2022年6月8日、スマートフォン、PC向けバトルロイヤルゲーム『荒野行動』開発責任者DDDccc氏(Twitter : @DDDcccGalaxy)がツイートを行い、今後のアップデート情報が発表された。

 ツイートでは「ユーザの意見を取り入れたアップデート」と記載があるが実際どのような内容になるのだろうか。

 本記事では、ツイートで告知された8つのアップデートについて、実装後どう変化するのか、その変化について現状を踏まえたうえで解説していく。

1.ダウン後の無敵時間の削除

確定キルが入りやすくなるだけではない!?

 これまで『荒野行動』では、ダウン後に一定の無敵時間があったが、アップデートではその時間が削除される。ダウン状態の無敵時間が削除されると聞いて、プレイヤー諸君はどう思うだろうか。

 「確定キルが入りやすくなってラッキー!」

 とうれしくなるか、もしくは

 「味方に救助してもらえる機会が減るのでは……」

 と不安になるかだろう。筆者は、後者の不安になるプレイヤーが大半だと考える。

 しかし、それだけではなく、『荒野行動』の猛者は気づいているかもしれないが、試合の立ち回りが大きく変化する恐れがあるのだ。とくに、スクワッド(4人チーム)やクインテッド(5人チーム)の試合で立ち回りが変化するため、今回はスクワッドを想定してかんたんな例で解説する。

 前提として、『荒野行動』では、従来のバトルロイヤルゲームと同様に安全地帯が縮小するため、ポジションのキープが非常に重要だ。スクワッド、クインテッドにおいては、安全地帯の縮小に合わせて有利なポジションをキープする必要がある。そして、ポジションは接敵する場所に大きく左右される。

 これを踏まえて、つぎのような接敵シーンでダウンを取ったとき、つぎはどこで接敵するか考えてみてほしい。

『荒野行動』開発責任者が8つのアプデを予告! これが変わると実際どうなる? その変化を予想&詳しく解説
筆者がソロスクワッドをプレイしたときの画像。ダウンを取ったシーン。

 ダウンを取ったチームは確定キルを入れるため敵のもとへ近づき、取られたチームは味方を救助するために同地点へ向かう。ふたりはダウンしたプレイヤーの周辺で接敵するはずだ。

 しかし、ダウン状態の無敵時間が削除され、ダウン直後に確定キルまで入っていたらどうだろうか。

 確定キルを取ったチームは人数が有利になったタイミングで、確定キルを取られたチームのもとへ攻め入るはずだ。そうなると、確定キルを取られたチームの周辺で接敵すると予想される。一概にはいえないが、接敵に勝利したチームが接敵した場所をつぎのポジションとしてキープすると想定しよう。

 無敵時間の有無によって接敵する場所が変化し、つぎに狙うポジションが変わるではないだろうか。

 もちろん、試合ではシチュエーションによって何が起こるかわからない。しかし、このように簡単な一例でもわかる通り、無敵時間の有無だけでも立ち回りは大きく変わる可能性がある。

 これによってふだんプレイヤーが遊んでいる通常マッチの試合や公式大会での立ち回りがどう変化していくか、新たな戦略が生まれるかといった点も見逃せないところだ。

 また、無敵時間の削除によって試合の展開がこれまで以上にスピーディーになると予想されるため、試合をサクサク楽しみたいプレイヤーにとってうれしいアップデートになるだろう。

2.団体競技場におけるオールドタウンを追加

 団体競技場のマップに、激戦野原でおなじみのオールドタウンが復活する。

帰ってきたオールドタウン!

