『ブレードランナー』ゲーム化や『塊魂』高橋慶太氏の新作など注目タイトル目白押し。“Annapurna Interactive Showcase”発表まとめ

　2023年6月30日（金）午前4時から配信された、インディーズゲームパブリッシャー“Annapurna Interactive（アンナプルナ・インタラクティブ）”の新作ゲームショーケース “Annapurna Interactive Showcase”にて、さまざまな新規ゲームが発表された。
　
　アンナプルナ・インタラクティブは『Stray』や『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』、『Gorogoa（ゴロゴア）』など独特の世界観やアイデアが盛り込まれたゲームを数多くパブリッシングしている。
　
　今回公開された中には、『塊魂』や『のびのびBOY』を手掛けたゲームデザイナー高橋慶太氏による新作『to a T』をはじめ、日本向けの展開も期待できる内容が非常に豊富だ。本記事にて発表内容をまとめて紹介していこう。

映画『ブレードランナー』がゲーム化決定！『Blade Runner 2033: Labyrinth』

　アンナプルナ・インタラクティブが初めて開発を手掛けるタイトルとして、『Blade Runner 2033: Labyrinth』が家庭用ゲーム機とPC向けにリリースされる。発売時期などの詳細は明かされなかった。

　『Blade Runner 2033: Labyrinth』は、2033年のブラックアウトが発生した後のディストピア化したロサンゼルスが舞台。狩るべきレプリカントがいなくなったときに、ブレードランナーが何をするのかが描かれるという。およそ25年ぶりとなる『ブレードランナー』のゲーム作品だ。

　公開されたトレーラーの内容ではゲームジャンルを推察できないが、詳細は近いうちに詳細が公開されるようなので続報に期待だ。

トゥーン調の世界をバイクで走り抜けるレースゲーム『Ghost Bike』

　『Ghost Bike』は、評価の高い横スクロールアクション『Nidhogg』シリーズを手掛けるインディーゲームデベロッパーMesshofの作品。PC（Steam）での展開のほか、プレイステーション、Xbox Game Passにも対応する。

　ゴーストバイクとは、交通事故で亡くなった人に向けて白く塗装した自転車を事故現場に置き死者を弔うイギリスの風習だ。

　プレイヤーの目的は、生者の世界と死者の世界を行き来する魔法の運び屋となるゴーストバイクの最後の1台を復活させること。

　ビジュアルはトゥーンレンダリング調で滑らかなアニメーションが特徴。放置され忘れ去られたゴーストバイクは修理が必要。スピードとスキルを競ってゴーストを倒し、力を取り戻そう。

リアルなグラフィックをプロ仕様の一眼レフで撮影する『Lushfoil Photography Sim』

　Matt Newelが開発を手掛ける家庭用ゲーム機とPC向けゲーム『LUSHFOIL PHOTOGRAPHY SIM 』が発表された。実写かと見まがうほどのリアルな描写を突き詰めた映像美で、写真撮影を楽しめるゲームになるようだ。

　伏見稲荷のような神社、雪山、海辺で沈んでいく夕日など、息をのむような風景に一眼レフカメラを向けて撮影していく。カメラにはさまざまな機能が実装されており、本格的な写真撮影が可能になっている。オート／マニュアルフォーカス、フラッシュ、ホワイトバランスなどの細かい調整、さらには撮影場所の天候なども自由に操作可能とのこと。

　ドローンを利用した空中撮影、カヌーを使っての水上撮影といった要素も用意されているようなので、風景や写真撮影が好きな人にはたまらない一作になりそうだ。

悪夢のような世界観の謎解きゲーム『Lorelei and the Laser Eyes』

　Simogoが開発した『Lorelei and the Laser Eyes』のトレーラーが公開された。プラットフォームはNintendo Switch、PC（Steam）。

　本作はプレイヤーを悪夢のような超現実の旅へといざない、謎を解き明かしていくゲームになるという。数字、パターン、パズルを観測して進めていくようだが、トレーラーは非常に不穏な雰囲気を醸し出している。

　古い様式の邸宅、ホテルや美術館のような外観の場所で「迷路を覚えていますか？」と何度も何度も聞いてくる不気味さが特徴的だ。

『LIMBO』や『INSIDE』のデザイナーが手掛ける最新作『COCOON』

　『LIMBO』や『INSIDE』のリードゲームプレイデザイナーであるイェッペ・カールセン氏らが率いるジオメトリック・インタラクティブが贈る『COCOON』が、家庭用ゲーム機とPC向けに2023年9月29日（金）に発売予定。Xbox Game Passにも対応する。

　『COCOON』は“世界の中の世界”を横断するゲームになるようで、トレーラーでは球体の世界をつぎつぎと移動し、元いた世界の球体を持ち運んでいた。生物のような機械や巨大な敵の登場や、ギミックを使いながら道を切り開いていくシーンも確認できる。

元カレたちと戦え！ 両親の期待を裏切れ！ 自分自身を見つけろ！『Thirsty Suitors』

　文化や人間関係、家族からのプレッシャー、自己表現について描いたゲーム『Thirsty Suitors』が、家庭用ゲーム機とPC（Steam）向けに2023年11月2日（木）に登場予定。

