ネット社会が題材のサイバーパンクな『メガテン』
いまから24年前の1997年(平成9年)11月13日は、セガサターン用『デビルサマナー ソウルハッカーズ』が発売された日。
『真・女神転生』シリーズのひとつで、1997年に発売され『デビルサマナー ソウルハッカーズ』。『デビルサマナー』シリーズとしては2作目であり、前作との繋がりもありますが、主人公をはじめとしたメインキャラクターたちは一新されています。
物語は、すべてがコンピュータで管理され、ネットワークで接続された情報環境モデル都市・天海市を舞台にハッカーグループ“スプーキーズ”の活躍を描くというもの。
腕試しのハッキングによって、仮想都市サービス“パラダイムX”のモニター権を横取りした主人公。そんな彼がグループのアジトへ向かうと、そこではリーダーのスプーキーが銃を模した小型コンピューターを持ち込んでいました。
拾ったというその機械・GUMPは、電脳上で悪魔召喚の儀を執り行う“悪魔召喚プログラム”を宿したコンピューターでした。GUMPのプロテクトを解除すると、そこから“ネミッサ”と名乗る女悪魔が出現。主人公の幼なじみである遠野瞳に乗り移ります。このGUMPを巡って、主人公はサマナーの闘争に巻き込まれていく……というのが大まかなプロローグです。
なお、ネミッサは主人公のパートナーで戦闘にも参加するのですが、ゲーム序盤で、ヒトミに対する印象を答える選択肢の結果によって、彼女の使用可能な魔法の属性が決定されます。
「いつもは明るい」で火炎タイプ、「結構クール」で氷結タイプ、「意外とセクシー」で電撃タイプになるのですが、こんなどうでもよさそうな会話の選択肢がめちゃくちゃ重要だと後から気づいたときにはビックリしました(笑)。
ストーリーの話に戻りますが、本作が発売された1997年はインターネット環境などはすでに広まりつつあったものの、まだブロードバンド化される前。当然ネットを題材にしているようなゲーム作品はまだ少なく、本作の世界観は時代を先取りしたものでした。
魅力的なのはキャラクターで、凄腕のハッカーであるリーダーや怖がりのくせにホラー映画が好きなシックスなど、スプーキーズのメンバーは戦闘には参加しないものの、それぞれ個性的で人気がありました。それだけに衝撃の展開には驚かされた人も多いハズ。あまり書くとネタバレになるので、ぜひゲームをプレイしてみてください。
また、スプーキーズ以外だと、悪魔合体を行える“ホテル業魔殿”にいるメイドのメアリも人気キャラクター。冷たい印象を受ける彼女が、主人公との交流を経て、感情が芽生えていく姿は胸を打つものがありました。
ゲームシステムはシリーズおなじみのダンジョンRPGで、GUMPにソフトをインストールすることで、冒険に便利な機能を追加することができました。ダンジョン内でもセーブが可能になる“バックアッパー”などはとくに便利で、前作『真・女神転生デビルサマナー』よりも攻略の難度が下がりましたね。
“ビジョンクエスト”という不遇の死を遂げた者の人生を追体験するシステムもよくできていました。
後に主人公が挑むことになるダンジョンを別の強力なパーティで挑むことになるので、そのダンジョンを予習することができました。ビジョンクエストは過去の出来事なので主人公が訪れたときは違う部分があったりして、同じダンジョンでも飽きさせない工夫などもしっかり用意されていました。
本作は1999年に新要素を追加してPSに移植されたほか、2012年には3DSでも登場。フルボイス化も特徴で、オリジナル版をプレイした人でも新鮮に楽しめるようになっています。声優陣は実力派揃いですが、自分は高木渉さんの演じるランチがとくによかったです。
サイバーパンクな世界観やスタイリッシュな演出など、いまプレイしても色褪せないクールな魅力を持つ作品。難度もそれほど高くないので、プレイしたことがない人は、ぜひシリーズの入門としてもチェックしてみてほしいです。
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※本記事は、2020年11月13日にアップした記事を再編集したものです。