格闘ゲームの基礎は初代から確立

 1987年(昭和62年)8月30日は、アーケード版の初代『ストリートファイター』が稼動を開始した日。本日で『ストリートファイター』シリーズが誕生してから35周年を迎えたことになる。

 『ストリートファイター』は、カプコンから発売された2D対戦格闘アクションゲーム。格闘ゲームの金字塔として現代でも絶大な人気を誇る『ストリートファイター』シリーズの記念すべき1作目となる。最新作である『ストリートファイター6』は2022年2月に発表。つい先日(同年8月8日)もキンバリーとジュリの最新映像が公開されて大きな話題になっていたのが記憶に新しいところだ。

 『ストリートファイター』シリーズは、『ストリートファイターII The World Warrior』の爆発的なヒットで一大ブームを巻き起こしたわけだが、初代作品はどちらかと言えば知る人ぞ知る名作といった印象だった。アップライト筐体とテーブル筐体の2バージョンが存在し、それぞれボタンの入力システムが大きく異なるのが特徴。筆者はアップライト筐体バージョンを目当てに、設置してあるボーリング場まで足繁く通った記憶がある。

 立ってプレイするアップライト筐体の『ストリートファイター』は、なんとボタンを押した強さでパンチやキックの威力が変動するシステムを採用。圧力センサーで強さを判定して弱、中、強に技の威力が変化するのだが、当時はみんな「強く叩けば叩くほど威力が強くなる」と思い込んでいたふしがあり、ボタンを力任せにぶっ叩いていたように思う。

初代『ストリートファイター』が稼動を開始した日。ボタンを押した強さで威力が変わる驚きの入力システムを採用した初代作品。当時は必殺技コマンドも秘密だった!?【今日は何の日?】

 昔はよくゲームコーナーなどにパンチングマシンの筐体が置いてあって、プレイしている人が“バスン”と大きな音を立てていたものだが、『ストリートファイター』からも同様の“ドスン”だの“ドン”だのの音が聴こえてくるのだからおもしろかった。突如、室内に響き渡る大きな音にびっくりする人も多かったし、それに釣られて見に来る人も大勢いた。

 ただまぁ、1プレイするだけで相当疲弊するため、このシステムは初代限りで終了となってしまった。一方のテーブル筐体バージョンは、パンチとキックの弱中強が6つのボタンに割り振られていて、以降のシリーズでは6ボタン方式としておなじみとなった。

 シリーズ最大の魅力で、ゲーム史におけるエポックメイキングでもあった“必殺技”は初代作品から存在。プレイヤーが選択できるキャラクターはリュウ(隆)とケン(拳)のふたりしかいなかったが、ともに“波動拳”、“昇竜拳”、“竜巻旋風脚”といった必殺技をコマンド入力で発動できた。ただ、当時はこのコマンドが公開されておらず秘密になっていたというから驚く。

 筆者は恐らく筐体に店主か誰かが貼り付けたコマンド表を頼りに入力していたとは思うのだが、とにかく入力がシビアで全然発動できなかった記憶がある。運よくたまに発動するくらいで実戦ではほとんど役立たなかっただろうに、コマンド入力が楽しくて仕方なく波動拳が出たときは感動すらしていたはず。とにかく必殺技を出すことに夢中になった。

 1988年12月4日には、PCエンジン CD-ROM2用ソフトとして移植版『ファイティング・ストリート』が発売。何やら商標登録の関係らしいが、異例の改題しての登場となった。

初代『ストリートファイター』が稼動を開始した日。ボタンを押した強さで威力が変わる驚きの入力システムを採用した初代作品。当時は必殺技コマンドも秘密だった!?【今日は何の日?】
初代『ストリートファイター』が稼動を開始した日。ボタンを押した強さで威力が変わる驚きの入力システムを採用した初代作品。当時は必殺技コマンドも秘密だった!?【今日は何の日?】
『ファイティング・ストリート』

 現在、初代『ストリートファイター』で遊びたいならNintendo Switch、プレイステーション4、Xbox One、Steamで発売されている『カプコンアーケード 2ndスタジアム』がおすすめ。遊びたいタイトルを単品購入できるため、本作だけの購入も可能だ。または『ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション インターナショナル』。こちらは初代作品だけでなく、歴代アーケード12作品を収録していて遊び応え抜群。

 シリーズ最新作は前述の『ストリートファイター6』で、リリース予定は2023年となっている。こちらは自動実況機能が搭載されたり、簡易コマンド入力に対応したりするなど、新時代を感じさせる仕組みが多数取り入れられているのが大きな魅力。発売が非常に待ち遠しい。

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