入国審査ゲーム『Papers, Please』や、消えた乗船者たちの運命を探る『Return of the Obra Dinn』など、個性的なゲームで知られるLucas Pope氏。その新作『Mars After Midnight』のデモを遊んできたので、その内容を紹介しよう。
なお本作は2024年にクランク付きの携帯ゲーム機“Playdate”向けにリリース予定となっている。
火星のコミュニティセンターを運営するお仕事ゲー
『Mars After Midnight』の舞台は火星。プレイヤーは三つ目の火星人(?)となって火星のコミュニティセンター(公民館のようなもの)の深夜運営をするという、Lucas Pope氏らしい変なお仕事ゲーだ。
デモではチュートリアル面として、“サイクロップスアンガーマネージメント”(1つ目のサイクロップス族たちが怒りを抑えるためのセラピーセッション)の回を遊ぶことができた。
運営さんとしてのお仕事はふたつあり、ひとつはその日のイベントに沿った人だけを入場させるようゲートで識別すること、それと来場者たちが散らかすおやつコーナーを綺麗にすることだ。
というわけでまずは入場管理。ドアがノックされたらPlaydateのクランクを回して小窓を開けて、その日のイベントの参加条件に合致している人(?)なのかを確認する。
たとえばサイクロップスアンガーマネージメントの回は、1つ目&口がへの字口であることが条件。合致していなければまたクランクを回してお帰りいただき、合致していればボタンを押して入場してもらう。
しかしLucas Pope氏らしい癖のあるドット絵で描かれたクリーチャーたちは、小窓をちょっと開けた時は目に見えた場所がよくよく見回すと鼻だったりすることもあるので要注意。まぁ『Papers, Please』でパスポートチェックを極めた諸氏なら余裕だとおもうけどね!
そうして入場した参加者は、まずおやつコーナーに直行して食い散らかす。おやつコーナーは、その日のおやつ・皿・ケーキサーバーなどの器具・看板などを並べる順番が決まっているし、テーブルが汚れているのはよろしくないので、次の来場者が来る前にちゃんと整えないといけない……という寸法だ。
まずは皿などを両手の触手で持ち上げ、クランクを回して掃除機バーを出現させ、清掃が終わったら並べ直すという地味に面倒くさい作業がプレイヤーを待っている。並べ直す前に次のやつが来てノックされたりすると「今やってんだよ!」という気分にもなるが、黙々と仕事しよう。
とまぁ、そうやって仕事していくと一日が終わり成績発表がされて、翌日のイベントやおやつを選んで業務が続いていく……というのが一連の流れになる模様だ。
絶対に超大作ではないし選んだハードもニッチだが、Playdateのチープ感とオフビートなかわいさの絶妙なバランスがLucas Pope氏の作風とマッチしていて、「なんでPlaydateを新作発表の場に選んだのか」はなんとなく納得がいった次第。Playdate持ちのスキモノのインディーマニアの人は期待して待っておくといいんじゃないだろうか。