皆さんこんにちは、アドベンチャーゲーム大好きライターのリプ斉トンです。好きなキャラクターはひとみちゃんです。
皆さんは、『ファミコン探偵倶楽部』というゲームをご存知でしょうか?
1988年と1989年にそれぞれファミリーコンピュータ・ディスクシステムで発売された『ファミコン探偵倶楽部』。プレイヤーは少年探偵となり、ふたつの謎と事件を解決するべく、さまざまな調査を行っていくというのがおもなゲーム内容です。
そんな同作が、なんとNintendo Switch用ゲームとしてフルリメイクされて復活! それを聞いたときは「また本作をプレイできるのか!?」と大喜びしてしまいました。喜びのあまり、過去ハードのバーチャルコンソールで配信されているディスクシステム版をクリアーまでプレイしてしまいました。
いや~まじで名作だわこれ。
ということで、本記事では、そんな筆者も大好きな『ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者・うしろに立つ少女』のNintendo Switch版のプレイレビューを掲載。
アドベンチャーゲーム好きなら必ずプレイしていただきたいと断言できる超名作。その魅力はどこにあるのか? ぜひぜひご覧ください。
ちなみに、本作は『消えた後継者』と『うしろに立つ少女』の2タイトルが、ダウンロード専用タイトルとして発売。
パッケージ版は2タイトルがひとつのゲームカードに収録され、設定資料などをまとめた調査ファイルやサウンドトラックなどの特典が同梱された『COLLECTOR'S EDITION』のみが発売されます。
2タイトルともに購入しようとしている人は、『COLLECTOR'S EDITION』の購入も検討してみてはいかがでしょうか?
『ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者・うしろに立つ少女』(Switch)の購入はこちら (Amazon.co.jp)これ本当にファミコン? 練り込まれたストーリー展開はまさにブラックホール
主人公は探偵事務所で働く探偵であり、類まれな推理力を持つ少年。プレイヤーはそんな彼を操作し、さまざまな調査を行いながら、依頼のあった事件の解決を目指します。
筆者が原作をプレイしたのは、ゲームボーイアドバンスで発売された“ファミコン ミニ”版でした。
この“ファミコン ミニ”とは『ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ』ではなく、ファミリーコンピュータの名作をゲームボーイアドバンスにそのまま移植したシリーズです。
原作のファミリーコンピュータ・ディスクシステム版は1998年と1989年の発売でしたが、ファミコン ミニのゲームボーシアドバイス版は、2004年に発売されています。
筆者はこの名作を、これまた名機であるゲームボーイミクロでプレイしていました。
このゲームボーイミクロの話になるとまた長くなるのでここまでにするとして……、その当時に本作をプレイして感じたのは、「本当にファミリーコンピュータのゲームなのか?」ということ。
いちばんすごいと思ったのが、そのシナリオの完成度の高さです。原作が発売された筆者の1988年当時はまだ小学校にも上がっていない年齢だったので、ほかにどんなアドベンチャーゲームが存在したのか詳しくないのですが、その16年後くらいに本作をプレイしたとき、その時点でもハッキリと「これはいまでも通用するレベルのゲームだ!」と感じました。
推理アドベンチャーゲームという性質上、ゲームボーイミクロでプレイする分にはまったく古さを感じさせないゲーム内容だったということもありますね。
先にプレイしたのは『消えた後継者』。こちらをクリアーしたあとは、すぐに『うしろに立つ少女』も購入してがっつりやり込みました。ええ、やり込みましたとも。
ネタバレなしでは非常にレビューが書きづらい
「シナリオのどういうところがすごいの?」と気になる方もいるかと思いますが、アドベンチャーゲームの性質上、どこがすごいのかをネタバレ抜きで語るのはかなり難しい。しかし、それをするのがライターのお仕事ですね。ううむ……。
慎重に語るとすると、本作のシナリオは“すべてにおいて完璧”なのです。謎に満ち満ちた導入部分、自分の地道な操作により少しずつ明らかになっていく謎、そして最後にすべての謎が明らかになる解決編が待っています。
こういった推理モノの場合、「あれはどうだったの?」みたいな謎が少しだけ残ったりすることもありますが、本作にはそういったミスは一切ございません。ゲームをプレイしたあとには、謎を解き明かしたことによるカタルシス(筆者が好きな言葉。みんなも使おう)が存分に堪能できるはずです。
とくに解決編の展開のスゴさといったら、当時からアドベンチャーゲームをたくさんプレイしていた自分でも、いままでに体感したことがないものでした。そのくらい、物語に引き込まれていったんです。
最後に地球がひっくり返るような大どんでん返しがあるようなお話ではありませんが、最後に真犯人が明らかになったとき、どういった展開を迎えるのか……。いずれも、推理モノとしては超王道な作りなのですが、その完成度にはただただ感心するばかりです。
ゲームシステムはオーソドックスだけど?
