瞰してディレクションする人間が必要になるので、総合演出を立てることはありますが、じつはこの肩書きは、NHKではあまり使われていないんです。しかも、特番の文脈では“総合演出”ではなく“総合ディレクター”と呼ぶことがほとんどです。

 一方、『ゲームゲノム』に関してはレギュラー番組ではありますが、取り上げるタイトルごとに担当ディレクターがいます。ですから、各作品の“ゲームゲノム”とは何かをディレクターといっしょに最終決定したり、全放送回の全フェーズに立ち会ったうえで、つねにアイデアを出すポジションが不可欠です。

 また、番組の哲学として守るべきところや部分的に変えて挑戦となる演出の可否判断なども任せてもらっています。本当にゼロから作ったので、やはり指針が必要なんです。というわけで、パイロット版の企画を出した僕がシーズン1のときから担当しています。

 そして、番組すべてに関わるブランディングの案を出して、実現までたどり着かせるのも僕の仕事ですね。まとめると“総合演出”は究極的には、便宜上勝手に名乗っている肩書きです(笑)。もちろん上司から許可というか、任命は受けていますが。

 また、これは補足ですが、僕がほかのディレクターよりも偉いかと言われると、そんなことはまったくありません。僕自身、シーズン1のときは『ワンダと巨像』、『人喰いの大鷲トリコ』を取り上げた回でディレクターを担当していますし、シーズン2でも『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FF14』)の回でディレクションを行っています。

――平元さん自身、今回もディレクターとしても参加していると。

平元はい。それでいざ自分がディレクターをするとなると、総合演出を担当していても、やっぱりすごく迷うし悩むんですよ。『FF14』の回もほかのディレクターに相談しましたし、プロデューサー陣に助けてもらって、ようやく収録にたどり着きました。

 自分自身でも信じられないくらい悩むからこそ、紹介するタイトルごとにディレクターが異なる本プロジェクトでは、“ゲームゲノム”とは何なのかをブレずに答えられる人間が必要だと痛感していて。僕に問いかけてくれれば、番組としてオーケーな演出なのかどうか、ちゃんと答えられるようにしています。もちろん、各ディレクターとプロデューサーと何度も何度も議論を交わしたうえで、ですが。

――総合演出を担当されるうえで、とくに気をつけていることはありますか?

平元アイデアを出し合うときに、先輩・後輩、上司・部下といったポジション論は一切関係させないようにしています。視聴者からすると、新人のディレクターが作ろうが、大ベテランが作ろうが関係ありませんよね。

 番組の内容がおもしろいかどうか、視聴者の皆さんの心が動いたかどうかがすべてですし、これはどんな番組でも同じだと思います。もっと言えば、『ゲームゲノム』では、一度扱った作品を軽々しく再登場させるわけにはいかないので、「マスターピースを作るんだ」と意気込んで制作していますし、総合演出としてはそういった意識の共有はずっとしてきたつもりです。

 マスターピースにするためには、先輩・後輩、上司・部下に関わらずアイデアを出し合ったうえで、そのアイデアを実現させるためにどうしたらいいのか、ベストを尽くす必要があります。僕自身、提案してくれた企画やアイデアに対して、一生懸命考えて番組がよりおもしろくなる答えを出しますし、プロデューサーやデスク、技術や美術、広報など、関係するすべてのスタッフたちともすぐに相談できるような環境作りも心がけています。

 おかげで我々制作陣だけでなく、関わるすべての部署が“チーム・ゲームゲノム”になった、という感覚もありますね。

NHK『ゲームゲノム』シーズン2インタビュー。総合演出が明かす全10回の見どころ。天野喜孝氏のイラストや2BRO.の副音声、本当に好きなゲームを掘り下げるディレクター陣に見るゲーム好きの遺伝子

シーズン1から踏襲したこと、シーズン2で新たにチャレンジしたこと

――シーズン2を制作するにあたって、変えていないこと、新たにチャレンジしたことをそれぞれ教えてください。

平元大きなところでいうと、番組の根幹というか、ゲーム教養番組として、取り上げた作品の魅力をひとりでも多くの視聴者に伝えるというコンセプトの部分はまったく変わっていません。ゲームを文化として扱い、MC三浦大知さんとゲストが語らい、クリエイターの皆さんに作品に込めた思いもお聞きしますが、ゲーム作品を真ん中に置くことを大切にしながら紹介しています。

