長期休暇といえば、話数の多いアニメの視聴に挑戦するチャンスです。加えて最近完結したばかりの作品なら、一気に最終回まで見届けられる上、最新の話題に乗ることができ、一挙両得。

 というわけで、この夏休みに視聴するのにおすすめのアニメは、『キラッとプリ☆チャン』です。2018年4月に放送開始、2021年5月に全153話の放送を終えた本作の魅力をご紹介していきたいと思います。

 なお本作は、dアニメストアやHulu、U-NEXTといった動画配信サービスにて全話見放題配信中。また、第1話や、2年目、3年目の最初のエピソードである第52話、第103話は、YouTubeの公式チャンネルで無料視聴ができるようになっています(2021年8月現在)。

 このアニメが気になってきた方は、これらの視聴手段でどんな作品なのかチェックしてみることをおすすめします。

テレビアニメ『キラッとプリ☆チャン』(dアニメストア)
テレビアニメ『キラッとプリ☆チャン』(dアニメストア for Prime Video/Amazon)
テレビアニメ『キラッとプリ☆チャン』(Hulu)

キラッとプリ☆チャン 第1話「キラッとプリ☆チャンやってみた!」

やってみなくちゃわからない! 新しいチャレンジの背中を押してくれる物語

 『キラッとプリ☆チャン』は『プリティーリズム』シリーズ、『プリパラ』シリーズに続く、『プリティーシリーズ』における第3のシリーズです。テレビアニメと連動して、アーケード筐体も展開されています。

 ちなみに『プリティーリズム』、『プリパラ』、『キラッとプリ☆チャン』にはほかのシリーズを観ているとニヤリとできる要素はあるものの、それぞれが独立した世界観となっているので、『プリ☆チャン』から視聴を始めるのもまったく問題ありません。

キラッとプリ☆チャン

 本作の主人公・桃山みらい(声:林鼓子)は、誰もが動画配信を行える夢のチャンネル“プリ☆チャン”に夢中になっている、中学生の女の子。

 最初は同じ学校に通う人気プリ☆チャンアイドルの赤城あんな(声:芹澤優)たちの配信を観ているだけだったみらい。けれどあるとき、友だちの萌黄えも(声:久保田未夢)とふたりで、自分たちでもライブの配信をしてみることに。

 初めての挑戦を前に、緊張や不安で足がすくんでしまうみらいとえも。けれど、「やってみなくちゃわからない、わからなかったらやってみよう」の気持ちで挑み、初ライブは大成功。

 配信を観ていた人たちから“いいね”をたくさんもらって、この日を境に、みらいたちのプリ☆チャンを通した“フォロワー”の輪は、どんどん広がっていきます。

 「やってみなくちゃわからない、わからなかったらやってみよう」は、この作品を象徴するキーワード。初めての挑戦は誰だって怖いものですが、勇気を出してやってみなければ、何が待っているかはわからない。そして挑戦の先には、すばらしい世界が待っているかも知れない――。

 『キラッとプリ☆チャン』は視聴者に対して、そんな新しいチャレンジを肯定し、背中を押すメッセージに満ちた作品なのです。

つぎつぎに登場する個性豊かな新キャラクターが魅力的!

 フォロワーの輪が広がり、みらいたちには個性的な友だちがどんどん増えていきます。それによって物語の雰囲気は、1年目、2年目、3年目と、大きく異なるものに。

 1年目の物語ではみらいとえも、そして最初はカメラマンなどの裏方だけをしていた青葉りんか(声:厚木那奈美)も心の迷いを振り切ったことで、3人は“ミラクル☆キラッツ”というユニットを結成。彼女たちの配信は人気を集めていきます。

 一方で、当初から人気プリ☆チャンアイドルとして登場していた赤城あんな、そして緑川さらのふたりによるユニット“メルティックスター”には、もともとこのユニットに所属していて、その後アメリカに移り住んでいた紫藤める(声:森嶋優花)が再加入。

 一度は心の距離も遠のいてしまっていたあんなとめるが、再び心を通わせ合う第24話『星の願いをかなえてみた!』は、1年目屈指のエピソードです。

アニメ「キラッとプリ☆チャン」90秒でまとめてみた!!

