2020年9月23日~27日までの期間、初のオンラインで開催となった“東京ゲームショウ2020 オンライン”(TGS2020 オンライン)。ガンホー・オンライン・エンターテイメントは25日に“ガンホーTGS公式特番~キングオブゲーム実況~”を放送した。
お笑いタレントの今田耕司さんと東野幸治さんの“Wコージ”がMCを担当するという、テレビ番組でもなかなか見られない豪華さ。吉本興業所属タレントを中心にゲーム実況に参入する芸人が多い昨今、ゲームに携わる仕事がしたい芸人たちを集めて未来のゲーム実況最強芸人を決めるという企画だ。
プレイするのは、もちろんガンホー・オンライン・エンターテイメントのNintendo Switch用ソフト『ニンジャラ』。いったい誰が初代キングオブゲーム実況の座に輝くのか、番組の模様をリポートする。
2連覇なるか!? 翌日放送の『キングオブコント2020』ファイナリストも参戦!
番組開始早々、TGSの公式放送に呼ばれたことに困惑した様子を見せる今田さん。東野さんは30年前に今田さんが言っていた「ゲームなんか2時間も3時間もやってたら、俺何してたんやろっていつも後悔する」というセリフを思い出すという。
しかし、時代は変わった。今田さんはYouTubeで、東野さんはMildomでそれぞれゲーム実況を行っている。ほかにも、すゑひろがりずや狩野英孝さんなど、ゲーム実況によって人気を獲得しているタレントは増えている。
そこで今回は“キングオブゲーム実況”と題して、8組の芸人が『ニンジャラ』のゲーム実況動画を作成。これを今田さんと東野さんが審査して、優勝者を決定する。
1組目:ゆりやんレトリィバァ
先頭バッターはゆりやんレトリィバァさん。お笑い系の賞レースにおいて先頭は不利と言われることが多いが、ゲーム実況ではどうなのか。
ゆりやんレトリィバァさんは、最近出演中のテレビ番組でその才能を開花させたラップによる実況を披露。これまでにはいなさそうな新スタイルの実況だが、東野さんは「なんか(ラップが)邪魔やな」と一蹴。今田さんも「字幕がないと見ていられない」と、生放送では成立しないことを指摘した。
総評として、「やっぱりゲームが主役やないとアカン」と東野さんがゲーム実況としてのありかたを示した。全体的に厳しいコメントが続いたが、今田さんは「でも最後オナラで終わるのはええけどな」と笑いながらコメントした。
2組目:空気階段
なんと、翌26日に決勝戦が放送される『キングオブコント2020』のファイナリストである空気階段が参戦。キングオブゲーム実況とキングオブコントの2冠達成なるのか、注目だ。
大事な決勝戦を控え、ここで負け癖がついては困ると意気込む空気階段のふたり。コンビで会話ができるアドバンテージもあり、序盤は審査員のふたりも好感触の様子。
しかし、ゲームプレイの合間になぜか空気階段へのインタビューが実写で流される。もはやゲームプレイよりもインタビューがメインとなり始め、東野さんも「あの、ゲーム見してくれません?」とド正論のツッコミ。
その後もゲーム終盤の大事な場面がゴッソリ実写映像に置き換わっているなど、まさしく“ゲームが主役になっていない”動画となってしまった。
3組目:うるとらブギーズ
空気階段に続き、『キングオブコント2020』ファイナリストがまさかのもう1組登場。大事な決勝戦に影響がないことを願うばかりである。
実況の方はというと、マッチング待ちの練習モードをちらっとプレイしただけで、すぐに空気階段同様実写映像に切り替わってしまう。歌が得意だというツッコミの佐々木さんがギターを弾きながらオリジナル楽曲を歌い始め、またも東野さんから「ゲーム実況見せろや」というツッコミが飛び出た。
歌とゲームプレイを合わせた実況スタイルを見せるものの、やはり歌がメインになっている模様。最終的に「コントと歌を聞いてもらいたい」とゲーム実況そっちのけのコメントが飛び出したところで終了した。
今田さんには歌とゲームのコラボが刺さったようだが、東野さんは「シンプルなゲーム実況が見たい」と一言。はたして一癖も二癖もある芸人たちのシンプルなゲーム実況は見られるのか……。
4組目:品川祐(品川庄司)
つぎは、最近ずっとゲームばかりやっているという品川さん。“おしゃべりクソ野郎”の異名を持つだけあって、実況には自信があるという。
つぎは、最近ずっとゲームばかりやっているという品川さん。“おしゃべりクソ野郎”の異名を持つだけあって、実況には自信があるという。
