ソニーは2022年6月29日(水)、ゲーミングギア業界への参入を発表した。新ブランド“INZONE”を立ち上げ、これまでテレビ“ブラビア”や同社のオーディオ機器で培われたノウハウを生かした製品をプレミアム価格帯で展開する。“INZONE”に合わせてゲーミングモニターと、ゲーミングヘッドセットが発表された。以降では今回発表された各製品の特徴を紹介しよう。
美麗な没入感or対戦での勝利にこだわったゲーミングモニター2種
“INZONE”のゲーミングモニターは2製品。『INZONE M9』は27インチで4K/144Hz、IPS液晶。高画質なグラフィック表現によって作品への没入感を楽しむモデル。7月8日に発売予定で、価格は15万4000円[税込]前後。
『INZONE M3』は27インチでFullHD/240Hz、IPS液晶。FPSなど動きの激しいゲームで結果を追求したいゲーマー向けのモデル。年内発売予定で価格は未定。
どちらも白を基調としつつ黒いラインがアクセントとなっており、プレイステーション5と並べるとデザイン的に調和が取れそうな仕上がりだ。PCゲーマー向けの製品ではあるが、プレイステーション5との連携機能も備えている。
オートHDRトーンマッピング機能では、プレイステーション5が接続されているモデルを認識して自動で最適なHDRに調整する。これにより白飛びや黒潰れを防ぐ。
コンテンツ連動画質モードでは、プレイステーション5で楽しむコンテンツに応じ、ゲームプレイ中は“ゲーム1モード”、映画の視聴時は“シネマモード”といった具合に自動で画質モードを切り替える。
画質機能では色域が『INZONE M9』はDCI-P3 95%、『INZONE M3』はsRGB 99%。最大表示色が10.7億色。『INZONE M9』は液晶パネルのモニター向けの規格“Display HDR 600”を取得、『INZONE M3』は“Display HDR 400”を取得予定だ。リフレッシュレートは『INZONE M9』は144Hz、『INZONE M3』は240Hz。応答速度はどちらも1msで残像感が少ないゲーム体験となる。
『INZONE M9』は直下型LED部分駆動を採用している。これにより、映像全体をブロックに分けて明るさを調整できるので高コントラストを実現する。『INZONE M9』実機を実際に目にする機会があったのだが、ゲーム内での暗がりに潜む敵や、影のかかったオブジェクトなどが精細に視認できる暗部の表現には驚いた。
INZONE M9
- 市場想定価格:15万4000円前後[税込]
- 発売日:2022年7月8日
- 仕様:4K 144Hz 27インチゲーミングモニター
- パネル(画質):IPS液晶、ノングレア、直下型LED部分駆動搭載
- パネル(その他):2W×2内蔵スピーカー、背面ライティング機能(13色)
- ゲーミングアシスト:ブラックイコライザー、クロスヘア、タイマー、フレームレートカウンター
- PS5との連携機能:オートHDRトーンマッピング、コンテンツ連動画質モード
- 付属品:AC電源アダプター、AC電源コード、セットアップガイド、取扱説明書、Color Calibration Factory Report、保証書、ブランドステッカー
INZONE M3
- 市場想定価格:未定
- 発売日:未定
- 仕様:Full HD 240Hz 27インチゲーミングモニター
- パネル(画質):IPS液晶、ノングレア
- パネル(その他):2W×2内蔵スピーカー、
- ゲーミングアシスト:ブラックイコライザー、クロスヘア、タイマー、フレームレートカウンター
- PS5との連携機能:オートHDRトーンマッピング、コンテンツ連動画質モード
- 付属品:AC電源アダプター、AC電源コード、セットアップガイド、取扱説明書、Color Calibration Factory Report、保証書、ブランドステッカー
極上の装着感と静寂でゲームに没頭
ヘッドセットのラインアップは3製品で、 最上位モデル『INZONE H9』(36000円前後)はノイズキャンセリング機能を搭載したワイヤレスモデル。『INZONE H7』(29000円前後)は通常のワイヤレスモデル。『INZONE H3』(12000円前後)は有線モデル。
以降は『INZONE H9』を中心に特徴的な機能を紹介していく。“INZONE”のゲーミングヘッドセットはソニーのオーディオ製品で培われた立体音響、装着快適性、ノイズキャンセリングなどの技術が投入されている。
立体音響はゲームプレイ中で敵の察知などで重要となる機能だ。ソニーはソフトとハード両面でこの立体音響体験の向上を図っている。ソフト面では、360立体音響技術“360 Spatial Sound for Gaming”を採用し、2chに圧縮される音声信号を7.1chに再現。
立体音響の最適化のために、スマートフォンで撮影したプレイヤーの耳の画像をもとに聴感特性を解析し音の聴こえ方の個人差を補正する機能も備えている。
ハード面では、同社の音楽用ヘッドホンで利用された振動板の形状を採用して高い高域再生能力を実現。ハウジング上にダクトを設置して低域再現を最適化。これにより、爆発音などの表現により迫力がでるとしている。
繊細なプレイが求められる状況においては、PCのファン音やエアコンの音などもプレイのノイズになるだろう。『INZONE H9』では、ソニーのヘッドフォン『1000X』シリーズなどで培われたデュアルノイズセンサーテクノロジーを利用したノイズキャンセリング機能と、外音取り込み機能を搭載している。
装着感は長時間プレイするにあたって重要となる要素だ。『INZONE H9』は、ワイヤレスノイキャンヘッドホンの最新モデル『WH-1000XM5』と同じソフトフィットレザーイヤーパッドを採用している。イヤーパッドの形状は顔への設置面積を増やして圧力を分散。頭部のヘッドクッションは幅広で柔らかく厚みのある設計なので負荷の低減にも寄与している。
接続性は、PCに挿したUSBトランシーバーをとおして低遅延の2.4GHzワイヤレス接続。また、PCから2.4GHzでゲーム音、スマートフォンからBluetoothでボイスチャット音声を流す同時接続も可能だ。
そのほかの連携機能としては、ヘッドセット操作でゲームとボイスチャットの音量バランスが可能。また、PS5の目玉機能“Tempest 3Dオーディオ”のゲームサウンドも楽しめるとしている。
INZONE H9
市場想定価格:36000前後[税込]
発売日:2022年7月8日
ドライバーユニット:40mmドーム型
ワイヤレス接続:2.4GHzワイヤレス接続/Bluetooth
対応BTコーデック:SBC、AAC
バッテリー持続時間:32時間(ノイズキャンセリングOFF時)
質量:約330g
PS5との連携機能:ステータス表示機能、本体操作でのGame/Chatバランス変更
付属品:USB Type-Cケーブル(USB-A -USB-C)(約150cm)、USBトランシーバー、保証書、ブランドステッカー
INZONE H7
市場想定価格:29000円前後[税込]
発売日:2022年7月8日
ドライバーユニット:40mmドーム型
ワイヤレス接続:2.4GHzワイヤレス接続/Bluetooth
対応BTコーデック:SBC、AAC
バッテリー持続時間:40時間
質量:約325g
PS5との連携機能:ステータス表示機能、本体操作でのGame/Chatバランス変更
付属品:USB Type-Cケーブル(USB-A -USB-C)(約150cm)、USBトランシーバー、保証書、ブランドステッカー
INZONE H3
市場想定価格:12000円前後[税込]
ドライバーユニット:40mmドーム型
ケーブル長:約1.2m、金メッキ4極ミニプラグ
質量:約299g
付属品:USBオーディオボックス、保証書、ブランドステッカー