　本作は、主人公が妹の結婚式に向けて要求の多い両親との対峙したり、元恋人たちと和解したり、壊れた友情を修復したりしていくゲームだ。

　元恋人たちとは画期的なターン制バトルで対決する模様。そのほかにもスケボーに乗って街中を走ったり、リズムゲームのようなミニゲームなども遊べることがトレーラーで公開された。コミカルな雰囲気に描写も独特で、ストーリー性の強い作品になると思われる。

メカ好きは要チェックな3Dアクションゲーム『Bounty Star』

　DINOGODが開発した『Bounty Star』が、2024年に家庭用ゲーム機、PC向けに発売予定だ。Xbox Game Passにも対応。自分でカスタマイズしたマシンに乗って戦う3Dアクションゲームで、農業や基地建築などの要素も組み合わさっている。

　西部アメリカな雰囲気にポスト・アポカリプスを合わせたような作風で、トレーラーでは主人公がさまざまな機械と戦う様子がで公開された。マシンに装着する武器は自由にカスタマイズできるようで、片手に銃、もう片手に近接武器などをセットしている。

　戦闘シーンは重厚感がありつつも全体的にスピーディーな印象で、爽快なマシンバトルが楽しめそうな印象を受けた。素材を集めて装備作ったり、農業をして食材から料理を作ったりする要素もあり、じっくり遊べるゲームになりそうだ。

『塊魂』高橋慶太氏、最新作『to a T』

　『塊魂』や『のびのびBOY』を手掛けた高橋慶太氏の新作PC向けソフト『to a T』が発表された。SteamとGame Passでの配信を予定。

　本作は、常時Tポーズで暮らす主人公が自分の居場所や可能性を発見していくアドベンチャーゲームだ。軽快なメロディとともに描かれる海辺の町の様子は、どこか『塊魂』を想起させる。

　Tポーズをした主人公にとっては、どんな些細なこともミニゲームになる。食事や歯を磨く方法、犬を撫でるのもすべて自分なりのやりかたを見つけなくてはならない。ゲームではメインストーリーのほか、コイン集めや町のお店巡り、キャラクターと交流するなど探索要素も豊富に用意されているという。

鳥や果物、羊からクジラまで一団となって空を飛び回るマルチゲーム『Flock』

　多人数参加型ゲーム『Flock』が家庭用ゲーム機、PC向けに発売予定。Xbox Game Passにも対応している。

　本作は鳥に乗って空を飛び、奇妙な生物を集めていくことをテーマにしたゲームだ。美しい風景の中をマルチプレイで飛び回りながら、発見した生物を仲間に加えて群れになっていく仕組みが発表されている。

　鳥だけでなく魚や羊なども空を飛ぶようで、奇妙な一団となって動き回る不思議な世界観が魅力。全体的にのんびりとした雰囲気なので、フレンドと会話をしながら楽しめる作品になりそうだ。

『Mundaun』がプレイステーション5、Xbox Series X|Sに登場

　すでにNintendo SwitchやPCで配信中の『Mundaun』が、プレイステーション5、Xbox Series X|Sに登場。アップデートにより、現行世代のプラットフォームでの4k/60fpsサポートや、新言語の追加などが行われた。

　本作は、アルプスの人里離れた暗い谷間を舞台にしたホラーゲームだ。鉛筆タッチで細部まで描かれたビジュアル、不気味なBGMや世界観が特徴で、パズルを解きながら敵を倒して山頂を目指していく。

Xbox版『Stray』が2023年8月10日リリース決定

　かわいらしい猫が奇妙な街を探索する『Stray』のXbox Series X|S、Xbox One版が、2023年8月10日にリリースされることが決定した。

Netflixに無料コンテンツとして『Storyteller』が登場

　家庭用ゲーム機、PC向けに発売されていたパズルゲーム『Storyteller』が、2023年9月26日（火）にNetflixで遊べる無料コンテンツとして登場することが明らかになった。

　本作は、物語の流れを簡単に絵で説明する“ストーリーボード”の仕組みを利用した物語パズルゲーム。ステージごとに用意された話のお題に沿って、3～8マスのコマに登場人物と場面カードを配置し、お題の物語を作り出すユニークな内容になっている。

　また、ステージの追加といった無料でのアップデートも実施予定とのこと。

アンナプルナ・インタラクティブがマルミッツゲームズ、Glass Revolverと開発提携

　アンナプルナ・インタラクティブがマルミッツゲームズおよびGlass Revolverと開発提携を結んだことが明らかになった。

　マルミッツゲームズは、レベルファイブに在籍していた三橋彰氏と椎野央子氏が2017年に設立した京都の会社で、“Annapurna Interactive Showcase”では、最新作の『Project D』が紹介された。本当に来るかもしれない未来を想定した作品で、“楽園”と呼ばれている場所で日々を過ごすゲームとのこと。

　Glass Revolverはジェイコブ・ウィリアムズ氏が率いるアメリカのスタジオで、『We Kill Monsters』というタイトルを明らかにしている。同作は謎めいた巨大な落とし穴を舞台に、深淵を探検し天使を狩るために作られたホムンクルスとして冒険をするアクションRPGだ。