2022年7月~9月に放送・配信されたアニメ『邪神ちゃんドロップキックX』の富良野編について、富良野市議会は内容が不適切であったと判断したことを北海道新聞が報じたというのは既報の通り

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 だが、そんなアニメ『邪神ちゃんドロップキック』富良野騒動編ともいえるこの騒動に新たな展開があった。富良野市による一般会計決算が市議会で不認定になった件が、本日(2022年11月30日)の本会議で一転して認定を受けた。

 そんな事実を知った筆者は、再びアニメ『邪神ちゃん』にお話を伺う……ところだったが、先手を打ってきたのは宣伝プロデューサーである栁瀬一樹氏だった。

 筆者がこの行動をとることを予測していたかのように、そこまで前置きもなく「今後についてお話しできます」と送られてきたメール。「邪神ちゃんの親戚です。騒動のすべてをお話します」と言わんばかりの怒涛の展開に置いていかれないよう、筆者も筆を走らせるのであった。

公共圏における表現のあり方を探りつつ、4期に向けてインファイトしていく『邪神ちゃん』

 そんなわけで『邪神ちゃん』富良野編に関する経過を聞いてみた。もちろん、それだけではなく最近公開されたばかりの新作こけし、先日開催されたKPF2022(北九州ポップカルチャーフェスティバル)のことも伺っている。

――このたびの『邪神ちゃん』富良野騒動に新たな展開があるとお伺いしました。詳細を教えてください。(本日の議会のハイライトについて教えてください)

 朝10時から約2時間に渡って議論が行われました。YouTube Liveで公開されていたので委員会メンバーは皆、固唾を飲んで見守っていました。

 議論は

  1. 表現
  2. 費用対効果

 が論点となっていました。

  • 表現について

 ファンの皆さまを対象としたアンケート結果は、邪神ちゃん富良野編を視聴すると多くの方が富良野に対してとてもよい印象を持つということを明らかにしました。

 それがテレビなどのマスメディアにピックアップされたことは邪神ちゃんを応援してくれる富良野市さん側の発言の裏付けにもなっていました。

【続報】『邪神ちゃんドロップキックX』富良野騒動が終結。今後は公共圏における『邪神ちゃん』表現のあり方も考えていく模様
  • 費用対効果

 2022年に総務省で発表されたふるさと納税の現況調査によると2021年の富良野市を対象としたふるさと納税額は3.31億円となっています。前年(2020年)のふるさと納税額は9,568万なので2.35億円増加、増減率は245.79%となっているということが発表されました

 私は、調査をしていないので、このふるさと納税の伸びと『邪神ちゃん』に因果関係があるかどうかわかりません。しかし、あまりにも例年とは違った動きとなっていますので、もし邪神ちゃんが少しでも貢献できていたのならとてもうれしいです。

 一方で、町への誘客が足りないというご指摘については私もごもっともだと思いました。南島原はマンホール設置やラッピングバス走行など施策が充実しており、帯広市・釧路市についてはそれぞれ現地でイベントを実施することができたのですが、富良野市だけは現地施策を実施をしていないので、今後富良野市さんと協力しながら、ファンの皆さまが現地を訪れたくなるような企画を考えていきたいです。

【続報】『邪神ちゃんドロップキックX』富良野騒動が終結。今後は公共圏における『邪神ちゃん』表現のあり方も考えていく模様

――北海道大学を通じてコンテンツツーリズムに関する資料も発表されていました。実際に富良野騒動の件も取り扱われておりましたが、こちらの数値を出した意図をお教えください。

 邪神ちゃん富良野編騒動については、本当にさまざまな言説が飛び交っていたと思います。私はそれらの意見を否定することなく、皆さまが判断をするのに役に立つ情報をできるだけ正しく提供していきたいと考えました。

 そのため、大前提として『邪神ちゃん』富良野編を視聴することで富良野市のイメージが低下する可能性を否定していません。

 そして富良野編を視聴した方に対してはアンケート調査を行い、結果を公表しました。本編を視聴していない方に対しては無料で視聴できる環境を提供しました。本編を観るつもりはないのに結果だけ知りたいという方には「調査結果は好評価バイアスがかかっています」という注意喚起と共に調査結果を見ていただきました。

