2023年7月14日~16日、日本最大級のインディーゲームの祭典“BitSummit Let's Go!! / ビットサミットレッツゴー!!”が、京都市勧業館みやこめっせにて開催。2日目となる7月15日に、ソニー・インタラクティブエンタテインメント インディーズ イニシアチブ代表の吉田修平氏がステージイベントに登壇。“神ゲー創造主エボリューション”で2022グランプリを受賞した『TEREPORTAL』を紹介するコーナーが開かれた。

 “神ゲー創造主エボリューション”はNHKが2022年から始めた若手ゲームクリエイターのコンテストプロジェクト。新世代のゲームクリエイターを応援するものとなっている。

【イベント告知】第一回#神エボ/神ゲー創造主エボリューション

 2022年は、古市太郎氏が開発したテレポ―トを駆使して進むアクションゲーム『TEREPORTAL』がグランプリを受賞した。ステージイベントでは、吉田氏が聞き手となり、古市氏に本作の魅力や開発の裏側などについて迫る内容となっていたので、本記事では、その模様をお届けする。

SIE吉田修平氏が“神ゲー創造主エボリューション”グランプリ受賞作の開発者にエールを送る【BitSummit Let's Go!!】

 『TEREPORTAL』はテレポートを駆使した横スクロール型のアクションゲーム。弾を発射して当てたものと位置を入れ替える銃を使いながら進んでいくのが特徴。

 アクションゲームなので敵も出現するが、この銃は敵を倒す能力を持たない。そこで敵と位置を入れ替えて敵の攻撃を避けたり、障害物を利用して敵を倒してさまざまなステージを切り抜けていくこととなる。

 古市氏いわく「高校生活を送りながらひとりで作ったゲームだ」という。

SIE吉田修平氏が“神ゲー創造主エボリューション”グランプリ受賞作の開発者にエールを送る【BitSummit Let's Go!!】

 古市氏によると、「テレポートして入れ替えるということをテーマにしたゲームはいままでにもあったが、基本的にパズルゲームが多く、アクション要素が強いものはあまりないというところに着目した」とのこと。“神ゲー創造主エボリューション”の審査員も務めた吉田氏も「新しいアイデアの作品だ」と評価した。

 ステージでは、本イベント用にグレードアップした『TEREPORTAL』が披露され、吉田氏が実際にプレイをした。

SIE吉田修平氏が“神ゲー創造主エボリューション”グランプリ受賞作の開発者にエールを送る【BitSummit Let's Go!!】
プレイヤーは銃で青い弾を発射すして、当たったものと場所を入れ替えて進んでいく。
SIE吉田修平氏が“神ゲー創造主エボリューション”グランプリ受賞作の開発者にエールを送る【BitSummit Let's Go!!】

 途中、急に操作難度があがる場面などでは、吉田氏からプレイヤーに気持ちよく遊んでもらうために段階的に難しくしていく必要がある語った。

 また、「キャラクターを動かしながら、銃の標準を定める必要があるため、現在はマウスとキーボードの操作になっている」という古市氏に対して、吉田氏は「アクションゲームはコントローラーで遊びたいので、ぜひコントローラーでもこのゲームを遊べるようにするような解決策を考え出してほしい」といった、課題なども出される場面もあり、プロの目線からのアドバイスが飛び交った。

 吉田氏によると、「“神ゲー創造主エボリューション”は、神ゲーのコンテストではなく、これから神ゲーを作る骨のある若い才能を見つける場だと思っている。そういう点では古市君はその素質は十分にもっているので、肩の力をぬいてたくさんゲームを開発していってほしい」と激励する場面もあった。

SIE吉田修平氏が“神ゲー創造主エボリューション”グランプリ受賞作の開発者にエールを送る【BitSummit Let's Go!!】
急に応用的な動きになるところなどでは、何度を段階的にプレイヤーに上げていく必要性が語られた。
SIE吉田修平氏が“神ゲー創造主エボリューション”グランプリ受賞作の開発者にエールを送る【BitSummit Let's Go!!】
SIE吉田修平氏が“神ゲー創造主エボリューション”グランプリ受賞作の開発者にエールを送る【BitSummit Let's Go!!】
敵の打ってきた弾に当たる前に、敵と位置を入れ替えることで敵を倒すことができる場面のアイディアはよいとは褒めつつも、敵が死んだ瞬間が見れるとよいなどのアドバイスも。

 古市氏から「2023年の“神ゲー創造主エボリューション”にも新作のゲームでエントリーをしていて、対話式AI“ChatGPT”を活用したゲームとなっている」と発表があった。

 名前をつくることでキャラクターを生成し、ChatGPTにその名前からキャラクターの特徴や戦いかたを考えだしてもらいプロフィ―ルを作成。それを元に戦闘する対戦型ゲームとのこと。新しい試みということで吉田氏からも注目していたが、「名前をつけることに疲れてしまうプレイヤーもいるので、そこをゲーム側でどのようにサポートしていくかが課題です」と古市氏。今年の“神ゲー創造主エボリューション”にも注目だ。