ライアットゲームズが開発・運営を手掛けるタクティカルFPS『VALORANT』。2023年1月13日より公式大会“VALORANT Challengers Japan 2023”が開幕した。
本年度から公式大会“VALORANT Champions Tour”(以下、VCT)の仕組みが大幅に変更され、世界の強豪が集う“インターナショナルリーグ”が新たに設立。純粋に国内・国際大会の試合数が増え、これまで以上に見ごたえのある一年となるだろう。
本稿では、2023年の『VALORANT』の競技シーンがどのように展開されるのかを解説していく。
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2021年からスタートしたVCTは、
- NA(北アメリカ)
- EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)
- ブラジル
- LATAM(ラテンアメリカ)
- APAC(アジアパシフィック)
- 韓国
- 日本
の7つの地域で“Challengers”という大会が実施されていた。そこで勝ち上がったチームが国際大会となる“Masters”で対決し、さらに1年間を通じた大会で好成績を残したサーキットポイント上位のチームが締めくくりとなる世界大会“Champions”で競い合うという形式。
この“Challengers”、“Masters”、“Champions”という3大会を軸に構成されていた。
3地域で開催される国際リーグ“インターナショナルリーグ”
2023年以降のシーズンは、大きく仕組みが変わる。とくに注目すべきは“インターナショナルリーグ”が新設されることだ。
“インターナショナルリーグ”は、
- 南北アメリカ
- EMEA
- アジア太平洋
の3つの地域にわかれてオフラインで開催される国際リーグ。
インターナショナルリーグにはライアットゲームズによって選出されたパートナーチームが出場することとなる。各地域で10チームごと、全30チームが参加する。各地域の参加チームは以下の通りだ。
南北アメリカ(AMERICAS)
- SENTINELS
- 100 THIEVES
- CLOUD9
- NRG
- EVIL GENIUSES
- FURIA
- LOUD
- MIBR
- KRÜ ESPORTS
- LEVIATÁN
EMEA
- FNATIC
- TEAM LIQUID
- TEAM VITALITY
- KARMINE CORP
- TEAM HERETICS
- GIANTS
- NAVI
- FUT ESPORTS
- BBL ESPORTS
- KOI
アジア太平洋(PACIFIC)
- ZETA DIVISION
- DETONATION FOCUSME
- GEN.G
- T1
- DRX
- TEAM SECRET
- PAPER REX
- REX REGUM QEON
- TALON ESPORTS
- GLOBAL ESPORTS
日本からは昨年、世界3位という快挙を成し遂げた“ZETA DIVISION”、インターナショナルリーグに向けてメンバーを大きく変更した“DetonatioN FocusMe”の2チームが出場する。
同地域の“DRX”や“PAPER REX”など、強豪チームとの対戦が見られるのはファンにはうれしいポイント。日本チームが世界のチーム相手にどこまで戦えるのか、ぜひとも注目したいところだ。
上記の3地域でのリーグ戦はロサンゼルス、ベルリン、ソウルでオフラインにて開催。2023年は「各チームが活動準備を整えるため」、「全パートナーチームが集合する過去最大級の国際トーナメントが開催されるため」という理由から1スプリットでの開催となっているが、2024年以降は2スプリット制での開催が予定されている。
2023年のスプリットは3月に開幕し、8週間にわたってレギュラーシーズンが開催。なお、各リーグの試合は複数言語で配信される予定だ。
“Challengers”が21の地域で開催
“Challengers”は規模を拡大し、21の地域にわけて開催。日本を含めた各地域でリーグ王者を決める戦いがくり広げられる。
それぞれの地域の“Challengers”を勝ち上がったチームは、7月に開催予定の“Challengers Ascension”へと進出(Ascensionは上昇という意味)。
“Challengers Ascension”は南北アメリカ、EMEA、アジア太平洋の3地域にわけて開催され、各地域の優勝チームは翌年から2年間、対象地域のインターナショナルリーグに昇格する権利が与えられる。
インターナショナルリーグには、1年ごとに各地域の“Challengers Ascension”優勝チーム、つまり3チームが増えていく形。年をまたぐごとに3チームずつ追加され、2027年には最大数の各地域14チーム、合計42チームで競い合う計画となっている。
なお、“Challengers Ascension”優勝チームは、2年経過後にもとのリーグへ戻り、再び“Challengers”、そして“Ascension”トーナメントを通じて再昇格を目指すことになるという。
“Challengers Japan 2023”開催スケジュール
“Challengers”は日本でも開催され、ライアットゲームズが主催で、RAGEがパートナーとして運営することが発表されている。
日本での“Challengers Japan 2023”は2スプリットで開催。まずは予選トーナメントとなる“Open Qualifier(クオリファイア:予選)”を戦い、上位チームが“Main Stage”に進出。さらにそこで勝ち上がったチームが“Playoff”で競い合う。
スプリット1の上位チームはスプリット2の上位トーナメントへの出場権を獲得。スプリット2では、上記に加えて“Advance Stage”を挟む形で開催される。
各トーナメントのスケジュールは以下のようになっている。
Challengers Japan Split1
Open Qualifier
- 日程:1月13日(金)~1月15日(日)
- 参加チーム数:最大64チーム
- 形式:ダブルエリミネーショントーナメント形式、BO3
- 進出条件:上位8チームがMain Stageへ進出
Main Stage
