松田優作を主人公のモデルに起用し話題騒然
2002年(平成14年)3月7日は、プレイステーション2用『鬼武者2』が発売された日。本日で発売から20周年という記念すべき節目を迎えた。
『鬼武者2』は、カプコンから発売された和風サバイバルアクションゲーム。ナンバリングのとおり『鬼武者』シリーズの2作目にあたる作品だ。当初シリーズは3部作の予定だったが、最終的には4タイトル作られている。プレイステーション2タイトルとして国内で初めてミリオンヒットを達成した前作に続き、本作もミリオンヒットを記録。世界累計では210万本を売り上げた。前作からわずか1年程度で発売している点もスゴイ。
本作を語るうえで真っ先に思い浮かべるのは、やはり主人公の柳生十兵衛についてだろう。『鬼武者2』では前作同様に実在する俳優を主人公のモデルに起用しているのだが、起用されたのが故人である松田優作さんだったことには誰もが驚かされたのではないだろうか。
松田優作さんは言わずと知れたレジェンド俳優。筆者のようなおじさん世代で知らない人はいないくらいの存在だ。現在活躍中の俳優、松田龍平さんや松田翔太さんの父親と言ったほうが若い世代の人には伝わりやすいかもしれない。亡くなってからも絶大な人気だったのは間違いないのだが、まさかゲームに出演することになるとは誰も想像していなかったのではないかな。
3Dモデルのデキも素晴らしいクオリティー。声を当てているのは松田優作さんのモノマネで知られていたハードボイルド工藤さんで、かなりそれっぽい雰囲気を出していてこれにもビックリした。もちろん、そのほかのグラフィックも当時の最高峰レベルで非常に美しかった。
プレイヤーは前作から13年後の世界を舞台に、一族の仇である織田信長を討つべく戦いをくり広げていくわけだが、バトルでの激しい剣戟アクションも本作の魅力のひとつ。ラジコン操作なので慣れが必要だったが、襲ってくる敵をつぎつぎと斬り捨てていく“バッサリ感”がタマラナイのだ。
とくに快感だったのは敵の攻撃を受ける寸前にカウンターで発動する“一閃”で、本作ではさらに続けて繋げられる“連鎖一閃”が発動できたので気持ちよさも倍増だった。上手な人ならばボス戦で何度も一閃を繋げられて気分爽快だったはず。溜め攻撃を使えばもっと手軽に発動できたので、こちらを愛用していた人も多かったんじゃないだろうか。
『バイオハザード』シリーズ同様に、『鬼武者』シリーズでもお楽しみ要素としてミニゲームが収録されているのが定番。本作でもいくつか遊べたと思うが、なかでも印象的だったのは“黒いスーツの男”ではないだろうか。これはもちろん松田優作さんの代表作『探偵物語』のパロディーで、ドラマの主人公である工藤俊作に扮した十兵衛を操っていくのがおもしろかった。落ちているフィルムを拾えば、本編のムービーシーンを工藤俊作バージョンで見ることができたので覚えている人も多いはず。
本作はPS2版が発売されて以降、残念ながら移植版すら発売されていない。初代『鬼武者』のようにHDリマスター版が将来的に発売されたりしないものだろうか。
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