さかのぼること13年前、2008年9月13日に発売されたニンテンドーDS用ソフト『ポケットモンスター プラチナ』。『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』の別バージョンとなっており、シンオウ地方を舞台に描かれる物語をベースにしつつ、さまざまな要素が追加された作品となります。

 当時、小学生でポケモンにドはまりしていた筆者は、さまざまなポケモンに出会いながら、ギンガ団に立ち向かったり、シンオウ地方のチャンピオンを目指したりと、毎日目を輝かせながらプレイしていました。人生で最初に買ってもらったゲームソフトでもあり、いまなお強く印象に残っている作品です。

 本作はWi-Fiでの通信交換が実装され、対戦要素が大きく進化しており、離れている友だちとも快適に遊べることが特徴のひとつでした。旅で育てたレベル100のポケモンや伝説のポケモンに、はかいこうせんやギガインパクトなどの技を覚えさせ、デメリットを気にしない、小学生らしい脳筋戦法で友だちとバトルしていたのはいい思い出です。

いまガチで遊ぶ『ポケモン プラチナ』。『ポケットモンスター』シリーズ屈指の難度を誇るバトルファクトリーの“ネジキ”に挑戦!

 ……月日は流れ、それぞれのポケモンの能力や性格、特性、持ち物といったバトルに関する知識を深め、いまは『ポケットモンスター ソード・シールド』などでより戦略性にこだわったバトルを楽しむ日々。

 『ポケモン プラチナ』が発売された当時はドット絵のポケモンたちが少し動くだけで興奮していましたが、いまでは当たり前にポケモンたちのグラフィックが3Dに。技をくり出す際はダイナミックな動きがあるなど、とんでもなく進化したなと改めて感じますね。

 そして、ふと思いました。

「いまこの状況で、昔プレイしていた『ポケットモンスター』シリーズ作をプレイすると、より楽しめるんじゃないか?」と。

 そんなわけで、押し入れの奥からニンテンドーDS本体と『ポケモン プラチナ』を掘り起こし、プレイしてみることに。新作『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』で盛り上がっている昨今ですが、あえて過去作をプレイして比較するとともに、当時の思い出を振り返えろうというわけです。

 そんなこんなで、ポケモンたちとともに成長した自分のトレーナーとしての腕前を確かめるべく、『ポケットモンスター』シリーズ屈指の難度を誇ると言われる、バトルファクトリーに挑戦することにしました。

 このバトルファクトリーは『ポケットモンスター』シリーズ中に3作品しか登場しておらず、『ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー』を最後に、それ以降は登場していません……。その後の作品にもバトルサブウェイなどの対戦コンテンツは登場しますが、筆者はそんな中でもこのバトルファクトリーがお気に入り。これが今回プレイするソフトとして『ポケモン プラチナ』をセレクトした理由のひとつにもなります。

いまガチで遊ぶ『ポケモン プラチナ』。『ポケットモンスター』シリーズ屈指の難度を誇るバトルファクトリーの“ネジキ”に挑戦!

多くのトレーナーを夢中にさせたバトルファクトリーとは?

 まず、バトルファクトリーとは何かを簡単に説明します。バトルファクトリーは、対戦エリア“バトルフロンティア”の施設のひとつ。ストーリーの目標のひとつでもあるポケモンリーグの四天王戦を勝ち抜いてチャンピオンに勝利する、すなわち殿堂入りをすることで訪れることができます。

 施設が用意したランダムなポケモンを3匹レンタルして、NPCとのバトルを勝ち抜いていくルールとなっています。また毎回、対戦したNPCのポケモンと自分のポケモンを1匹だけトレードすることができるのもポイント。

 勝ち抜いていくのに必要なものはポケモンに対する知識、経験はもちろん、運の強さも重要となってきます。当時は、強そうなポケモンたちを選んでもなかなか勝ち進めず、早々に投げ出していたような……。

いまガチで遊ぶ『ポケモン プラチナ』。『ポケットモンスター』シリーズ屈指の難度を誇るバトルファクトリーの“ネジキ”に挑戦!

 最初はこちらのポケモンに効果がないようなワザなどを使ってきて、「余裕じゃーん」と感じるほど。ですが、勝ち進んでいくと相手トレーナーの思考力が高まっていき、こちらのポケモンを簡単に倒せないとわかると“かげぶんしん”で回避率を上げてきたり、“ぜったいれいど”など一定確率でひんしになる技を使ってきたりと、油断も隙もない行動を取ってきます。

 回避率が大幅に上がったポケモンに対して技を当てたり、相手がくり出す強力だけど当たりにくい技を避けたりと、運を味方につけないと勝利がおぼつかないバトルをくぐりぬけ、連勝を目指していきます。

いまガチで遊ぶ『ポケモン プラチナ』。『ポケットモンスター』シリーズ屈指の難度を誇るバトルファクトリーの“ネジキ”に挑戦!

