渡辺宙明氏が手掛けたテーマ曲も熱かった
2003年(平成15年)11月27日は、ニンテンドーゲームキューブ用『ガチャフォース』が発売された日。本日で発売から20周年の節目を迎えたことになる。
『ガチャフォース』は、カプコンから発売されたロボット対戦アクションゲーム。残念ながら販売本数はあまり振るわなかったものの、いまなおゲームファンからの評価は高く、まさに「隠れた名作」と呼べる作品だ。
発売後、時間を経てから作品の評価が知れ渡ったためソフトが手に入りにくく、一時は価格がかなり高騰したほどだとか。何度か再販されて価格は落ち着きを取り戻したようだが、ハードの世代が2回移り変わり、Wii Uが発売されようとしている2012年にも異例と言えるゲームキューブ用ソフト『ガチャフォース』の再販が決定。買い損ねていたファンたちがWiiの後方互換機能を使って遊ぶため、本作を買い求めたようだ。
プレイヤーは主人公の少年コウとなり、心を持つ手のひらサイズのマシン生命体“ガチャボーグ”を操って悪のガチャボーグ軍団“デスフォース”が企む破壊と征服を阻止するのが目的となる。
カプコンが開発を手掛けた『機動戦士ガンダム vs.』シリーズの流れを汲む作品だったこともあり、アクションのおもしろさはお墨付き。しかもオリジナル作品ゆえの自由なアイデアが満載で、かなり豪快なバトルをくり広げることができた。シンプルでわかりやすい操作になっていたので、子どものころに遊んだというプレイヤーも多かったのではないだろうか。
登場するガチャボーグは、なんと200種類以上と桁外れ。もちろんすべてプレイヤーが操作可能で、どれもこれも個性的だったのでコレクションするだけでも楽しかったんじゃないかな。有名なロボットアニメ作品のロボットや“メタルヒーロー”シリーズを彷彿とさせるパロディーネタっぽいものもあれば、宇宙戦艦やドラゴンみたいな規格外のガチャボーグも無数にあった。そのうえ、レアカラーも存在したため、1周のプレイでは終わらず何度も周回プレイした猛者もいたはずだ。
バトルチームをコストの範囲内で自由に組むことが可能で、メンバー選びで頭を悩ますのも楽しかった。何せガチャボーグは見た目だけでなく性能も多種多様。スピードや攻撃力といったパラメーターの違いで留まらず、“やたらと巨大”であったり、“まったく動けないが超弾幕攻撃が可能”だったり。あるいは“接触すると大爆発を起こして敵味方問わず葬り去る”など、ピーキーで個性が強すぎる性能を有していたのが『ガチャフォース』ならではだった。
ほかにも変身・変形くらいは当然で、地中に潜って移動したり、ワイヤーアームで敵と自分を繋いで強制的にチェーンデスマッチをしたり、相手をG(黒いアイツ)に変身させたりとやりたい放題。これで対戦プレイができたのだから、涙が出るほど大笑いしながら夢中になって遊んだんじゃないかな。
現状、本作はオリジナルのゲームキューブ版でしか遊べないのが残念なところ。熱心なファンが多い作品なので、何とか現代でも手軽にプレイできる方法を用意してもらえるとうれしいのだが……。