2022年11月14日、同人ゲームやインディーゲームの展示・即売を行うイベント“デジゲー博2022”が、秋葉原UDXにて開催されました。個性豊かな作品が集まっていた本イベントから、個人開発者のkoeda氏が制作している『ANTHEM#9』(アンセム・ナンバーナイン)を紹介していきます。

『ANTHEM#9』3色のジェムを並べてスキルを発動させていくパズル的な戦闘が楽しいデッキ構築型ローグライト【デジゲー博2022】
集英社ゲームクリエイターズCAMP『ANTHEM#9』紹介ページ

 本作は、世界の秩序を統制を行う秘密結社“ANTHEM#9”のメンバーたちを主人公に、秩序の均衡を乱す者たちとの戦いを描く、ターン制のデッキ構築型ローグライトゲーム。“デッキ構築型”と聞くとカードを扱うようなイメージが浮かぶかもしれませんが、いわゆるカードゲームというわけではなく、本作では毎ターンランダムに配られる青、赤、緑の3色の“ジェム”を並び変えることで戦闘を行っていくという、一風変わったシステムを持つ作品となっています。

 攻撃となる“スキル”は発動させるためのジェムの並び順が指定されていて、プレイヤーはより多くのスキルが発動できるように、ランダムに配られたジェムを並び替えていくというのが本作の基本的なルール。

 発動に必要なジェムが一部共通しているスキルはしりとりのようにジェムを共有することができるのが特徴。たとえば発動に必要なジェムが“青・青”と“青・赤”という2種類のスキルがデッキにある場合は、“青・青・赤”という順番でジェムを並べることで、3つのジェムで両方のスキルを発動させることが可能です。発動したスキルの数が多いほど、敵の攻撃を弱める効果もあるため、スキルより多く使用できるようなデッキ構築も重要になります。

 戦闘に勝利すれば新たなスキルが入手でき、デッキを構築してつぎのステージに進んでいくといった流れでゲームを進めていく形となっていました。

『ANTHEM#9』3色のジェムを並べてスキルを発動させていくパズル的な戦闘が楽しいデッキ構築型ローグライト【デジゲー博2022】
『ANTHEM#9』3色のジェムを並べてスキルを発動させていくパズル的な戦闘が楽しいデッキ構築型ローグライト【デジゲー博2022】
戦闘には2種類のデッキを持ち込むことができ、自分のターンの最初にどちらを使用するか選択可能。配られたジェムを見つつ、より多くのスキルが使えるデッキを見極める必要があります。

 筆者は展示されていたデモ版でふたつのステージを体験。システムに慣れていない最初こそ戦闘のシステムに多少苦戦しましたが、慣れてくるとより多くスキルを発動させるジェムの並びを考えるパズル的なおもしろさや、大量のスキルを発動させて攻撃できたときの気持ちよさなどは格別でした。

『ANTHEM#9』3色のジェムを並べてスキルを発動させていくパズル的な戦闘が楽しいデッキ構築型ローグライト【デジゲー博2022】
戦闘後にもらえるスキルは3つの中から選択できる形となっていました。
『ANTHEM#9』3色のジェムを並べてスキルを発動させていくパズル的な戦闘が楽しいデッキ構築型ローグライト【デジゲー博2022】
スキルをアレンジできる要素もあり、発動に必要なジェムの色を変えることもできました。

 音楽以外のすべての部分を制作しているという開発者のkoeda氏に話を伺うと、本作はUnityのセールで、アニメのようなグラフィックを表現できる“トゥーンシェーダ”を購入したことがきっかけとなり、制作を始めた作品だったのだそう。そんな経緯もあって、本作はシステムよりも先に、ビジュアル部分から制作を始めたそうで、ゲーム画面をSNSに投稿したところ、多くの反響を受けたことも話してくれました。また、本作と同じくローグライト作品である『Slay the Spire』から影響を受けているとのことで、同作をプレイしていて「よりストーリーが楽しめるローグライト作品を作りたい」という思いが沸いたことが、本作のアイデアへと繋がっているそうです。

 そんな本作は2023年内にSteamのアーリーアクセス版のリリースを目標に開発中。完成版では主人公となる3人のキャラクターの群像劇を描くストーリーが追加され、だいたい20時間ぐらい遊べるようなボリューム感を想定しているそうです。

『ANTHEM#9』3色のジェムを並べてスキルを発動させていくパズル的な戦闘が楽しいデッキ構築型ローグライト【デジゲー博2022】
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