ポケットサイズなのに大画面外付けモニタになるスマートグラス“TCL NXTWEAR S”

 ゲームにしても動画にしてもビジネスアプリにしても、画面は大きければ大きい方がダイナミックだし操作もしやすいと感じたことはありませんか。

 たとえばノートPCなら10インチ級より13インチ級、いや15インチ級のほうが見やすさアップしていい感じ。スマホでも5インチ級より6インチ級のほうがビジュアルのインパクトを強く感じます。

 しかし、大きすぎると今度は持ち運びがしにくくなるという物理現象の神さまが顔をのぞかせてきます。15インチのノートPCに対応したPCバッグは数が限られるし、(日本ではほとんど売られていないから大丈夫だけど)7インチ級のスマホはポケットに入れづらい。

 じゃあ外付けのアイテムでモバイル大画面を実現しようとすると、これまでは小型のプロジェクター一択でした。コイツはコイツで価値あるものですが、広い平面がないと使えないというユーザビリティの低さに難がありまして。

 でもこれからは大丈夫です。大画面LOVERな僕らのためのスマートグラス“TCL NXTWEAR S(ティーシーエル ネクストウェア エス)”が登場したのですから。

 本稿では2023年1月31日に日本発売となる本商品のレビューをお届けします。

サングラス型スマートグラス“TCL NXTWEAR S”体験レビュー! スマホやPC、ゲーム機と接続して迫力の画面が楽しめる
※使用イメージ画像。本記事は“TCL NXTWEAR S”の提供でお送りします。
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これ、サングラスではありません。外付けモニタなんです

サングラス型スマートグラス“TCL NXTWEAR S”体験レビュー! スマホやPC、ゲーム機と接続して迫力の画面が楽しめる

 TCLが新たに発売する“TCL NXTWEAR S”は、メガネスタイルのスマートグラスです。サングラスに見えますが、両目に1920×1080ピクセルのMicroOLEDパネルが組み込まれ、4メートル先に130インチ相当のスクリーンが見えるというデバイスです。

 アンボックスしながら細部をご紹介しましょう。

サングラス型スマートグラス“TCL NXTWEAR S”体験レビュー! スマホやPC、ゲーム機と接続して迫力の画面が楽しめる

 パッケージに含まれているのは“TCL NXTWEAR S”本体とサングラスの効果が出るフロントレンズ、DisplayPort Alternate Mode対応USB Type-Cケーブルと、視度調整レンズフレームにサンプルレンズや鼻当て、ドライバーなどなど。専用のケースも付属します。

サングラス型スマートグラス“TCL NXTWEAR S”体験レビュー! スマホやPC、ゲーム機と接続して迫力の画面が楽しめる

 サングラスの効果が出るフロントレンズと記しましたが、じつは外側にある黒いレンズは取り外しが可能です。

サングラス型スマートグラス“TCL NXTWEAR S”体験レビュー! スマホやPC、ゲーム機と接続して迫力の画面が楽しめる

 取り外せば周囲の景色と“TCL NXTWEAR S”が写し出した映像を重ね合わせて見ることが可能になり、装着すると本当のサングラスのように視界が暗くなるので“TCL NXTWEAR S”に出力している映像の色が際立って見えるようになり没入感が高まります。

サングラス型スマートグラス“TCL NXTWEAR S”体験レビュー! スマホやPC、ゲーム機と接続して迫力の画面が楽しめる

 バッテリーを内蔵していないために、ゲーム機やスマートフォン、PCとの接続は有線オンリーとなりますが、重さはたったの82グラム(フロントレンズを除く)。長時間つけ続けていても疲れにくいという特徴があります。

 “TCL NXTWEAR S”とDisplayPort Alternate Mode対応USB Type-Cケーブルはマグネットでピタっとくっつくので、“TCL NXTWEAR S”をかけている状態でもケーブルの脱着がカンタンです。

 なおDisplayPort Alternate Modeとは、おもにAndroidスマートフォンの上位機種が対応している機能で、USB Type-Cのコネクタから映像信号を取り出せるものです。たとえばソニーならXperia 1/5シリーズ、サムスンならGalaxy S22などのGalaxy Sシリーズ、ファーウェイならP40 ProなどのPシリーズが対応しています。

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 テンプル(つる)の左側にはスピーカーと音量ボリューム、右側には同じくスピーカーと輝度調整・2D3D表示モードの切り替えボタンが備わっています。

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 このテンプルは外側にむけて大きく広げることができるので、ほかのスマートグラス全般のなかでも装着しやすく作られています。