 一方で新たにチャレンジしたのが、三浦さんとゲストがゲームを遊ぶ“プレイルーム”のイメージをブラッシュアップしたことです。実際にゲームを遊んでいる瞬間の感情や雰囲気を伝えるための“プレイルーム”ですが、シーズン1では『ゲームゲノム』という番組らしさを打ち出すまでにはいたっていないなと感じていました。

 いろいろとアイデアを出し合う中で、天野喜孝さんに番組のイメージイラストを描いていただき、そのイラストを飾ることでこれまでとは見た目はもちろん、“番組ならでは感”が創れたと思っています。

――なるほど。ひとつずつ確認したいと思います。シーズン1のときは、レギュラー番組にするにあたって局内公募でやる気のある方に集まってもらったとお聞きしました。今回は、どのようにチームを作ったのですか?

平元前回のチームでそのまま制作できるとよかったのですが、地方局から参加してもらったりなど、さまざまな事情があったので、再びチームビルドから始めました。ゼロからと言うとちょっと大げさですが。

 (シーズン2では)僕を含めると、シーズン1に携わってくれたディレクターが4人いるのですが、あとのメンバーは前回と同じく局内公募で全国から募集していて、最終的に10本分のチームになりました。

 具体的な数をお答えすることはできないのですが、今回はパイロット版に加えてシーズン1の10本があったので、『ゲームゲノム』で伝えたいことをより深く理解してくれたうえで応募してくれるディレクターが多かったです。熱量もさることながら、さらに純度の高い企画書が集まったような印象を受けました。

――企画書には、どのようなことが書かれているのですか?

平元必要な情報としては、紹介したいタイトルと、そこからどのようなプレイ体験を経て、自分の人生の糧となっているのか。つまり紹介に留まらない“教養”の部分ですね。そして、番組ではどのようなシーンでどのように語っていくのかを、1枚の企画書にまとめて提出してもらいました。

――つまり、局内公募の選定が終わった段階で、シーズン2で紹介するタイトルがほぼほぼ決まっていたと?

平元いろいろな事情で想定していたタイトルから変えたことはありますが、大体は決まりました。採択した企画書には、ゲームに対する愛はもちろん、この部分をこういうふうに紹介すれば作品の魅力が絶対に伝えられるといった構成などが、明確にとまではいかないものの丁寧にまとめられていました。企画書を通してディレクターの気概や能力なども感じられたので、以前お話しした通り読んでいてものすごく楽しかったですね。

――NHKには、ゲームに愛を持っている方がまだまだたくさんいらっしゃるのですね。

平元番組を担当したディレクターはもちろん、音声さんやカメラマンさんといった技術チーム、グラフィックや大道具・小道具などの美術チームのモチベーションが非常に高かったのもうれしかったですね。スタッフの年齢は幅広くて、技術や美術には年上のスタッフが多いのですが、みんな自分のゲームの思い出話を語ってくれるんですよ。

 そこに僕も総合演出として、新たなアイデアの種の発見もありました。ゲーム愛に溢れた面々が集まり、ひとつになって番組制作ができるところも、『ゲームゲノム』を作るうえで励みになりましたね。

――シーズン1の反響を受けて、うちのゲームもぜひ番組で取り上げてほしいとお願いされたことは?

平元打診といいますか、相談をされたことはあります。ゲームメーカーさんからそういったお問い合わせがあること自体、とても光栄なことではあるのですが、ディレクターのゲーム愛が詰まった作品を取り上げるからこそ、ちゃんとテーマを掘り下げることができますし、視聴者にもメッセージがしっかりと伝わると信じているので、それによってタイトルを決めるといったことはありません。

 それにメーカーさんを考慮して取り上げるタイトルのバランスを考えることは、強い言葉を使うと“ゲームへの裏切り”だと思っていて。結果論ではありますが、シーズン1のときはディレクターたちが本当にやりたいタイトルを選んだからこそ、古今東西の作品を集めた『ゲームゲノム』らしいラインアップになったと自負していますし、シーズン2のラインアップにも同様の手応えを感じています。

――なるほど。ちなみに番組が1本完成するまで、どれくらいの制作期間がかかるのですか?

