2023年1月14日、15日、東京都・日本武道館およびアソビストアでの配信にて、『アイドルマスター ミリオンライブ!』(以下、『ミリオンライブ!』)9thライブ“THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 9thLIVE ChoruSp@rkle!!”が開催。本記事では、その1日目の模様をお届けする。出演者は以下の通り。

出演者(敬称略)

  • Machico(伊吹 翼役)
  • 郁原ゆう(エミリー スチュアート役)
  • 平山笑美(北上麗花役)
  • 近藤 唯(篠宮可憐役)
  • 角元明日香(島原エレナ役)
  • 南 早紀(白石 紬役)
  • 渡部恵子(周防桃子役)
  • 諏訪彩花(徳川まつり役)
  • 末柄里恵(豊川風花役)
  • 原嶋あかり(中谷 育役)
  • 伊藤美来(七尾百合子役)
  • 野村香菜子(二階堂千鶴役)
  • 麻倉もも(箱崎星梨花役)
  • 浜崎奈々(福田のり子役)
  • 桐谷蝶々(宮尾美也役)
  • 夏川椎菜(望月杏奈役)
  • 渡部優衣(横山奈緖役)
『アイマス ミリオンライブ!』9thライブDAY1リポート。6年振りに帰ってきた日本武道館で、いつもと違う一面やダンスを見せるアイドルたち

 本公演は、2014年6月に第1回公演が開催されて以来、コロナ禍による中止(2020年)を除いて毎年開催されている『ミリオンライブ!』の単独ライブの9回目にあたる(2016年の3rdライブおよび2019年の6thライブはそれぞれライブツアーとして開催)。そしてライブの聖地、日本武道館での単独ライブとしては2017年3月の4thライブ以来となる。ステージセットなどは4thライブのそれを意識したものになっているようだ。

※“765PRO ALLSTARS”を加えた“765 MILLIONSTARS”としての公演を含めると、2017年10月開催の“THE IDOLM@STER 765 MILLIONSTARS HOTCHPOTCH FESTIV@L!!”以来となる。

新たなソロ楽曲メインの9thライブ

 開演時間になると、まずはアイドルたちによる協賛企業の読み上げから始まり、前説へ。今回も“765プロライブシアター”の劇場事務員・青羽美咲(声:安済知佳さん)がシルエットで登場し、また武道館へと連れてきてくれたプロデューサー(※『アイドルマスター』シリーズのファンのこと)たちへ感謝の言葉を伝えつつ、注意事項を伝達、高らかに開演を宣言した。

※ちなみに本公演では、開演に先駆けて放送開始が10月に決定した、テレビアニメ『アイドルマスター ミリオンライブ!』内で使用するクラップ(手拍子)音源の収録も行われた。

 オープニングアクトは『アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ』(以下、『ミリシタ』)5周年記念楽曲でもある『夢にかけるRainbow』。16名のアイドルたちが、同じく5周年記念の新衣装である“プラウド・オブ・ステージ”をまとって華麗に舞い、歌い上げる。『ミリシタ』で発表されているセカンドヘアスタイル(SHS)と同じ髪型で参加しているメンバーもおり、配信ではプロデューサーたちがさっそくそれを発見して盛り上がっていた。

『アイマス ミリオンライブ!』9thライブDAY1リポート。6年振りに帰ってきた日本武道館で、いつもと違う一面やダンスを見せるアイドルたち

 続くMCでは、直前の体調不良を考慮して一部の楽曲参加を見合わせていた郁原さんも加わり、この日の出演アイドル17人が勢揃いしてプロデューサーたちへあいさつ。ステージと客席の近さや、そこから感じる熱気に驚いていたようだ。

 かわいらしさをアピールしつつも、多少のアクシデントも笑いに変える貫禄のトークは、結成10周年を間近に控えたMILLIONSTARS(以下、ミリオンスターズ)だからこそできるワザだと言えよう。

 そしてライブパートへ。まずは『brave HARMONY(ChoruSp@rkle!! MIX)』(浜崎さん、夏川さん、Machicoさん、末柄さん)。今回は新たなアレンジが施されているだけでなく、歌唱メンバーもオリジナル版、13人版いずれでも歌唱していないアイドルが選抜されており、この曲を何度も何度も聴いてきたプロデューサーたちの耳にも新鮮な音符が通り抜けていったのではないだろうか。

 さらに『稲妻スピリット』(渡部優衣さん)、『勇気のfragrance』(近藤さん)、『愛のMagic! Once Again!』(角元さん)、『Walking on the Square』(桐谷さん)とCD『THE IDOLM@STER MILLION LIVE! M@STER SPARKLE 2』シリーズ収録のソロ楽曲が続く。それぞれこれまでのソロ曲とは、少し雰囲気の違う曲調となっている(エレナを除く)。

