ヨーロッパ最大級のゲームイベントgamescom 2023がドイツ・ケルンにて開催中。位置情報スマホゲーム『Monster Hunter Now』(以下、モンハンNow)のブースにてNianticのNianticの最高プロダクト責任者の河合敬一氏にインタビューする機会があったのでその模様をお伝えする。配信日の2023年9月14日に迫るなか、世界での反響や本作の『モンハン』らしさについて伺った。

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野外にブースを出展

――まず驚いたのですがブースは野外なんですね

河合外で一息つきたいなと思ったかたに立ち寄ってほしかったからここに出展しました。なにより外で遊ぶゲームなので。試遊でも実際にスマホを持ち出して、外を歩き回ってもらいながらプレイしてもらっています。

河合敬一

Niantic 最高プロダクト責任者。

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河合敬一氏。インタビューは奥のテントで実施した。

――gamescomでの手応えはいかかですか?

河合スゴいです。改めて『モンスターハンター』(以下、モンハン)シリーズの人気の高さを実感しました。

 多くのハンターのみなさんにお越し頂いておかげさまで大盛況です。ヘビーに遊んでいる方からも「おっ、ちゃんと『モンハン』してんじゃん」と褒めていただきかなり自信につながっています。

 ヨーロッパからも20社くらいのメディアが取材にきていて、彼らもみんなハンターでした。海外ファンの反響が予想を超えていたので海外戦略を練り直したくらいです。

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サムネイル(記事冒頭の写真)は公式コスプレヤーさんというわけではなくふつうにファンの方がコスプレでブースに訪れていたときの模様。
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取材時は土砂降りに見舞われたが、これも屋外出展の醍醐味だろう。

――9月14日の配信日が迫っていますが開発などの状況はいかがですか?

河合クローズドβテストのフィールドバックを参考にしつつ、細かいところでいっぱい調整をかけてローンチに向けて頑張っています。プロモーションではONE OK ROCKさんのPVが発表されましたが、これからもローンチに向けていろいろと施策を打っていきますのでお楽しみにしていてください。

――『モンハンNow』のアクションゲームとしての特徴などを教えてください。

河合狩りの楽しさを指一本で実現したことは大きいですよね。認知度はかなり高い『モンハン』ですが、未プレイな方はまだいらっしゃると思います。手軽にスマホで遊べるので初めての『モンハン』としておすすめです。

 敷居は低いつくりですが、アクションとしての遊び応えややり込み要素にもにもこだわっています。モバイルゲームでありがちなオートバトルというアイデアは最初からなかったです。ちゃんとアクションゲームとして遊んでもらえるように開発しています。

 課金によって報酬二倍やアイテムの購入はできますが、劇的に強くなるわけではありません。地道にプレイする必要があるゲームにはなっています。ガチャで強い装備やキャラを出してオートバトルで進行する。みたいな方向性とは真逆となっていますね。

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――ちなみに河合さんがお気に入りの武器はありますか?

河合モンスターハンターライズ』ではボウガンと狩猟笛を使っていまいたが、本作は太刀の操作が楽しいです。モンスターを攻撃することで“練気ゲージ”がたまって攻撃力が上昇して、大きく飛び上がり上空から斬り下ろして大ダメージを与えるSPスキル“気刃兜割”が出せるとすごく気持ちいいんです。ただ、ダメージを受けると練気ゲージが減少するというリスクリワードの関係がいいバランスになっていて、ヒリヒリ感がたまりません。

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――制作にあたってカプコンさんとどのようなやり取りをされていましたか?

河合手とり足取りという感じでなく、かなりながいこと任せてくださいました。最後の『モンハン』らしさの味付けみたいな部分ですごく調整した感じです。

 モンスターの動きや見た目、アクションの心地よさから、CMに関してもものすごく濃密なやり取りがありました。カプコンさんが大切にされているIPということで学びはいっぱいありましたし、改めて気が引き締まりました。

 最初はモンスターが13体、6武器種ですが、ローンチ後にアップデートでどんどん増やせるのがモバイルフォーマットだからできる部分です。できるかぎりサービスを続けてファンのみなさんからの「◯◯◯はよ」という意見に応えていきたいです。

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 Nianticとカプコンのスタッフによる制作秘話を語る配信もYouTubeにて公開中だ。

――『モンハン』らしさみたいな部分でいうと4人でチームを組んでモンスターに挑むグループハントの要素もしっかり搭載されていますよね。

河合本格的なリアルタイムアクションは、はじめての挑戦です。『ポケモンGO』のレイドバトルとは違って4人の位置をしっかり表示させる必要があるからです。

 このためにエンジンを新開発してリアルタイムで4人のキャラがシームレスに動いて戦闘を繰り広げられるようにしました。

 そしてオンラインマルチです。負担を軽くするためにはサーバーをいくつか立てるのは現実的ですが我々には「世界はひとつ」というコンセプトがあるので、世界中のプレイヤーがひとつのワールドに集まれるマルチプレイヤーゲームとして成立させました。これらのシステムにはNianticの叡智が結集しています。

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――Nianticさんのタイトルでいうと『Ingress』や『ポケモンGO』はもはやゲームというよりはコミュニティを作ったというような印象を持っています。もととなった『モンハン』でもプレイヤーどうしのつながりは重要な要素ですよね。本作でもそういった交流は生まれそうでしょうか?

河合Nianticでは『Campfire』という公式のソーシャルアプリがあってローンチに合わせて『モンハンNow』も対応予定です。それ以外でも自然発生的にいろんなところでコミュニティができると思います。

 『モンハン』が社会現象的にブームだったときはマックやカラオケ、ルノアールなんかにPSPを持ち寄ってみんなで狩猟にでかけていましたよね。そんなゲームってなかなかないですよね。

 スマホの時代になったいま、『モンハンNow』でもそんなことが起きてほしいです。その場に集まって狩りをしてもらうためにも“ペイントボール”のシステムがあったりします。4人であつまって「ひとり3つづつで12狩りやろう!」みたいな会話があるといいですね。

 もちろんソロでも十分遊べますが、みんなでいっしょに遊ぶと楽しいっていう傾斜はある程度つけています。

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ペイントボールは、マップで見かけたモンスターに使用することでモンスターを好きなときに狩猟できるシステム。

――おもしろい位置情報ゲームが出るたびに私はイカれた歩数で歩き回って、仕事や日常生活に支障をきたしているので『モンハンNow』は楽しみですが怖いです。

河合ありがとうございます(笑)。日本の歩数、世界の歩数を増やして、人類の総体重が減るといいですね。そんな大それたことよりもまず面白いゲームを作って楽しんでもらうのがいちばんの目標ですから。楽しく遊んでいて気づくと健康なってなっているといいですね。

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