2023年5月29日、ASUS JAPANはポータプルゲームPC『ROG Ally』(アールオージーエイライ)の日本展開を発表しました。
上位モデルは2023年6月2日より予約が開始され、6月14日に発売予定。価格は10万9800円[税込]。下位モデルは2023年夏に発売予定で価格は89800円[税込]。また、どちらのモデルにも100タイトル以上のゲームが楽しめるマイクロソフトのサブスクリプションサービス“Xbox Game Pass Ultimate”の3ヵ月間無料利用権が付属します。
本稿では『ROG Ally』の特徴紹介と、すでに展開されている同ジャンルの製品『Steam Deck』との実機比較のインプレッションをお届けします。
ASUSのノウハウが集結した携帯機
『ROG Ally』はWindows 11を搭載したゲーミングPCです。7型のタッチ対応液晶ディスプレイを搭載して約608グラムの軽量ボディを実現しています。
共通の仕様としてメモリは16GB、ストレージは512GB SSDを搭載しています。バッテリーは処理の重いゲームは最長約2時間、カジュアルなゲームは最長約6.8時間。USB PD(65W)の急速充電に対応しており、約30分で50%まで充電できます。
コンシューマー機に迫る性能
性能のキモとなるCPUにはAMDがポータプルゲーム機用に開発したAMD Ryzen Z1 シリーズを採用。上位モデルにはAMD Ryzen Z1 Extreme、下位モデルにはAMD Ryzen Z1が組み込まれています。コンピュータの処理速度の性能としては8.6TFLOPSを示しており、モバイル端末でありながら高性能なコンシューマーゲーム機に迫る性能を謳っています。
きれいでなめらかな7型ディスプレイ
ディスプレイのサイズは7型で、表示解像度は1,980×1,080ドットのフルHD。リフレッシュレートは120Hzなので動きの激しいタイトルでも十分に楽しめます。表面には耐衝撃性と耐擦傷性には定評のあるCorning GorillaGlass Victus、コーティングには反射防止性能に優れたCorning Gorilla Glass DXCを採用しています。
パワフルな冷却システム
いくら性能がよくても冷却システムがしっかりしていないと快適なプレイ体験とはなりません。『ROG Ally』はモバイル端末でありなが冷却ファンを2基搭載。さらに、毛細管構造体の原理を利用したグラビティヒートパイプを搭載。これにより本体がどのような角度を向いていたとしても冷却性能は落ちないそうです。
アクセサリーで広がる可能性
2023年夏発売予定の“ROG Gaming Charger Dock”を使用して、HDMI接続で大画面のテレビなどでゲームを楽しめます。また、コントローラーを複数接続していっしょの画面をみながら複数人でワイワイ遊ぶこともできます。
GeForce RTX 4090 Laptopを搭載した外付けグラフィックスデバイス“ROG XG Mobile”を使用することでハイスペックなパフォーマンスを得ることができます。“ROG XG Mobile”にはHDMIポートやLAN ポート、複数のUSB ポートを備えているのでディスプレイやキーボード、マウスなどを接続してよりPCライクな使い方も可能です。
ライバル機『Steam Deck』と比べてみました
簡単にではありますが、外観や使い勝手を中心に『Steam Deck』との比較もご紹介します。
デザイン
まずは外見から。同じ7型ディスプレイですが『Steam Deck』のほうがデカい! 横幅は18ミリも大きいです。
重量は『ROG Ally』が約608グラム、『Steam Deck』が約669グラムと、約61グラムの差があります。ただ、『Steam Deck』はむちっとしたグリップ、『ROG Ally』は握りやすい凹凸はあるものの比較するとフラット寄りな形状なので、手に持って遊ぶ際の体感的な重さはさほど変わりがないように思えました。
あと『ROG Ally』は光っています。左右のアナログスティック部分LEDの光りかたはもちろんカスタマイズ可能です。
使い勝手
まずは画面ロックの解除について。『Steam Deck』は指定したPINをコントローラーで入力する必要があります。対して『ROG Ally』は電源ボタンに指紋認証が搭載されているので起動の早さという点では利があるでしょう。
ゲームをプレイして感じた大きな違いは、RLのトリガーが『ROG Ally』のほうが硬めなこと。ただ、専用アプリによってトリガーの感度を調整できるので「硬めだから遊びづらい」なんて心配はなさそうです。
どっちがおすすめ?
筆者の個人的な意見としてはSteamでゲームを買いそろえていてほかのプラットフォームは利用しないのならば『Steam Deck』がおすすめです。『Steam Deck』はSteamで購入したゲームをプレイすることに特化しているため、設定などUIの使い勝手を考えるとどうしてもこちらに軍配があがります。
『ROG Ally』はあくまでもゲーミングPCなので詳細な設定や文字入力などはマウスやキーボードに接続しないと苦労することがありました。ただし、Windows機であるがゆえに『Steam Deck』やコンシューマー機と比較して、できることの自由度が高いのは大きな魅力です。なので下記のような方には『ROG Ally』をおすすめします。
- Xbox Game Passで数多くの配信タイトルを遊んだり、クラウド処理でサクッとゲームを楽しみたい
- Epic Gamesストアで無料配布されたゲームを遊びたい
- ゲーム以外のアプリやツールを使いたい
- 本体カラーは白がいい
- 光っていないとアガらない
加えて、さまざまなプラットフォームで遊ぶという点では専用アプリ“Armoury Crate SE”がなかなかいい仕事をしてくれています。ボタンひとつで立ち上げるとプラットフォームを横断してダウンロードされているゲームのリストが表示されます。
もっと携帯ゲーム端末が増えてほしい
大手PCメーカーASUSの携帯端末『ROG Ally』は、ゲーミングPCやゲーミングスマートフォンで蓄積されたノウハウがハードや専用アプリに息づいている仕上がりでした。
『ROG Ally』がポータプルゲームPC市場に登場。コンシューマ機ではPS5のリモートプレイ用携帯機“Project Q”発表されました。携帯機でゲームを楽しむシーンや選択肢がより増えていくように思えてガジェット好きとしてはワクワクしています。
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