タイムリミットまでに転覆した船から脱出しろ!
1993年(平成5年)5月28日は、スーパーファミコン用ソフト『セプテントリオン』が発売された日。本日で30周年の節目を迎えました。
『セプテントリオン』は、ヒューマンから発売されたアクション・アドベンチャー。映画のような迫力と臨場感を味わえる“シネマティックライブ”シリーズの第1弾となります。
お笑い芸人の有野晋哉さんがレトロゲームをプレイするテレビ番組『ゲームセンターCX』に、視聴者から本作をプレイしてほしいという大量のリクエストがあったものの、ヒューマンが倒産していることもあってなかなか許可が下りなかったというエピソードは有名ではないでしょうか。本作を取り上げた回は話題となり、15周年イベント“ゲームセンターCX 15th 感謝祭 有野の生挑戦 リベンジ七番勝負”のタイトルにも選ばれることになりました。
本作の舞台は、嵐の中転覆した豪華客船。沈みゆく船の中を移動して、生存者を救助しながら脱出をすることが目的です。主人公は4人。それぞれスタート地点やベストエンディングに到達するための救助する人物が異なります。
生存者にはポイントが設定されており、その結果はエンディングに影響を与えます。ポイントが高いのは女性や子ども、怪我人などですが、体力が低く疲れやすいため生存するのが難しいという一面も。また、生存者が増えれば増えるほど誘導に時間がかかるので脱出の難易度がアップ。そのため、指示に失敗して生存者が死んでしまうこともしばしばです。もちろん主人公ひとりでも脱出することは可能ですが、その後に辿り着くエンディングで愛する人を見捨てたことを後悔する人生を送ったり、ひとりで戻ってきたことを非難されて船体に戻ってそのまま行方不明になったりと、悲しい結末を迎えることに……。
また、本作を語る上で外せないのが、タイムリミットと船体の傾き。リアルタイムで60分の制限時間があり、それまでに船を脱出しなければなりません。しかし、プレイヤーが操作する主人公が高所から落下すると持ち時間が5分減ったり、スタートから30分が経過すると船のボイラーが爆発して場合によっては水中を潜ることになったりと、じわじわとプレイヤーに恐怖が襲い掛かります。
船体の傾きはスーパーファミコンに備わった回転機能を用いたもので、ランダムに傾斜。傾斜の変化によってそれまで行けた場所に行けなくなったり、逆に行けなかった場所に行けるようになったりするので、探索はひと筋縄ではいきません。ちなみに後半になると傾斜の度合いが増し、一気に全滅する可能性が高くなるため、緊張感がありました。
1999年3月11日にはプレイステーションで『セプテントリオン ~Out of the Blue~』というリメイク版が発売。リメイクといってもストーリーを含めて内容はほとんど異なるので別物と考えたほうがいいかも。やや粗削りな印象がありますが、なぜか嫌いになれない変な魅力のある不思議な作品で。