2021年4月28日にプレイステーション4、Nintendo Switch、PC(DMM GAME PLAYER)用に発売される『Star Renegades(スターレネゲード)』。本作は、1人用のローグライクRPGだ。

ランダム要素なしのRPGは楽しいのか? ローグライクRPG『スターレネゲード』先行レビュー
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 最大の特徴は、“ランダム要素がない”ところ。まるでパズルゲームのような感覚で、王道のRPGを遊べる作品となっている。

 ランダム要素がないRPGとはいったいどういうものなのか。果たして、ランダム要素がないゲームは楽しいのか。本記事では、実際に遊んでみた感想をお届けする。

 なお、筆者はPC版をプレイしている。

計算づくしのバトルが癖になるローグライクRPG

 まずは、ゲームの流れを紹介しよう。ローグライクRPGというジャンルである通り、ストーリーを進めながらバトルを繰り返し、ステージで手に入れた資材を使用してステータスを成長できるという、ローグライク系おなじみの遊び方を楽しめる。

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ストーリーは個性的なキャラクターが登場するSFチックなもの。並行世界を移動して、帝国軍と戦うことになる。

 挑戦しているステージ内に限り、コモンやエピック、レジェンドといったレア度が異なる装備を集めたり、キャラクターのレベルを上げたり、仲間との“好意”を上げたりできる。

 ステージ外の拠点となる“レネゲード基地”に持ち越せるものは、“情報”や“テクノロジー”といった通貨として使用できる“リサーチ”というアイテムのみだ。

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ワールドの左上に表示されているのが、左から“情報”、“テクノロジー”、“DNA”、“クレジット”だ。

 レベルが一貫していない点、アイテムを持ち越せない点などはローグライクではお決まりの要素だが、ローグライクRPGに慣れていないプレイヤーは、少し違和感を持つことだろう。

 しかし、そういったプレイヤーにこそ、本作を遊んでもらいたいと筆者は思っている。何度挑戦しても新しい発見があること、強くなる過程を何度でも楽しめる部分は、ローグライク系の醍醐味でもあるのだ。

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レベルアップは、ステージ内のみで手に入る“DNA”を指定数使用することで可能だ。拠点に戻ったらまた1からになってしまう。

 バトルまでの流れだが、ステージに挑戦する際は、いくつかの惑星に乗り込み、敵軍の基地に突入することになる。

 クリアできるのであれば、次々と惑星を進めていってもいいし、腕に不安があるならば、すでにいったことのある惑星に行き、“リサーチ”を集めてみてもいいだろう。自分のプレイスタイルに合わせて、ゲームを楽しめるようになっている。

 なお、挑戦中、もしくは過去に挑戦したスコアは、いつでも閲覧できるようになっている。友人同士で競い合ってみるか、SNSを使って自慢してみるのもいいだろう。

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ちなみに、筆者の最初のスコアはこの通り。いろいろ試しながらプレイしていたら、“ベヒーモス”というボスにやられてしまった。

 惑星に乗り込んだ後は、ドットに奥行きが追加された独特なマップを進行していく。

 詳細は省くが、決められたターン数でエリアを解放していき、武器やアイテム、リサーチを獲得し、ステージのクリアを目指すのがバトルまでの流れだ。

 ターン数はエリアの解放により消費していき、ターン数を一定量消費すると1日が経過。数日後には、その地に訪れる“ベヒーモス”と戦うこととなる。

 筆者がプレイしてみたところ、この“ベヒーモス”の撃破が一筋縄ではいかず、苦戦を強いられ、敗北まで喫してしまった。筆者がこの記事を書き終えたら、リベンジマッチを申し込むことに決めている。

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ゲームオーバーになると世界が帝国に乗っ取られてしまうが、とある事情で別の世界に移動できるのでストーリー上、何も問題はない。

 ターン数を消費し1日が終わるごとに、プレイヤーが操作するチームは“キャンプ”で休憩することになる。

 キャンプでは、それぞれが持っている(最初から所持しているか、エリア内で手に入れた)“カード”を使い、ライフの回復、攻撃の強化などを行える。

 また、“キャンプ”の大きな要素として、“好意”というパラメータが存在する。“好意”を上げることで、“コンボ”という強力なスキルを使えるようになる、後継者のヒーローが誕生することがあるなど、プレイヤーにとって大きな恩恵を得られる要素だ。

 キャンプのフェイズは毎晩必ず訪れるので、キャンプに入ることを忘れた、ということはない。どのチームメンバーで好意を持たせるのか、どのカードをどのメンバーに使用するのか、自分の好みで選択しよう。

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生まれが貧困な盗賊と、生まれが裕福な兵士に好意を持たせる筆者。このカップリングは熱い……!