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 肝心のMicroOLEDパネルは、フレーム丈夫のリム部分に組み込まれています。この奥まった位置にあるMicroOLEDパネルが写し出した映像を半球形のレンズに投影、反射させることで、“TCL NXTWEAR S”を装着している人の目に映像を届けます。

iPhoneやPixel、PCやゲーム機と接続するにはオプションが必要

サングラス型スマートグラス“TCL NXTWEAR S”体験レビュー! スマホやPC、ゲーム機と接続して迫力の画面が楽しめる

 有線接続専用のデバイスである“TCL NXTWEAR S”には、DisplayPort Alternate Mode対応USB Type-Cケーブルが付属していると記しました。

 では、DisplayPort Alternate Modeに非対応のiPhoneやPixelシリーズ(Google)などのスマートフォンと接続するにはどうすればいいのでしょうか。スマホとの接続方法、また、PCやNintendo Switchなどのゲーム機とも接続方法についても解説します。

 前者であれば、オプション販売される“Miraスクリーンポータブルアダプター”が、後者であれば“HDMI-Type-Cアダプター”が必要となります。ケーブルの途中にこれらのボックス状のアイテムが挟まることになりますが、多くのデバイスの映像を見ることができるというのは安心できます。

サングラス型スマートグラス“TCL NXTWEAR S”体験レビュー! スマホやPC、ゲーム機と接続して迫力の画面が楽しめる

 TCL純正のMiraスクリーンポータブルアダプター“PQ01”の場合、最初に充電を行ってから、奥まった位置にあるUSB Type-Cコネクタにスマートフォンと接続するための短いLightningケーブルもしくはUSB Type-Cケーブルを差し込みます。

サングラス型スマートグラス“TCL NXTWEAR S”体験レビュー! スマホやPC、ゲーム機と接続して迫力の画面が楽しめる

 また“TCL NXTWEAR S”のDisplayPort Alternate Mode対応USB Type-Cケーブルも通信用USB Type-Cコネクタに指すことで、自動的にスマートフォンを認識。現在スマートフォンの画面に映っている映像がそのまま“TCL NXTWEAR S”で見られるようになります。縦画面、横画面のどちらにも対応しています。

 ただしスマートフォンがスリープ状態になったときからの復帰時に映像が消えてしまうことがありました。こういったときは“SPQ01”の電源を切ってケーブルを抜き、改めて電源を入れてからケーブルを差し直してみましょう。

 このあたりの接続の煩雑さは当初やや戸惑ったものの、公式サイト最下部にある接続方法動画を見ながらなんとか接続することができました。

TCL NXTWEAR S 公式サイト
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 PCやゲーム機と接続するときに使うHDMI Type-Cアダプターは汎用品で大丈夫。HDMI接続が可能ということは、Nintendo SwitchのTVモードやプレイステーション5などにも接続できるということ。

 また、PCと接続しているときはマルチディスプレイの設定も可能です。

 つまりもともとのモニタに映像を映したまま、新たに空間上にモニターを出現させられる(ように見える)というわけ。文字もくっきりと見え、ビジネスユースも可能なレベルです。これで仕事をしていたら近未来感がすごいでしょうなあ。

 映像が映る仕組みとしては反射式のためにレンズ中心の一部に映像が見える仕組みとなります。スペックリストを見ると視野角(見える範囲の広さ)は45度となっています。

 この点においては、液晶またはOLEDパネルの映像をレンズで拡大するVRヘッドセット(Meta Quest2の視野角はだいたい100度前後)に及びませんが、デスクトップPCに大きめのモニターを接続しているときの視界に近いです。

 モニター以外の視野がしっかり確保されていて、サングラス越しに周囲の状況が見えるため、新幹線や飛行機など長距離移動時などに便利そうだなと感じました。外での使用時には音量に注意する必要があると想像されるものの、つる部分にあるスピーカーの音響もよく、高周波音を減少させ音漏れを抑制するモードが搭載されているというのもうれしいところ。

 この適度な広さは、首を動かして映像を見わたすことをしなくていいですし、シンプルな構造で超軽量ということも合わさって長時間使っているときの疲れにくさにつながります。

サングラス型スマートグラス“TCL NXTWEAR S”体験レビュー! スマホやPC、ゲーム機と接続して迫力の画面が楽しめる

 ごろ寝しながらのAmazonプライムやNetflix視聴耐久レースに最高ですし、スマホゲームで遊ぶときも画面に重なった指の存在を感じなくてすむ。たとえばワーケーションに行った際、ノートPCとともに大きなモニターを持ち運ぶなんて非常識チャレンジをしなくてもOKです。

 忘れてはいけないのが、“TCL NXTWEAR S”はARグラスであるということ。

 実世界にCGを重ね合わせたときのSFライフを送ることができる未来のデバイスなのです。現時点では“TCL NXTWEAR S”のスペックをフルに活かせるARコンテンツがほとんどない状態ですが、じつはいま世界的にAR企業への投資や買収が進んでいる状態。今後リリースされるであろう最新コンテンツを楽しむためにも、“TCL NXTWEAR S”は要チェックと言えるでしょう。

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