感情豊かに実況しながらプレイする様子はこれまでの挑戦者のなかでもかなりそれっぽさが出ていたのだが、なぜか映像は実写に切り替わってしまう。相方の庄司さんとはずっと仲が悪かったが、ゲームを通してならお互いに助け合ったり素直に感謝したりできると、ゲームメーカーもニッコリなエピソードを披露した。
その後もゲーム実況自体の評価は高かったのだが、あまりにも本気で目をギラつかせて仕事を獲りに行く姿勢に「なんかねキラキラしてないんだよ」と今田さん。ついには、結果発表を待たずに「無理! 品川!」と落選が告げられてしまった。
5組目:津田篤宏(ダイアン)
こちらもYouTubeやMildomでゲーム実況をよく行っているダイアン・津田さん。これは優勝候補かと思いきや、MCふたりの評価は芳しくない。
普段から口が悪いとの今田さんの話が出たそばから、現在の仕事状況をまたも実写映像て愚痴り始める津田さん。コロナ禍でバラエティ番組も出演者数を減らさざるを得ない状況のようで、今田さんによれば、まず削られる出演者は「全番組ダイアン津田なんですよ」だそう。もはや『ニンジャラ』とは何の関係もないただのぼやきになってしまい、東野さんからは「俺、絶対見ぃひんこんな奴」と辛らつなひと言が飛び出した。
結局ほとんどゲームをプレイしている様子は映されなかったが、どうやら初挑戦で1位を勝ち取ったらしい。ゲームのセンスはあるのかもしれないが、やはりその態度が審査員にはあまりハマらなかったようだ。
6組目:くまだまさし
舞台や営業がメインのお仕事だというくまださんは、津田さんよりもさらにコロナ禍の影響を受けているという。うすうす気づいているかもしれないが、もはや『ニンジャラ』はほとんど関係なく芸人たちの苦しい現状を吐露する番組と化している。
しかし、くまださんは今回の企画に自信があるという。というのも、ガンホー・オンライン・エンターテイメントの森下一喜社長とはプライベートでも交流があり、森下社長の誕生日にはお祝いVTRを送った仲なんだそう。
相変わらずプレイ動画はかなり少なめだが、くまださんは爆笑必至のネタを披露してくれた。コロナ禍においては人前で披露できないネタのため、貴重な映像かもしれない。
7組目:大山英雄
シンガーソングライター・福山雅治さんのモノマネを得意とする、自称“吉本の福山雅治”こと大山英雄さん。『ニンジャラ』どころかゲーム自体ほとんどやったことがないようだが、明るく福山さんの歌を唄いながらプレイスタート。
と、思いきや……というかやはりというか、すぐさま実写映像に切り替わる。またもコロナ禍で味わった地獄について語り始める。これには東野さんも「こんな話ばっかりやん」と笑いながらツッコミ。「ゲーム見ようや」との声もむなしく、『ニンジャラ』に関係のない話が続く。
大山さんは吉本興業に数多く所属している芸人の中でも、1年間の劇場出演回数が毎年ナンバーワンだという生粋の“劇場芸人”。それが外出自粛で劇場も公演中止となってしまったため、公演再開までまさかの117連休を経験したという。
その長すぎる連休があまりにも暇で、もともと得意だった料理をし始めたという大山さん。ここでなぜか、料理動画が始まってしまう。
映像から漂うあまりの悲壮感に、「(ガンホーではなく)吉本興業の社長に見せたら?」という意見も。
8組目:ハリウッドザコシショウ
最後は、『R-1ぐらんぷり2016』優勝者のハリウッドザコシショウさん……なのだが、出演が急遽決定したためゲーム本体を用意できなかったとスタッフから告げられる。
「ガンホーさんに見せられへん」と口を揃える今田さんと東野さんだったが、なんと衝撃の事実が発覚。ガンホーの森下社長が直々にリクエストしたために急遽出演が決定したのだという。
くまだまさしさんとの付き合いといい、森下社長はお笑い好きな一面があるようだ。そして、これにて全8組の動画が出そろった。後は審査員長の今田さんによる最終ジャッジを待つのみとなった。
優勝は『キングオブコント2020』ファイナリストのあのコンビ!
優勝者発表の前に、お知らせコーナー。ここまで9割以上コロナ禍の芸人事情を見ていたので忘れかけていたが、あくまでも本番組は『ニンジャラ』を中心としたガンホーの公式番組なのである。
そしていよいよ優勝者発表の時間に。今田さんもかなり悩んだ様子だったが……。
見事優勝を果たしたのは、うるとらブギーズ。『キングオブコント2020』でうるとらブギーズが優勝すれば、うるとらブギーズの知名度が上がり、そのうるとらブギーズが実況する『ニンジャラ』にも注目が集まるのではという戦略的な裏事情もあっての選出だったようだ。
今田さんの思惑どおりになるかどうか、興味のあるかたはぜひ『キングオブコント2020』の結果も見届けてみてほしい。
※記事内の画像は配信画面のキャプチャーです。