1996年(平成8年)7月5日は、セガサターン用『NiGHTS(ナイツ)』が発売された日。本日で発売から25周年の節目を迎えた。

 『NiGHTS into dreams...』は、セガ・エンタープライゼス(当時)から発売されたアクションゲーム。開発は『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』シリーズなどを手掛けたソニックチームが担当した。セガサターンを代表するソフトの1本で、楽曲人気も非常に高いことで知られている。

セガサターン『NiGHTS』が発売された日。ほかのゲームでは味わえない華麗な飛行感覚に誰もが夢中になった、ソニックチームのフライトアクション【今日は何の日?】

 プレイヤーは悩みを抱える少年エリオットと少女クラリスとなり、ひょんなことから監禁されていたナイツと出会い、デュアライズ(同化)。いい夢の世界ナイトピアを守るため、侵攻してきたワイズマン率いる悪夢の住人たちに立ち向かっていくことになる。ファンタジー感あふれる夢の世界を自由に飛び回りながら、ステージに散らばるイデアを集めてイデアパレスに奉納。4つのイデアを取り戻せばナイトメアで待つ巨大なボス“ナイトメアン”との対決と相成る。

 じつはナイツはもともとナイトメアンのひとりで、その中でも最強と言われるファーストレベルの尖兵。かつてはワイズマンの片腕でもあったのだが自由奔放な性格から対立し、そのうえナイツとはライバル関係にあるリアラの奸計にハマって檻の中に入れられてしまっていたというわけだ。

セガサターン『NiGHTS』が発売された日。ほかのゲームでは味わえない華麗な飛行感覚に誰もが夢中になった、ソニックチームのフライトアクション【今日は何の日?】

 『NiGHTS』を語るうえで外せないのは当然ながらフライトシーン。主人公と同化したナイツを操って美しい世界を自由自在に飛び回れるのが最高に気分がいい。華麗かつ独特な浮遊感は当時のほかのゲームでは味わえない感覚で、プレイした誰もがその虜になったはず。

 ナイツと同化している際の操作は上下左右と2Dゲームと同様なのだが、ステージは3Dで立体的に作られており自由に飛び回れる。というか、じつのところナイツの移動ルートはレースゲームのコースのように決まっているのだが、3D空間をあたかも自由に飛んでいるかのような絶妙なルート設定がされていて、自分の操作で好き勝手に飛んでいるような気分が味わえる。

 加えてナイツの移動に合わせてカメラアングルが自動的にダイナミックに旋回。奥や手前、真横や真上、ときには煽りのアングルからととにかくカッコよく矢継ぎ早に変化する。任意に使えるアクロバット技も繰り出せば、本当に自由に飛び回っているかの如く錯覚するから不思議だ。『ソニック』を彷彿とさせるスピード感も併せ持っているため、脳汁出まくりになるのは間違いないだろう。

セガサターン『NiGHTS』が発売された日。ほかのゲームでは味わえない華麗な飛行感覚に誰もが夢中になった、ソニックチームのフライトアクション【今日は何の日?】

 ボーカル入りの楽曲『DREAMS DREAMS』をはじめ、BGMの評価が高いことでも知られる『NiGHTS』だが、システム的に非常に画期的な試みも採用していた。フィールド上には“ナイトピアン”というナイトピアの住人たちがいるのだが、彼らとナイツの友好度によってゲーム中の音楽が節ごとにリアルタイムで変動していくのだ。通常のプレイでは狙って変化させられるものではないが、『NiGHTS』独特の雰囲気を作り出すのに一役買っていたおもしろい試みだったと思う。このシステムは“A-LIFE”と呼ばれる人工生命の要素になっていて、後に『ソニックアドベンチャー』シリーズの“チャオ”として発展していくことになる。

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