 今回はステージが観客席に囲まれるような形で設けられていることもあってか、移動距離も少なく、たっぷりとソロのダンスを堪能できる形だった。アーカイブ配信も予定されているので、リアルタイム参戦が叶わなかったプロデューサーたちはそちらでぜひ観ていただきたい。

 なお、アイドルたちの衣装に合わせてダンサーさんたちの衣装も黒と白のツートーンの清楚なものになっており、いつもと違う印象だった。そんなところも見どころである。

 そして赤く染まったステージで第1部を締めくくったのは『創造は始まりの風を連れて(ChoruSp@rkle!! MIX)』(近藤さん、渡部恵子さん、諏訪さん、野村さん、渡部優衣さん)。こちらも『brave HARMONY』同様にオリジナル版とは異なるアレンジと振り付け、歌唱メンバーで、ライブならではのパフォーマンスが披露された。

 ここで第1部に出演したメンバーが再度集まり、自己紹介と歌唱曲の感想などのトークを展開。ライブパフォーマンスだけでなく、トークでも好調ぶりを見せてくれていた。

『アイマス ミリオンライブ!』9thライブDAY1リポート。6年振りに帰ってきた日本武道館で、いつもと違う一面やダンスを見せるアイドルたち
『アイマス ミリオンライブ!』9thライブDAY1リポート。6年振りに帰ってきた日本武道館で、いつもと違う一面やダンスを見せるアイドルたち

 再びライブパートに戻り、『裏表深層心理』(末柄さん)、『Collier De Perles』(野村さん)、『シャル・ウィー・ダンス?』(諏訪さん)とオトナな雰囲気も漂うミディアムナンバー、『絵羽模様』(郁原さん)、『折紙物語』(南さん)と和の心を持つアイドルたちの爽やかなソロ楽曲が続く。

 いずれも『ミリシタ』には未実装の楽曲で、配信では「初めて聴いた」というものだけでなく「印象が違うけどこれもいい」といったコメントも飛び交っていて、アイドルたちの新たな一面を教えてくれるという効果もあったようだ。

 第2部の締めくくりは『永遠の花(ChoruSp@rkle!! MIX)』(平山さん、原嶋さん、麻倉さん、桐谷さん)。ややハウス系なアレンジが施されていた印象だったが、しっとりとしたバラードであるこの曲を、ふだんは明るい、ピュアなイメージのあるメンバーたちが歌い上げ、プロデューサーたちを驚かせていた。

 そして第2部メンバーたちのMCパートへ。ライブではオトナの魅力をたっぷりと見せてくれたメンバーたちだが、こちらではホンワカトークで会場中を和ませていた。

『アイマス ミリオンライブ!』9thライブDAY1リポート。6年振りに帰ってきた日本武道館で、いつもと違う一面やダンスを見せるアイドルたち

予定調和を許さない驚きのセットリスト!?

 第3部はライブでも『ミリシタ』でも定番の楽曲を少しダンサブルにアレンジした『HOME, SWEET FRIENDSHIP(ChoruSp@rkle!! MIX)』(伊藤さん、南さん、角元さん)。ファンタジー世界(百合子)、和(紬)、ラテン(エレナ)とまったく異なる個性のトリオが、ノリノリで踊るさまは……やっぱりかわいかった! ちなみに、曲中でキャスト陣が客席を背に写真を撮っているような場面があったが、後のMCによると実際に撮影していたとのこと。

 ソロ楽曲パートでは、年少メンバーが中心に。『リーチ・アップ・ステップ!』(渡部恵子さん)、『キミが真ん中にいた』(原嶋さん)は、『スポットライト・ミラーランド』(夏川さん)、『恋のWa・Wo・N』(伊藤さん)と、かわいらしいだけでなく、オトナっぽい一面を見せるものもあり、全世界をキュンキュンさせていた。

 そして最後はどの楽曲が出てくるのか……と予想を始めるプロデューサーも多かっただろう。しかし、いつもプロデューサーたちをいい意味で裏切って驚かせ続けてきた運営陣は、ここで思わぬ爆弾を投下してきた。

 『ミリシタ』で1年にわたって展開してきた“MILLION THEATER SEASON”の各シーズン最終公演楽曲メドレーである。『ダイヤモンド・クラリティ』(渡部恵子さん、諏訪さん、Machicoさん、桐谷さん)、『Shamrock Vivace』(角元さん、野村さん、麻倉さん、渡部優衣さん)、『空色▼ Birthday Card』(※▼はハートマーク)(浜崎さん、平山さん、伊藤さん、夏川さん)、『ESPADA』(末柄さん、近藤さん、原嶋さん、南さん)と、クライマックスを飾ってきた人気曲たちを、こんなぜいたくな使いかたをするとは……。会場も配信コメントも大盛り上がりである。