 ちなみに、2008年発売のゲームをいま遊ぶ上でもっとも厄介だったのは、自分のポケモンバトルに関する最新の知識でした。この13年のあいだに、ドラゴンタイプの技を無効化できるフェアリータイプが登場したり、そのほかにも、新たな特性を獲得したポケモンがいますよね。

 例えばトゲキッス。トゲキッスは現在フェアリー・ひこうタイプですが、『ポケモン プラチナ』ではノーマル・ひこうタイプとなっており、ドラゴンタイプのポケモンに対してトゲキッスをくり出しても、フェアリータイプがないため、技“りゅうせいぐん“などがふつうに当たってしまいます。この13年のあいだにそうした変化は少なからずあって、最新の知識に苦しめられることになったというわけです。

 ただ、「昔はこんな感じだったんだよな。『ポケモン』はどんどん進化しているな」と謎の感傷にひたる一方で、13年前のバトルシステムをいま遊んでも、手に汗握る攻防の魅力は衰えを見せず、十分に楽しめたのも事実。改めて、ポケモンバトルの奥深さを感じた次第です。

ボスとなるファクトリーヘッド・ネジキが強すぎる

 さて、このバトルファクトリーでは、連勝を続けていくとフロンティアブレーンと呼ばれるスゴ腕のトレーナー“ネジキ”と戦うことができます。言うなれば彼は、このコンテンツのボス的な存在。このネジキを倒すためにバトルファクトリーに挑み続けたというトレーナーさんも多かったのではないでしょうか。

いまガチで遊ぶ『ポケモン プラチナ』。『ポケットモンスター』シリーズ屈指の難度を誇るバトルファクトリーの“ネジキ”に挑戦!

 そんなネジキはというと、それまで立ちはだかってきたポケモントレーナーたちと打って変わって、スイクン、ファイヤー、ラティオス、レジロックなどの伝説のポケモンを使ってきます。「反則やろ!」と思いながら奮闘しますが、ガチガチの伝説のポケモンたちはかなり強力。万策尽きてあっさりと負けてしまったりしたものでした。

いまガチで遊ぶ『ポケモン プラチナ』。『ポケットモンスター』シリーズ屈指の難度を誇るバトルファクトリーの“ネジキ”に挑戦!

 そこに至るまでに数々のバトルで難局を乗り越えてきたトレーナーたちを屈服させるネジキ。極めつきは、ネジキから投げかけられる「ワーオ!ぶんせきどーり!」というセリフですが、これは自分の人生の悔しかったことランキングで5本の指に入るであろう強烈な体験でした。いま思い出しても悔しい!

いまガチで遊ぶ『ポケモン プラチナ』。『ポケットモンスター』シリーズ屈指の難度を誇るバトルファクトリーの“ネジキ”に挑戦!

 2008年の当時、負けず嫌いな筆者は、なんとしてもこのネジキを倒したいという思いが強く、バトルファクトリーに足しげく通いまくることに。ネジキに到達する前に負けることなんて当たり前、やっとの思いでネジキに到達しても伝説のポケモンたちに圧倒されまくりでした。負けると初めから再スタートという事実がかなりメンタルを削り、『ポケットモンスター』シリーズ屈指の難度と言われる意味を痛感したものです。

ネジキを倒すチャンス到来!

 今回、このバトルファクトリーを改めて何百戦も戦ったすえ、ついに千載一遇のチャンスが訪れました。能力や技が強力なポケモンを手持ちに獲得してネジキと対面することができたので、ここからはその激戦の模様をお届けします。

 まずこちらの手持ちはマンムー、ヤドラン、ドサイドンの3匹。一方のネジキの手持ちにはデンリュウ、ファイヤー、ラフレシアがおり、タイプ相性はかなりこちらが有利な状況ではないですか。

 先方はマンムーとデンリュウのにらみあいになり、タイプ相性のいい強力な技ワザ“じしん”でデンリュウを突破!

いまガチで遊ぶ『ポケモン プラチナ』。『ポケットモンスター』シリーズ屈指の難度を誇るバトルファクトリーの“ネジキ”に挑戦!