本作で事件の調査は、“きく”や“しらべる”などのコマンドを入力して行います。当時のアドベンチャーゲームとしてはオーソドックスな作りだったようですね。
基本的には総当りになるため、物語に詰まることはありません。ですが、総当たりであるがゆえにテンポの悪さも感じました。
しかも、“しらべる”を使ってとある場所を調べないと調査が進まなかったり、ある手順を踏まないとフラグが立たなかったりすることも。
また、プレイしたことがある人ならわかると思いますが“そうさやめる”を使ったギミックもありましたよね。アレは気づかない人もいたんじゃないかなぁ。
ゲームボーイミクロの小さな画面に広がる大ボリュームのレトロゲーム。それに夢中になりつつも、多少のテンポの悪さゆえに「これが現代クオリティーにリメイクされてくれたらなぁ」という想いもいだきながらプレイしていたものでした。
それから十数年……。あのころの願いが、ついに叶う瞬間がきたのです! ありがとう『ファミコン探偵倶楽部』!!
忠実に再現されたゲーム内容にプラスされた快適さ
そんな青年リプ斉トンの願いをひとつ叶えてくれることになったNintendo Switch版『ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者・うしろに立つ少女』。
本作は、細かい部分に差はありますが、本当に原作を忠実に再現した内容になっています。リメイク版も原作同様に、さまざまなコマンドを入力して調査を進めていくのですが、当時の攻略がそのまま使えるほどに、ストーリー展開が再現されている点に注目です。
また、本作からの新要素として、一部の重要な手掛かりが出現したときには、調査対象のコマンドが黄色くハイライトされるように。
これが非常に便利で、このヒントのおかげで物語をサクサク進めることができるようになりました。
ただ、原作と同様に、気づきにくいフラグがある場面では、コマンドの総当りになってしまう場合もありました。これはしょうがないですね。
そういった場合のヒントをひとつ。もうこれ以上情報が聞き出せないコマンドについては、コマンド入力時にセリフがひとウィンドウ分だけ出て終了となることがほとんどです。
長文が表示された場合は同じコマンドからつぎの情報が聞き出せる場合もあるので、セリフがひとウィンドウ分だけになるまでコマンドをくり返してみるのがサクサク攻略のオススメテクニックとなります。
また、そこでの情報をすべて集め終えると、強制的に移動したり、移動のコマンドが黄色くハイライトされることもあります。
まだ移動が行われていないなら情報を集めきっていない可能性があることも、覚えておくと攻略しやすくなるかもしれません。
総当りになることが多少ありつつも、原作と比べるとゲームのテンポは劇的に早くなっています。後述するボイスの導入もあり、どのシーンでも飽きることなく物語を楽しむことができました。
グラフィックの一新とボイスの導入で……あゆみちゃんがかわいい!
さてさて、本作注目の要素として、グラフィックとBGMの一新、キャラクターボイスの導入も挙げさせていただきます。
登場するすべてのキャラクターはデザインを一新、キャラクターボイスは、主人公役を緒方恵美さん、ヒロイン・相棒のあゆみちゃんは皆口裕子さんという実力派声優陣が担当している点も見逃せません。
キャラクターはセリフに合わせたリップシンクや身振り手振りのアニメーションも実装され、非常にリッチなグラフィックにパワーアップ。セリフをオートに設定してプレイすれば、アニメとまでは行かなくても、物語を“観ている”ような体験が楽しめます。
イラストレーターさんの名前は公式サイト等では公開されていませんが、どなたなのでしょうか。女性キャラクターのイラストがかなりかわいい!
ちょい役の洋子や、茜、名もなき熊田医院の看護婦さんもすごくかわいい! ボイスもあってすごくいい!
とくにあゆみちゃんなんて、ボイスは筆者も大好き皆口裕子さんですから、すごくかわいらしいキャラクターへと仕上がっています。
ゲーム本編とは関係のない部分ですが、キャラクターのボイスやアニメーションにも注目してプレイしていただきたいです。
原作を忠実に再現しつつも、よりテンポよくブラッシュアップされたNintendo Switch版。グラフィックの一新やボイスの導入によって、まったく新しいゲームとして蘇りました。原作を楽しめたという人には、かつての思い出そのままに存分に楽しむことができるはずです。
また、シナリオは基本的には原作のものがそのまま採用されているので、珠玉の原作をふたたび追体験できるというのもウリ。あの『ファミコン探偵倶楽部』ですから、原作をプレイしたことがないアドベンチャーゲーム好きにも、間違いなくオススメできる内容となっています。
ふたつの物語とも、“あの”場面がどういったイベントシーンになっているのか!? これを体験しなくては“ファミ探”ファンは名乗れない(はず)!
さあ、いますぐに蘇った謎に挑むべし!