平元取り上げる作品によって異なるのですが、ざっくりいうと約3ヵ月です。長いと感じるかもしれませんが、30分番組でVTRとスタジオを行ったり来たりするシンプルな構成の番組としては、わりとオーソドックスな期間かなと思います。

 最初の1ヵ月で企画を練り、掘り下げるべきテーマや詳細な構成を明確にします。その後、パブリッシャーとデベロッパーにご相談をして、許諾を得てからキャプチャーロケを始めます。その際、クリエイターの方に取材も行います。これを受けて、さらに構成をブラッシュアップし、スタジオで見せるVTRの編集に入ります。ここまでで約2ヵ月ですね。

 VTRが完成したら、スタジオ収録をして、トークとVTRを28分45秒に編集。最後に映像加工やテロップ、効果音などを入れます。このプロセスを大体3ヵ月くらいで終わらせるようにしています。

――制作工程の中で、とくにいちばんたいへんなのは?

平元ディレクターによってたいへんだと感じるところは異なるかもしれません。総合演出の僕の立場でいうと、紹介するゲームの“ゲームゲノム”を抽出して、それを魅力的な番組にできるようにきちんと言語化するところですね。

 たとえば、こんなに売れている、こんな賞を受賞していると説明するのは簡単です。一方、番組の核となるテーマを企画書の段階からさらに明確にするのが、とにかくたいへんで脳みそが爆発しそうになります(笑)。さらに、番組として構成するためのVTRそれぞれのキーワードに辿り着くのもまた難しくて。

 ですが、テーマやキーワード、さらにはピックアップしたキーワードを伝えるために、どのシーンを使いたいかなど、しっかり練り上げてからでないとメーカーさんやクリエイターさんに取材を行わないことにしています。どんな内容にするのか、魅力的な番組になる見積もりというか、戦略がないと説得できませんし、先方にも不安を抱かせてしまう可能性もありますから。1ヵ月かけて作ったものが、残念ながら断られてしまって無駄になることもありましたが、このやり方を変えるつもりはありません。

NHK『ゲームゲノム』シーズン2インタビュー。総合演出が明かす全10回の見どころ。天野喜孝氏のイラストや2BRO.の副音声、本当に好きなゲームを掘り下げるディレクター陣に見るゲーム好きの遺伝子

平元さんが天野喜孝先生の大ファンだったことでオファーが実現

――『ゲームゲノム』のイメージイラストを拝見しましたが、天野先生らしいすばらしい作品で、観ていると自然にワクワクしてしまいます。著名なイラストレーターの中から、天野さんを起用した理由を教えてください。

平元天野さんに番組のイメージイラストを描いてもらえたら、すごくインパクトがあるのは間違いないですし、『ゲームゲノム』という番組だからこそ表現できる天野さんらしさが生まれる予感もしていました。

 それに何よりも、僕自身が天野さんの大ファンだったというのもあります。「番組のイメージイラストを描いてもらうなら、絶対に天野さんがいい!」って(笑)。

――平元さんの夢も実現したのですね。

平元結果的にそうなのですが、まさか受けてくださるとは思わなくて。プロデューサー陣と相談して、ダメもとでオファーしてみようかと企画書をお送りしたところ、実際にお会いできることになり、快諾していただきました。

――天野先生も最初から乗り気だったと。

平元番組の趣旨を説明したときに、「すごく有意義な番組だと感じました。お手伝いができるのであれば」とすぐに引き受けてくれました。ただ、僕は誰かに何かをお願いする際に、ハードルが高いと勝手に思い込むクセがあって……。天野さんも簡単には引き受けてくれないだろうと思い、番組にかける思いをしたためた手紙も用意したんです。

――その手紙が天野先生の心を動かしたのですか?

平元そうだとよかったのですが、じつは手紙をお渡しする前に快諾していただきまして。ただ読んでもらいたい気持ちも強かったので、手紙は最後にお渡ししました(苦笑)。

――(笑)。実際にイメージイラストを描いてもらうにあたって、天野先生にはどのような相談をされたのですか?