『荒野行動』開発責任者が8つのアプデを予告! これが変わると実際どうなる? その変化を予想&詳しく解説
オールドタウン。画像は通常マッチのパラシュートで降りるシーン

 オールドタウンとは、激戦野原(通称 : 旧マップ)の中にある激戦区のひとつ。地形こそシンプルだが、入り組んだ建物に囲まれていて敵がどこから攻めてくるのかわからないところが魅力で、プレイヤーからの人気は非常に高い。

 そんなオールドタウンが団体競技場(レジャーモードのひとつ)に追加されるという。しかし、オールドタウンは過去に団体競技場のエリアとして実装されていたため追加というより“復活と”いったほうが正しいかもしれない。

 昔からプレイしていたオールドタウンでの接敵を知り尽くしているプレイヤーからするとうれしいアップデートのはずだ。

 現在、団体競技場のマップとしては麦畑(激戦野原の中にあるエリアのひとつ)の人気が非常に高く、麦畑を選択するプレイヤーが大半だが、アップデート後は麦畑とオールドタウンを交互に選択して試合を楽しむプレイヤーが多くなるだろう。

 窓際どうしでの撃ち合いが楽しく、筆者も個人的に好きだったマップなので復活はとてもうれしい!

3.団体競技場で2個目のドットサイトを購入可能に

 団体競技場でドットサイトスコープを2個所持して試合に参加できるようになる。

AR2丁持ち待ったなしの展開!

 団体競技場では通常マップとは違い、販売機でコインを消費し銃やアイテムを購入する。

 しかし、いままでドットサイトスコープ(以下、ドットサイト)は、最初からリュック内に所持している1個しか持てず、後から購入もできなかった。

『荒野行動』開発責任者が8つのアプデを予告! これが変わると実際どうなる? その変化を予想&詳しく解説
リュック内の写真

 現在の『荒野行動』ではアサルトライフル(以下、AR)にドットサイトを付けて戦うという戦法が主流となっている(昔は、4倍スコープ等を付けていたものだ……)。

 とくに100~200メートル前後の距離で接敵する団体競技場をプレイするにあたってARを2丁使用して戦うプレイヤーは少なくないはずだが、これまではドットサイトはどちらかにしか装備できなかった。

 従来は片方のARのみドットサイトを付けていたが、アップデート後は両方に付けられるようになる。細かな点だが非常にありがたい変更だ。

4.団体競技場においてMK5の購入価格を下げる

 現在、団体競技場でMK5を購入するには250コイン必要だが、アップデート後はさらに少ないコインで購入可能。

戦術ラスを使って反動を制御しよう!

 これについては少し上級者にとってうれしいアップデートとなっている。

 現在、団体競技場でMK5(サブマシンガン)を使用するプレイヤーは決して多くはなく、使用するマニアがちらほらいるといった程度。それではなぜ、MK5の購入価格を下げるアップデートが実装されるのか。プレイヤーにMK5を使ってほしいから? じつはそれだけではない。

 まずはこの画像を見てほしい。

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MK5の武器画面

 購入したMK5のアタッチメントの画像だが、左下2番目にあるT字のようなアタッチメントは“戦術ラス”というアイテムである。

 戦術ラスを銃に付けると垂直方向の反動を制御することが可能になり、エイムが格段にしやすくなるのだ。

 日々、エイムを鍛錬している上級者はこのことを知っており、彼らが団体競技場でMK5を購入するのはこの戦術ラスを手に入れARに装着するためである。

 これまでMK5を使用していなかったプレイヤーもこのアップデートを機にARに戦術ラスを装着して団体競技場をプレイし、その威力を感じ取ってみてほしい。もちろんMK5単体でも十分に強い銃なので使ってみるのもいいかもしれない。

5.メインストリートの試合前に動けるように

 これまでメインストリートのカウントダウン中は動けなかったが、アップデート後は動けるように変更される。

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 メインストリートでは、試合開始の5秒前にカウントダウンが始まる。いままでは、このカウントダウンが始まると、画面が操作できなくなり、それまで動かしていた操作も中断されるようになっていた。

 アップデート後にはカウントダウン中も操作できるようになるというのだ。とはいえゲームをプレイするうえでは大きな変化ではない。細かいことだが、ほかのレジャーモードや通常マッチと同じ感覚で、待機中に画面を操作できるというのは、うれしいのではないだろうか。

6.メインストリートでグレネードを削除

 メインストリートでグレネードの使用ができなくなる。

メインストリートは近距離で勝負!

