突然旅に出たくなるときがありませんか?
仕事に疲れたとき、日常から離れたいとき、人生に迷ったとき。理由はさまざまですが、旅にはそれらの問題を少しだけ解きほぐしてくれる不思議な力や魅力にあふれています。
しかし、現在は新型コロナウイルスによる影響があり、外出がしづらくなっているのが辛いところ。アフターコロナがいつ訪れるのかはまだ誰にもわからないですが、筆者は大手を振って旅ができる日がくるのを夢見て、いろいろな場所を下調べしています。
遅ればせながらリプ斉トンです。好きな観光地は、北海道です。
『風雨来記4』は、“旅アドベンチャー”というジャンルが表すとおり、日本各地のさまざまな場所への旅を楽しむゲームシリーズ。本記事では、この『風雨来記4』をプレイした筆者のレビュー記事をお届けします。
プレイすれば、きっと旅をした気になる、もしくは旅をしたくなる本作。旅好きやバイク好き、キャンプ好きにこそ遊んでほしい本作の魅力をご紹介します。
『風雨来記4』(PS4)の購入はこちら (Amazon.co.jp) 『風雨来記4』(Switch)の購入はこちら (Amazon.co.jp)360度をカバーする実写映像を活用したツーリング
本作の主人公は、旅雑誌“ぐるり”を執筆するルポライターの青年。岐阜新聞社(実在します)が開催する雑誌社対抗記事コンペ“のひコン”に参加するため、日本のほぼ中心に位置する岐阜県を巡って記事を執筆することになります。
移動手段は、なんとバイク。プレイヤーはバイクに乗り込み、岐阜の道を自由に走行して岐阜のさまざまな魅力を発見し、のひコンに発信していくのが目的となります。
ここで本作独自の超異色なシステムをご紹介。本作の映像は、キャラクターを除いてほぼすべてが実写となっています。風景は、360度をカバーするカメラによって撮影されており、プレイヤーが自由にアングルを操作して、さまざまな場所を眺めることができるようになっています。
7/8発売旅アドベンチャーゲーム
【風雨来記4】
苗木城跡への道のり
建物と自然がほどよくて走りやすそうッス〜✨
近くに木曽川が流れているッスよ
#風雨来記 #風雨来記4 #FOG #旅 #バイク #ツーリング… https://t.co/GAogggC4Ao
— 日本一ソフトウェア【公式】 (@nis_prinny)
2021-07-06 12:30:00
バイクの移動中も、もちろん実写! ふつうの運転ならNGな脇見運転もし放題なので、運転しながら岐阜の美しい風景や町並みを好きなだけ堪能できるのが最大の魅力です。
360度カメラを使用しているため画質は少し粗いかな? 感じますが、それでも上下左右好きな角度へカメラをぐるぐると回せるのがかなり楽しい。
しかも、岐阜のメインストリートをほぼカバーしているので、地元の人しか知らないあんな道、こんな景色の場所へ好きなように移動することができます。岐阜限定になりますが、これはマジでGoogleマップを越えています。
主人公は、岐阜の各地へ赴き、そこで感じ取ったことを文章にし、撮影した写真を添えてのひコンに投稿していきます。目標は、のひコンで人気記事ランキング1位を取ること。ランキングを上げるためには、読者からより多くの“いいね”を獲得する必要があります。
いいねをたくさん取るためには、読者の知りたい情報を掲載し、魅力的な写真をアップすることが重要。さらに、毎日記事をアップすることも重要だと、ゲーム内のキャラクターが教えてくれています。
これって、筆者の職業であるゲームライターにもまったく同じことが言えるのですが、プレイしていると「そうそう、そうだよね~」と思える発言がけっこう出てきて、耳が痛かったり、感銘を受けたりすることもあり。
ライターならではかもしれませんが、このへんのゲームシステム&ルールがすごくおもしろいと感じました。
「今日は適当でいいかな」と本当に適当な記事を書くと(ゲーム内でね!!)、まったくいいねをもらえなかったりするのもおもしろいところ。逆にいい写真といい取材をもとにした記事を書くと、自然といいねが増えたりします。
とくにいいねがもらえた記事にはコメントが書かれることも。コメントが書かれれば、その記事は反響が大きかったということになります。
こういった取材と記事をひと月のあいだ続け、最終日になればそのままエンディングへ。記事の評価や、後述する女の子との出会いによって、異なるエンディングへと突入する、というのが本作のおもな流れ。高評価でクリアーしたいなら、何度もプレイしてトライアンドエラーをくり返すタイプのゲームとなっています。
ツーリング中は、地図を開いて目的地を選択すると、ファストトラベルできる便利機能も搭載。すでに行きたい場所が決まっているときに活用できます。また、ナビ機能をオンにすれば、ツーリングで風景を楽しみつつ、迷わずに目的地まで到達できる親切機能も搭載。
旅というのは、目的地に着くだけじゃない。その道中も重要なんだというメーカーの心配りを感じ取れるようです。
また、マップには主人公があらかじめ調べた観光地などが表示されていますが、ツーリング中に新しい道や観光地が見つかることもあります。
自分はゲームで、図鑑などの要素を埋めるのが好きなタイプ。道を走破してすべてのスポットを見つけたくなりますね、これは。
しかし、主人公にはスタミナのパラメータが設定されていて、ツーリング中や観光地の移動によって少しずつ減少していきます。ゼロになったら強制的にその日は終了。1日の行動範囲には限界があるので、計画的に各地を巡っていく必要がありそうですね。
ちなみに、移動中にスタミナがゼロになると、翌日はスタミナが本来の7割程度しか回復しません。スタミナ切れになる前にキャンプでその日の行動を終了しないと、かなり損をしてしまいますね。
キャンプもしたくなる! キャンプ飯も食いたくなる!