 MCパートでは、『リーチ・アップ・ステップ!』で過去の楽曲のオマージュが振付に織り込まれている話だったり、『スポットライト・ミラーランド』ではかわいいうさぎポーズで舞台裏も盛り上がっていた……など、各楽曲の振付についてさまざまな裏話が公開されていた。

『アイマス ミリオンライブ!』9thライブDAY1リポート。6年振りに帰ってきた日本武道館で、いつもと違う一面やダンスを見せるアイドルたち
『アイマス ミリオンライブ!』9thライブDAY1リポート。6年振りに帰ってきた日本武道館で、いつもと違う一面やダンスを見せるアイドルたち
『アイマス ミリオンライブ!』9thライブDAY1リポート。6年振りに帰ってきた日本武道館で、いつもと違う一面やダンスを見せるアイドルたち
『アイマス ミリオンライブ!』9thライブDAY1リポート。6年振りに帰ってきた日本武道館で、いつもと違う一面やダンスを見せるアイドルたち
『アイマス ミリオンライブ!』9thライブDAY1リポート。6年振りに帰ってきた日本武道館で、いつもと違う一面やダンスを見せるアイドルたち

 思わぬ刺激もあり、気を抜くことを許されないプロデューサーたちを連れて、ライブパートは第4部に。まずは残り4人となったアイドルたちのソロ楽曲である。

 『きまぐれユモレスク』(麻倉さん)、『きみがくれた言葉があるから』(浜崎さん)、『ふたり繋ぐ星座』(平山さん)、『泣き空、のち』(Machicoさん)と、かわいらしさと清らかさの2段攻撃で、天に召されそうになったプロデューサーも多かったはずだ。

 そしてこれまでのパターンだと、ここで締めのユニット楽曲が入るはずである。しかし、第3部を超えるインパクトがある楽曲とは何だろう? 

 ……その答えは、『ミリシタ』でFairy属性“フェアリースターズ”の楽曲として人気を博した『FairyTaleじゃいられない(ChoruSp@rkle!! MIX)』(浜崎さん、伊藤さん、平山さん、麻倉さん、夏川さん、渡部優衣さん、桐谷さん)だった。そして歌唱メンバーにはFairy属性のアイドルたちはひとりもいない。今回はつくづく、“ライブでしか味わえない”魅力が追求されているのだ。

 そして残りのメンバーが入れ替わりでステージに上がり、『咲くは浮世の君花火(ChoruSp@rkle!! MIX)』(原嶋さん、角元さん、南さん、諏訪さん、末柄さん、Machicoさん、渡部恵子さん、近藤さん、野村さん)を歌い上げた。おなじみの和テイストとは異なるアレンジも秀逸で、イントロだけでは「どの曲?」と気付けないほど。

 アンコール前の運営の仕掛けにすっかりしてやられながらも、いよいよ最初のフィナーレである。大いに盛り上がったプロデューサーたちの前に、もう一度アイドルたちがステージ上に集まって『DIAMOND DAYS』を歌い、ひとまず幕は下ろされた。

『アイマス ミリオンライブ!』9thライブDAY1リポート。6年振りに帰ってきた日本武道館で、いつもと違う一面やダンスを見せるアイドルたち
『アイマス ミリオンライブ!』9thライブDAY1リポート。6年振りに帰ってきた日本武道館で、いつもと違う一面やダンスを見せるアイドルたち

最後はおなじみのアレで終わる安心感!

 アイドルたちが一旦捌けるとともに始まった、アンコールを求めるプロデューサーたちの手拍子に応えるように、スクリーンには再び事務員の美咲が登場。これまでの足跡を振り返るとともに、2023年10月に放送、さらに8月より全国の劇場で先行放映が決まったテレビアニメ版の新情報など、今後の『ミリオンライブ!』関連のさまざまな情報を紹介してくれた。詳細は下の記事を参照していただきたい。

 全世界のプロデューサーたちが興奮冷めやらぬなか、ステージにはアイドルたちがもう一度集まり、アンコールが始まった。1曲目はテレビアニメのプロローグMVのテーマソング『セブンカウント』。アニメ放送を待ち望むプロデューサー、スタッフ、キャスト全員の思いが日本武道館でひとつになった瞬間だった。