 2年目では、引っ込み思案な女の子・虹ノ咲だいあ(声:佐々木李子)と、謎のバーチャルプリ☆チャンアイドル“だいあ”という新キャラクターも仲間に加わり、物語が展開。

 友だちが新しい世界に踏み出して、ずっとやりたかったことができるようになるのは、いっしょに喜んであげるべきこと――けれど、それで自分との関係が変わってしまったら、複雑な気持ちだって芽生えるというもの。そういった難しい問題が、テーマのひとつになります。

 同じく2年目で初登場となる金森まりあ(声:茜屋日海夏)と黒川すず(声:徳井青空)が結成する新たなユニット“リングマリィ”に関連するエピソードも必見。

 世界のすべてが“かわいい”になればいいと思っているまりあと、“カッコいい”女の子を目指しているすずは、本来なら相容れない価値観を持つ者同士。しかし、そんなお互いの考え方を尊重し合うことで、ふたりは唯一無二で相思相愛なユニットになっていきます。

「キラッとプリ☆チャン」 第52話「ドキドキ! わくわく! ジュエルオーディション開幕だもん!」

 3年目では、プリ☆チャンアイドルたちのための夢のテーマパーク“プリ☆チャンランド”が開園。このテーマパークの最新技術によって、ミラクル☆キラッツ、メルティックスター、リングマリィのマスコットたちが、人間の姿(アイドルマスコット)へと成長。みらいたちとマスコットたちの交流が描かれます。

 また、プリ☆チャンランドを運営する会社の社長・輝イブ(声:指出毬亜)と、サーカス団員のアリス・ペペロンチーノ(声:ファイルーズあい)という、境遇も性格もまったく異なるにも関わらず、容姿が似通っているふたりも物語の重要な鍵を握っていたり――。

 賑やかな楽しさがありながらも、シリーズの総決算に相応しいテーマも描かれる、バラエティに富んだ1年間となっています。

キラッとプリ☆チャン 103話「キラッとオープン!プリ☆チャンランドがやってきたッチュ!」

 1年目、2年目、3年目と、それぞれに違った雰囲気を見せる『キラッとプリ☆チャン』。けれど、「やってみなくちゃわからない、わからなかったらやってみよう」は、共通するメッセージです。

 また、ここに書いたキャラクターやストーリー展開は、本作で描かれるうちのほんの一部に過ぎません。ずっとケンカばかりしていたふたりが、手を取り合ってライブをする日が来たり。サブキャラクターだった子が、主役になれるエピソードがあったり。それらの展開には、長期シリーズの視聴を続けてきたからこその感慨深さがあります。

 1クール、2クールに凝縮された物語とはまた違った感動を、ぜひ多くの方に体験してほしいと願ってやみません。

シリーズは『ワッチャプリマジ!』にバトンタッチ! これからの『プリティーシリーズ』も要チェック

 『プリティーリズム』シリーズや『プリパラ』シリーズを観ていなくても楽しめる『キラッとプリ☆チャン』。けれど、これらを知っているからこそ楽しめる要素も多少なり存在します。

 たとえば、これらの過去作の主人公である“あいら”や“なる”、“ゆい”といったキャラクターたちが、過去作とは異なる設定で登場すること(いわゆる手塚治虫作品などでお馴染みの“スターシステム”ですね)。

 また、『プリティーシリーズ』の10周年を記念したエピソードでは、シリーズすべての主人公が一緒にステージに立って超豪華なライブを披露するなど、これらはシリーズを追っている年数が長いほど、感慨深いものになるはずです。

【プリティー公式】プリティーシリーズ10周年記念「プリマ☆ドンナ?メモリアル」スペシャルPV

 もちろんちょっとしたサービスと言えるものなので、メインストーリーを楽しむうえでは過去作を知らなくても問題なく楽しめます。まず『プリ☆チャン』を視聴して、これらの展開で少しでも興味が沸いたら、ぜひ『プリティーリズム』や『プリパラ』も視聴してみることをおすすめします。

 まずは『プリパラ』と『プリ☆チャン』を中心に、『プリティーリズム』シリーズについての理解も進む『劇場版 プリパラ&キラッとプリ☆チャン ~きらきらメモリアルライブ~』を観てみるのもありかもしれません。

dアニメストア『キラッとプリ☆チャン』関連作はこちら

 逆に過去作は観ているけれど『プリ☆チャン』は観ていないという方は、これを期に本作にも触れてみてはいかがでしょう?

 2021年10月からは『プリ☆チャン』からバトンを受け継ぎ、最新作『ワッチャプリマジ!』が放送予定となっている『プリティーシリーズ』。『プリ☆チャン』を観れば、最新作への期待もきっと大きくなることと思います。

 この記事を切っ掛けに『プリティーシリーズ』を楽しむ方が少しでも増えたなら、とても嬉しいです。

テレビアニメ『キラッとプリ☆チャン』(dアニメストア)
テレビアニメ『キラッとプリ☆チャン』(dアニメストア for Prime Video/Amazon)
テレビアニメ『キラッとプリ☆チャン』(Hulu)