ファミ通.comの編集者&ライターが2021年夏のおすすめゲームを語る連載企画。第4回で取り扱う作品は、『泥棒シミュレーター』です。(2021年8月17日まで、なんと90%オフの200円で購入できるセール中!)
【こういう人におすすめ】
- 泥棒の気分を味わいたい
- スリルを楽しみたい
- 情報収集が得意
亀井ライダーのおすすめゲーム
『泥棒シミュレーター』
- プラットフォーム:Switch
- 発売日:2020年12月3日
- 発売元:Forever Entertainment
- パッケージ版:なし
- ダウンロード版:あり
※マイニンテンドーストアでは『泥棒シミュレーター』ですが、ゲーム選択画面では『スィーフシミュレーター』と表示されます。
※『Thief Simulator』(シーフシミュレーター)というタイトルで、PCでも配信中。
Thief Simulator || Nintendo Switch Japan trailer
怪盗に一度でも憧れを抱いたことのある人へ
誰しも一度は、華麗に目的の品を盗んでいく怪盗に憧れを抱いたことがあるのではないでしょうか。ただ、現実でやると捕まりますし、別に盗みたいものがあるわけでもありません。
そんな人にぴったりなゲーム『泥棒シミュレーター』は、タイトルの通り、泥棒の気分が味わえるシミュレーションゲーム。主人公は、ヴィニーという男性から電話で指示やアドバイスを受けながら、盗みを働いていきます。
ストーリーとしては、主人公は何らかの罪で収監されており、ロンバーディ一家が保釈金を払って自由の身になったため、泥棒として保釈金の借りを返すことになったというもの。ヴィニーは仲介役といったところでしょうか。
基本的には、このヴィニーから電話で出される指示に従って目的の家に侵入し、物を盗んで逃げる、という形で盗みを働いていきます。盗んだ品物を売りさばいてお金を稼ぎ、そのお金で泥棒に必要な道具を購入したり、泥棒のスキルを磨いたりなどをして経験を積むわけです。
いちばんスタンダードな犯行として、まずは目的の家を定め、家に侵入。鍵がかかったドアをピッキングで解除するか、窓から侵入することも可能です。窓は割ったり、音の出ない窓用ナイフを使って穴を開けてロックを解除する方法もありますが、割れば音が出ますし、センサーがついていることもあるので、油断は禁物。
無事に家に侵入することができたら、お目当てのものを探して盗みます。机の引き出しや棚から、現金や高価な品物が見つかることもあるので、余裕があればぜひ盗んでおきたいところ。
盗みに成功したら、見つからないように家から脱出。このとき、住人はもちろん、通行人にも見られるとアウト。家の中だけでなく、家の敷地内にいる状態を見られ続けると警察に通報されるので注意が必要です。
その後は、クルマで拠点まで帰れば盗みは成功。盗んだものは質屋で売って換金するもよし、拠点内を飾り付けるもよしです。ちなみに、私は、お金がほしかったので盗んだものは全部売りました!
上記の流れがスタンダードでありながら、とてもうまくいった方法。住人に見つかったりして通報されると、スタンバイしていたかのような速さで駆けつけた警察官に捕まってゲームオーバーになります。本作はオートセーブとなっており、チェックポイントはクルマから降りたとき。つまり、盗んだものも、集めた情報も全部リセットされてしまうのです。どこかでセーブできれば……! と思いましたが、現実では盗まないことを前提として、もし本当に盗みを働いて捕まったらいろいろと終わりなので、とてもリアルなポイントですね。
通報されたとしても、大きなゴミ箱や、クローゼットの中、ベッドの下などに隠れているとやり過ごせます。ただ、誰かに見られている状態だと、隠れても警察に見つけられてしまうため、周りに注意しつつ、逃げて拠点まで帰ってしまうのもひとつの手。
ということで、捕まらないため、通報されないためには、情報が必要です。家のセキュリティ、住人の行動パターン、事前にわかっているとありがたい高価な品物の居場所などなど。これらの情報は、拠点のPCからアクセスできる“パクリ*スパーク”から購入できます。本作は事前の情報収集や下調べが、それはもうとても重要なゲームです。準備が甘いと、それまでにかけた時間も、せっかく盗んだものも全部パーに……。その分、誰にも見つからず、家中のお宝を全部盗めたときの快感もすごい!