 惑星から離れると、拠点の“レネゲード基地”に帰ってくる。

 “レネゲード基地”では、“情報”や“テクノロジー”といった“リサーチ”と呼ばれる通貨を使用して、新たな仲間や武器、つねに追従するドロイドの強化が可能だ。

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戦闘すればリサーチは獲得できるので、狙っていなくても自然とたまっていく資材だ。

 バトルで敗北してしまうほど戦闘に行き詰ってしまったら、“レネゲード基地”を活用して次の戦闘を有利に進めるのもありだろう。ただ、敵将校も昇格し、強くなっていることがあるので、注意しよう。

 ちなみに、バトルに敗北し、ゲームオーバーになってしまったとしても、手に入れた“情報”や“テクノロジー”はなくならない。失敗を続けていれば、いずれは強力な仲間や武器を入手できるということだ。

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アンロックできる武器は、自分で選択できる。アンロックした装備は、ミッション中にランダムで出現する。

ランダム要素なし、パズルを解くように楽しめるバトルシステム

 次に、バトルについて解説していこう。本作の最大の特徴は、少し変わったゲームシステムにある。それは、冒頭でも記載した通り“ランダム要素がない”という点だ。

 RPGに慣れている読者なら想像はできるかもしれないが、わかりやすく言うと、“数値通りのダメージしか通らない”システムとなっている。

 俗に言う“かいしんのいちげき”はないし、“きゅうしょ”に当たることもない。運に左右されない、自分の腕だけが頼りのバトルになるのである。

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クリティカルは存在するが、それすらもあらかじめ数値化されている。さらに、ランダムの確率で発生するものではない。

 バトルは最大6人パーティーによるターン制のシステムで進行していく。プレイヤーはスキルを選択し、選んだスキルによって決められた順序で敵とプレイヤーが攻撃を行う。すべての敵の“ライフ”をすべて削れば、戦闘は勝利となる。

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スキルによってダメージや効果が異なる。その状況に応じて臨機応変にスキルを選択する必要がある。

 各キャラクターには、敵味方ともに、“ライフ”、“シールド”、“アーマー”という3つのゲージが存在する。

 “ライフ”は文字通り生命力。これがなくなれば、そのキャラクターは力尽きてしまう。チーム全員のライフがなくなると、ゲームオーバーとなり、“レネゲード基地”に強制的に戻されてしまう。

 “シールド”は、“ライフ”を保護する、言うなれば第二のライフといったもの。“シールド”をすべて削られても戦闘は可能で、一度戦闘が終了すれば、シールドは全回復する。また、“シールド”を回復するスキルも存在する。

 “アーマー”は、その数値の分だけダメージを軽減するというもの。例えばアーマーが10の場合、ダメージが10だとシールドにすらダメージを通すことができない。アーマーを破壊するスキルを選択すれば、その枚数を徐々に減らすことができる。

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アーマーを持っている敵に対しては、ダメージの通りが悪くなってしまう。アーマーを破壊できるスキルか、アーマーを貫通するスキルを選択しよう。

 そして、大事な要素である攻撃の順番。各キャラクターの速度と選んだスキルにより、攻撃の順番が決定する。

 敵・味方問わずキャラクターの順番が回る前に攻撃を与えると、“クリティカル”が発生。スキルに設定されている“クリティカルボーナス”の効果を追加で得られるのだ。

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クリティカルボーナスは、スキルの選択時に確認できる。

 この“敵の順番が回る前に攻撃を与える”ことこそが、本作の戦闘において非常に重要なのだ。

 敵より先に攻撃してクリティカルを発生させることで敵を“よろけ”させられ、敵の順番を遅らすことができる。

 敵の順番が画面上部にある行動ゲージの外に行くと、“ブレイク”が発生。“ディレイ”という表示とともに、敵を1ターン行動不能できる、強力なシステムとなっている。なお、よろけ回数は1回、2回などとまでと決まっており、行動するとリセットされる。