平元僭越ながら、僕からイラストの原案はお伝えしましたが、それをどのように仕上げるかは天野さんにお任せしました。天野さんのアーティストとしての唯一無二の技法や卓越したセンスがありますから、仕上がりが待ちきれなかったですね。

――野暮ではありますが、天野さんにどのような原案をお伝えしたのか、お聞きしてもいいですか?

平元天野さんには3つの要素を盛り込んでくださいとお願いしました。ひとつ目は、『ゲームゲノム』というターミナルに、古今東西のゲームに登場するようなキャラクターが一堂に会している空間です。

 ただ、ひとつ目の希望を1枚の絵で表現しようとすると、統一感がほしくなるなと考えました。そこでふたつ目の要素として、ゲームの過去、現在、未来を見守る女神をキャラクターたちの軸に添えることをお願いしました。女神を選んだのは、僕自身、天野さんが描く幻想的な女性キャラクターの表情や存在感が大好きだったのもあります。

 そして3つ目の要素ですが、『ゲームゲノム』は“ゲノム(※遺伝子と染色体から合成された言葉で、DNAのすべての遺伝情報のこと)”という言葉通り、受け継がれるDNAを意識しています。それをイメージさせる“螺旋”のデザインを取り入れてほしいとお願いしました。

――(イラストを見ながら)そうして完成したのがこれ……。圧倒されますよね。

NHK『ゲームゲノム』シーズン2インタビュー。総合演出が明かす全10回の見どころ。天野喜孝氏のイラストや2BRO.の副音声、本当に好きなゲームを掘り下げるディレクター陣に見るゲーム好きの遺伝子

平元完成した絵を初めて見たときは、感動で震えました。いい意味で情報量が本当に多いので、見ていて飽きないんですよね。この絵を見ながら、ゲームファンの皆さんとひと晩中語り合えると思います。

――ドキドキワクワクしますよね。これは実際の大きさなんですか?

平元スタジオの“プレイルーム”に飾っているものは高精細にスキャンしたものになりますが、原画とほぼ同じサイズになります。

――ちなみに原画はどこに……。

平元原画は天野さんにお返ししました。スタジオに置いたままで劣化したら怖いので、厳重に保管していただいています(笑)。

――イメージイラストは、“プレイルーム”だけで見られるのですか?

平元じつは番組タイトルのCGにもこのイメージイラストを使用しています。これは天野さんからいただいたアイデアなのですが、「原画はこれとして、自由に使っていただいて構いません。たとえばですが、絵を動かしてもいいですよ」とおっしゃってくださって。『ファイナルファンタジーXV』で天野さんのイラストを動かすCGアニメーションを見ていたので、そういった演出があることは知っていたのですが、「僕らもやっていいんだ」と驚きました。

 そこでNHKのグラフィックチームと相談して、実際に動かすことにしたわけですが、担当したスタッフはかなりドキドキしながら作業をしていて(笑)。当たり前ですが、天野先生のイラストを動かすことに、プレッシャーを感じていました。相当な苦労もありましたが、そのぶんすごくステキなタイトルCGが完成しました。

――オープニングを観るのが楽しみです。

平元ほかに新たな挑戦として、ゲーム実況のパイオニアであり、トップランナーでもある2BRO.の皆さんに、副音声で番組の実況をしていただけることになりました。

――それもユニークな取り組みですね。

平元じつはこの取材の直前に決定したんです。2BRO.の3人は、“世界でいちばんやさしいゲーム実況者”だと個人的に思っていて。ゲーム愛に溢れていますし、共に遊ぶと書いて“共遊(きょうゆう)”というプレイ体験を広くシェアしようとするモットーも、『ゲームゲノム』のコンセプトに通じるものがあると感じていてリスペクトしています。それでぜひごいっしょしたいとお願いしたところ、ご快諾いただきました。

――副音声というと、どのような感じになるのでしょうか?