 このようにデータを公開することで、それぞれの皆さまが物事を考えるための一助となりたかったのです。

【続報】『邪神ちゃんドロップキックX』富良野騒動が終結。今後は公共圏における『邪神ちゃん』表現のあり方も考えていく模様
【続報】『邪神ちゃんドロップキックX』富良野騒動が終結。今後は公共圏における『邪神ちゃん』表現のあり方も考えていく模様

――富良野騒動を経て学びになった部分や今後に生かしたいと思った部分があれば、お教えください。

 どんなに丁寧にモノづくりをしても、否定される可能性があるということを学びました。とはいえ、すべての人に事前に了解を取ることはできませんし、すべての人が否定をしないコンテンツはもはや『邪神ちゃん』ではないと思いますので、公共圏における『邪神ちゃん』表現のあり方は今後のテーマとしてじっくり考えていきたいと思います。

【続報】『邪神ちゃんドロップキックX』富良野騒動が終結。今後は公共圏における『邪神ちゃん』表現のあり方も考えていく模様

――邪っくり解説でおなじみ、邪神ちゃんこけしシリーズの新作について教えてください。以前にもまして丁寧な動画でした。

 映像作家の腕がよすぎてみんな驚きました。公共放送のような上品な雰囲気と、ニコニコ動画のようなジャンキーな味付けのマッチングは、まさに日本の伝統工芸x邪神ちゃんの組み合わせである“邪神ちゃんこけし”を表していると言えます。

 写真、ものすごくかわいいですよね。皆さま、ぜひお部屋にひとついかがですか? すごく和みますよ。

【邪っくり解説】新作こけしを見て「こけしすげぇですの」ってなる動画【新作こけし:ゆりね・ぺこら・メデューサ登場!】

――先日開催されたKPF2022では、リアル献血イベントという社会貢献派の邪教徒には血がたぎる催しが実施されていました。お話によると大盛況だったようですが、実際に現場はいかがでしたか?

 エキュート&アトレのリアル献血企画は前からやりたかったので、やるからには被験者第1号は自分でやると決め、人生初の献血をしてきました。

 血を取られるのはちょっと怖かったのですが「まあ、エキュートに吸われてると思えばいいか」と考え、私体重50キロくらいしかないのですが400ml捧げてきました。

 それから約200人の方が同じように献血をしてくださって合計80リットルの血が集まりました。トークイベントで「献血参加してくれた人ー」に「おー!」とたくさんの方が手を挙げてくれた時にはなかなか味わえない一体感がありました。

 そして何よりうれしかったのが赤十字さんの「とても助かります、これで患者さんも助かります」という言葉で、すごく世の中の役に立ってると実感できました。今度は東京でやりたいですね。

【続報】『邪神ちゃんドロップキックX』富良野騒動が終結。今後は公共圏における『邪神ちゃん』表現のあり方も考えていく模様

――本日(11/30)より第4期をかけたクラウドファンディングが開始されます。ぜひ、意気込みのほどを教えてください。

 3000万円集まれば邪神ちゃんは「次の1話」が確定した活きたIPに戻ることができます。でも今まで一度も言ったことがない本音を言うと、私は今回のクラウドファンディングで、邪神ちゃんを「アニメクラウドファンディング史上最高値を達成した作品」にしたいです。

 MotionGalleryさんにもヒアリングをしましたが、業界内で最高値と言われているのは9700万円なので、ここに到達することが本当のチャレンジだと思います。

 富良野の認定とクラウドファンディングがスタートするこの記念すべき日をきっかけに、皆さまと一緒に大きな目標を達成し、後で「あれはすごい体験だった」と一緒に振り返ることができたらとてもうれしいです。ぶっ倒れるまでインファイトしましょう!

【続報】『邪神ちゃんドロップキックX』富良野騒動が終結。今後は公共圏における『邪神ちゃん』表現のあり方も考えていく模様

まさかの開始から35分で3000万円突破。アニメ『邪神ちゃん』続編(OVA)製作決定

 11月30日21時より実施されたクラウドファンディング“TVアニメ「邪神ちゃんドロップキック」4期分割払いプロジェクト!”が約35分で目標金額である3000万円に到達した。

 これにより、OVAを1話作ることが決定。ちなみに支援された金額が3000万円を超えるごとにアニメ1話分が追加で制作されていく。

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