LRボタンを追加したコントローラーが画期的だった

 1990年(平成2年)11月21日は、スーパーファミコンが発売された日。本日でちょうど発売から30周年を迎えた。

 スーパーファミコンは、任天堂から発売された据え置き型ゲーム機。ファミリーコンピュータの後継機で、おそらく多くのユーザーは“スーファミ”の愛称で親しんでいたのではないだろうか。各ハードメーカーが次世代機を発売する中で本機は何度か延期したため、発売自体は後発。筆者を含めた当時のゲームキッズたちは、けっこうやきもきさせられたものだった。

 コントローラーは本体から脱着可能となって、新たにX、Y、L、Rボタンが追加。以降は親指で押下する4つのボタンに、人差し指などで操作するLRボタンを加えた形がゲームコントローラーの基本形となっていった。途中、ニンテンドウ 64やゲームキューブのコントローラーで配置が変わったものの、現在でもこの形が踏襲されているのだから大発明だったと言っていいだろう。当時としてもLRボタンの存在は画期的だったので最初はけっこう戸惑ったが、すぐに慣れてその便利さに気付かされたのを覚えている。

スーパーファミコンが発売30周年。拡大・縮小・回転機能を搭載したファミコンの後継機で数々の名作を生み出した【今日は何の日?】

 本機の最大のセールスポイントと言えば、やはり“拡大”、“縮小”、“回転”機能が備わっていること。ゲーム演出の可能性が一気に広がり、各メーカーが工夫を凝らしてゲームを盛り上げてくれた。現代の感覚では「そんなことがセールスポイント?」と思うかもしれないが、当時のゲームマシンではそんなことすらぜんぜんままならなかった。ゆえに、多くのゲームファンたちは機能を初体験した際に感動に打ち震えたに違いない。『F-ZERO』ではコースを疾走するスピード感とカーブなどが近づいてくる迫力に圧倒されたし、『パイロットウイングス』のスカイダイビングでは落下の臨場感に体の一部がヒュンとなったりした記憶もある。大げさではなく、当時のゲームファンたちはゲームの中で何かが拡大縮小回転するだけで「おおっ!」と感嘆の声を上げていたものだった。後にはスーパーFXチップを搭載した『スターフォックス』なども登場し、3Dポリゴンを使った表現も可能になったのは驚かされた。

スーパーファミコンが発売30周年。拡大・縮小・回転機能を搭載したファミコンの後継機で数々の名作を生み出した【今日は何の日?】
『F-ZERO』

 ゲームの大容量化が進むにつれ、ソフト価格が高騰していったのもいまとなっては懐かしい思い出。ロムカセットのそもそもの値段が高かった影響だと思うが、一部のソフトは10000円を超えていたので、現代と比較しても高い金額だったと言える。筆者が購入したものでいちばん高額だったのは『スーパー三國志II』で14800円だったような……。もっともコーエーのシミュレーションはもとから高かった気もするが(笑)。ちなみに、ローンチタイトルは『スーパーマリオワールド』と『F-ZERO』の2本のみと少しさびしいスタートだった。

スーパーファミコンが発売30周年。拡大・縮小・回転機能を搭載したファミコンの後継機で数々の名作を生み出した【今日は何の日?】
『スーパーマリオワールド』

 1998年3月27日には、廉価版のスーパーファミコンジュニアが登場。カセットのイジェクト用のボタンや拡張端子などが削除されたため、小型化されてデザインを一新している。2017年10月5日には、ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコンが登場。ミニファミコンに続いて発売され、ゲーム機の復刻版ブームに拍車をかけていたのも記憶に新しいところだろう。

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スーパーファミコンジュニア
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