1日の取材が終了したら、主人公はキャンプ場でキャンプの支度を行います。ここではテキストメッセージを見るだけになりますが、主人公がかなりのキャンパーであることが伺えるシーンが目白押し。とくに食事をするときのメッセージはお腹が減ること間違いなしの秀逸なできばえ。深夜にプレイしていると、マジで肉が食いたくなります。
このテキストを書いたライターさんの才能を褒めるとともに、自分もこんなテキストが書けるようになりたい! と畏敬(と嫉妬)の念も抱いてしまうほどです。
プレイする際には、このキャンプシーンにも注目していただきたいところ。
主人公はかなりのコーヒー好きなのようで、作中にはコーヒーを豆から入れて飲む描写が頻繁に登場します。筆者も、いろいろな種類の豆からドリップコーヒーを楽しんでいるコーヒー好き。コーヒーを飲むシーンのテキストを見ても、「あるある」だったり「わかる」といった感想がよく出てきて、今度は腹ではなくて喉が鳴る思いをします。
俺もコーヒー好きな人の喉を鳴らすようなテキストが書きたい! ここで2回目の嫉妬が入りました。
また、キャンプシーンでは過去の取材をもとに、のひコンへ記事を投稿することができます。前述のとおり、毎日投稿することがランキング上位獲得への近道ですので、基本的には毎日記事を書くことになりそう。記事は書かなくてもいいですが、7日間記事を書かないと失格となってしまうので、ツーリングとキャンプに夢中になってしまわないように注意が必要ですね。
記事と写真は鮮度が命! ということで、主人公は過去3日分の取材をもとに記事を書くことができます。テキストは取材した観光地をもとに自動で書かれますが、もし新たな発見があった場合は、プレイヤーがどんな記事にするのかを選択できるのもポイント。さらに、最大で2枚の写真を添えて投稿完了となります。
記事を投稿し終えたら、その日の活動は終了。おやすみなさい。
女の子とのランデブーもある……あるが!?
ランデブーは死語か? 死語という言葉がすでに死語かもしれませんが、本作では、登場する3人の女の子とのコミュニケーションも楽しむことができます。
キャラクターは2Dグラフィックで描かれ、3Dの背景と合成。キャラクターが登場するシーンでも、360度カメラを操作することができます。もちろん、写真を撮影することも、その写真をのひコンに投稿することも可能です。
公式サイトを見ると、交流を続けることでより深い関係になることも? という記述があったのですが……、筆者は各ヒロインの初回の出会いのあと、誰にも再会することができませんでした!
誰とも仲よくなることができなかったので、初回のエンディングではひとり旅エンドを迎えてしまいました。
こんなところまでリアルを追求しなくていいよ!
このままでは(いろんな意味で)まずい……と感じたので、メーカーさんに旅の最中に女の子と出会うコツを教えていただきました。
日本一ソフトウェアさん「女の子とは、隠しスポット(走っていて急に発見する場所)で会うことは基本的にありません。地図確認を毎朝の日課にしてみましょう。ふと見慣れない場所が出現しているかも? また、その女の子の、人となりにマッチしているであろう場所を探訪してみるのも手です。空振りだった場合でも、日を空けて訪れることで会えるかもしれません」
なるほど。自分は隠しスポットを探しまくってたから、女の子と出会えなかったんですね(精一杯のフォロー)。登場する女の子は3人なので、コツさえわかれば、女の子全員と仲よくなったエンディングを見ることも難しくなさそうですね。
1プレイはプレイする人にもよると思いますが、毎日2~3スポットを巡ってエンディングまで到達するには、10~15時間程度かかります。2周目以降は既読のメッセージをスキップする機能を使えばプレイ時間を短縮できますね。
全員分のエンディングを見て、のひコンのランキング1位を取るのが本作の大きな目標となるので、これの達成を目指してプレイを再開したいと考えています。
リアル『風雨来記』がしたくなる旅アドベンチャー
主人公は、ゲーム中の取材旅行のことを、旅行ではなく旅だと言いました。主人公は旅行と旅は、明確に異なるものだと考えているようです。
いままで知らなかった土地で人と知り合う。それが旅。それこそが旅。本作中で岐阜の旅を楽しむ主人公を見て、筆者も旅をしたい気持ちがかなり高まってきました。
今回のゲームの舞台となっている岐阜は行ったことがないので、どのスポットも新鮮な気持ちで見ることができました。さらに「今度は自分の足で踏みしめてみたい」という、そんな気持ちにさせてくれることうけあいです。
岐阜への理解を深めるもよし、気ままにツーリングを楽しむもよし、ヒロインとのコミュニケーションを楽しむもよし。いろいろな楽しみかたができる本作に少しでも興味を持ってもらえたなら、ぜひプレイしてみてください。
そうすると、今度は旅やキャンプ、ツーリングがしたくなってくるはず!
あー、俺もキャンプしながらコーヒーが飲んでみたい!! 1000ccのバイクも欲しい! 主人公がめっちゃうらやましい!