平元2BRO.の3人が番組の最初から最後まで、ひたすら視聴した感想を実況していきます。しかも収録は一発録り。これから収録を行うのですが、どのような実況をくり広げてくれるのか、僕も非常に楽しみです。

 地上波放送の副音声チャンネルに切り替えることですぐにお楽しみいただけますし、“NHKプラス”の見逃し配信でも副音声チャンネルに切り替え可能です。まずは主音声で1周目を、2BRO.さんの副音声の実況で2周目を、という新たな視聴スタイルもご提案したいです。

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自然なクロストークを引き出す空間づくりと三浦大知さんのMC力

――今回、平元さんにインタビューを実施するにあたって、『風ノ旅ビト』の回の収録に立ち会わせていただきました。現場の皆さんの熱量を実際に肌で感じることができましたが、いちばん驚いたのは、台本があるようでないところでした。MCやゲストのクロストークが盛り上がってくると、台本通り進んでいないところもあるじゃないですか。視聴者の立場からすると非常におもしろかったんですが、制作サイドからすると、進行管理するのはたいへんなんだろうなと思いました。

平元たいへんではありますが(苦笑)、スタジオトークの収録スタイルは、『ゲームゲノム』ですごく大事にしている考えかたがあって。トークを始める前に、我々が伝えたいテーマと、それを噛み砕くキーワードを、大きく3つか4つで紹介しますと共有しています。さらに、実際にプレイして、どのような感想を抱いたのか、事前にちゃんと取材をすることを徹底しています。それを収録台本上にしっかり反映して出演者の皆さんも番組スタッフも共通認識を持つ、という感じですね。

 一方で、スタジオの空気感でトークがどのように展開されていくかは読めないところがあります。でも、それがこの番組の醍醐味です。僕らが想像もしなかった秘話が飛び出したり、台本にはなかった解釈が生まれることもある。スタジオトークは、ドキュメンタリーだと思って撮影しています。

 もちろんタイムスケジュールはあるので、毎回冷や冷やしながら収録に臨んでいるのですが(笑)。クロストークによって、自然な化学反応が起こるような空間づくりは意識して行っています。

――空間づくりの秘訣を教えてください。

平元秘訣というほど大層なものではないです(苦笑)。すごく単純なことなのですが、出演者に円形のテーブルに座ってもらう。MCの三浦大知さんは中央に、ゲストやクリエイターと距離を離す。これだけです。こうすることで、三浦さんしかカメラやカンペが見えず、ゲストやクリエイターはおのずと三浦さんの方を向いて話すので、クロストークに集中できるんです。

――そうなってくると、余計に三浦さんのMC力が必要になりますよね。シーズン1のときも驚きましたけど、実際に収録を生で拝見して、改めて三浦さんのMCはすごいなと感じました。すべてのゲームをじっくりとプレイされているわけではないと思いますが、ゲームの根幹の部分に対する理解度がとても高いですし、ゲストの皆さんへの気遣いもさすがだと感じました。

平元三浦さんが『ゲームゲノム』で初めてMCを担当されているという事実に改めて驚かされています。それくらい、MCとしての能力が高い。さらに、三浦さんといっしょに番組をつくる中で、“リスペクトの精神”をものすごく大事にされている方なんだなと思いました。

 ゲーム作品そのものやクリエイターはもちろん、ゲストもリスペクトしていて、彼らの言葉や気持ちをMCとしてしっかりと受け止めてくれる。そのうえで、自分がどのように感じたのか、丁寧に言葉を紡いでくれるんです。『ゲームゲノム』の大黒柱という存在だと感じています。

NHK『ゲームゲノム』シーズン2インタビュー。総合演出が明かす全10回の見どころ。天野喜孝氏のイラストや2BRO.の副音声、本当に好きなゲームを掘り下げるディレクター陣に見るゲーム好きの遺伝子

――シーズン1もそうでしたが、『ゲームゲノム』はゲストのキャスティングが秀逸ですよね。そのゲームに精通していて、愛を語れる著名人を、よく見つけてくるなと驚かされます。

平元ゲストのキャスティング方法はシーズン2でも変わっていません。取り上げるゲームのテーマに合わせて、ズバリこの人という方にお願いしています。だからこそゲストの方の視座といいますか、その人ならではの人生観であったり、思想信条であったりが、ゲームのプレイ体験と融合して、感想に深みや重さが生まれると実感しています。

