立体感のある広大なフィールドが冒険心をくすぐる
いまから24年前の1998年(平成10年)11月21日は、ニンテンドウ64用ソフト『ゼルダの伝説 時のオカリナ』が発売された日。
『ゼルダの伝説 時のオカリナ』は、任天堂から発売されたアクションアドベンチャーゲーム。国内外で数々のゲームアワードに輝いた不朽の名作で、長いゲーム史の中でもっとも高い評価を得た剣と魔法の物語と言っても過言ではないだろう。実際にプレイしたことはなくとも、いたるところでこのタイトルを目にしたことがあるのではないかな。
シリーズでは初めての3D作品ながら驚異的な完成度を誇っており、立体的な空間を活かした謎解きとバトルに誰もが舌を巻いた。これまでに味わったことのない未知なる体験に溢れていたせいか、『ゼルダの伝説』シリーズの中でも特別な作品として心に刻まれているゲームファンが多いのではないだろうか。
何と言っても感動的だったのはハイラル平原の広大なフィールド。いまとなってはさほど広くは感じないかもしれないが、当時は目の前に広がる平原が無限に続くのではないかと錯覚するほどで、自由に駆け回れるのが楽しくて仕方がなかった。本作で初登場となったエポナの背に乗って平原を駆け巡った思い出は、いまでもユーザーの心に残っているんじゃないかな。BGMも最高で、聴けば期待に胸を膨らませていたころの当時のワクワクが蘇ってきそうになる。
立体的になったダンジョンは、2Dのときとは桁違いのスケール感。初めて訪れた際は吹き抜けのある空間の広さにただただ圧倒されてしまったのではないだろうか。3D空間を活かした攻撃を仕掛けてくるボス戦はなかなか難しかったが、手に入れたアイテムを工夫して使うことで途端に有利に展開したりするからおもしろい。
“Z注目”と呼ばれる、いわゆるロックオン機能が非常に便利でボス戦などでも大活躍。コントローラーのZトリガーボタンを押していると、攻撃対象や攻撃部位に注目したように視点の固定が可能になる。そのうえ、注目点を中心に円を描くように移動できるので相手との距離を測りやすいといった利点がある。とくにパチンコやフックショットを使う際は簡単に狙いを付けられるため重宝したんじゃないだろうか。ロックオンの機能自体は過去のほかの作品にもあったが、本作が採用したことを切っ掛けに後の3Dアクションゲームに多大なる影響を与えたのは間違いないだろう。
そう言えば、本作はジャンプを任意にすることはできずオート発動になっている点もユニーク。そもそもジャンプができないという作品はわりとあるのだが、状況に応じて勝手にジャンプしてくれるのはなかなか珍しい。調べる、話す、ジャンプ斬りなどのさまざまな行動を自動的に判別してワンボタンで使えるのもありがたかった。
タイトルにもなっているオカリナを奏でられるのも画期的と言えたのではないだろうか。エポナを呼び出す“エポナの歌”や豪雨を降らせる“嵐の歌”、時の扉を開ける“時の歌”など、譜面の通りに吹くことで多彩な特殊効果を得られる。プレイヤーが自由にメロディを作れる“カカシの歌”というものもあった。確か筆者は楽をするために、めちゃくちゃシンプルな譜面を設定をしたような記憶がある……。まあ、ずぼらな筆者とは違い、自由に演奏を楽しんだプレイヤーも多かったことだろう。
2011年6月16日には、ニンテンドー3DS用のリメイク作品として『ゼルダの伝説 時のオカリナ 3D』が発売された。美しく生まれ変わったビジュアルで、新要素とともに壮大な冒険が楽しめる。
いま『ゼルダの伝説 時のオカリナ』のオリジナル版をプレイしたいなら、Nintendo Switch Online+追加パックがおすすめ。ほかのニンテンドウ64の名作もいっしょに遊べてお得だ。
※本記事は、2021年11月21日にアップした記事を再編集したものです。