最初は小説のメディア展開としてはじまった『女神転生』
いまから33年前の1987年(昭和62年)9月11日は、ファミリーコンピュータ用ソフト『デジタル・デビル物語 女神転生』が発売された日。
『デジタル・デビル物語 女神転生』は、いまなお人気の『女神転生』シリーズの原点となる作品。
ファミコン時代の『女神転生』は西谷史さんの小説、『デジタル・デビル物語』シリーズを原作とする、いわゆるメディアミックスの一環として発売されたソフトでした。
シリーズはスーパーファミコン時代にオリジナルの『真・女神転生』シリーズとなり、本作と続編の『デジタル・デビル物語 女神転生II』は後にスーパーファミコンでセットでリメイクされ『旧約・女神転生』として発売されました。
そのため、『女神転生』シリーズを『旧約』、『真・女神転生』シリーズを『真』と分けてカテゴリーされることが多いです。
なお、今回取り上げる『デジタル・デビル物語 女神転生』ですが、同名のソフトがファミコンのほかにPCでも発売されています。
PCのほうはファミコン版よりも先に発売されており、こちらはアクションゲームでした。
RPGで発売されたファミコン版は、原作第2巻である“魔都の戦士”の続編で、第3巻“転生の終焉”のパラレルワールド。オリジナル色の強いものになっています。
ストーリーはコンピューターを使って悪魔を召喚する“悪魔召喚プログラム”を作り上げた天才プログラマーの中島朱実と、イザナミ神の転生した姿である白鷺弓子のふたりが、大魔宮デビルポリスに挑むというものでした。
『旧約』と『真』は繋がりはないのですが、中島朱実と『真』に登場するスティーヴンが同一人物という説もあったりするので、ロマンがありますね(公式はスティーヴンの正体を明言していないので、答えはないのですが、そういう想像の余地があるのは楽しいですよね)。
ゲームは『ウィザードリィ』のような主観視点のダンジョンRPGで、現在では当たり前になったオートマッピングは存在しませんでした。マップもとにかく広大で攻略するのは大変でしたね。いちおう、“マッパー”の魔法を使うことで地図を表示することは可能でしたが……。
そして、本作の最大のポイントは敵である悪魔を仲間(仲魔)にできるという点でしたね。戦っている敵を仲間にできる作品といえば、1992年の『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』などがありましたが、1987年にはそうした要素をシステムとして取り入れていたから驚きです。
登場する悪魔が世界各地の伝承に登場する妖精や魔物、神だった点もプレイヤーの心を躍らせるポイントでした。古今東西の神話に登場する悪魔や神を仲魔として引き連れて冒険するのはワクワクしましたね。
また、仲魔にするだけでなく、その悪魔どうしを合成してより強い悪魔を仲魔にする“悪魔合体”も存在。その革新性はゲーム雑誌などで高く評価されました。「こんなに著名な存在どうしを合体させてひとつにしちゃうんだ!?」とゲームの自由度に驚いたものです。なお、新しい仲魔が登場するときのセリフ「こんごとも よろしく…」は本作から登場したものですが、いまではシリーズを代表する印象的なセリフになりましたね。
なお、『デジタル・デビル物語 女神転生』はNintendo Switchの『ナムコットコレクション』のDLC第3弾のひとつとして販売中。『ナムコットコレクション』にはセーブ機能や巻き戻し機能が搭載されているので、これらの機能を駆使すればオリジナルよりも手軽にプレイできます。ぜひ人気シリーズの原点に触れてみてください!
※使用している写真は一部『ナムコットコレクション』の『デジタル・デビル物語 女神転生』を含んでいます。