3Dで作られたFPSの迫力が衝撃だった
1997年(平成9年)8月23日は、ニンテンドウ64用『ゴールデンアイ 007』が発売された日。本日で発売から25周年を迎えた。
『ゴールデンアイ 007』は、任天堂から発売されたFPS(ファーストパーソン・シューティングゲーム、あるいはファーストパーソン・シューター)。開発は『スーパードンキーコング』シリーズをはじめ、さまざまな名作を世に送り出したレア社が手掛けている。
いまとなっては人気ジャンルにまで成長したFPSだが、本作が発売された当時の日本ではまったくもって浸透していないジャンルのひとつ。そもそもほとんどが疑似3Dの作品だったし、最先端の『DOOM』や『Quake』で遊べたのはPCユーザーがほとんどだったと思われる。
そんな中で本作は家庭用ゲーム機用の完全3D作品のFPSとして登場。海外では800万本以上を売り上げる大ヒット作品になったというから恐れ入る。国内でもスマッシュヒットを記録し、日本のゲームファンたちにFPSのおもしろさの一端を知らしめたと言っていいだろう。筆者的にはニコニコ動画で話題になっていた、とある動画のゲームという印象が強いかもしれない。
タイトルから察せられるように、ゲームは1995年に公開された映画『007/ゴールデンアイ』が題材だ。プレイヤーは“007(ダブルオーセブン)”のコードナンバーで知られるジェームズ・ボンドとなって、国際犯罪組織“ヤヌス”が企む衛星兵器“ゴールデンアイ”の発射を阻止するべく数々のミッションに挑んでいく。
有名な映画のオープニングやメインテーマが見事に再現されているのはもちろん、監視カメラや警報装置を破壊して敵に察知されないように行動するといったスパイならではのアクション要素も見ものだった。主観視点で3Dフィールドを探索すること自体が初めての体験というプレイヤーも多く、あまりの臨場感の凄まじさに衝撃を受けたんじゃないだろうか。
そして何より対戦モードの盛り上がりが忘れられない。メインモードそっちのけで、対戦に夢中になっていたプレイヤーはかなりの数いるはずだ。『ゴールデンアイ 007』では、ひとつの画面を4分割して最大4人までの同時プレイが可能。いま思えばほかのプレイヤーの動きが丸見えだったわけだが、当時はそんなことも気にせずワイワイと銃撃戦を楽しんだんじゃないかな。
相手を倒して得点する通常の対戦モードだけでなく、映画『007』シリーズのタイトルになぞらえたルールが用意されていたのもユニークな試み。“黄金銃を持つ男”なら一撃必殺の黄金銃を所持していた時間を競い合い、“007は二度死ぬ”なら2回やられないように立ち回るといった具合。
また、多種多様なチートが使える“お楽しみモード”が用意されていたのもうれしいポイント。無敵や透明人間になったり、ドンキーコングのような体型に変化したりと、ひと味違ったプレイを楽しめたのがよかった。
2011年6月30日には、Wiiでリメイク版『ゴールデンアイ 007』が発売。ただし、ニンテンドウ64版のリメイクというわけではないようで内容はかなりの別物。とは言え、こちらはこちらで評価されていた模様。なお、本作の続編というわけではないが、レア社が手掛けてシステムを踏襲したFPS『パーフェクトダーク』という作品も存在する。
※画面はWii版『ゴールデンアイ 007』のものです。