元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長であり、編集部時代から現在に至るまでゲームプレイ日記やエッセイを執筆している大塚角満によるプレイ日記。Nintendo Switch、PC用ソフト『モンスターハンターライズ:サンブレイク』のプレイ日記。その第37回をお届けします。
過去、もっとも厳しかったクエストのひとつ
『モンスターハンターライズ:サンブレイク』で遊ぶ上での当面の目標、“マスターランク100”を目指す俺が、
「このクエストに入り浸ろう!!」
とターゲッティングしたのはまさかの……!
クエスト名“モンスターハンター”!!
ゲームタイトルをそのまま冠するという、比類なき特別感を纏ったこのクエストに、ガンランス片手にズンガズンガと乗り込んでいこうと思ったのである。
で、ここから前回の続きになるんだけど、本当は“モンスターハンター”という名のクエストが初めて登場したときの思い出話も、そちらの記事に載せてしまおうと考えていたのだ。しかし、アレもコレもと書き連ねているうちに過去記事の引用をするスペースがなくなるほどの長文になってしまったので(計画性ゼロなもんで)、その役割は今回の記事に譲ることにしたのである^^;
そう、“モンスターハンター”を冠するクエストに俺が初めて出会ったのは、いまから14年も前の2008年--。『モンスターハンターポータブル 2nd G』に人生のすべてを懸けていた時代のことだ。
この一文を読んで、いまの若いハンター諸君は、
「またまた大袈裟なこと言っちゃってwww これだから、昭和の忘れ物みたいなおっさんは困るよwww」
なんて笑うかもしれないが、ホントの本気で掛け値なしに、仕事もプライベートも趣味も遊びも(同じかw)、すべての中心に『モンハンポータブル 2nd G』があったと言う人、俺に限らず全国に数十万はいたと思うのよ。
思い出すなぁ……。
毎週金曜日に週刊ファミ通の校了を終えた後、必ず立ち寄っていた馴染みのバー“S”……。もうなくなっちゃったので場所も書くと、そこはJR浦和駅からほど近い場所にあった小さなお店なんだけど、ゲーム好きのマスターと気が合って、最盛期はマジで週4くらいの頻度で江野本ぎずもと通っていたんだよなぁ。
そんな2008年の夏、俺が良い意味でも悪い意味でもドハマりしていたのがクエスト“モンスターハンター”だった。大闘技場を舞台に、『モンハン』の象徴とも言えるリオレウス、ティガレックス、ナルガクルガ、ラージャンを討伐するという過酷な内容……。そのコンセプトは、『モンハンライズ:サンブレイク』の“モンスターハンター”と同じくしているんじゃないかと感じる。
そんな、究極の村クエストに挑んだときの様子を、俺は以下のように綴っていた。『本日もサヨナラ! 逆鱗日和』に収録されているコラム“【MHP 2nd G】第96回 モンスターハンター ~めげない気持ち~”から。
◆◆◆
最後の招待状を余裕でクリアーできたいまの俺に、少なくとも村クエストでは壁となるものは存在しないのではあるまいか。俺がそう思ったとして、誰に責められようか。いや責められない。ていうかそれ以前に、俺の前に立ちはだかろうとする村クエストはもうひとつしか残されていないのである。
そう。ネコートさんが用意する村長クエスト上位の最後のクエスト“モンスターハンター”だ。
『モンハン』シリーズの象徴であるリオレウス、ティガレックス、ナルガクルガ、ラージャンを、大闘技場を舞台に連続で討伐しなければならない“究極の大連続狩猟”。これをクリアーして初めて、ハンターは“モンスターハンター”を名乗ることができるようになるのではなかろうか。そう思わせるほどこのクエストの威光は強烈だったが、じつは以前から俺の中には(なにげにモンスターハンターは、最後の招待状よりも余裕でクリアーできるのではなかろうか)という思いがあったことをここに告白してしまおう。
最後の招待状の最大の恐怖は、“ラージャンを2頭狩らないといけない”という部分にあるわけではない。もっとも恐ろしいのは“クエストが始まったら10分後には問答無用で2頭目のラージャンが現れてしまう”という、誰もが避けられない絶対的なルールにある。だからこそ最後の招待状は忌み、恐れられ、『2nd』の時代に“伝説のクエスト”になったのだ。