――『風ノ旅ビト』の回にはピアニストの清塚信也さんと、タレントの結さんが出演されていて、おふたりともゲームについて、ものすごく楽しそうにトークをくり広げていたのが印象的でした。

平元おふたりとも『風ノ旅ビト』のファンであることを、事前にちゃんとキャッチアップしたうえでオファーしました。清塚さんはピアニストとして、結さんは俳優やタレントとしてそれぞれさまざまな経験をされてきた中で、『風ノ旅ビト』のプレイ体験が自分自身にどのような影響を与えたのか、しっかり語っていただけると、打ち合わせの段階で手応えを感じました。

――三浦さんを交えたおふたりのトークが、どのように編集されるのか楽しみです。あと、収録を見学して驚いたのが、セットの作り込みでした。

平元じつは、林さんに見学してもらった『風ノ旅ビト』は、セットをかなりがんばっている回になります(苦笑)。

――あ、そうなんですね(笑)。

平元そもそも『ゲームゲノム』のスタジオのセットは、パイロット版のときにNHKのデザイナーとコンセプトからいっしょに作りあげたものでした。彼から、「ゲームごとにカラーが違うのがおもしろいはず。その作品のニュアンスをちゃんと投影できるように、スタジオのセットはプレーンなものにしたい」と提案されたんです。

 おかげでベースは同じスタジオなのに、照明や小道具によって作品に寄り添った空間を作ることができました。あと、僕自身、スタジオに意味もなく観葉植物などを置きたくない人間で(笑)。シンプルなんですが、さまざま応用もきいて、かつ巨大な螺旋のオブジェやCD・DVDをイメージしたテーブルの俯瞰映像など、番組らしさも随所にある、本当に大好きなセットですね。

 そこに足し算する小道具などの美術については、ディレクター陣から「紹介する作品によってはセットや小道具をもっとこだわってもいいんじゃないか」というアイデアが出ました。なるほど、と思ったので「やるからには中途半端はダメです」とだけ伝えましたし、何なら僕も相当アイデアを出しました(笑)。

 もちろん、どこまでやるかは担当するディレクターの意向に委ねてはいます。『風ノ旅ビト』はどちらかというと知る人ぞ知るタイトルですから、遊んだことがない視聴者にも、作品の世界観や空気感みたいなものをもっと伝えたいということで、ふだんとは違った雰囲気になっています。

シーズン2でピックアップされたタイトルとテーマを一挙公開

――先ほど『風ノ旅ビト』の回を深掘りしましたが、シーズン2ではほかにどんなタイトルを取り上げるのか、教えてもらうことはできますか?

平元シーズン2は、先にすべてのタイトルを発表します。放送の順番は仮のものですが、予定通り放送されると下記のような放送リストとテーマになります。

『ゲームゲノム』シーズン2の放送リストとテーマ

※エピソード15以降の詳細は前週の放送が終わり次第、発表予定となっている。各エピソードの詳細発表にあわせて、該当エピソードのインタビュー部分を追加予定。

――シーズン2のラインアップもバラエティー豊かですね。それぞれの回の見どころやテーマについてお聞きしてもよろしいでしょうか。

平元もちろんです。シーズン2の1回目、つまり通算でエピソード11では『FF14』を取り上げます。本作は世界最大級のプレイヤー人口を誇るMMORPGということで、“天地創造”がテーマです。

 世界中のプレイヤーがいっしょに冒険していて、吉田直樹さんを筆頭に多くのクリエイターとプレイヤーが10年以上にわたっていっしょに歩み続けてきたからこそ、“エオルゼア”という魅力的な“もう1つの世界”ができあがっています。サービス開始から13年間、どのような歴史があったのか。そして今後どのような広がりを見せるのか。“豊かな世界の在り方”について、番組で紐解いていきます。

