元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長であり、編集部時代から現在に至るまでゲームプレイ日記やエッセイを執筆している大塚角満によるプレイ日記。Nintendo Switch、PC用ソフト『モンスターハンターライズ:サンブレイク』のプレイ日記。その第32回をお届けします。
アルロー教官のお願いは続く
見事、銀レウスことリオレウス希少種を討伐し、
「よしよし。これで、火急の用事はすべて終わっただろうな!! ここからしばらくはのんべんだらりと、バハリの言う“傀異討究クエスト”やら、マスターランク100を目指したポイント稼ぎにくり出すとするかねぇ~^^」
なんて、いまにも浮かれて温泉旅行にでもくり出しそうな勢いで“塔の秘境”から帰還した世界一のガンランサー(笑)。早いとこ、多くのモンハン求道者たちが夢中になっているという、傀異討究クエストにくり出したくて仕方がなかったからな。この『モンハンライズ:サンブレイク』のエンドコンテンツとも言うべき狩猟に打って出て、俺はここに骨をうずめるのであるよ!
なんてことを考えながらエルガドを闊歩していると……!!
あ……。
またもやアルロー教官が、風雲急を告げる“赤声”を張り上げているぞ……! 紅蓮滾るバゼルギウス、金レイア、銀レウスの狩猟でヤベェ仕事は終わりだと思っていたのに……またもや俺に、何かの用ですかーーーい!!!><
「危険な相手だな……」
思わせぶりな態度で俺の焦燥を掻き立てるアルロー教官に、「仕方ねぇなぁ……」と話し掛けると……!!
!!!! デタッ!!! ナルガクルガ希少種!!!
別名“月迅竜”が深夜に暴れているとの被害報告が多数入っていて、その討伐を俺に任せたいと!! そういうことなのね!!!(セリフそのままじゃねえか)
いやしかし、ナルガクルガ希少種かぁ……!!
ノーマルのナルガクルガに関しては、『モンハンライズ』のときに同僚のたっちーが素材を欲しがったので、一時期、毎日のように狩りまくっていたことがある。ていうかそれ以前に、ナルガクルガは“狩って楽しいモンスターの代表”とも言える存在なので、初登場となった『モンスターハンターポータブル 2nd G』の時代から数えたら、いったい何百頭……いや、何千頭を狩ってきたことだろうか。
昔、俺は直近で欲しい素材がなく、狩らねばいけないモンスターが見当たらなくなったときには、
「やることなければレウスかレイア」
を標語にリオレウスかリオレイアを狩りにいけばいい……と『逆鱗日和』内で書いたことがあるが、ティガレックスやナルガクルガが登場して以降は、
「やることなければティガかナルガ」
を旗印に狩りを続けていた。ここで決して、
「やることなければテオかラー」
とならないところが、俺の慎ましいくも奥ゆかしいところなのである(イヤなだけだろ)。
以前も書いたことがあるんだけど、ナルガクルガを相手にした狩猟は1戦たりとも凡戦がなく、つねに何かしらの刺激と収穫をもたらしてくれたので、俺はこの風の化身のような黒いモンスターを相手にするのが大好きである。それは『モンハンライズ』でも、『サンブレイク』でも変わっていないので、きっとこのナルガクルガ希少種も、俺に新たな感動と充実感を与えてくれるに違いないぞ!!
というわけで、すっかり傀異討究クエストのことは忘れ去って(バハリ、ごめんな)、ナルガクルガ希少種を狩猟するクエスト“不可視の迅竜”を受注した。
なるほど……! “不可視”ってのは要するに、“可視できず”ってことだよな……。これはもしかして、ノーマルナルガ以上の超絶スピードで飛び回るため肉眼で追うことができないのか、それともオオナズチのように消えてしまうのか……?
ま、ここでアレコレと考えても話は始まらないのだ。
ハンターは、どれほど謎に満ちた存在が待っていようともまずは現場に向かい、実際にその脅威と対峙しないと対抗策を練ることはできない。とくに俺のような、事前情報を1ミリたりとも入れていないハンターは、すべての狩猟が驚きと発見に満ちているのである。
そして初めて、夜の塔に出向いたわけだけど……!
うお。夜空がめっちゃキレイなんだけど!!!
まるで、ミルクをぶちまけたように広がる星の海原に、ひとつ……またひとつと光の筋を引く流星たち--。綺羅星たちの瞬きは優しく、美麗で、
「はぁ~……。このキャンプ場を選んで、ホントによかったわぁ……(うっとり)」
と、ナルガクルガ希少種は無視して、ここでひと晩すごしてやろうかと思っちまったよ……w
しかし、いつまでもここで呆けているわけにはいかない。
ナルガクルガ希少種がどれほどの能力を持っているのか、まるでわかっていないのだ。キャンプでいたずらに時間を潰したことがのちのち自分の首を絞める……なんてことも、十分に考えられる!!!
「い、いかん!!!! 早く狩場に行かないと!!!」
急いで塔の切れ目からダイブし、向かった先では……!
「ぎゃおぉぉぉぉおおおおおん!!!!(怒)」
いきなり怒鳴られたぁぁぁああああ!!!!www
いたいた!!! ナルガクルガ希少種!!! 見慣れたフォルムではあるけれど、月あかりを浴びたそれは、
どこか神秘的で、まるで幽鬼のような危うさと儚さをまとっている気が……! さあこれから、邪魔はいっさい入らないバチバチのサシ勝負のスタートだ!!!
続く!
大塚角満(おおつか かどまん)
元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。2017年に独立。編集部時代から現在に至るまでゲームエッセイを精力的に執筆し、『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』、『折れてたまるか!』など、多数の著作がある。