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 メインストリートとはレジャーモードのひとつで、プレイヤーが5対5に分かれて試合するモード。マップ自体が非常に狭く、近距離に特化した撃ち合いが楽しめる。

 従来はグレネードを使用できたが、地域一帯にダメージを与えるグレネードは狭いマップのなかで効果を発揮しすぎる面があった。

 近距離での撃ち合いを楽しみたいプレイヤーからすると、撃ち合いよりも“グレネードの投げ合い”になる展開は楽しみづらい面があったのではないだろうか。

 アップデートでそのグレネードが使えなくなることで、メインストリートは撃ち合い特化のマップとなる。一層スリリングで楽しめるようになるはずだ。

7.SK12のダメージ軽減

 連射型ショットガンSK12のダメージ量が軽減される。

『荒野行動』開発責任者が8つのアプデを予告! これが変わると実際どうなる? その変化を予想&詳しく解説

SK12最強環境が終わる!?

 今回のアップデートでいちばん注目されるかもしれないと個人的に考えているのがこれだ。SK12とは連射型のショットガン(以下、SG)。『荒野行動』では、現在SGが3種類実装されているが、ふたつ(M860、M88C)は単射型で、連射型はこのSK12のみとなっている。

 じつは、以前のアップデートでSK12が強化され、連射型であるのにも関わらず、非常に高い火力を誇っていた。

 プレイヤーからは“サイガ”という名で親しまれているSK12だが、近距離において非常に優秀で、至近距離であればLv.3ヘルメットを装備しているキャラクターでも一撃でキルが可能。

 現在は、通常マッチはもちろん、メインストリートで使用するプレイヤーも多く見掛ける。また、先日の公式大会チャンピオンシップ2022でも多くの選手が使用していた。「近距離はSK12環境」といっても過言ではないのが現状というわけだ。

 さて、アップデート後どうなるのかかんたんに予想してみよう。

 恐らく近距離はいままで以上にプレイスキルに左右されるようになるだろう。これまでは、SK12を使用していればプレイヤーのスキルに関わらず偶然でも5発の弾丸のうち1発をヘッドに当てればキルできたのだ。

 これは、初級者が上級者を相手にしてもジャイアントキリングのチャンスがあったと言える。しかし、今後は(調整具合にもよるが)SK12に頼れない可能性があるので、プレイスキルがよりシビアに問われるようになる変化だと言えるだろう。

 ダメージ量にどの程度の調整が入れられるか次第ではあるが、近距離もエイムで語る環境の幕開けだ!

8.武器のしまいかたの選択ボタンの追加

 武器のしまいかたを選択する新しいボタンが追加される。

『荒野行動』開発責任者が8つのアプデを予告! これが変わると実際どうなる? その変化を予想&詳しく解説

 細かいことだがプレイヤーが所持している武器は左右でしまいかたが異なることをご存知だろうか。知らなかった方はゲームをプレイする際に確認してみてほしい。

 じつは、左の武器は下からしまい、右の武器は画像のように上からしまう仕組みになっている(武器を取り出すときも同様)。この武器のしまいかたを選択するためにボタンを追加がされるようだ。

 プレイへの影響はとくにないが、こうした細かいところまでプレイヤーの意見に寄り添ったアップデートがあるのは『荒野行動』の魅力といえるだろう。

まとめ

 『荒野行動』に今後加えられる予定のアップデートについて紹介した。細かな変更も含め、プレイヤーの意見を反映してより遊びやすくなる、ユーザーフレンドリーな変更がおもな内容となっている。

 中でも、とくにSK12のダメージ軽減は『荒野行動』をプレイするにあたって非常に大きな変更だと筆者は考える。

 2022年6月16日からスタートした新シーズン(S24)では、今回紹介したアップデート内容が段階的に実装されることやその他の新しいコンテンツの実装によって、ゲーム性が瞬く間に変化するかもしれない。

 新たに遊びやすくなった『荒野行動』をぜひいっしょにプレイしようではないか!