ソニーはワイヤレスノイズキャンセリングゲーミングヘッドセット『INZONE Buds』(インゾーンバッズ)を2023年10月27日発売予定だ。Amazonでの販売価格は29700円[税込]。今回サンプルをお借りして数日試用したのでそのインプレッションをお届けする。
『INZONE Buds』の主な特徴
- WF-1000XM5と同じソニー独自開発8.4mmのドライバーユニット“ダイナミックドライバーX”を採用
- イヤホン本体のみで12時間、ケース充電合計約24時間の使用が可能
- 1000Xシリーズで定評のあるノイズキャンセリング機能と外音取り込み機能を搭載
- 圧迫感を軽減した設計で長時間装着でも快適に
- 音場とサウンドトーンの個人最適化が可能
何時間でもイケる快適な装着感
装着して驚いたのは快適すぎるつけ心地。耳の形状は個人差があるので一概にはいえないが筆者にとってはかなり快適で、装着による痛みや違和感などはかなり抑えられていた。ゲームプレイやラジオを聞きながらのPC作業など10時間以上つけっぱなしでも平気だったのだ。
その秘密は本体の形状にある。デザインは1000Xシリーズを踏襲せず、長時間ゲームプレイを想定した快適な装着感を目的に設計されている。くの字型にデザインしたことで耳との接点を極力減らし、圧迫感を軽減し、装着快適性と操作性の向上を図ったという。
耳への接点が少ないということで、装着の安定感は少し心もとないとの説明を製品内覧会でうけていた。しかし、『INZONE Buds』をつけて半日『モンスターハンターNow』で狩りまくっていたが筆者はズレや違和感をあまり感じなかった。
ゲームプレイ時に利用できる機能も紹介しよう。PCの専用ソフトINZONE Hubを利用すると、ユーザーの耳を写真で撮影して耳の形に合わせた最適化が可能。くわえて、サウンドトーンの個人最適化ができる。これにより立体音響がよりユーザーに合わせた設定となるのだ。私物の完全ワイヤレスと比較してみると能力の差は歴然。立体音響によって周囲のプレイヤーの動きを把握できた。
マイクに関しては環境ノイズを抑え、発話者の声をクリアに抽出する機能を備えている。
プレイステーション5(PS5)との接続ではゲーム画面上に音量、バッテリー残量、マイクミュートなどのステータスが表示され、立体音響システム“Tempest 3D AudioTech”にも対応する。
低遅延なのだがiPhoneユーザーには……
最後に接続機能について。『INZONE Buds』は2.4GHzワイヤレス接続とBluetooth LE Audioでの接続のみ。消費電力の低減や、電力消費を効率化するチップセットを新たに開発することで、12時間という長時間駆動を実現しているのだ。よっていま多くのスマホが採用しているBluetooth Classic接続には非対応となっている。このBluetooth LE Audioは低消費電力や低遅延な点が特徴の新しい規格で、対応しているスマホは記事執筆時点ではXperia 1 IV、Xperia 5 IVのみだ。
2.4GHzワイヤレス接続は、ケース内に収納されたレシーバーをPCやPS5、スマホに挿して利用する。遅延は30ms未満(一般的なBluetooth接続に比べおよそ5分の1程度)となっており、遅延を極力抑えたいスマホで音楽ゲームをプレイする際などでは重宝しそうだ。
レシーバーによるスマホ接続では、端子が埋まってしまうため、ケーブルでの充電が行えないほか、ポケットに入れて持ち歩きづらいなどのデメリットがある。
くわえて、USBトランシーバーと変換アダプタとの組み合わせでの使用は動作保証されていない。なので、端子がUSB-C以外のiPhone(iPhone15シリーズ以外)ユーザーがふだんづかいにすることはできない点も注意が必要だ。
Bluetooth LE Audioがもっと浸透すればこれらの問題は解決しそうだが、現状では持っているスマホによっては使い勝手が変わってくるモデルとなりそうだ。
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