アニプレックスより2024年に配信予定のPC(Steam)向けソフト『Venture to the Vile』が、2023年7月14日~16日に開催されるBitSummit Let’s Go!!に出展する。

 本作は『バイオショック インフィニット』や『グランド・セフト・オートIV』、『Assassin's Creed Origins』などの開発実績を持つメンバーが設立した開発会社Studio Cut to Bitsのデビュー作だ。ダークファンタジーな世界観や、奥行きのある2D横スクロールアクションなどが見どころとなっている。

 今回、BitSummit Let’s Go!!のアニプレックスブースに出展される体験版を先行プレイする機会を得たので、所感をお伝えしていこう。

 ブースでは本記事にて紹介した内容と同じ体験版がプレイでき、プレイ後には非売品の特製3Dステッカーがプレゼントされるとのこと。興味を持った人はBitSummit Let’s Go!!に足を運んでみてほしい。

『Venture to the Vile』Steamサイト

軽快なアクションと奥行きのあるマップが特徴

 体験版は、仮面を被った主人公が霧の立ち込めた湿地帯に足を踏み入れるところからスタートする。

 主人公の見た目、ステージの雰囲気からも明るさは一切なく、ダークファンタジー全開だ。PVを見る限り登場人物はいずれも仮面を付けており、表情の見えない気味の悪さを感じさせる。

『Venture to the Vile』体験版レビュー。高機動力で立体的なバトルが楽しめる期待の2D横スクロールアクション

 操作方法はシンプルにまとまっており、細かな説明がなくても直感的に動かせた。コントローラー基準だとコマンドが割り振られていないボタンも多いが、これらは新たなアクションを会得することで増えていくのだろう。

 ボスを倒すことで新たな能力を習得していくので、序盤はシンプルな操作性で、後半になるほどより高度なアクションが楽しめる作りになると思われる。メトロイドヴァニアなどを遊んでいる人にはおなじみの形式だ。

『Venture to the Vile』体験版レビュー。高機動力で立体的なバトルが楽しめる期待の2D横スクロールアクション

 基本的なプレイの流れは、道中現れる敵を倒しつつギミックを解除し、先へ進んでいくというもの。敵に触れるとダメージを受けてしまうため、距離を取りつつ攻撃をするのがセオリーだ。

 攻撃方法は体験版では近接オンリーで、軽快な動作で二回、三回と連撃をくり出せる。攻撃がヒットすると斬撃のエフェクトが出て心地いいが、全体的な動作としては軽め。どっしりとした重量感のある攻撃ではなく、サクサクとスピーディーに切り刻むようなアクションになっている。

『Venture to the Vile』体験版レビュー。高機動力で立体的なバトルが楽しめる期待の2D横スクロールアクション

 敵を避けつつ攻撃するのが基本だが、そのほかにパリィアクションも用意されていた。こちらも定番だが、敵の攻撃がヒットする直前にパリィをすることで、相手を怯ませて大ダメージを与えるというもの。

 敵によっては攻撃する直前に赤く光ることがあり、これがパリィチャンスになる。ジャストタイミングで攻撃を弾けばそのまま大ダメージを与えられる、ハイリスクハイリターンなアクションだ。

『Venture to the Vile』体験版レビュー。高機動力で立体的なバトルが楽しめる期待の2D横スクロールアクション
赤いエフェクトが出たら攻撃をしてくる前兆。
『Venture to the Vile』体験版レビュー。高機動力で立体的なバトルが楽しめる期待の2D横スクロールアクション
タイミングを見極めてパリィ!
『Venture to the Vile』体験版レビュー。高機動力で立体的なバトルが楽しめる期待の2D横スクロールアクション
パリィで怯んだ敵には大ダメージを与えられる。

 ここまでは比較的定番の要素だが、個人的に好印象だったのは空中でのアクション。体験版だとダブルジャンプが可能だったが、そのおかげで機動力が高く、高所の移動などもスムーズに進む。

『Venture to the Vile』体験版レビュー。高機動力で立体的なバトルが楽しめる期待の2D横スクロールアクション

 空中でのアクションは重点を置いているのか、飛んでいる敵との戦闘頻度も多かった。ジャンプ中は上下左右にスティックを倒すと攻撃方向も変えられるので、立体的な戦闘を楽しめるのがポイント。

 何度も飛びながら四方の敵を蹴散らしていく爽快感と手応えは、プレイ中いちばん魅力的に感じる点だった。アクションが増えていけばより激しい戦いも楽しめそうなので、製品版への期待値も上がる。

『Venture to the Vile』体験版レビュー。高機動力で立体的なバトルが楽しめる期待の2D横スクロールアクション

 また、本作はマップに奥行きがあり、横に移動するだけでなく前後にもマップが広がっているのも特徴だ。移動中、奥にも移動できそうなエリアがあったり、先へ進むためのギミックが見えていたりする。「後であの場所にも行くんだな」という期待感や、ショートカットを開通してマップが繋がっていく感覚は2D横スク、メトロイドヴァニアファンはとくに気に入るはずだ。

『Venture to the Vile』体験版レビュー。高機動力で立体的なバトルが楽しめる期待の2D横スクロールアクション
奥を見るとトラップ満載のエリアが見えたりも。実際に行くときは注意しようと事前の警戒にもつながる。
『Venture to the Vile』体験版レビュー。高機動力で立体的なバトルが楽しめる期待の2D横スクロールアクション
特定の場所で、前後にマップを移動可能。

 体験版の最後は、巨大なバッタとの戦闘になる。登場する敵は不気味な植物、巨大なカエルや虫と、いずれも夢に出てきそうな不気味なデザインだ。敵の挙動も妙にリアルで、巨大な後ろ足をバネに力強く飛び跳ねるバッタのボスには翻弄させられた。

 ちなみにマップ各所にはHPや回復薬を補充できる休憩ポイントがあり、ボス戦前にも配置されている。一度ボスに負けても、すぐにリトライ可能なのはありがたい。今回の体験版では、一度ボスに倒されてしまったが、二回目で撃破することに成功。

『Venture to the Vile』体験版レビュー。高機動力で立体的なバトルが楽しめる期待の2D横スクロールアクション

 ボス戦では四方から突撃してくるバッタをいかにして倒すのか、敵の行動パターンを把握しながら最適な行動を取るアクションゲームの妙を感じられた。ダブルジャンプや軽快な攻撃を駆使して、ジャンプで攻撃を避けつつダメージを与えるといったスピーディーな戦いもできるので、攻略方法も自分なりに編み出せそうだ。

『Venture to the Vile』体験版レビュー。高機動力で立体的なバトルが楽しめる期待の2D横スクロールアクション

 バッタの撃破に成功したら、新たなアクションを習得して体験版は終了。こうして敵を倒しつつ、新たな技を覚えて進んでいくゲームになると考えてよさそうだ。

『Venture to the Vile』体験版レビュー。高機動力で立体的なバトルが楽しめる期待の2D横スクロールアクション

 10分程度の体験版に触れた所感としては、全体的な操作性は快適で、練習不要ですぐに遊べる爽快感があった。一方でパリィ成功時の達成感、打撃感といったものは少々味気なく感じてしまう。今回は基本のアクションだけだったので、後々増えるアクションでは重量感のある攻撃にも期待したい。

 世界観やアクションなど惹かれる部分の多いタイトルなので、気になる人はSteam販売ページでウィッシュリストへの登録をしたり、BitSummit Let’s Go!!で体験版をプレイしてみよう。