情報は安いとは言えないので、序盤はとくにお金がなく、痛い出費になることも。しかし、うまくいけば払った金額以上の報酬が手に入ることもあるので、情報はあるだけ買っておくのがオススメです。
また、住人の行動パターンについては、あいだに遮るものがない状態で目視すると目的の住人をマークでき、その家に住んでいる人全員の数時間分のパターンを把握できます。ただ、かなり時間がかかりますし、外壁が高くて住人をマークできないといった場合もあるので、そういうときは買っちゃったほうが早いです。私は、売られている情報はすべて買っています。
泥棒の技術を磨いていく
ゲーム開始時点では、プレイヤーはもちろん、主人公も泥棒としては初心者。盗みまくって経験値をため、スキルを習得していきます。いっしょに成長している感がいいですね。いや、プレイヤーが泥棒として成長してはダメなんですが。
スキルは、ピッキングの技術や、リュックの容量を増やすものなど、いくつか枝分かれしています。ハッキング技術はレベルも必要なうえ、必要な道具も高価格。しかし、それだけ盗みに入る際のリスクを減らしてくれるものなので、ぜひ習得したいスキルです。
また、スキルや道具を手に入れたから楽に盗めるようになる、というわけでもないのが本作のおもしろいところ。本編が進むにつれて、盗みに入れる家が増えるのですが、それに伴って豪邸になっていき、セキュリティも万全になっていくのです。高価な品物を盗めるようになるので、ハイリスクハイリターンというわけですね。ただ、時間をかけて下調べや準備をしっかりすればローリスクにもなりうるので、自分がどのように進めたいかによって難易度が変わります。
私は、慎重派なので、どの家でもかなり入念に準備をして挑みました。ちなみに、姿を見られる以外にも、施錠されているはずのドアや窓が開いている場合にも侵入していることがバレます。が、いちいち「○○の窓が開いていたから住居侵入が見つかった」と教えてくれるわけではありません。つぎの侵入に活かせないので、少し不親切だなとは思いましたが、実際に盗みに入ったら、通報されていることもわからないはずなので、納得の部分です。
ピッキングもスキルのひとつで、カギの種類によってピッキング方法が異なります。種類は3つありますが、個人的にいちばん簡単なピッキングがいちばん難しく、2番目に習得するピッキングがいちばん好きです。最後に習得する3番目は、ただボタンを押しているだけ。経験値とお金をためた分、楽になりました。
難しくても楽でもピッキングは明らかな違法行為なので、通行人に見られると通報されてしまいます。すぐに離れれば大丈夫ですが、周りに人がいないタイミングでするのがベスト。
労力をかけて盗んだ品物はさっさと売り飛ばしたいところですが、中には、宝石のついたアクセサリーを始め、そのままでは引き取ってくれないものもあり、こういった品物は分解する必要があります。少し手間がかかりますが、ほかの品物に比べると価格もかなり高め。分解する手間以上の見返りが返ってくるというわけです。
クルマはそのままでも売れるのですが、分解して売ると単体よりも約3倍ほどの値段に。オススメしたいところですが、この分解行程がかなりリアル。部品をネジのひとつまできちんと外していくばかりか、ちゃんと順序を踏まないと外せなかったりするのです。“少し”を通り越して面倒な作業とも言えますが、分解して売ることで、クルマ単体で売るよりも約3倍の値段となるので、時間に余裕がある方は分解をオススメします。
私は、こういうちまちました作業が嫌いではないうえ、クルマの種類によって部品も若干異なっていたりして、けっこう楽しめました。なお、本作での時間の進み方は、約1秒で作中時間が1分。分解作業はリアルで10分ほどかかるので、主人公は10時間ほどクルマと向き合っていたことになりますね。お疲れ様!
また、電子機器はデータを削除してからでないと売れません。ハッキングのスキルと道具を購入すれば、ハッキングして、データを削除することが可能になります。
ストーリーが進むと、窓にセンサーがついている、庭や家の中にカメラが仕掛けられているといった家が登場しますが、窓やカメラの制御をハッキングするなんてこともできちゃいます。ハッキング技術を習得すると、難易度がとても下がるので、早く習得したいところ。それに、ハッキングという響きがかっこいい。
分解や電子機器のデータ削除は、拠点もしくは後述する隠れ家で行えます。拠点では、ほかにもリュックの中身を移せるストレージ、ピッキングの練習、寝るなど、盗む準備をするのに必要なものがそろった場所です。
“パクリ*スパーク”にアクセスできるPCでは、泥棒に必要な道具を購入する“ドロボウショップ”といういかにもなネーミングのショップ、特定の品物を質屋よりも高価格で引き取ってくれる“ブラックベイ”や、本編の目的とは別のミッションを請け負う“レンタドロボウ”も使用できます。
“ハウスリポフ”では、ストーリーが進むと、いまのガレージのような拠点とは別に、隠れ家も購入できるようになり、その隠れ家に置く家具や壁紙を購入できます。置く場所も自分で決めてカスタマイズできるお楽しみ要素ですね。
盗みに入るだけでなく、情報を収集して準備をしたり、質屋で盗んだものを売ったり、経験を積めば積むほどできることも増えていく。きちんとプロセスを踏んで“泥棒”を体験できる本作。
リュックの容量が決まっているので、盗むものを厳選したり、大きなものは抱えて運ばなくてはいけなかったり。かなりリアルに作られているため、本当に泥棒になった気分が味わえます。
個人的には、ロード時間が長く感じたり、Nintendo Switch版ならではの操作しづらさなど煩わしい点もありますが、それを差し引いても十分楽しめるゲームになっていると思います。
本作を反面教師にして、自分も防犯をしっかりしようという戒めにもなるので、ステルス要素や地道な作業が好きな方は、ぜひ一度遊んでみてください。そして、くれぐれも本当に盗みはしないでください!
なお、現在なんと90%オフの200円で購入できるセール中。2021年8月17日までなので、興味のある方はお早めに!