2023年8月30日にNintendo Switchで発売するリズムアクションゲーム『サンバDEアミーゴ:パーティーセントラル』のレビューをお届けします。
本作は『サンバDEアミーゴ』シリーズの約15年ぶりの続編。本シリーズは1999年にアーケードで登場し、2000年にドリームキャストに移植、2008年にはWiiでも発売されました。
1作目から両手に持ったマラカス型のコントローラーを振って楽しむゲームでしたから、動きを感知するセンサーが搭載されたJoy-Conの両手持ちプレイが可能なSwitchでの発売は、シリーズファンにとっては待望のものだったのではないでしょうか?
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筆者は今回がシリーズ初プレイだったのですが、底抜けに明るく、ハッピーなノリに夢中になって楽しめました。発売前のレビューであり、オンラインでのマルチプレイは試しようがないため、オフラインでのひとりプレイ用モードを中心としたレビューになりますが、ゲームの根っこにある魅力は未プレイの方にも伝わるものになっているかと思います。ぜひ最後まで読んで行ってください。
2023年秋にはMeta Quest版もリリース予定。また、Switch版の発売と同日、Apple製品向けにアレンジされた『サンバDEアミーゴ:パーティー・トゥー・ゴー』がApple Arcadeにて配信されます。Switchをお持ちでない方は、これらプラットフォームでのプレイもご検討ください。
また、先日公開されたインタビューでは本作がセガ音ゲーのいろいろを結集したゲームであることが明らかに。合わせてご覧ください。
「照れるな! さらば開かれん。」はマジでガチ
Joy-Conを振って楽しむ“ふってプレイ”以外に、“ボタンでプレイ”も用意されている『サンバDEアミーゴ:パーティーセントラル』。けれど、やはりその楽しさを120%満喫するなら、まずはぜひとも“ふってプレイ”に挑戦してみてください!
本作のゲーム部分は、6方向にあるサークルへと画面中央から流れていく“リズムダマ”が、サークルと重なったタイミングに合わせてその方向にJoy-Conを振るのが基本。矢印に沿ってJoy-Conを動かす“スライド”や、画面のジェスチャー通りのダンスやポージングなどを行うアクションも加わって、プレイ中は大忙し!
“?”のリズムダマを取ると“ハプニング”が発生。一定時間、ランダムで選ばれたゲームにチャレンジすることになります。画面奥からやってくるオーディエンスとタイミングをあわせてハイタッチしたり、ダンス……というには筋肉への負荷が大きい“エクササイズ”を全力で行うことになったり。楽曲のスピードが上がったり、下がったりする場合も。
ちょっとキツめのゲームが選ばれてしまったときは思わず苦笑いをしてしまいますが、それもまた楽し。
アドリブ性の高い要素が盛り込まれていることもあって、リズムの精度を高めるため、ストイックにくり返しプレイするというよりは、ハプニングも含めて1回1回のプレイがただただ楽しい、だから何度も遊びたい――というのがこのゲームの魅力だと感じました。
トニオ國崎氏による先行レビューでも言及されていますが、プレイのコツは“サンバのリズムを照れずに全力で楽しむ”こと。最初は必要最低限の動きでプレイしようとしていた筆者ですが、それではJoy-Conのセンサーがしっかり認識してくれないことも多々ありました。そこでリズムダマの方向に全力で腕を振るようにしたところ、コンボ数やスコアは大きく改善。
そして何より、リズムにあわせてほとんど踊るように体全体でプレイするのはめちゃめちゃ楽しい……! プレイを終えたあとの心地よい疲労感もたまりません。この時期に遊んでいると冷房が効いた部屋でもじっとりと汗をかきました。こまめに水分補給をしながらプレイするのが“最強の攻略法”と言っても過言ではないかもしれません。
考えすぎることはなくて、あとは上のサークル、真ん中のサークル、下のサークルに対して、しっかりそちらにJoy-Conを傾けながら振ることくらい。操作がうまくいかないときは改めて意識してみるとよいでしょう。いろいろとコツを書きましたが、一度身に付いてしまえば音楽に身を委ね、難しいことは忘れてプレイできるはずです。
遊べるモードについても簡単に紹介しておきましょう。本作はモードの種類も豊富で、さまざまな切り口で音楽のリズムに乗る楽しさが味わえます。
“リズムゲーム”は好きな曲を気軽に、そして存分に楽しめるメインモード。“StreamiGo!(ストリーミーゴ!)”はさまざまな課題に挑戦していくミッションクリアー型のゲームモードです。いっしょに遊べる友人やパートナーがいるのなら、さまざまなパーティーゲームが遊べる“ふたりでパーティー”で盛り上がることになりそうです。
オンライン対応モードには、最大8人のプレイヤーと12体のCPUキャラクターでパフォーマンスを競うバトロワスタイルの対戦モード“ワールドパーティー”と、オンラインでパフォーマンスを競い合う“リズムゲームオンライン”があります。