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ディレイを使いこなせば、強力な攻撃に備えて敵の行動を阻害できる。本作での戦略は“ディレイ”を使いこなすことで初めて機能するだろう。

 戦闘システムはやや複雑だが、覚えるとパズルのようにひも解くことができる。

 簡単にまとめると、“敵より先に行動してクリティカルを可能な限り発生させる”、“よろけを重ねてブレイクさせ、敵の行動を阻害する”、“アーマーを削りながら、敵のライフを0にする”という流れが、バトルの基本となるだろう。

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アーマーを削る、クリティカルを発生させる、ダメージを与える……。攻撃1つにもさまざまな効果を発揮する。

 バトルの要素は、理解すればするほど奥深くなっていく。ゲームを遊びたてのうちは、「よくわからないけど、よりライフを削れる行動にしよう」と妥協してしまうかもしれないが、“よろけ”と“ブレイク”などを効率よく回すことで、自チームの被ダメージの軽減、与ダメージの増加が可能だ。

 なにより、ランダム要素がないため、すべて数値通りの与ダメージ・被ダメージになる。慣れてくれば効率よく戦闘するのが癖になり、スムーズに戦闘を終わらせられた時には、パズルを解いた時のような快感を得られることだろう。

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敵を撃破した時の爽快感はバツグン。複雑なシステムだからこそ、得られる気持ちよさだ。

キャラとスキルの組み合わせが熱い! 最強の編成を考えよう

 本作では、14体の“レネゲード”というキャラクターから、3人をチームに編成できる。レネゲードは、“レネゲード基地”内にある“心理学センター”からアンロックが可能だ。

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少ないリサーチのレネゲードをアンロックするか、リサーチは多いが使いたいレネゲードをアンロックするか、好みで選択しよう。

 レネゲードによって特徴が異なり、ライフやシールドが多いレネゲード、攻撃スキルが強力なレネゲード、味方のシールドを回復できるスキルを持つレネゲードなど、さまざまだ。

 選ぶ3人のレネゲードを考えるのも本作の楽しみの1つ。盾役・攻撃役・回復役のバランスいい編成から、3人攻撃役による攻撃的な編成、盾役を外して、攻撃(よろけ・ブレイク)役・攻撃(ダメージ)役・回復役という役割を持たせて戦う編成など、自分が思う最強の編成を組んでみよう。

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アンロックしていないレネゲードは、選択できない。敵を撃破して、リサーチをためていこう。

 レネゲードの解放は、使っているレネゲードの強みがちょうどわかってきたあたりで、新たなレネゲードをアンロックできる、ちょうどいいタイミングなのがニクいところ。

 すべてのレネゲードを使えるようになるのは時間がかかるが、1人ずつ特徴を覚えて、より効率のいい戦闘をこなせるようになっていくのが、おもしろいところだ。

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ちなみに、レネゲードの名前は自由に変更できる。使えない文字もあるが、ひらがな・カタカナ・漢字が使用可能だ。

 ひと通り遊んでみた感じたことは、「なにより戦闘システムが癖になる」ということ。ランダム要素がないため、頼れるものは自分の頭脳のみ。

 ゲームの理解度が高まれば高まるほど効率よく戦闘をこなせるし、苦戦していた戦闘をクリアできた時は、本作だけの楽しさを味わえる。

 ゲームの難易度は高めだが、ゲームを理解すれば他にない奥深さを楽しめるのが、本作の魅力である。ぜひ遊んで、この気持ちを味わってほしいところだ。

スペック

  • タイトル:スターレネゲード
  • ジャンル:ターン制バトルRPG
  • 発売日:2021年4月28日予定
  • 価格:3,300円(税込)
  • ハード:PlayStation4/Nintendo Switch/DMM GAME PLAYER
  • プレイ人数:1人
  • 言語仕様:日本語
  • CERO:B(12才以上対象)
  • 開発:Massive Damage, Inc.