 つぎにネジキがくり出してきたのは、すぐれた能力を備えた伝説のポケモン・ファイヤー。この時代のマンムーには、ほのお/こおりタイプのワザを軽減できる特性“あついしぼう”はなく、“どんかん”か“ゆきがくれ”しかいないので、ひとまずタイプ相性がよく耐久力も高いドサイドンをくり出すことに。

いまガチで遊ぶ『ポケモン プラチナ』。『ポケットモンスター』シリーズ屈指の難度を誇るバトルファクトリーの“ネジキ”に挑戦!

 ファイヤーは強力なワザ“だいもんじ”で攻撃してきます。“こうかはいまひとつ”とは思えない凄まじい威力でしたが、ギリギリ2回耐えられそうなドサイドン。しかし、ここで悲劇が……!

いまガチで遊ぶ『ポケモン プラチナ』。『ポケットモンスター』シリーズ屈指の難度を誇るバトルファクトリーの“ネジキ”に挑戦!

 なんと“だいもんじ”の追加効果によりドサイドンがやけど状態に! 思わず「おいいいいいいい!」と声に出してしまうほどのショックでした。しかもやけどのダメージで2回耐えられるか怪しいHPに……。そしてファイヤーに触れることもできないまま、ドサインドンがひんしになってしまいます。

 残りポケモンの数が2対2となり、ここで満を持してヤドランをくり出します。ファイヤーの“だいもんじ”がヤドランを襲おうとしますが、なんとヤドランは技をすべてかわし、サイコキネシスで一方的に攻撃。そして……なんとかファイヤー戦を突破!

いまガチで遊ぶ『ポケモン プラチナ』。『ポケットモンスター』シリーズ屈指の難度を誇るバトルファクトリーの“ネジキ”に挑戦!

 最後にネジキがくり出したのはラフレシア。タイプは五分五分といえる2匹、先に動いたのはラフレシアでした。タイプ相性がいいエナジーボールがヤドランを襲います。

いまガチで遊ぶ『ポケモン プラチナ』。『ポケットモンスター』シリーズ屈指の難度を誇るバトルファクトリーの“ネジキ”に挑戦!

 倒されたかと思ったその瞬間、なんと残りHP“3”でヤドランが耐える! 「ナイス!ヤドラン!」と絶叫しながら、頭の中では『ポケモンブラック・ホワイト』のBGM『勝利は目の前!』が流れて、アドレナリンが出まくりです。

 そして、反撃のサイコキネシスでラフレシアを倒し、ついにネジキを倒すことができました!

いまガチで遊ぶ『ポケモン プラチナ』。『ポケットモンスター』シリーズ屈指の難度を誇るバトルファクトリーの“ネジキ”に挑戦!
いまガチで遊ぶ『ポケモン プラチナ』。『ポケットモンスター』シリーズ屈指の難度を誇るバトルファクトリーの“ネジキ”に挑戦!

 なかなか経験できない達成感を味わうことができ、この挑戦が終わったころには“ヤドラン”が大好きになっていました。フロンティアのきろくにはシンボルも追加されていました。

いまガチで遊ぶ『ポケモン プラチナ』。『ポケットモンスター』シリーズ屈指の難度を誇るバトルファクトリーの“ネジキ”に挑戦!

じつはさらに強いネジキも……

 ネジキを倒した後もバトルファクトリーに挑戦し続けましたが、31戦目に通常のトレーナーにボコられてリタイヤ……ネジキを倒した後は、通常のトレーナーも伝説のポケモンを使用してくるなど、とんでもない難度になっています。

 そして、じつは49戦目にもネジキが登場します。このネジキがシリーズ屈指の難度を誇るといわれる通称“金ネジキ”ですね。「さっきのネジキとは別人なの?」と思う人もいるかもしれませんが、同一人物でフロンティアのきろくにもらえるシンボルが金のため、このように呼ばれています(今回倒したのは21戦目に登場する、銀のシンボルが貰える“銀ネジキ”)。

 13年も前のゲームではありますが、シリーズ中であまり登場してこなかったバトルファクトリーを楽めた本作。時代を経てさまざまな進化を遂げてはいますが、根本的なバトルの楽しさは変わりません。大人になってからでも楽しめるストーリーはもちろん、ガチでプレイしたい方でも白熱するやり込み要素など、いまでも色あせない“究極“の作品となっています。

 ここまで遊んできた『ポケモン プラチナ』ですが、別バージョンである『ポケモン ダイヤモンド・パール』のリメイク作『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』も11月19日についに発売されました。同じシンオウ地方での冒険を楽しめるリメイク作品もぜひプレイしてみてはいかがでしょうか!(絶賛プレイ中)

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