アメリカのサンフランシスコで例年行われるゲーム開発者向けの国際カンファレンス“GDC”(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス)が、3000人超の開発者に行ったアンケート結果を無料公開している(ダウンロードにはメールアドレスなどの登録が必要)。

 その内容は多岐にわたり、定点観測的に行われている「どのハードの開発に興味がありますか?」「どれぐらい残業してますか?」といった質問にはじまり、昨年夏のアンケートに引き続き“2年目”に突入したコロナ禍での開発に関する質問、エピック・ゲームズとAppleの法廷闘争で盛り上がった“70対30”の手数料問題や(3割がプラットフォーム側の手数料)、Xbox Game Passなどの定額サービスの普及による単体ゲームの販売価格への影響予測、大型レイオフや強制残業問題などが起こるたびに盛り上がる組合化への意見など、現地開発者がリアルに気になっているだろうトピックが29ページにわたってまとめられている。

 細かい数字は直接ダウンロードして見て頂くとして、気になる数字をいくつかピックアップして紹介すると、パンデミックの影響で開発の遅れを経験しているという人は44%。しかし働いているゲームスタジオの雇用については、47%がスタッフの増員を確認しており、34%が「前と同じ」と回答。業界自体の好調やスタッフ増員による対応を反映しているのかもしれない。

 またリモートワークについては、66%が以前と同じかクリエイティビティや生産性が増したと答えており、これは昨夏の数字より伸びていて、業界がこの働き方に慣れてきたことがうかがえる。

 “70対30”問題では、業界のスタンダードとされてきた3割のプラットフォーム側手数料が適切と答えた人は3%へと半減。ちなみに「30%以上でいい」と答えている人と合わせても6%にしか満たず、最も多かったのは“10%”という回答(23%)。“15%”と答えた人が20%で続いている。

 なお家庭用ゲーム機の世代交代については、「もっとも興味のあるプラットフォーム」という設問でプレイステーション5が44%に躍り出て、Nintendo Switchが38%、Xbox Series X|Sが30%で追うという形。ただし最大勢力は58%のPCで、「現在タイトルを開発中のプラットフォームは?」といった設問ではPCの次にiOSやAndroidが入ってくるので、あくまで興味ベースという事を頭に入れておくといいだろう。