新時代の“メガテン”シリーズが開幕
いまから9年前の2013年(平成25年)5月23日は、ニンテンドー3DS用ソフト『真・女神転生IV』が発売された日。
『真・女神転生IV』は、アトラスから発売されたRPG。ナンバリングタイトルとしては2003年2月20日発売の『真・女神転生III NOCTURNE』以来、およそ10年ぶりとなる新作ということで当時かなりの注目を浴びた。
主人公となるのは中世ヨーロッパを思わせるような“東のミカド国”で悪魔を使役するサムライ衆の少年。同じサムライ衆の仲間らとともに“魔都・東京”で起こった神と悪魔の戦争に巻き込まれてしまうことになるのだが、驚かされたのはやはりその設定だろう。これまでのシリーズとは異なり架空の国の人間が東京にやってくるというストーリーだったので、筆者はニンテンドーダイレクトで初めて映像を観たときにけっこうな衝撃を受けてしまった覚えがある。
ダンジョンは主観視点のいわゆる3Dダンジョンではなく、『真・女神転生III』などと同様に三人称視点で描かれる3Dフィールドになっている。まさかのシンボルエンカウント方式が採用されており、戦闘を任意に回避することも可能だった。しかし敵シンボルはダンジョン内を徘徊していて、プレイヤーを見つけると追いかけてくるうえ、複数から同時に襲いかかられることもあって恐怖感は一層増した印象だ。
プレイヤーのほうから先に敵シンボルに攻撃をすることも可能で、ヒットすればダメージを与えつつ先制攻撃できるのがうれしいポイント。逆にヒットさせられなかった場合は、先制攻撃を食らう場合もあって、あれよあれよとという間に全滅してしまうケースもしばしば。このあたりの戦闘のスリリングさは『メガテン』シリーズならではと言ったところだろうか。
バトルシステムは、いまではもはやおなじみになってきた“プレスターンバトル”。弱点を突くと行動回数が増えるなど、選んだコマンドによって行動回数が増減するシステムだが、『真・女神転生IV』では“ニヤリ”の要素が追加。敵に対して有利になった際にパーティメンバーがニヤリと笑みを浮かべるのだが、発動するとクリティカルや回避が発生しやすくなるといった恩恵が得られておいしかった。全員がニヤリとすれば、全体回復というサプライズもあったので最高だった。ただし、困ったことに敵側もニヤリとするため、ボス戦でひどい思いをしたなんて人も多かったはず。
悪魔と交渉して仲魔にしたり、悪魔合体でより強力な仲魔を生み出していくといったシリーズの醍醐味はもちろん本作でも健在。会話のパターンが大幅に増えたため、交渉中のセリフをチェックするだけでも楽しかったんじゃないかな。また、合体時に継承するスキルを任意に選べるようになったので、育成の楽しみ&やり甲斐がアップした。初心者のうちは“オススメ合体”にお世話になったプレイヤーもいただろう。
ダウンロードコンテンツがシリーズで初めて登場したのは本作から。強敵と戦えるクエストや特殊な装備品が得られるものなど、多種多様な内容で配信されていた。筆者はちょっと背徳感があったが“地獄の沙汰もレベル次第”という経験値稼ぎにぴったりなクエストが遊べるヤツを即購入した。ニンテンドー3DSで初めてDLCを利用したので、よく覚えている。
2016年2月10日には、完全新作の続編となる『真・女神転生IV FINAL』が発売された。前作である『IV』のエンディング直前から枝分かれするストーリーになっていて、まったく新しい物語が楽しめた。
シリーズの最新作は2021年11月11日発売のNintendo Switch用『真・女神転生V』。据え置き型ゲーム機向けとしては約18年ぶりの作品となった。