愛知県にある愛・地球博記念公園内にて2022年11月1日(火)にオープンする“ジブリパーク”。その内覧会で体験した各エリアの魅力をお届けします。
オープン時点で楽しめるのはメインエリアとなる“ジブリの大倉庫”、『耳をすませば』、『猫の恩返し』をテーマにした“青春の丘”、『となりのトトロ』をテーマにした“どんどこ森”の3つのエリア(※)。いずれもジブリの世界が目の前に現れたような、不思議な感動が得られる光景が広がっていました。
※いずれのエリアも入場には有料チケットの購入が必要。チケットはすべて日時指定による事前予約制。
ちなみに、各エリアは離れた場所にあり、とくに“どんどこ森”は林の中に作られた道を20分ほど歩いてようやくたどり着ける場所にあります。これはジブリパークのコンセプトに「自分の足で歩いて風を感じながら、発見を楽しむ」というものがあるため。園内を巡回している無料バスで移動することもできますが、歩きやすい格好で遊びに行くのがおすすめです。
それでは、それぞれのエリアを紹介していきましょう。
青春の丘:“地球屋”の地下には天沢聖司のヴァイオリン工房が
愛・地球博記念公園内で電車を降り、公園のメインゲートをくぐってしばらく歩くと右手に見えるのが“エレベーター塔”。『天空の城ラピュタ』の世界のモデルになった、19世紀末の空想科学をもとにしたデザインが、ジブリの世界の入口で待っています。
エレベーターを使って進み、すぐ右手にある林を抜けると、見えてくるのが“青春の丘”です。ここでは『耳をすませば』に登場した“地球屋”を再現した建物に入れるほか、『猫の恩返し』に登場したバロンの家を覗き見ることもできます。
ジブリの大倉庫:さまざまな作品世界の魅力を凝縮。短編アニメ用の映像展示室や『風立ちぬ』で印象的だった“シベリア”がある売店も
エレベーター塔を抜けてから真っ直ぐ進んでいくと見えてくる、アイススケート場の隣りにある大きな建物が“ジブリの大倉庫”。中に入ると、さまざまなジブリ作品の世界観をコラージュしたような空間が広がっており、じつに壮観。ジブリパークのメインエリアにふさわしい感動が得られます。
ジブリの短編作品が上映される“オリオン座”
“ジブリの大倉庫”内にある“オリオン座”は、これまで“三鷹の森ジブリ美術館”でのみ上映されていたスタジオジブリ制作の短編アニメーション全10作品を順番に上映する映像展示室。座席数は170ほどあり、レトロな映画館といった風情。
開園時には『くじらとり』を毎日複数回上映。内覧会でも視聴できましたが、幼稚園児たちの想像力が、アニメーションならではの飛躍によって表現される、非常に楽しい作品でした。
ジブリの世界をより深く楽しめる企画展示も必見
スタジオジブリに関する企画展示も、なんと3つ同時に開催中。これらはジブリ作品の入門編となる展示とのこと。まだ観ていない作品がある人は、気になるジブリ作品が見つかるかも? もちろんマニアックなジブリファンも楽しめるはず!
ショップやカフェも充実。『風立ちぬ』に登場したシベリアも販売。
ジブリ作品のグッズやジブリパークのオリジナル商品を取り扱うグッズショップ“冒険飛行団”は、どの商品も目移りすること間違いなし。大倉庫の外に併設されたカフェ“大陸横断飛行”や、『風立ちぬ』に登場したシベリアや瓶牛乳を販売する売店“ミルクスタンド シベリあん”もあり、休憩できる場所も充実しています。
どんどこ森:サツキとメイのお宅訪問。ふたりの実在感がすごい
“ジブリの大倉庫”から林の中の道を歩いて約20分。“どんどこ処(どころ)”が見えてきたら、お目当ての場所までもうすぐ。さらに歩くと、“サツキとメイの家”が見えてきます。本が山積みにされた父親の書斎から、生活感の溢れる居間に台所まで、驚きの再現度でした。
『もののけ姫』や『魔女の宅急便』などをテーマにしたエリアも順次オープン予定。さらなる展開の可能性も……?
すでにじっくり楽しみたいエリアばかりで、大満足のジブリパーク。
ここに第2期として『もののけ姫』をテーマにした“もののけの里”と、『魔女の宅急便』、『ハウルの動く城』、『アーヤと魔女』などをテーマにした“魔女の谷”も加わる予定です(※)。
※“もののけの里”は2023年秋、“魔女の谷”は2023年度内オープン予定
オリオン座で行われた大村秀章愛知県知事と宮崎吾朗監督のトークでの宮崎氏の発言によると、拡大主義に走るつもりはないものの、要望があれば第3期、第4期も大変だが頑張りたいとのこと。“三鷹の森ジブリ美術館”とも連携を取りつつ、いい状態で発展させていけたらと、前向きな気持ちを表明していました。
なおジブリパークは、宮崎駿氏の長編映画の監督を引退するという宣言を受け、ジブリ作品を後世に残す意義を感じたことが企画されたきっかけとのこと。しかし、周知の通り宮崎駿氏は引退宣言を撤回。「はしごを外された気持ちでいっぱい」という宮崎氏の言葉が、来場者の笑いを誘っていたのが印象的でした。
夢のような光景の中に、関わった方々のさまざまな想いが込められた“ジブリパーク”。ぜひ足を運んでみてください。