2022年3月25日、任天堂より発売予定のNintendo Switch用ソフト『星のカービィ ディスカバリー』。文明と自然が融合した“新世界”を舞台に、謎の敵“ビースト軍団”にさらわれたワドルディを助けるため、カービィが冒険をくり広げる。
新世界には、最初に冒険できるネイチェル草原を始め、海岸や荒野など、さまざまなワールドが存在。これらのワールドは、すべて3Dで表現されており、すいこみやはきだし、コピー能力のワザなど、おなじみのアクションを360度好きな方向に放てるのだ。
また、本作はおすそわけプレイに対応しており、Joy-Conをおすそわけすれば、いつでもふたりプレイが楽しめる。1P側はカービィ、2P側はバンダナワドルディを操作でき、異なるアクションを駆使してビースト軍団と戦える。さらに、いくつかのサブゲームをいっしょに遊ぶことも可能だ。
本記事では、カービィのように食いしん坊な(体重110kg以上)記事担当ライター・ジャイアント黒田のプレイレビューを公開。ひと足早く、新世界での冒険を体験した様子をお伝えする。なお、ネタバレには十分に配慮しているので、最後まで安心して読み進めてほしい。
『星のカービィ ディスカバリー』(Switch)の購入はこちら (Amazon.co.jp) 『星のカービィ ディスカバリー』(ダウンロード版)の購入はこちら (Amazon.co.jp)アクションやグラフィックがパワーアップした『カービィ』最新作
中学校に進学するまで、ゲーム禁止の家庭で育った筆者の楽しみが、友人の家でプレイするゲームだった。Mくんちは『スーパーマリオカート』、Sくんちは『スーパーマリオワールド』というように、なんとなく遊ぶゲームが決まっていて、Wくんちで熱中したのが『星のカービィ スーパーデラックス』だった。
クリアー率が100%になるたびに、データをリセットして最初からやり直す……。何周したかさだかではないが、これまでの人生でいちばんプレイした『カービィ』の作品は、まちがいなく『スーパーデラックス』だろう。
あれから20年以上のときを経て、『カービィ』の最新作をプレイしたのだが、小学生時代に体験した感動や興奮を思い出した。最初に驚かされたのが、やさしいタッチで表現された3Dのステージ。新世界は、荒廃した街と自然が融合した不思議な場所で、これまでに見たことのないようなステージが連続して登場し、冒険心をかき立ててくれた。
さらにステージには、仕掛けを解いたり、ステージごとに設定されたミッションを達成したりする、チャレンジ要素も満載。これらを突破するには、コピー能力や新たに実装されたほおばりヘンケイのアクションが不可欠なので、ステージに用意されたいろいろな能力を進んで試してみたくなるのもおもしろい。試行錯誤をくり返して、仕掛けを解いたときの達成感もひとしおだった。
カービィの新しいコピー能力と進化した姿やアクションに興奮!
コピー能力は、特定の敵をすいこんだときに発動するカービィの特別な力。新世界では、ソードやカッター、ボム、ファイア、アイスといったシリーズおなじみのコピー能力が使えるうえ、新たにレンジャーとドリルの能力をコピーできる。
数あるコピー能力の中でも、筆者はアクションが豪快なハンマーが好み。シリーズ作品では、率先してハンマーの能力をコピーしていた。地中を掘り進むドリルからは、ハンマーのような豪快さを感じて気になっていたが、いざプレイしてみるとレンジャーにハマった。レンジャーは、ボタンを長押しして強力な弾丸を放つチャージショットがお気に入り。敵に狙いをつけることもできるので、遠くにいる敵も非常に倒しやすい。
コピー能力といえば、見た目やアクションが進化することにも驚かされた。冒険を進めるとコピー能力が進化し、見た目とコピー能力のアクションがパワーアップするのだ。せっけい図を入手できたボルケーノファイアを使ってみたが、溶岩の弾は威力が高く爽快感がバツグン。ふつうのファイアよりも敵がたおしやすく、進化のすごさを体験できた。
また、ファイアのように進化先が複数用意されているのもミソ。ファイアはドラゴニックファイアのコピー能力にも進化でき、バーニングアタックで炎の翼が現れ、ボタンを押す長さで飛距離が変わる。冒険するステージに合わせて進化後のコピー能力を切り換えることで、攻略がスムーズに行えそうだ。
発売後は、お気に入りのハンマーを進化させるのが楽しみ。ちなみに、ハンマーはピコピコハンマーとワイルドハンマーに進化させることが可能。前者は連打速度がアップしていて、性能だけではなく、演出にもスタッフのこだわりが。攻撃するとかわいらしいピコピコ音が鳴るので、見た目がキュートなカービィとは相性がバッチリだ。
一方、後者はスピードを犠牲に、パワーが強化されており、強烈な一撃をお見舞いできるという。その名の通り、ワイルドな見た目もかっこいいので、コピー能力の進化を通じて、カービィの新たな魅力を存分に堪能したい。
カービィの新たな可能性を感じたほおばりヘンケイ
新世界でカービィが目覚めた新たな能力は、コピー能力の進化だけではない。新世界に散らばるアイテムをほおばることで、カービィが車や自販機、三角コーンなど、いろいろな姿にヘンケイ可能に。ほおばるモノによって、それぞれの特徴を活かした新アクションが使えるようになる。
カービィが食いしん坊なのは知っていたけど、まさか車や自販機までもほおばるなんて! ほおばりヘンケイを初めて見たときは、驚きのほうが大きかったが、実際にプレイしてみると、むしろ違和感のないことに驚いた。
いろいろな敵をすいこむことで、コピー能力が使えるカービィだからこそ、新世界のアイテムほおばってヘンケイしてもおかしくない。敵に合わせてコピー能力を使いわけるように、ほおばりヘンケイを使いこなせるようになると、攻略の幅を広げてくれる優れたアクションとして、すぐに夢中になった。
とくにお気に入りなのは、“くるまほおばり”と“さんかくほおばり”、“じはんきほおばり”の3つ。“くるまほおばり”は、見た目以上に小回りがきくので、レースゲームをプレイしている感覚が味わえた。また、残りのふたつは、とんがりヘッドでアタックしたり、ジュースの缶を勢いよく発射したりと、どちらも攻撃方法がユニーク。ヘンケイ後の姿は、カービィのキュートな要素が残っているのもすばらしい。
ステージが3Dになることで、アクションやビジュアルが大幅にパワーアップしていると感じた本作。コピー能力や進化能力、ほおばりヘンケイを駆使した奥深いアクションだけではなく、カービィの新たな姿や魅力が堪能できる。
さらに、多彩なワールドを攻略するほかに、特定のコピー能力やほおばりヘンケイのアクションを駆使してクリアーを目指すトレジャーロード、ワドルディを救出すると施設が増えてどんどん発展していくワドルディの町といった、やり込み要素も満載だ。発売後は、カービィが大好きな息子といっしょに、クリアー率100%を目指して冒険したい。