――エピソード12は『ストリートファイター』。これはシリーズで取り上げるのですね。

平元『ストリートファイター』といえばご存知、格闘ゲームの金字塔ですが、シリーズで伝えたほうがいいかなと。テーマについては担当ディレクターと打ち合わせをする中、「とにかく相手に勝ちたいと思わせてくれるゲームで、勝ったらうれしい、負けたら悔しい……」という純粋なゲーム体験に着目してみました。そして、勝敗に関わらず、さらなる高みを目指したいと思うのは、“ライバル”の存在が大きいからだという結論に至りました。

 『ストリートファイター』シリーズはゲームセンターでスタートし、いまやインターネットを介して世界中のプレイヤーと対戦できるようになりました。eスポーツやプロゲーマーも誕生するなど、大げさに言えば“ライバル探し”が仕事にまでなっている。でもその根底には、賞金や名誉以上に、「強いヤツに勝ちたい」、「そのために会いに行く」という思いがあるのではないでしょうか。そういったピュアな感情を、僕らに与え続けてくれる神髄に迫ります。

――エピソード13では、今回、収録を見学させてもらった『風ノ旅ビト』が放送されるのですね。

平元はい。『風ノ旅ビト』は、“人生という旅”をテーマに紐解いていきます。“人生は旅”だというと、すごく結論じみているような気もしますが、この作品を丁寧に分析していくと、人生にはいくつもの細かいフェーズがあって、“人間万事塞翁が馬”ということわざの通り、つらいときもあれば楽しいときもある。

 そんな人生のフェーズがゲームの中にギュッと詰め込まれている中、プレイヤーが気の向くまま、心の赴くままに旅をすることで、どのような体験をもたらしてくれるのか。ゲストやクリエイターのジェノヴァ・チェンさんに語っていただきます。とくにジェノヴァ・チェンさんは、彼の半生がゲーム製作において大きな意味を持っていることを語ってくれていて、そこも見どころになっています。

――エピソード14は、ちょっと意外な組み合わせでした。

平元林さんのご指摘の通り、『甲虫王者ムシキング』と『オシャレ魔女 ラブandベリー』の2本立てになっています。じつは、伝えたいメッセージは早くから見つかっていたものの、『ゲームゲノム』として言語化する大テーマがなかなか決まらなくて、担当ディレクターと長期間悩みました。

 いろいろとアイデアを出し合う中で、「当時、これらのアーケードゲームに夢中になった子どもたちは、どのような大人に成長したんだろう?」という話題になり、テーマが“おとなへの階段”に決まりました。

 取材を進めてみると、大人になったいまでも『甲虫王者ムシキング』や『オシャレ魔女 ラブandベリー』のカードを大切に持っている方が多くて。それだけ大事なものはなかなかないと思いますし、ゲームを通して彼らは何を知り、何を感じたのか、紐解いていきます。

――ちなみに、エピソード14のゲストは……。

平元ゲストは森本慎太郎さんと藤田ニコルさんです。森本さんは『甲虫王者ムシキング』、藤田さんは『オシャレ魔女 ラブandベリー』についてそれぞれ語っていただきたいと思っていたのですが、打ち合わせをしてみると、森本さんの妹さんが『オシャレ魔女 ラブandベリー』をハマっていたのと、藤田さんは『甲虫王者ムシキング』も詳しかったので、両タイトルとも思わぬ化学反応が生まれて、想像以上にトークが盛り上がったんですよ。

――ピンポイントでよく見つけましたね。

平元この回は、ほかにも見どころがありますよ。どちらも現在では稼働はしていないのですが、今回は筐体を特別にお借りすることができました。森本さんと藤田さんが久しぶりにプレイして、童心に帰って楽しんでいる様子も必見です。

――それは視聴者も含めて盛り上がりますね。

平元ゲーム映像の撮影も筐体を使って行いましたが、番組に関わっていないスタッフは驚いていましたね。部屋の中から「つぎの子に代わってね!」って声がするって(笑)。

気になる『ゲームゲノム』の今後の展開は……

――改めて見返すと、局内公募で『ゲームゲノム』で掘り下げたいタイトルを募ったからこそのラインアップですね。結果的に、メジャーどころから知る人ぞ知るといったタイトルまで入っていて、NHKさんでなければ実現しなかったとも思います。

