シンプルで奥深い番外編シリーズの傑作

 いまから19年前の2003年(平成15年)7月11日は、ニンテンドーゲームキューブ用ソフト『カービィのエアライド』が発売された日。

『カービィのエアライド』が発売された日。1ボタンとスティックの超シンプル操作で遊べた名作レースゲーム。育成してレースに挑むシティトライアルが激アツだった【今日は何の日?】

 『カービィのエアライド』はHAL研究所が開発を手掛け、任天堂から発売されたアクション・レースゲーム。シリーズで初となる3Dタイプのレースゲームとして知られており、非常に人気が高い。Nintendo Switchでリメイク版が出ることを待ち望む熱心なファンも多いんじゃないだろうか。

 ちなみに、レースが題材ということでは2002年10月25日発売のゲームボーイアドバンス用『星のカービィ 夢の泉デラックス』内のサブゲームに“カービィのエアグラインド”もあった。

 『カービィのエアライド』でもっとも特徴的なのは、なんとAボタンひとつで楽しめてしまう点。いやもちろん方向を変えるにはアナログスティックを使ったが、そのほかに使うのはAボタンのみというのだから驚きだ。アクセルやブレーキ、シフトチェンジやバック走行などなど、操作面において細かいことを考える必要は一切なしの潔さ。

『カービィのエアライド』が発売された日。1ボタンとスティックの超シンプル操作で遊べた名作レースゲーム。育成してレースに挑むシティトライアルが激アツだった【今日は何の日?】

 カービィが搭乗する“エアライドマシン”は何もせずとも自動的に加速し、Aボタンを押すことでマシンが地面をこすってブレーキが掛かる。そしてAボタンを離すと“チャージダッシュ”が発動する仕組み。これがじつに理にかなっていて、カーブが近づいたら減速してドリフトをかまし、カーブの出口で一気に加速して突破する感じになるわけだ。コーナリングの際の一連の動作を1ボタンで実現してしまうのだから、ゲームがあまり得意ではないという人でも楽しめたはず。

 操作テクニック自体はほかにもあり、スティックを左右に素早く倒せば攻撃の“クイックスピン”が、大きく滑空した場合は地面に対して水平に着地すれば減速しない“ナイス着地”が発動。滑空中に機首の上げ下げで滑空距離を調節するなんてこともできた。スピード感も相当なものでトリッキーなコースを走り抜けるのが快感だった。

 『カービィ』シリーズでおなじみのコピー能力だって当然使用可能で、敵が近くにいる際にAボタンで“吸い込み”をして能力をコピーできる。ライバルの妨害ができるようになるため、レースを有利に進められるって具合だった。

 性能の異なる多種多様なエアライドマシンが登場するところも本作の魅力のひとつ。それぞれマシンの個性がしっかりと設定されていて、性能に合わせた走りをしていくのがおもしろかった。地上では遅いが優れた飛行性能を持つ“ウィングスター”、高い攻撃力と加速性能を持つ“デビルスター”、ツルツル滑る“スリックスター”など、クセの強いマシンが勢揃い。シリーズでおなじみの“ワープスター”はバランスのいいマシンだったので、ずっと使い続けていた人もいたのでは?

『カービィのエアライド』が発売された日。1ボタンとスティックの超シンプル操作で遊べた名作レースゲーム。育成してレースに挑むシティトライアルが激アツだった【今日は何の日?】

 みんなが夢中になって遊んだのは、オープンワールドのような広大なフィールド“シティ”の中でマシンを育成しつつ、さまざま競技に挑む“シティトライアル”だったのではないかな。プレイヤーは制限時間のあいだにアイテムを発見・収集してマシンを強化した後、ランダムで決まる競技に挑むことになるのだが、これがパーティーゲーム&バトルロワイヤル的な感覚で非常に熱かった。

 ライバルたちがせっせと集めたアイテムを奪うこともできたため、対戦で友情に亀裂が入った(!?)なんてこともあったかもしれない。パーツを集めて作り出す桁違いの強さの伝説のエアライドマシンも存在した。

『カービィのエアライド』が発売された日。1ボタンとスティックの超シンプル操作で遊べた名作レースゲーム。育成してレースに挑むシティトライアルが激アツだった【今日は何の日?】
『カービィのエアライド』が発売された日。1ボタンとスティックの超シンプル操作で遊べた名作レースゲーム。育成してレースに挑むシティトライアルが激アツだった【今日は何の日?】

 家庭内LANを介して4台のゲームキューブを接続すれば、ひとり1画面での大迫力な対戦バトルも実現できた。当時の対戦モードと言えばひとつの画面を分割して表示するのが一般的で、家庭内LANを使って接続するなんていうのは時代の最先端と言っても過言ではない状況。ゆえに体験した人はかなり限られると思うが、現代のオンライン対戦を行うのと変わらない感覚でプレイができたのだからスゴイ。

 ほかにも“クリアチェッカー”と呼ばれる、いま風に言えばアチーブメントや実績みたいなものもあり、ひとつずつ達成していく楽しみがあったのもユニークなポイント。ご褒美もあったのできっとみんなやり込んだに違いない。

 2022年7月現在リメイク版などの情報はないが、来年2023年は本作20周年の年となる。筆者は何らかの動きがあることを願いつつ、いまだ盛んなRTAの動画でもチェックしながら朗報を待つことにしよう。

これまでの今日は何の日?