モブマシンなしの個性的な30台が激突
1998年(平成10年)7月14日は、ニンテンドウ64用ソフト『F-ZERO X』が発売された日。本日で発売から25周年を迎えたことになる。
『F-ZERO X』は、任天堂から発売されたレースゲーム。スーパーファミコンのローンチタイトルとして当時絶大な人気を博した『F-ZERO』の続編で、シリーズ2作目に当たる作品だ。
2022年3月11日からはNintendo Switch Online + 追加パックに加入していれば本作を遊べるようになっているため、若い世代のゲームファンであっても『F-ZERO X』を体験済みという人もけっこういるかもしれない。
そもそも“F-ZERO”というのは、F1を凌駕する宇宙規模の大レースのこと。車輪を持たない、まるで戦闘機のボディーのような反重力マシンを駆るレースは、途轍もないスピード感と過激さに溢れていて、刺激を求める多くのゲーマーたちを惹きつけた。
反重力マシンを操るレースゲームはいまでこそ複数あるが、当時はおそらく『F-ZERO』のほかにはなかったので何もかもが新鮮だったし、未来感に満ちたコースやマシンのデザインにも魅了されたものだった。
初代『F-ZERO』の時点でも衝撃的な速さを誇っていたマシンだが、『F-ZERO X』ではなんと最高速が時速1500キロ。しっかりと実際のスケールに換算した数値を出しているということなので、とんでもないスピード感だ。ニンテンドウ64の3Dに強い性能を活かし、毎秒60フレームで描画していたため、高速ながら非常に滑らかなスクロールになっていて見やすいところもよかった。
スーパーファミコンでは擬似的な3Dだったが、本作では当然ながらコースがすべて3D化されている。ループ、スクリュー、ハーフパイブなど、立体的なコースを疾走していくのがじつに爽快で、バックに流れるロック&メタル調なBGMが大いに気分を盛り上げてくれていた。“ミュートシティ”や“ビッグブルー”のBGMはいま聴いても最高だろう。
レースに参加するマシンは全部で30台なのだが、前作のようなモブマシンは登場せず、それぞれに固有のパイロットが搭乗。マシンの形状や性能が異なるのはもちろん、パイロットにもバッチリとバックストーリーが設定されていたのだから驚いた人も多かったはず。
なかには取扱説明書の巻末にドーンと掲載されていたマシンとパイロットの解説を、当時必死になって読み込んだなんてユーザーもいたんじゃないだろうか。当然ではあるが、キャプテン・ファルコンやサムライ・ゴローなど『F-ZERO』の4人のキャラクターたちも登場している。
有象無象ではないライバルとのレースだったからこその熱い戦いがあったのは間違いない。サイドアタックやスピンアタックといった新たなアクションが追加されていたので、それらを駆使してライバルをコースアウトさせられるのもおもしろい要素だった。対戦モードも実装されたため、4人でバトルをくり広げたプレイヤーもいたはずだ。
『F-ZERO』は続編である本作の発売によってシリーズ化。以降、ニンテンドーゲームキューブやゲームボーイアドバンスなどで作品が発売された。2004年10月発売の『F-ZERO CLIMAX』以降シリーズ作品は発売されていないが、『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズにはキャプテン・ファルコンが全作に参戦しているほか、『マリオカート8 デラックス』にはコースとして『F-ZERO』のミュートシティやビッグブルーが登場する。
いま本作で遊ぶなら前述のようにNintendo Switchで“Nintendo Switch Online + 追加パック”に加入してしまうのが手っ取り早くておすすめだ。
※画面は公式サイトのものです。