平元局内の人にもよく聞かれるんですよ。「『ゲームゲノム』で紹介する作品はどうやって決めているの?」って。ただ、本当に難しいことはしていなくて、ディレクターが「やりたい!」と提案してくれたものをチーム全体で一生懸命に話し合って、“ゲノム”=テーマを見つけて……。本当にそれだけです。一般的なテレビ番組作りと基本は同じなんです。

 もちろん、そうは言っても先ほどもお話しした通り、各回の軸となるテーマはなかなか決まらないことが多くて。ただ、担当ディレクターと脳がとけるくらいさんざん悩んで、「これだ!」と思うテーマがバシっと決まると、ゲームのストーリーやキャラクター、システム、クリエイターの過去のインタビューなどがすべてリンクするんです。これがめちゃくちゃ気持ちがいい(笑)。こればかりは『ゲームゲノム』という番組でしか味わえない制作の醍醐味のひとつかもしれませんね。

――シーズン2のテーマ決めでとくに印象的だったのはどの回でしたか?

平元エピソード14のテーマがなかなか決まらなくて、無理かもしれないと諦めかけたこともありました。それでも、担当の大野稚香子ディレクターが別のタイトルをリサーチして新しい企画書を作ってくるたびに、最後に『オシャレ魔女 ラブandベリー』の名前が入っているんです(笑)。

――それはなんとしても実現したいという熱意の表れですよね。これは想像ですが、ディレクターの皆さんの根っこの部分には、自分が大好きで、こんなに愛しているゲームをみんなに知ってほしい、伝えたいという気持ちがあるのではないでしょうか。その気持ちは、ゲームファンとしてもゲームメディアとしてもよくわかります。それに、ゲーム業界に関わるメディアの人間として、『ゲームゲノム』を通して、遊んだことのない作品の魅力に気づいてもらえるのがうれしくて。

平元そうですね。大好きなゲームの魅力を広く伝えたいという気持ちと、テレビディレクターとして何かメッセージを投げかけたいという思いの掛け算というか。その結果としてバラエティー豊かなラインアップが実現しました。おそらくですが、シーズン2で紹介したすべてのゲームを遊んでいるという方は、多くないと思います。ゲームをふだんあまり遊ばない方はもちろん、コアなゲームユーザーにとっても、発見の多い内容になっているのではないかと手応えを感じています。

 だからこそ『ゲームゲノム』を視聴して、興味の湧いたゲームを遊んでもらえるとうれしいですし、「このゲームおもしろかったな、感動したな」というプレイ体験を共有しているような感覚を味わってもらえると、制作者冥利に尽きますね。もともと、視聴者にゲーム体験を共有してほしいという目的を掲げて番組を作り始めたので。

――『ゲームゲノム』で掘り下げられるタイトルは、まだまだ本当にたくさんありますし、これからも発売されていくと思いますが、シーズン3の予定は……。

平元前回と全く同じ文言になってしまい本当に恐縮なのですが(笑)、いまのところシーズン3の制作は決定していないので、具体的なお話をすることはできません。ですが、おっしゃっていただいた通り取り上げたい作品はまだまだたくさんありますし、切り口や演出を変えることで、また違った形の『ゲームゲノム』を作れるとも思います。

 もちろん、コンセプトである“ゲームを文化として捉え、古今東西の作品の魅力や奥深さを紐解くゲーム教養番組”は永劫変えるつもりはありませんが。だからこそ、無限の可能性があるとも思っていて。それは、ゲームというものが持つ可能性が無限だからです。

 ゲームは人間が作っているからこそ、それぞれの内容と作り手の生きかたや想いが符合することがあり、プレイヤーの受け取り方もさまざまで、これもまたおもしろいところです。そして、『ゲームゲノム』は“ゲームを主人公にした番組”です。

 シーズン2でも、その志を感じていただけるマスターピースが10本作れたと自負しています。ぜひ、多くの方にご覧いただいて、ひとりひとりの“ゲームゲノム”を見つけてもらえたらうれしいです。

NHK『ゲームゲノム』シーズン2インタビュー。総合演出が明かす全10回の見どころ。天野喜孝氏のイラストや2BRO.の副音声、本当に好きなゲームを掘り下げるディレクター陣に見るゲーム好きの遺伝子