どのモードでも、遊ぶたびに経験値が手に入り、プレイヤーのレベルが上がっていきます。レベルアップの報酬としてお金が手に入ったり、アミーゴくんのコスチュームがアンロックされたりすることも。お金も“きせかえショップ”で各種コスチュームの購入に使えるので、イカしたコーデで踊れば、気分はさらに上々。オンラインプレイで互いのオシャレを見せ付け合うのも楽しそうです。
前述の通り、ここから先はオフラインでひとりでも遊べるモードの中身を掘り下げていきますが、発売後、オンライン用のモードやふたりプレイ用モードで遊べるのが筆者も楽しみで仕方がありません。
ソニックの『Escape From The City』ほか、“アゲ曲”揃いの収録楽曲。未発表のDLC追加曲を妄想してワクワク
自由に収録楽曲をプレイできるメインモード“リズムゲーム”では、40曲以上の楽曲が楽しめます。おもな収録楽曲は以下のとおり。プレイ開始時点からこれらの楽曲はすべて解禁されています。
- 『Make Way』 by Aloe Blacc
- 『Break Free ft. Zedd』 by Ariana Grande
- 『Pompeii』 by Bastille
- 『You Give Love A Bad Name』 by Bon Jovi
- 『I Really Like You』 by Carly Rae Jepsen
- 『Payback (feat. Icona Pop)』 by Cheat Codes
- 『Karma Chameleon』 by Culture Club
- 『Let You Go (feat. Kareen Lomax)』 by Diplo & TSHA
- 『Good Feeling』 by Flo Rida
- 『Runaway (U&I)』 by Galantis
- 『I Will Survive (Eric Kupper Mix Extended)』 by Gloria Gaynor
- 『I Love It』 by Icona Pop
- 『Centerfold』 by J Geils Band
- 『Bang Bang』 by Jessie J, Ariana Grande & Nicki Minaj
- 『Sucker』 by Jonas Brothers
- 『Move Your Feet』 by Junior Senior
- 『TiK ToK』 by Kesha
- 『Just Dance (feat. Colby O' Donis)』 by Lady Gaga
- 『Moves Like Jagger (feat. Christina Aguilera)』 by Maroon 5
- 『You & Me』 by Marshmello
- 『Panama』 by Matteo
- 『Pa'lla』 by Max Pizzolante
- 『Plastic Hearts』 by Miley Cyrus
- 『I Won't Let You Down』 by OK Go
- 『Good Time』 by Owl City
- 『Celebrate』 by Pitbull
- 『The Cup of Life (La Copa de la Vida)』 by Ricky Martin
- 『XS』 by Rina Sawayama
- 『Bom Bom』 by Sam and the Womp
- 『Get Busy』 by Soolja
- 『Escape From The City』 from Sonic Adventure 2
- 『Fist Bump』 from Sonic Forces
- 『Azukita』 by Steve Aoki, Daddy Yankee, Play-N-Skillz & Elvis Crespo
海外の音楽には疎い筆者ですが『Karma Chameleon』(『天才てれびくん』で日本語カバーを聴いたことがある人はきっと同世代!)を筆頭に、『Centerfold』や『The Cup of Life (La Copa de la Vida)』など、耳馴染みのある曲もたくさんありました。ボン・ジョビの『You Give Love A Bad Name』も熱い!
『Azukita』や『VAMOS A CARNAVAL』などサンバ調の既存曲は、ほかのリズムゲームではなかなかお目にかかれない、本作ならではの選曲。オリジナルの楽曲にも思わず踊り出したくなるものが多く、きっと誰もがお気に入りの楽曲に出会えるはずです。
さらに、すでに明かされている通り、DLC“ミュージックパック”による楽曲の追加もあります。レビュー用のデータでは第1弾“ソニックミュージックパック”、第2弾“ジャパンカルチャー ミュージックパック”、第3弾“セガミュージックパック”、さらにまだ未公開となるミュージックパックの収録楽曲もプレイすることができました。
『Open Your Heart』や『Escape From The City』(後者はDLCではなく最初からプレイできます)などのソニック楽曲をプレイするときはソニックがいっしょに踊ってくれたり、背景も専用のものになったりと、ファンなら目にも嬉しいはず。
『マツケンサンバII』や『スペースチャンネル5 パート2』の楽曲『Go Go Cheer Girl!』も、最高にアガります……! 未公開楽曲の内容は……ご期待ください!
