スクウェア・エニックスから2022年9月29日(※)に発売予定のプレイステーション5、プレイステーション4用ソフト『ヴァルキリーエリュシオン』。9月15日に序盤が遊べる体験版も配信されている本作だが、今回は製品版を終盤までを事前に遊ぶ機会が得られたので、そのプレイリポートをお届け。
※Steam版は2022年11月12日に発売予定
なお、本記事はネタバレには配慮しているが、若干のネタバレは含んでいるのでご注意を。
『ヴァルキリーエリュシオン』製品版プレイ動画
世界観は安心の『ヴァルキリー』らしさ
本作は1999年にプレイステーションで発売されたRPG『ヴァルキリープロファイル』から始まった『ヴァルキリー』シリーズの最新作。家庭用ゲーム機では約14年ぶりのリリースとなる本作は、『ヴァルキリープロファイル』との直接のつながりはない。
一方で、主神オーディンによって創造されたヴァルキリーが、英霊エインフェリアとともに戦う、という北欧神話をベースにした『ヴァルキリー』らしさは健在。鈴蘭の草原なども登場し、敵やスキル名など、シリーズファンなら「おっ」と思えるような要素があちこちに散りばめられている。また、『ヴァルキリー』シリーズといえば外せない桜庭統氏の音楽。本作でも桜庭氏が音楽を担当しており、『ヴァルキリー』らしさは十分。
物語はどう分岐するのか
『ヴァルキリープロファイル』は、ゲームの進めかたによってエンディングが分岐したが、本作もマルチエンディングだということが明かされている。物語について詳しく言及するのは避けるが、ゲームを進めると神々の言葉を鵜呑みにしていいものか……とだんだん不安になってくるはずだ。“不条理なこの世界で、君は何を選ぶか?”という本作のキャッチコピーも、選択をするときがくることを暗示している。
シリーズ初のアクションバトルは連続攻撃にエインフェリア召喚やディバインアーツを絡めた戦略性が高いものに
シリーズ初のアクションRPGとしての側面も持つ本作。操作するのは主人公のヴァルキリーのみで、仲間になったエインフェリアは召喚という形で、いっしょに戦ってもらうことになる。アクション攻撃の基本は武器による連続攻撃で、□△、□□□△など、□ボタンと△ボタンの組み合わせで、特性の異なるさまざまな攻撃を行ってくれる。ここに、エインフェリア召喚や、ディバインアーツといった必殺技的なものを絡めて戦っていくわけだ。
とにかく弱点属性を狙うのが大事
弱点属性を突いて攻撃する重要さは体験版のリポートでも書いた通り。弱点属性の攻撃を当てると敵はダウン状態になり、一方的に攻撃するチャンスが訪れる。フィールドにたくさんいる不死者(アンデッド)だけでなく、節目で戦う不死獣(ナグルファル)というボスもダウン状態になるので、ゲームに慣れるとおのずと弱点属性による攻撃を狙うようになってくる。
肝心の属性攻撃の手段だが、これは大きく分けてふたつ。まずはアーツゲージを消費するディバインアーツ。これは、雷属性の“ライトニングボルト”や炎属性の“バーンストーム”など、4つまで登録できるショートカットから放つ、シンプルな属性攻撃となっていて使う場面も多いはず。
もうひとつは、エインフェリアの召喚。イーゴンは雷、サイファは氷、といった具合に、各エインフェリアは属性を持っていて、召喚するとヴァルキリーの武器に召喚したエインフェリアの属性が付与される。そのため、相手の弱点に対応するエインフェリアが仲間にいる場合は、こちらも併用するとダウン状態に持っていきやすくなる。
ディバインアーツ中の無敵時間が活かせると気持ちいい
ディバインアーツを実行しているあいだはダメージを受けない、というのはアクションでとくに気に入っている部分。さきほど例に上げた炎属性のディバインアーツ、“バーンストーム”は、少々詠唱してから巨大な炎の嵐を巻き起こすのだが、詠唱してから攻撃を実行するまでは無敵なので攻撃を受けないのだ。この詠唱が長い、という本来デメリットとなるはずの部分が、完全無敵の防御手段として機能するのは画期的。
テクニカルアクションが楽しい
四方八方から敵はやって来るし、武器攻撃にエインフェリア召喚、ディバインアーツと、かなり手が忙しい本作。さらに、プレイヤーの腕前を試すかのように、テクニカルアクション(下記参照)というものも用意されている。これを成功させると、各種ゲージが大きく回復する“ソウル”が大量ドロップ。ヴァルキリーが光って敵がスローモーションになるエフェクトがとにかく気持ちいい。ボス戦などで偶然でも発動に成功すると、ゾクゾクしてしまう。
スキルの習得で可能になる5つのテクニカルアクション
- ジャスト回避……敵の攻撃がヒットする直前に回避するとスロー効果が発生
- ジャストガード…敵の攻撃がヒットする直前にカードするとスロー効果が発生。△ボタンで専用の派生攻撃が可能
- リバーサル………敵の攻撃をガードした直後に□ボタンで素早く反撃する
- パリング…………敵の攻撃がヒットする直前にガード+△ボタンでスロー効果が発生。飛び道具を跳ね返すことができる
- カウンター………敵の攻撃がヒットする直前に□ボタンで斬り抜け攻撃が出せる
ソウルチェインで機動力アップ
これまで紹介したアクション以外で自分が多用したのがソウルチェイン。これはソウルの鎖をターゲット向けて伸ばし、当たると急接近できる移動手段。敵は広範囲に分散して現れることが多いので、敵を倒す→ソウルチェインでつぎの敵に接近→倒す→ソウルチェインで~といった感じに戦っているだけで、なんとなくかっこよく見えるし気持ちいいのでオススメ。
体験版の範囲ではちょっと物足りないと感じるかも
序章で、エインフェリア召喚を含むひと通りのアクションを体験させてはもらえるが、チャプター1がスタートすると、エインフェリアがひとりもおらず、スキルによる育成も進んでいない、ディバインアーツも少ないという状態なので、アクションゲームになれている方は若干物足りなさを感じてしまうかもしれない。
これは育成によってアクションの幅が広がるアクションRPGの宿命。少々進めればあっという間に手に負えないほどのアクションの世界が待っているので、早くアクションの種類を増やしたいなら、ある程度は寄り道せずに物語の進行を優先するのもアリかもしれない。本作の物語は、メインクエストを受注して出発するという形で進行し、サブクエストを含め、何度でもやり直せるので心配は無用だ。
本編クリアーまでは20時間程度、さらにサブクエストや11月には大型アップデートも
本作のおもな寄り道要素は、フィールドやヴァルハラ(ヴァルキリーの本拠地)で受注できるサブクエストと、フィールドに落ちている“欠魂花”というアーカイブ要素集め。サブクエストをそれなりにこなしながらゲームを進めたところ、18時間程度で物語の終盤に到達した。
本作の世界に生きた人々の魂が宿る欠魂花からは、いろいろな情報が読み取れる。また、サブクエストは、武器やディバインアーツなど魅力的な報酬もさることながら、エインフェリアの歩んだ人生に迫る、メインクエスト並に重要なものもあったりする。11月には無料の大型アップデートも控えているので、まだまだ遊び尽くすにはほど遠そうだ。