有名アニソンをYouTube動画でチェック!
YouTubeなどで配信されている新旧アニソン。本稿では筆者イチ押しのアニソンをピックアップし、その歌にまつわるプチ情報をお伝えします。今回注目したのは、劇場版アニメ『時をかける少女』の主題歌『ガーネット』。
挿入歌は“千昭”視点、主題歌は“真琴”視点?
本曲を歌うのは、“声だけで泣ける”と称されるシンガーソングライター・奥華子さんです。彼女は2004年より、キーボード弾き語りによる駅前路上ライブをスタート。関東を拠点に音楽活動をおこない、1年間で20000枚の自主制作CDを手売りするなど、その驚異的な集客力の路上ライブが話題に。2005年にはメジャーデビューを果たし、『時をかける少女』の主題歌『ガーネット』でさらなる注目を集めました。
奥華子/ガーネット(弾き語り)
本曲は、彼女にとって通算4枚目となるシングル曲。いまでこそ『時かけ』を象徴する名曲として世に知れ渡っていますが、もともと最初に制作されたのは本作の挿入歌である『変わらないもの』だったとか。細田守監督から“映画を観終わったときに青空を見上げたくなるような曲にしてほしい”とリクエストをもらい、そこから着想を得て『ガーネット』が完成したといいます。
また挿入歌の一人称が“僕”、二人称が“君”であるのに対し、『ガーネット』の一人称は“あたし”、二人称は“あなた”。このことから『変わらないもの』は主人公に想いを寄せる“間宮千昭”の気持ちを描き、『ガーネット』はそんな彼の想いに素直になれない主人公“紺野真琴”の歌であるといわれています。
確かにその歌詞に注目してみると、“好きという気持ちがわからなくて 二度とは戻らないこの時間が その意味をあたしに教えてくれた”、“変わってゆくことを怖がってたの ずっと友だちのままいれる気がした”とまるで真琴の心情を代弁しているかのよう。映画の結末を知っている人には、より切ない歌詞に聞こえるのではないでしょうか。
2021年4月には4DXとなって蘇り、公開から15年経ったいまも多くの人から愛されている『時をかける少女』。そんな本作を彩る『ガーネット』に改めて耳を傾けてみては?