華やかだけどストイック? “StreamiGo!(ストリーミーゴ!)”で腕を磨こう
“StreamiGo!”は“配信によってフォロワーを増やし、ライバル配信者たちと競い合う”という、現代ならではの設定がおもしろいゲームモード。
ライバル配信者たちから出題されるお題に応えつつリズムゲームをプレイして、“クリアー条件”を満たせばプレイヤーのフォロワーが大幅に増加。フォロワーが増えればさらなるライバルたちにフォローされ、新たなお題が出題されるというのが基本的な流れです。
プレイ中は画面左下に視聴者からのコメントが流れ、ときには“投げ銭”もしてくれるという粋な演出にテンションが上がります(投げ銭はきちんとプレイヤーの所持金に加算されます)。
お題は“パーフェクト◯◯個以上”、“◯◯◯コンボ以上達成”、“BOO(タイミングを外してコンボが途切れてしまう判定)◯個未満”など、プレイ精度を求められるものが多いのですが、要求されるハードルはその多くが絶妙な塩梅だと感じました。
“StreamiGo!”でさまざまなお題をクリアーするための試行錯誤をくり返したうえで、改めて“リズムゲーム”モードで好きな楽曲をプレイしてみると、目に見えてスコアが伸びていました。“StreamiGo!”は、プレイヤーに自然と上達を促してくれるモードとしても優秀と言えるでしょう。適度に緊張感を持ってリズムゲームに臨めるのが、ほかのモードとの差別化になっているのも好感触です。
ただ、これは難点とはちょっと違うのですが、ここまで“ふってプレイ”を推奨してきましたが、お題の中には“125回連続でパーフェクト”といったものがあり、こういったお題では“ボタンでプレイ”のほうがクリアーしやすい印象を受けました。
体感操作で遊ぶリズムゲームは、腕の動かしかたのちょっとしたブレによる“想定外の判定”が行われる状況をゼロにすることは難しく、このゲームも例外ではありませんでした。こうした性質の操作で“連続パーフェクト”系の精度が求められるお題はうまくいったつもりのプレイでもコンボが途切れがち。
“ふってプレイ”で何度か挑戦してクリアーできなかったミッションを“ボタンでプレイ”してみるとあっさりクリアーできた、ということは少なくありませんでした。もし何度挑戦してもクリアーできないときは、ストレスを貯める前に操作方法を切り替えてみることをおすすめします。
余談になりますが、「じゃあハイスコア狙いなら“ふってプレイ”よりも“ボタンでプレイ”のほうが安定するのでは?」と考える方もいるかもしれません。しかし、あらゆる楽曲には“Joy-Conを連続で振り続ける”部分があり、ここでの“振った回数”もスコアに加算されます。
“ボタンでプレイ”では振る動作を“ボタン連打”で代用するのですが、これだとがんばって連打しても回数のカウントは著しく落ちるようです。
なので、多少パーフェクト判定を落としても、“ふってプレイ”を極めたほうがより高いスコアを狙えるんじゃないかな? というのが現時点での感触です(ガチでやり込んで検証した場合は少し違った結果が出る可能性もありますが)。
“StreamiGo!”の一部ミッションは“ボタンでプレイ”のほうがクリアーしやすいかも、といった点はありつつ、基本的には“ふってプレイ”のほうがぜったい楽しい!(そしてたぶんいいスコアも出る!)というのは改めて強調しておこうと思います。
住環境にお悩みのアナタも、きっとプレイしやすい(はず)
しばらく体感ゲーム的なタイトルはご無沙汰だった筆者ですが、『サンバDEアミーゴ:パーティーセントラル』でひさびさに「やっぱり身体を動かすゲームって楽しいな!」と思い出すことができました。
極めて個人的な事情になりますが、現在筆者は集合住宅の2階に住んでいまして……しかも木造建築の。Switchには身体全体を使ってプレイするタイトルがいくつか登場していますが、足も動かすゲームとなると、下の階に住んでいる方への迷惑が心配で、手が出しづらかったんですよね。
その点、本作ならほぼ両手の操作だけで完結するので、下の階の方のことはあまり気にしなくても大丈夫そうです。中には「ジャンプ!」みたいな指示もありますが、そこはこう……タイミングに合わせてJoy-Conを高らかに掲げるといった操作で代用できたり……大きな声では言えませんが……。
それから腕は思い切り振り回すことになるので、壁や棚に手をぶつけたりしないようなスペースの確保は事前に行う必要があります。そこだけは注意ですね。
そして、ほぼ両手の操作だけでOKと言えども、なかなかの運動量になります。愉快な音楽に乗ってノリノリで楽しむだけでちょっとした運動不足の解消になるわけですから、一石二鳥、やり込み甲斐なども踏まえたら一石三鳥、四鳥くらい言っても大袈裟じゃないゲームではないでしょうか? 深夜帯にプレイするときなどは、“ボタンでプレイ”に切り替えることもできますし。
この夏、灼熱地獄と化している外に出ることなく、冷房の効いた家に居ながら楽しく身体を動かしたいアナタや、筆者と同じように集合住宅の上の階にお住まいのあなた! 『サンバDEアミーゴ:パーティーセントラル』、おすすめです。
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