“男たちは己の悲運より、友のために涙を流した。”とのキャッチコピーに込められた意味は?

 いまから13年前の2007年(平成19年)9月13日は、プレイステーション・ポータブル(PSP)用ソフト『クライシス コア -ファイナルファンタジーVII-』(以下、『クライシス コア -FFVII-』)が発売された日。

『クライシス コア -FFVII-』がPSPで発売された日。『FFVII』の前日譚でザックスの生きた証がクラウドに受け継がれるまでを描いた感動作【今日は何の日?】

 『クライシス コア -FFVII-』は、プレイステーションで発売された『ファイナルファンタジーVII』(以下、『FFVII』)の派生作品。『FFVII』は“COMPILATION of FINAL FANTASY VII”として派生作品が多数発表されましたが、本作はそのなかの1本になります。PSPで発売されたソフトですが、グラフィックのクオリティーがとても高く、とくにムービーシーンはいま見ても引き付けられるものがあります。

 同作の主人公は、セフィロスに憧れてソルジャーになったザックス。彼を軸に、『FFVII』の7年前のストーリーが描かれます。『FFVII』本編をプレイした人ならおわかりになるかと思いますが、7年後、多くのキャラクターには波乱に満ちた運命が待ち受けており……。それゆえに、本作をプレイするに当たっては、全編を通して重いものを感じる人が多いはず。ザックスは明るい性格のキャラクターだからこそ、物語を進めていて切なくもなります。

『クライシス コア -FFVII-』がPSPで発売された日。『FFVII』の前日譚でザックスの生きた証がクラウドに受け継がれるまでを描いた感動作【今日は何の日?】
『クライシス コア -FFVII-』がPSPで発売された日。『FFVII』の前日譚でザックスの生きた証がクラウドに受け継がれるまでを描いた感動作【今日は何の日?】

 ストーリーに関してはネタバレになるため控えておきますが、本作をプレイすることで『FFVII』でクラウドがどうしてすべてを背負い込もうとするのか、エアリスはなぜオープニングであの場所にいたのか、といったことが明かされます。

 その事実を知っているかどうかでキャラクターへの理解度が大きく変わってくるので、ぜひ『FFVII』と『クライシス コア -FFVII-』はセットでプレイしてもらいたいですね。

『クライシス コア -FFVII-』がPSPで発売された日。『FFVII』の前日譚でザックスの生きた証がクラウドに受け継がれるまでを描いた感動作【今日は何の日?】

 本作に登場するオリジナルキャラクターで、とくにキーマンとなるのはザックスの先輩でバスターソードの持ち主であるアンジール・ヒューレーと、彼の幼なじみであるジェネシス。

 アンジールを演じている井上和彦さんも渋くて格好いいのですが、驚いたのはジェネシスを演じているのはGACKTさん。GACKTさんは『武刃街』というアクションゲームでもボイスを担当していましたが、改めて本作で演技のうまさに驚きました。さすが一流芸能人……。

『クライシス コア -FFVII-』がPSPで発売された日。『FFVII』の前日譚でザックスの生きた証がクラウドに受け継がれるまでを描いた感動作【今日は何の日?】

 バトルシステムに関しては、アクティブタイムバトルをアクション寄りにしたもので、“マテリア”を装備することで技や魔法を使うことができました。

 特徴的なのは“D.M.W(デジタル・マインド・ウェーブ)”というシステム。戦闘中に3つのリールが回転し、揃った目によってさまざまな効果が現れるというもの。リールの絵柄は本作の登場人物や召喚獣で、リーチになると回想シーンの演出が導入されるなど、スロットゲーム的な楽しさがありました。

 PSPでしか発売されておらず、ダウンロード版も存在しないタイトルであるため、いまプレイするのは少しハードルが高いですが、当時プレイしていなかった人はもちろん、『ファイナルファンタジーVII リメイク』で『ファイナルファンタジーVII』の世界に初めて触れた人もぜひ体験してもらいたいです。そして、キャッチコピーの“男たちは己の悲運より、友のために涙を流した。”に込められた意味を知ってもらえるとうれしいです。

『クライシス コア -FFVII-』がPSPで発売された日。『FFVII』の前日譚でザックスの生きた証がクラウドに受け継がれるまでを描いた感動作【今日は何の日?】
『クライシス コア -FFVII-』がPSPで発売された日。『FFVII』の前日譚でザックスの生きた証がクラウドに受け継がれるまでを描いた感動作【今日は何の日?】
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