- 日程:1月28日(土)~1月29日(日)、2月1日(水)~2月5日(日)、2月8日(水)~2月10日(金)
- 参加チーム数:8チーム
- 形式:ラウンドロビン形式、BO3
- 進出条件:上位6チームがPlayoffへ進出
Playoff
- 日程:
オンライン:2月19日(日)~2月20日(月)
オフライン:3月18日(土)~3月19日(日) - 参加チーム数:6チーム
- 形式:変則トーナメント形式、BO5 ※詳細は後日公開
- 進出条件:上位2チームはSplit2 Main Stageへ進出、3位-6位チームはSplit2 Advance Stageへ進出
Split 1 Open Qualifier トーナメント表
Challengers Japan Split2
Open Qualifier
- 日程:3月21日(火)~3月23日(木)
- 参加チーム数:最大64チーム
- 形式:ダブルエリミネーショントーナメント形式、BO3
- 進出条件:上位8チームがAdvance Stageへ進出
Advance Stage
- 日程:3月28日(火)~3月31日(金)
- 参加チーム数: 12チーム(うち4チームはSplit1 Playoff3位-6位チーム)
- 形式:ダブルエリミネーショントーナメント形式、BO3
- 進出条件:上位6チームがMain Stageへ進出
Main Stage
- 日程:4月13日(木)~4月14日(金)、4月19日(水)~4月21日(金)、4月26日(水)~4月28日(金)、5月3日(水)~5月5日(金)
- 参加チーム数:8チーム(うち2チームは Split1 Playoff1位、2位チーム)
- 形式:ラウンドロビン形式、BO3
- 進出条件:上位6チームがPlayoffへ進出
Playoff
- 日程
オンライン: 5月20日(土)~5月21日(日)
オフライン: 6月3日(土)~6月4日(日) - 参加チーム数:6チーム
- 形式:変則トーナメント形式、BO5
- 進出条件:上位1チームがアセンショントーナメントへ進出
日本大会の注目ポイントは?
前述のとおり、インターナショナルリーグには日本チームからは“ZETA DIVISION”、“DetonatioN FocusMe”の2チームが参加。それ以外の日本チームが出場するには、2スプリット制で開催される“Challengers Japan 2023”に優勝。そしてその先に待つアジア太平洋地域の“Challengers Ascension”を優勝する必要がある。
狭き門とはなるが、可能性はゼロではない。まずは日本で開催される“Challengers Japan 2023”を見て、日本国内の各チームの動向をチェックするといいだろう。
なお、“Challengers”のリーグの試合は、インターナショナルリーグの試合と配信時間が重ならないようスケジュールが調整されているとのこと。「ZETAやDFMの試合があるから“Challengers”の試合が見られない!」ということがないのでご安心を。
前哨戦となる“VCT LOCK/ /IN”がブラジルで2月に開催
“2023 VALORANT Champions Tour”の開幕イベントとして、キックオフトーナメント “VCT LOCK//IN”が、2月13日~3月4日(現地時間)にブラジル・サンパウロで開催される。
このイベントは、インターナショナルリーグ出場チームと中国の招待チームあわせて全32チームが集う大会。まさにインターナショナルリーグの前哨戦というもので、優勝チームには“Masters”への出場権が与えられる。
日本で開催される“Masters”
昨年末に開催されたオフラインイベント“Riot Games ONE”で、“VCT Masters 2023”が日本で開催されることが発表された。
“Masters”は、インターナショナルリーグのスプリット終了後の6月に開催。前述のブラジルで開かれる“LOCK//IN”の優勝チーム、そして3地域のインターナショナルリーグの上位10チームが出場し、ここで地域最高成績を残した各チームは世界王座を決める世界大会“Champions” への出場権を獲得。
“Masters”終了後の7月には、“Champions”出場枠を勝ち取る最後のチャンスとなる大会“Last Chance Qualifier” (LCQ)が開催。“LCQ”から“Champions”へ出場できるのは、各地域1チームのみだ。
視聴者として9月まで“密”に楽しめる2023年シーズン
駆け足で2023年度の“VCT”シーズンを解説してきたが、ざっくりとまとめると以下のようなスケジュールとなっている。
- 1月:“Challengers Japan Split1”
- 2月:“Challengers Japan Split1”、“VCT LOCK//IN”
- 3月:“Challengers Japan Split1”~“Challengers Japan Split2”、“インターナショナルリーグ”
- 4月:“Challengers Japan Split2”、“インターナショナルリーグ”
- 5月:“Challengers Japan Split2”
- 6月:“Masters”
- 7月(※):“Challengers Ascension”、“LCQ”
- 8月~9月(※):“Champions”
※“LCQ”、“Champions”の詳細な日程は未発表なので、あくまでもスケジュール表を見ての予想。
2023年シーズンは1月~9月にかけて、かなり“密”なスケジュールとなっている。国内大会の“Challengers Japan”からはじまり、その合間にキックオフトーナメント“VCT LOCK//IN”、国際リーグ“インターナショナルリーグ”がある。さらには“Masters”、“LCQ”、“Champions”と続いていく。
それに加えて、昨年行われた“RAGE VALORANT”や“Riot Games ONE”などが開催されるとなれば、年間通して視聴者としては休む暇がないシーズンになりそうで、いまからワクワクが止まらない。
“Challengers Japan”を勝ち上がり、“Challengers Ascension”を優勝して“インターナショナルリーグ”に出場する第3の日本チームが現れるのか、“インターナショナルリーグ”でZETAやDFMがどこまで戦えるのか、いちファンとして注目したい。