リリースから7年が経過したいまもなお、アプリゲームの最前線で新鮮な驚きと熱い興奮をユーザーに届け続ける『モンスターストライク』(以下、『モンスト』)。

 今回はファンを熱くさせた7年間と、その裏にある“共創”というキーワードについて、長年に渡りサプライズを提供してきた仕掛け人である、マーケティングコミュニケーション部 部長 岡野吾朗氏にお話をうかがった。

岡野吾朗氏(おかのごろう)

ミクシィ
モンスト事業本部マーケティングコミュニケーション部 部長

――『モンスト』が7年にわたってユーザーからの支持を集めていることについて、岡野さんが考える人気の理由をお聞かせください。

岡野まずひとつには、ゲームとしてのクオリティがあると思っています。もうひとつが、コミュニケーションツールとしての側面ですね。いまはインターネットを通じて、知らない人とでも時間や場所を選ばずにやりとりすることができますが、『モンスト』は時間と場所をともにして“実際に会って遊ぶ”という体験を大事に考えてきました。

  “人と人との直接的なコミュニケーションを大切にする”という価値観が世の中に理解され、必要とされてきた結果がいまにつながったと考えています。

――人と人とをつなぐという、『モンスト』のコミュニケーションツールとしての性質に需要があったわけですね。

岡野ゲームは単体だと飽きたりすることもありますが、誰かと会話したいという欲求は飽きのこない普遍的なニーズだと思います。それを提供し続けてきたことが、7周年を迎えられた理由ではないでしょうか。

――『モンスト』によるコミュニケーションを提供するにあたって、心掛けてきたことがあれば教えてください。

岡野昔から会社の中でよく言われていたのが、“ユーザーサプライズファースト”という言葉ですね。驚きがなぜ起こるかと言うと、意表を突くような新しさがあるからだと思うんです。

 つねに驚きを追求してきたからこそ、フレッシュな体験を提供し続けることができたのだと考えています。

――7年間を振り返り、記憶に残る出来事があれば教えてください。

岡野印象に残るのは3周年のキャンペーンですね。その直前には“XFLAG PARK”の初回開催があり、少し後には劇場版アニメの公開を控えていた流れもあって、『モンスト』が全体的に盛り上がりを見せていました。

――“XFLAG PARK 2016”が2016年9月25日開催、映画『モンスターストライク THEMOVIE はじまりの場所へ』が同年12月10日に公開と、イベントが密に詰まっていましたね。

岡野その結果、当時すでに3年目のゲームでありながら過去最高のアクティブユーザーを記録したんです。『モンスト』の価値や勢いが十分に発揮されたことで、3年という時間を経てもなお多くの人に受け入れられた、というのが非常に強く印象に残りました。

 結果として、その後の周年イベントにも期待を寄せていただけるようになったと感じています。

――今回開催された7周年記念キャンペーンでは、“この指とまりやがれ”というテーマが設定されていました。

岡野周年のタイミングは今後の話だけでなく、過去を振り返るタイミングでもあると考えています。それで7周年を前に『モンスト』のこれまでを一度振り返ってみたところ、我々のルーツのひとつに“共創”というものがありました。

 この言葉が意味するところを考えてみると、子どもたちが遊ぶときの「この指止まれ」に行き着いたんです。それが今回のテーマのもとになっています。『モンスト』は社内だけで作ったものではなく、外部の方ともいっしょに作ってきた歴史があるんです。たとえば、『モンスト』が広がっていくきっかけのひとつになったのは、YouTuberの皆さんでした。

――『モンスト』は公式・非公式の両面で、YouTubeでの露出が多い印象がありますね。

岡野現在は公式チャンネルで配信している“モンストニュース”は、当初はマックスむらいさんのチャンネルで展開していました。また、M4(『モンスト』うまい4人組)には、人気YouTuberのヒカキンさんが初期メンバーとして在籍していました。

 『モンスト』をともに広めていく仲間たちが大勢いましたし、いまもさまざまなクリエイターの方々に動画を投稿していただいています。

――こうした“共創”こそが『モンスト』を作り上げた原点なのですね。

岡野外部の方々といっしょに盛り上げてきたことが我々のルーツのひとつであり、それも『モンスト』の魅力だと思っています。これまでは“ゲーム外”での共創が多かったので今度はゲーム内での共創に挑戦してみようと、2020年8月には外部クリエイターの方と手を組んでクエストを作る試みも行っています。

――8月に開催された“怪物的熱狂創造夏祭”では、野性爆弾・くっきー!さんがクエストやキャラクターを作成して話題になりました。

岡野もし外部のクリエイターに参加していただくならどんなステージができあがるか、というところから、くっきー!さんが持つ独自の世界観に行き着きました。このイベントでは、ほかにYouTuberのはじめしゃちょーさんや、公式動画などに出演しているタイガー桜井さん、しろさんら獣神のおふたりにもクエストを創造していただきました。

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――10月の7周年記念イベントでは、外部クリエイターとしてKj (Dragon Ash)さんが参加されました。Kjさんを起用したきっかけについて教えてください。

岡野つぎはユーザーの方とも組んでみようということで、何かを作れる方を探したときに挙がったのがKjさんだったんです。Kjさんは本気でやり込んでいるガチユーザーとして有名で、過去にはプロチーム“GV”の応援としてプロツアーにも参加されています。

――ユーザー代表としてのKjさん、という人選だったんですね。Kjさんは今回のイベントには、どのような形で参加されているのでしょうか。

岡野ゲーム内で開催された7周年記念クエストのBGMとして、Kjさんにオリジナル楽曲を書き下ろしていただきました。コラボレーションムービーも公開しているのでぜひ確認
してみてください。

MONSTER STRIKE 7th Anniversary『Golden Angle』Collaboration Movie

――今年9月にはドン・キホーテとのコラボがありました。ディスカウントストアとのコラボは珍しいですよね。

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岡野遊んでいない方からすると、日常生活の中で『モンスト』の存在を認識する機会は少ないと思います。一般消費財であれば、お店で目に触れることも多いですが、無形のコンテンツだとそれは難しい。生活の動線上で目に触れる機会を増やしていくことは、ゲームを遊んでいない人にも『モンスト』の存在をアピールするきっかけになるんです。

――こうしたさまざまな“共創”には、今後も期待してよろしいのでしょうか。

岡野ゲームは音楽やアート、ギミックなどさまざまな要素が詰まったコンテンツです。この総合性を考えると、さまざまな人といっしょに作っていける余地はあると思います。驚くような組み合わせがあれば会話が生まれますよね。コミュニケーションのきっかけを生む存在として、『モンスト』が成り立てばいいなと考えています。

――社会の変化が激しい昨今ですが、新しい生活様式に対応した施策の予定はありますか。

岡野まだ具体的なアウトプットとしては考えてはいませんが、やっていきたいですね。今後世の中のありようがどう変わるかにもよりますが、いろいろなチャレンジが行われているのは事実ですし、いいものはもとの日常に戻った後も残ると思います。まだ具体的な段階ではありませんが、そういうものを開発できればいいですね。

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