ところが、『2nd G』のラストクエスト、モンスターハンターは大連続狩猟だ。最初に現れるリオレウス討伐に手こずり、たとえ10分が経過したとしても、次に控えるティガレックスが大闘技場に乱入してくることはない。モンスターハンターではつねに、ハンターとモンスターは1対1のサシで勝負を決する。第三者の介入はいっさいないので、最後の招待状で1頭目を倒せずに10分が経過してしまったときのような地獄絵図が展開することは決してない。
◆◆◆
そして、初めてモンスターハンターに挑んだクエストの様子を、俺はつぎのように結んでいたのである。
◆◆◆
8月25日午後9時30分。『2nd G』発売からまもなく5ヵ月を迎えるこの日、俺は初めてラストクエスト”モンスターハンター”に挑んだ。何度も言うように、最初に現れるのは『モンスターハンター』の象徴、リオレウスである。初代『モンハン』の時代から数えたらはたして幾度、このモンスターと渡り合ったことだろう。『2nd G』だけに限っても、この日までのリオレウス討伐数は111。大型モンスターの中でダントツにたくさん狩っているのが目の前にいるリオレウスなのだ。言ってみれば、もっとも手の内を知っている相手と言える。そんなリオレウスに、俺が手こずるわけがない。そう確信していた。
(中略)
「そうだ……。リオレウスって、強かったんだよな……」
初代『モンハン』の時代、熟考に熟考を重ねた上で戦術を紡ぎだし、それでも何度も何度も跳ね返されていた強大な壁が、このリオレウスだったのだ。なんで俺は、そのことを忘れてしまったんだろう。リオレウスが“対等以上の相手”ということをしっかりと胸に刻み込めていれば、これほど無残に屍をさらすこともなかったのではないか……。
俺は気を引き締めなおした。なんとかかつての荒ぶる魂を呼び戻し、立ちはだかるリオレウスを討伐せねば!!
しかしいくら口で気合を入れ直しても、傾いた勝敗の天秤は簡単には元に戻せない。なんとか15分針でリオレウスを討伐するも、回復薬グレートは8個消費し、秘薬にいたってはゼロに……。折れかかった心に“残り時間が少ない”という焦燥も覆いかぶさってきて、俺は息も絶え絶えになってしまった。こんな状態で次の相手である”『2nd』の象徴”、ティガレックスとまともに対峙できるわけもない。25分針で2オチ目を計上。秘薬は飲み尽くしてしまっていたので、もうノーマル体力で大闘技場に戻るしかない。体力が満タンでも太刀打ちできなかったティガレックスにノーマル体力でどうこうできるわけもなく、しかも奇跡的にこやつを倒したところで、まだ無傷のナルガクルガ、ラージャンが控えているのだ。
「もう……、ダメだ……」
心、踏み潰された枯葉のようにボロボロとなり、我が分身は攻撃する気力もないままフラフラとティガレックスに接近。猛るティガレックス、「介錯してくれよう」とばかりに壮絶な回転アタックをくり出して、ズタズタのガンランサーにトドメを刺した。クエスト開始からわずか25分。3頭目のナルガクルガも見ないうちに最初のモンスターハンターは終了となった……。
◆◆◆
そして……w
俺はこのクエストで26回も跳ね返され、しかもその様子をほぼすべてプレイ日記にまとめるという快挙(?)を達成して、ようやく27回目にして最後のラージャンを撃破してのけたのである。その模様は余さず『本日もサヨナラ! 逆鱗日和』に収録されているので、興味がある方はぜひご一読をw
さて、ようやく『サンブレイク』の“モンスターハンター”に入っていくぞ。
『2ng G』のときはクエストに持ち込めるアイテムの数がガチガチに決められていたので、出発する前からあーだこーだとハゲるほど悩む必要があったけど、『モンハンライズ:サンブレイク』はキャンプに戻ればいつでも消耗品の追加ができる。その時点でかな~~~り気楽である。
よって、拠点を出たら速攻で走り出す!!
マップを見るとすでに、最初のターゲットにしようと思っていたオオナズチが、すぐ近くで出たり消えたりをくり返していた。
よーし。
オオナズチ、クシャルダオラ、テオ・テスカトルの3頭の中で個人的にもっとも御しやすいコイツで“巻き進行”の流れを作っておくかな!!w
さあ、初挑戦のモンスターハンターは、どのような結末になるのかな??
続く!
大塚角満(おおつか かどまん)
元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。2017年に独立。編集部時代から現在に至るまでゲームエッセイを精力的に執筆し、『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』、『折れてたまるか!』など、多数の著作がある。