『アイマス ミリオンライブ!』9thライブDAY1リポート。6年振りに帰ってきた日本武道館で、いつもと違う一面やダンスを見せるアイドルたち

 今回は全員のソロ楽曲を盛り込んだこともあってか、MCの時間は心持ち短めだった。しかし、最後の最後で出演者たちがここまでに溜め込んできた想いを語ってくれる。詳細に関してはアーカイブなどで確認していただきたいが、ひとりひとりがたっぷりと語ったうえで内容被りがほとんどないという、涙あり笑いありのすばらしいコーナーとなっていた。

 たくさんの想いの詰まったあいさつが終わり、この日最後の楽曲は『Thank You!』。『ミリオンライブ!』の象徴でもあり、多くのプロデューサーが何度となく耳にしてきたはずのこの楽曲のイントロが流れると、「やっぱり最後はここに帰ってくる」という安心感がある。そしてステージの締めくくりはいつもの「プロデューサーさん、『アイマス』ですよ、『アイマス』!」。そう、これが『アイマス』なのだ。

『アイマス ミリオンライブ!』9thライブDAY1リポート。6年振りに帰ってきた日本武道館で、いつもと違う一面やダンスを見せるアイドルたち

 6年振りに日本武道館へと“帰ってきた”9thライブでは、当時をオマージュしつつも、進化していく『ミリオンライブ!』を証明するかのようにさまざまな試みが行われた。アイドルたちのいつもと違う一面を見せてくれる新たなソロ楽曲を中心とした曲構成や、おなじみの楽曲たちへ施したアレンジ。『ミリシタ』を中心に展開されたクロスメディアの新プロジェクト“MILLION THEATER SEASON”や、『ミリシタ』5周年で発表された新衣装など、10周年を間近にして歩みは止まらない。

 また、まだ発表していないプロデューサーたちへの“隠し球”もあるのだろうか。いつものようにライブ終盤で発表されるであろうそれらの情報とともに、DAY2が楽しみでならない。

“THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 9thLIVE ChoruSp@rkle!!”DAY1 セットリスト(敬称略)

  1. 夢にかけるRainbow(ミリオンスターズ)
  2. brave HARMONY(ChoruSp@rkle!! MIX)(浜崎奈々、夏川椎菜、Machico、末柄里恵)
  3. 稲妻スピリット(渡部優衣)
  4. 勇気のfragrance(近藤 唯)
  5. 愛のMagic! Once Again!(角元明日香)
  6. Walking on the Square(桐谷蝶々)
  7. 創造は始まりの風を連れて(ChoruSp@rkle!! MIX)(近藤 唯、渡部恵子、諏訪彩花、野村香菜子、渡部優衣)
  8. 裏表深層心理(末柄里恵)
  9. Collier De Perles(野村香菜子)
  10. シャル・ウィー・ダンス?(諏訪彩花)
  11. 絵羽模様(郁原ゆう)
  12. 折紙物語(南 早紀)
  13. 永遠の花(ChoruSp@rkle!! MIX)(平山笑美、原嶋あかり、麻倉もも、桐谷蝶々)
  14. HOME, SWEET FRIENDSHIP(ChoruSp@rkle!! MIX)(伊藤美来、南 早紀、角元明日香)
  15. リーチ・アップ・ステップ!(渡部恵子)
  16. キミが真ん中にいた(原嶋あかり)
  17. スポットライト・ミラーランド(夏川椎菜)
  18. 恋のWa・Wo・N(伊藤美来)
  19. ダイヤモンド・クラリティ(渡部恵子、諏訪彩花、Machico、桐谷蝶々)
  20. Shamrock Vivace(角元明日香、野村香菜子、麻倉もも、渡部優衣)
  21. 空色▼ Birthday Card(※▼はハートマーク)(浜崎奈々、平山笑美、伊藤美来、夏川椎菜)
  22. ESPADA(末柄里恵、近藤 唯、原嶋あかり、南 早紀)
  23. きまぐれユモレスク(麻倉もも)
  24. きみがくれた言葉があるから(浜崎奈々)
  25. ふたり繋ぐ星座(平山笑美)
  26. 泣き空、のち(Machico)
  27. FairyTaleじゃいられない(ChoruSp@rkle!! MIX)(浜崎奈々、伊藤美来、平山笑美、麻倉もも、夏川椎菜、渡部優衣、桐谷蝶々)
  28. 咲くは浮世の君花火(ChoruSp@rkle!! MIX)(原嶋あかり、角元明日香、南早紀、諏訪彩花、末柄里恵、Machico、渡部恵子、近藤 唯、野村香菜子)
  29. DIAMOND DAYS(ChoruSp@rkle!! MIX)(ミリオンスターズ)
  30. セブンカウント(ミリオンスターズ)
  31. Thank You! -MR remix-(ミリオンスターズ)